Story 取材記事

小さくても素敵に暮らせる  北広島市・小木曽さん

平成22年国勢調査によると、北海道の世帯人員は平均で2.27人。札幌市では2人を切っている区もあります。子どものいる家族が減って1人暮らしや夫婦2人暮らしの世帯が増えているのです。これからもっと増えるであろう1人世帯で素敵に暮らすにはどんな家がいいのでしょうか。

道南スギを張ったウッディな外観。エアコン配管をきれいに隠す工夫など、きめ細かい技も光る
道南スギを張ったウッディな外観。エアコン配管をきれいに隠す工夫など、きめ細かい技も光る
1階のリビングダイニング。床まである大きな窓は断熱性能の良い木製トリプルサッシなので結露の心配もほとんどない
1階のリビングダイニング。床まである大きな窓は断熱性能の良い木製トリプルサッシなので結露の心配もほとんどない
2階は、2つの個室の間に階段ホールがあり、そこが吹き抜けとなっている
2階は、2つの個室の間に階段ホールがあり、そこが吹き抜けとなっている
2階の個室は、客間などとして利用予定
2階の個室は、客間などとして利用予定
木製サッシを開けてみせる吉田専務。左上にあるのは、この家の主暖房である寒冷地対応エアコン
木製サッシを開けてみせる吉田専務。左上にあるのは、この家の主暖房である寒冷地対応エアコン
これから新しい生活が始まる小木曽さん
これから新しい生活が始まる小木曽さん

家を持つ方が安心な理由

1人暮らしをするなら、アパート住まいが一番気楽でお金もかからないように感じている人もいると思います。

しかし、「老後の生活設計を考えると家を建てておく方が安心だ」と小木曽さんは言います。
「老後にもらえる年金額は、生活費としてはギリギリだと思います。したがって、アパートを新たに借りようと思っても断られるケースが出てくるかもしれません。アパート代を払い続けても手元には何も残りません。それなら、毎月ローンを払えば老後はお金が出ていく心配のない持家がいい。年齢的に長期ローンを組める最後のチャンスなので決断するしかない」と思ったそうです。

小木曽さんは本州から北海道に移り住みました。今の会社に勤め始めてから、勤め先の社長を訪問してその暖かさに驚いたと言います。

「二十年前に建てられた家なのに暖かくて古くさくなっていない。その家が北方型基準で建てられたと聞いて、自分も建てるなら北方型住宅にしたい」と思ったそうです。床下が土間コンクリート方式で頑丈に造られており、その社長に「お金は多少かかるけどいいよ」と言われました。二十年以上住んでいる人の言葉だけに重みがあります。

ところが、いくつかの住宅会社にコンタクトをとってみたものの、北方型住宅について詳しい会社がまるでなかったそう。建てる以上は、性能や耐久性もきちんとしたものをと思っていた小木曽さんは、ヨシケンさんが北方型住宅に取り組んでいることをフリーペーパーに載っていた広告で知ります。

さっそく、建築途中の家を見学しました。外は暑い日でしたが、家の中は涼しく、「これは性能のいい住宅を造っているいのではないか。信頼できそうな会社だ」と感じたそうです。土間床コンクリート方式も、同社ではよく採用していると聞いて安心しました。

土地選びも困っていたため、ヨシケンさんの紹介でいくつか候補を絞り、最終的には職場から車で10分もかからない今の地を選びました。

もともとは平屋の予定

ヨシケンでは、国土交通省が選定した補助事業「北方型住宅エコプラス」に参加しており、北方型住宅基準はもちろんのこと、長期優良住宅の認定や断熱・気密性能もレベルアップした家を建てることができます。小木曽さんは吉田専務からの提案を受けてこのエコプラスで建てることにし、国からの補助金も受けられました。

老後も安心して住める家がテーマなので、もともとは平屋建てにする予定でした。ただ、北方型住宅エコプラス基準をクリアするには、あと1部屋足した広さにする必要があったので2階建てにしました。追加した2階の部屋は予備室として活用することに。

「ダイニングやお風呂などの水まわりが2階にあると、足腰が元気なうちはいいが、高齢になったときに暮らしにくくなるのではないか」そう考えた小木曽さんは、水まわりと寝室は1階に配置しました。屋根は小木曽さんの希望で勾配屋根に。2階は屋根裏部屋のような雰囲気で、友人が遊びに来た時の客間代わりなど、多目的に使用できそうです。

設備はオール電化。灯油代がこの先大幅に下がる見込みはなさそうですし、安全性や使い勝手を考えて決めたそうです。

とにかく暖かい

小木曽さんは、とにかく暖かさに驚いています。「多少お金はかかりましたが、窓などもいいものを使っていただいているし、末長く安心できると思います」と話します。 「アパート暮らしでは友達もなかなか呼べませんでしたが、これからは気兼ねなく遊びに来てもらえそうです」と笑顔で話していたのが印象的でした。

吉田専務は「ローコスト、省エネ、低維持費というテーマをうまく実現することができたと思います。小型の家なので、高性能エアコン1台で家中の暖房をまかなうことができ、試算では調理、給湯、暖房などすべて含めても月18,000円以内で済みます。今後は家の大きさも暖房方法も、これまでの常識とは変わってくると思います」と話しています。

記者の目

今から十数年前、大きな家が主流だった頃にハウスメーカーが「ふたりの家」という企画住宅を発表して話題になりましたが、今は1人暮らしの家が注目されています。今までなら賃貸住宅かマンションぐらいしか選択肢がありませんでしたが、今回のようなコンパクトな高性能住宅が増えてくることで選択肢が増えるのはいいことだと思います。

2011年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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