子育て+省エネ(ZEH)の注文住宅/猪子建設・猪子真治部長の自邸・音更町

工務店の社員は、自分と家族のために、どんな家を建てるのか・・・興味ありませんか?

家族の生活環境が第1

今回取材に伺った猪子邸は、2018年2月に、音更町の住宅街に完成しました。

施主の猪子真治さんは、十勝・音更町の工務店「有限会社猪子建設」の猪子茂昭社長の息子さんで、20代は大工をしていました。現在は営業部長としてお客さんとの打合せや工事管理などを担当しています。



自邸を建てることになったのは、保育園に通う2人の子どもの生活環境を整えたかったこと、そして猪子建設で経理として働きながら、子育てにも奮闘する奥様(亜依さん)の家事負担の軽減も踏まえてのことです。

そのため、真治さんは、亜依さんとの打合せを重ね、子育て環境と家事動線や掃除のしやすさなど、亜依さんの要望を大切に、家づくりに取り組みました。

高気密高断熱&太陽光発電のこだわり⇒ZEH住宅への挑戦

ただし、真治さんの家づくりのプロとしての思いも実は家づくりにしっかり込められています。

断熱・気密性能を高い水準にし、同時に太陽光発電による創エネも導入、家計に優しい住宅を目指すネットゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の挑戦や、猪子建設が重視する、子育て世代向けの住まいづくりにも役立つ新製品やアイデアの導入も行っています。

屋根には8.26KW(キロワット)の発電ができる28枚の太陽光パネルを設置しています。この家は、国土交通省がZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の普及拡大を目指して進めている、省エネや地球環境に優しいゼロ・エネルギー住宅(地域型住宅グリーン化事業)の補助金を受けています。



まず特筆すべきは断熱性能です。外壁の断熱は、高性能グラスウールで280ミリ。窓もトリプルガラスを採用し断熱ブラインド(ハニカムサーモスクリーン)も導入、玄関ドアも高断熱仕様です。



窓をトリプルガラスにして、ハニカムサーモスクリーンも設置すると、窓からの冷気はかなり少なくなります。

このように、猪子邸は、家全体の熱の逃げにくさを示す熱貫流率(UA値)で0.25W/m2・Kを切る高性能住宅で、しかも太陽光発電を取り入れています。実際に1年2年と暮らしてみて、光熱費がどうなるか、結果も後日猪子建設さんの公式サイトのブログでリポートされると思いますのでお楽しみに。

外観は意匠性とメンテナンス負担軽減の両立



外観は、一階が木(十勝のカラマツ)の板張りで、ナチュラルな素材感を追求しました。板張りだと定期的なメンテナンス(塗装)も必要になりますが、1階部分だけであれば、足場を組むことなく塗り替えができます。



板張りの外壁に似合う玄関ドア。これはYKKAPの高断熱玄関ドア「イノベストD70」という新製品で、断熱性能が熱貫流率(U値)で0.90(W/m2・K)と、トリプルサッシ並みの高い断熱性能を持つため、玄関内を暖かく保てる上に、省エネや結露防止などにも効果があります。しかも鋼製の玄関ドアには見えない、天然木の板張りになっているため、板張りの外壁にも似合う意匠面でもすぐれた玄関ドアです。



一方、2階の外壁は樹脂サイディング(ゼオンサイディング)を採用しました。この製品は素材そのものに色が付いていて、塗装で着色しているわけではなく耐久性も高いので塗り替えが必要ありません。またシーリング(コーキング)が必要ない製品なので、その部分の補修も必要なく30年保証もついています。

一階はナチュラルなテイスト



玄関に入ると正面は約4.2㎡のウォークインクローゼットで家族のコートやアウトドアウェアなどを収納できます。そのまま進めば脱衣所、浴室です。左に行くとリビングです。



リビングに入ってすぐ、左側にキッチンがあります。左が猪子真治さん、右が奥様と1歳のお子さんです。キッチンは奥様の要望で、高熱のフライパンを直に置いても変色しない、リクシルのセラミックトップキッチンを採用しました。



