Column いえズーム コラム

自分の殻・限界を打ち破りたい人必見。限界集落を解消したスーパー公務員高野誠鮮さん

直売所で学生さん達に限界集落対策・自然栽培の価値について聞かれる高野氏


直売所で学生さん達に限界集落対策・自然栽培の価値について聞かれる高野氏

日本古来の伝統・風習にならう烏帽子親制度 お酒を酌み交わし(未成年は水で代用)親子のような間側になれば有料宿泊してもいいだろうという・・・


日本古来の伝統・風習にならう烏帽子親制度 お酒を酌み交わし(未成年は水で代用)親子のような間側になれば有料宿泊してもいいだろうという・・・

リンゴは無農薬自然栽培なんてできないと言われていたのに、自殺しようとした森の中で野生の果実が実っているのを見て・・奇跡のリンゴ著者の木村秋則氏も羽咋市神子原を指導しています


リンゴは無農薬自然栽培なんてできないと言われていたのに、自殺しようとした森の中で野生の果実が実っているのを見て・・奇跡のリンゴ著者の木村秋則氏も羽咋市神子原を指導しています

畑で木村氏の指導を受けられている自然栽培塾の塾生たち


畑で木村氏の指導を受けられている自然栽培塾の塾生たち

限界集落を救ったスーパー公務員高野誠鮮さんがTBSテレビ「夢の扉+」(2011年10月2日)に出ていました。私もつい半年前に取材に伺っていて、大いに感動したので、彼の凄さの一端を書きます。現状の自分の殻を打ち破りたい人は読んで欲しいです。時間がないので殴り書きです。すいません。

本物の宇宙船にこだわった

高野誠鮮さんは石川県羽咋市の職員であり、僧侶です。
元々テレビのディレクターなどをしていた高野誠鮮さんは、羽咋市の職員になってから「UFOでまちおこし」という「役場的に理解を得られにくい」アイデアで、実際にまちおこしを成功させた人でした。高野さん曰く・・・
「日本全国にある宇宙関連の博物館は全てほとんどゼネコンのプランで実施されており、ハリボテ(偽物)の宇宙船の模型などが設置されているが、その偽物を作るために膨大な費用がかかり、しかも偽物だから錆びたり、劣化したりするので毎年相当な維持費もかかってしまう。そこで私はロシアの宇宙船などを買い付けに行き本物を展示した。驚くことに本物を設置したほうが偽物よりも安く済んだ。ロシアの本物が羽咋市にあるということでNASAも調査に来た。本物を見たいと全国各地から多くの視察者が訪れるようになった。本物の持つ価値、オーラが人を引きつける。つまり「展示物は本物」にこだわろうとすると、自分で手配しなければならないから自治体職員にはなかなかできない。本物の宇宙船なんて買えるのか?ということから全部自分で始めた」

「農業をやったことがないやつが何を!「市が米を買い取るというのか!」

石川県羽咋市の神子原地区は勾配10度前後の棚田が連なる、約80戸の兼業農家がある農村集落で、年間の農業所得が1戸あたり約87万円。若者は跡を継がず高齢化率は54%に達していたといういわゆる限界集落でした。

1. 5次産業振興課を創設した羽咋市は、神子原地区の限界集落対策を高野誠鮮さんを担当者につけた。高野氏はわずか60万円の予算で企画を提出。まず集落の住民を集め「あなたたちの地域は、既に人が半減しもはや瀕死。両腕は壊死しかけている。集落が壊死するのを待つか、リハビリで再び元気を取り戻すかの瀬戸際だ。年商87万円では農業を継続できず、後継者も現れない。一次産業の弱点は市場に値段を決められてしまうこと。これまでのように米を作り、農協に出荷するという市場価格任せではなく、高く売るための努力をしよう」と呼びかけました。
すると農家の皆さんは大反発。「売れ残ったら市が責任を取るのか」「農業をやったことがないやつが何を言うか」と。169世帯中3世帯だけが自分の作った米50俵を高野氏に託すという厳しい船出だったそうです。

ローマ教皇に米を献上するという戦略

神子原地区は寒暖の差が激しく雪解け水で食味の良いお米がとれるということで(とはいってもそういう土地はここだけではないと思いますが)、そのお米を地域ブランドにして高く売るというのが高野氏の第1の発想。「神子原」という地名が、聖なる名前ではないかと考え、室町時代には巫女原と称し、住民が神事を大切にしてきたという歴史も知り、最初は皇室に献上し、食べていただこうと宮内庁の式武官に持って行ったものの実現できず、次はローマ教皇に献上しようとバチカンの大使館メールを送信。快諾され依頼ローマ教皇への献上が実現しているという。
海外のメディアが「ローマ教皇に米を献上した神子原の米」を紹介した結果、世界各国のカトリック信者から「ぜひ教皇がお食べになっているお米を食べてみたい」という問い合わせが届き、以来東京のデパ地下、そして富裕層の方々に、出荷時点での価格で5キロ3500円という値段で毎年完売できるようになった。自分達が作っている農産物が高く売れるようになったことを知った地元農家も高野氏を認めざるをえなくなっていった。


同僚・上司に反対されても実行する!役に立つから役人だ!

