母体は、ゼネコン、デベロッパー、大手ハウスメーカー、公共工事などを請け負う特定建設業。発注者の要求品質基準や厳しいマニュアルに沿って長年たくさんの住宅施工を続けている工務店です。でも、年間数棟だけ建築家兼工務店として、住宅購入希望者の要望に応えて、自社で設計施工を行い、心を込めて素材重視、オーナーの想い重視の住宅を建てています。ヨシケン一級建築士事務所です。
大手ハウスメーカーの仕事が中心?
吉田純治専務 吉田建産は元々父が創業した建設会社でした。多い年では年間50棟以上の新築住宅の施工を請け負うこともある施工集団として長年仕事をやってきて、兄が社長として跡を継いでいます。以来現在まで15名の大工を中心とした施工会社として住宅を造らせていただいています。 大手ハウスメーカーやゼネコンの現場管理のマネジメント力や、お客様に不安を感じさせない信頼感、工事中のマナーやご近所様やオーナーへの気配り、現場に入る大工や技能者の服装などの面で日々学ばせていただいております。なぜ自社設計施工を始めたの?
吉田 一方私は別の建築会社で働いていました。30歳を過ぎ子供ができて、父親として今後どうやって家族を支えていこうかと本気で考えたときに決意して入社しました。元請け企業の決めたプラン、仕様に沿って施工ミスのない仕事をし納品するという仕事だけではなく、時には私が直接、オーナーの要望をじっくり伺い、土地をじっくり見て、プランを練って、お客様の期待に応え、「この家に住めて良かった」と言っていただけるような、住めば住むほど愛着が膨らんでいくような住まいづくりもやりたいと思ったのです。まずは自分の家から
吉田 自宅は20年前に私が設計施工しました。1階はブロックを二重積み2階は木造で、外壁は100ミリのF.P.板、窓はスウェーデン製の木製トリプルガラスのサッシも使い、断熱気密性能と耐久性にもこだわって作りました。当時としては性能面で最高水準を追い求め、ブロックを採用した住宅です。実は現在は木造住宅の施工技術が非常に進歩し、断熱性能も気密性能も我が家をはるかに上回る住宅を作ることができます。そのため当社では木造住宅を中心に施工させていただいています。素材の魅力にこだわる家づくり
吉田 私はお客様の要望を100%応えるために、まず最初の打ち合わせでお客様の要望をじっくり伺わせていただきます。それから敷地を見に行ったり、条件を満たすプランを何度も考え設計案をご提案します。私は住宅性能面で手を抜いた住まいづくりはしませんが、かといって性能オタクではありません。むしろお客さまにご提案したいのは「竣工した瞬間だけ頬ずりしたくなる、竣工時が100%価値」の住宅ではなく、「住んでいるうちに愛着を感じる、魅力が増えていく住宅」です。 タイル調サイディングや、無垢材風の床フローリング、ビニールクロスなどは竣工した瞬間には100%の輝きを発揮してくれますが、徐々に劣化しますし、どこか平坦でテロンとした感じがします。しょせん「偽物」なのです。 一方、たとえば樺のフローリングは年数を重ねるごとに素晴らしい艶と色合いに変化しますし、レンガは一枚一枚の風合いをいつまでも発揮してくれます。住む人を満足させるだけでなく、美しい街並み、後の世代にまで残したい住宅になるのです。年間数棟だけしかできませんが、そういったお客さまの幸せにつながるような住まいづくりを続けていきたいと思っています。狭小住宅、建築家コラボにもチャレンジしたい
吉田 オーナー様の暮らしのかたちをよく伺って住まいづくりに活かしていくことが第一です。家族数が少なく、予算も少ない方と一緒に、暮らす喜びを感じる狭小住宅を実現してみたいとも思っています。また若い建築家の持つセンスを当社の設計施工技術でフォローする方法での家づくりにもチャレンジしたいと思っています。記者の一言
道内の住宅業界グループでもヨシケンさんといえばよく知られる存在。吉田純治専務は真面目で実直なタイプなので、住宅を建てたい方は率直に要望と相談をするだけで良いと思います。決して押しつけることなく、理想の住まいづくりを支えてくれるはず。2009年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。