とにかく破天荒な企画力と決意と信念が高野誠鮮さんの凄いところ。事前に、役場内で稟議を出し、承認されなければ何もできないのは自治体職員だけでなく一般のサラリーマンも同じだと思うが、そのことを彼に聞くと
「役人は住民の役に立ってこそ」
「会議のための書類づくりは無意味で時間のムダ」
「できない言い訳を考える暇があったら実行すべき」
「役人に問われているのは問題解決能力だけ!」
と次から次へと、真面目な役場職員にあるまじき?言動の数々が飛んできます。

聞くと、高野氏の当時の上司が、高野氏の熱意に押されて「犯罪以外のことであれば全て責任を持つ」と言ってくれたから高野氏は、自分の信じる道を突っ走れるようになったそうです。懐の深い上司ですね。

他にもいろいろ高野さんは凄い企画を実現しています。

たとえば
烏帽子親制度
=観光地でも無い限り限界集落に人を集めることは非常に難しいわけですが、高野さんが始めたのは農家民宿で神子原に人を集めること。農家民宿をやるには、旅館業法や食品衛生法などの規制が受け入れ農家側に発生するので、農家の経済的負担が大きい。だからできない、と諦めるのではなく高野氏は日本古来の伝統・風習である「烏帽子親」制度を持ち出したのだ。成人し元服する際に、仮親を定める伝統・風習で、お酒を酌み交わすことで血縁に準ずる関係ができるというもの。
親子なら宿泊させても、たとえ有料宿泊を伴うものであっても法の規制を厳格に適用委すべきではないという趣旨で導入したという。まあ・・・なんという・・・・

移住者を選考・面接!
空き農地と家をセットに2万円で貸し出す企画。自然栽培を実施したい人で若者で子どもがいる家族限定で募集し、地元住民らで面接を行い、農業の厳しさを知った上で移住するのか確認した上で選考し移住させるという取組。これは移住者に補助金や土地の無償提供を行うなどの自治体が増えていることの逆をいく方法。この結果、志の高い若者世帯が移住し、集落に子どもが増え、そして農家カフェができてそこに観光客が押し寄せるというような効果が生まれている。集落に人を呼び込みたいからといって下手に出るのではなく、むしろ選考するという。なんとまあ・・・。

大学生を神子原に!
法政大学・早稲田大学・明治大学など全国各地の大学生が、棚田で大規模ひな人形を作るイベントを実施。毎年1500名もの観光客が棚田のひな人形を見に来てメディアでも紹介されているという。私が取材に行った日はたまたま女子大の学生さんが援農にきていましたし、明治大学の学生さんは、高野さんに、なぜ無農薬・自然栽培の農業を進めているのか、慣行農業はなぜダメなのかについて、地元の直売所で徹底的に質問していました。学生たちは、大学では聞けない限界集落の農業の実態と、自然栽培で農業をすることの価値、そのことによって生まれるものなどを熱く語り、学生たちは、人生観まで少し変わったという趣旨のコメントをしていました。その直売所自体も地元農家131戸に高野さんが企画を持ち込み、大議論の末に設立した施設でした。売る場を運営するというのは地元農家の人達には馴染みの薄いことだったようですが今や黒字経営。まちの賑わい拠点にもなっているようです。

自然栽培塾
奇跡のリンゴの木村氏を本を読み感動した高野氏は、車に飛び乗ってアポ無しで秋田の木村氏の元に行き、話を伺い、そして神子原で講演会を実施していただいたのだそうです。そして自然栽培塾を開始し、この神子原を自然栽培のメッカ?にしようと考え、毎月木村氏に来ていただき、畑で自然栽培志向の方々による塾を始めたとのこと。塾生は100人。田んぼで木村さんを取り囲んで話を聞いて聞こえる限度が100人位だからだそうです。凄い人を指導者に地域農業を変えようというこの発想・・・。

視察者から金を取る!
移住者・自然栽培塾の塾生・イベントでの集客・メディア取材、そして年間1000人を超える自治体職員や農業関係者などが視察におとずれるようになりました。応対するのは高野氏や自治体職員、地元農業者や新規就農者など・・・。もちろん応対には時間も費やすわけで、彼は1人あたり1000円の資料代をとりました。これを地域興しの原資にしているのです。視察の有料化でも先進事例です。

その他にも人口衛星を使った米の品質向上策と、このノウハウを他の自治体に売ることで設ける「自治体ビジネス」などでも既存の常識・役所の常識を打ち破る新機軸と次々に実現しています。高野氏は
「新しいことを始めるときには反発はあるもの。地域のためになることだという信念を持ち、行政内部や住民から度重なる反発を受けながらもめげずに取り組んできた」「地域の課題を本当に解決できているか再考すべき。実際は解決に繋がっていないプロジェクトが日本全国にどれだけたくさんあるか」「反対者がいたり予算が少ないことを言い訳にすべきではない」と述べていました。

逆境に晒され味方がほとんど居ない中でもよく勉強し、その自分を信じて行動する凄い人でした。北海道にもそういう人がたくさんいると北海道も変わるんでしょうが・・・
いやいや自分が少しでも変わればいいんですね

以上殴り書きですいませんでした。
正確なことを知りたい方は高野氏の書いた文章と資料がネット上にありましたので
参照ください。
http://www.jsapa.or.jp/chisan/hyosyo09/PDF/06-4.pdf

2011年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。