キッチンには奥行き55センチのカウンターも併設。チェリーの一枚板を木材屋さんから仕入れて採用。約7万円ほどの掘り出し物です。共働きで2人のお子さんの子育て中なので、朝食はここで食べることで、配膳や片付けが短時間でできる工夫です。



キッチンとダイニング、リビングは一体型。木材(杉)のナチュラルな質感が優しい雰囲気です。



リビングは吹き抜けになっていて開放的。



家族総出で室内の塗り壁を行いました。記念に手形も。



階段まわりの仕上げはテイストに変化も付けました。



1階の床材は、来客などもあるため傷ができないように、硬めで耐久性に優れるオークの無垢材を施工しました。元大工だったパパ(真治氏)がツーバイフォー材で作ったブランコは子どもたちに大人気です。



リビングに併設された和室。本格的な和室ではなく、フローリングを部分的に畳に変えて、畳の良さを取り入れる「板畳」です。壁の一部は仕上げ材の施工前に磁石を設置することでマグネットが付けられるように工夫しています。掲示物などを画鋲ではなくマグネットで壁に付けることもできます。

収納や掃除のしやすさにも一工夫



脱衣室など各部屋の収納もポイント。整理収納アドバイザーにノウハウを教わり、収納したいものを適切な場所に、ぴったり収まる「シンデレラフィット」を目指して作りました。



洗面台の蛇口に注目。蛇口の付け根には、水垢など日々の汚れが付きやすく、綺麗に維持するには頻繁に洗う必要があります。この製品は、その一手間が省ける優れもの。

なお、この洗面台は照明が上部ではなく、左右に付いています。いわゆる「女優ミラー」と同じ効果で、左右から照明があたると、顔に影ができにくいのでメイクがしやすい、細かい部分まで確認できるメリットがあります。



キッチン横に設置された食品庫(パントリー)です。食材のうち、冷蔵庫に入れる必要のないものを収納でき、キッチン廻りの整理に効果的です。ゾウさん柄の壁紙や、「スナフキンの忘れもの」というペンダントランプで可愛らしく仕上げました。

こうした収納や掃除のしやすさなどの工夫により奥様の要望が叶えられました。続いて2階も見てみましょう。



壁の角が、とんがっているのではなく曲面になっています。うっかりぶつかったときにあまり痛くない、壁材が剥がれたり汚れたりしにくい、見た目の印象が優しくなるなどのメリットがあります。施工面では一手間増えますが、猪子建設では壁の角を曲面にするのは標準仕様です。

2階は子ども部屋とフリースペース



2階は子ども部屋2室の他は、手前のホール、そして奥のフリースペース、そして納戸があります。



2階ホールです。1階の床材は硬めのオークでしたが2階は、子ども部屋がメインなので、多少傷が付いても良いので、木のぬくもりを重視し、パイン材で、浮造り仕上げを採用しました。オークに比べて価格も安いのでコストダウンにもつながります。

2階ホールの窓が低い位置についているのは、道路からの視線を遮りつつ採光を確保する工夫です。また日当たりも良い場所にあるため、読書などでも寛げる空間です。



フリースペースには、保育士経験のある奥様のピアノも。家族でピアノの練習もできます。



子ども部屋です。今はまだ、ひと部屋ですが、子どもの将来を見据えてドアや暖房、クローゼットなどは2組設置されてあり、間仕切り壁を付ければ簡単に2部屋にできます。パステル系の色合いでアクセントを付けました。

子育て世代向けの住まいを我が家でも実践

最後に施主でもある猪子真治さんにお話を聞きました。



猪子真治さんは、子どもの頃から家の隣にあった土場(作業場)の様子を見て「大工さんってカッコいいな」とか、「3時にはおやつを食べている」と、大工という仕事を身近に感じ、いつしか自分も大工になりたいと考えるようになりました。

江別にあった札幌理工学院、そして帯広高等技術専門学院で建築の基礎をしっかり学んだあと、札幌の住宅会社で28歳まで木造戸建て住宅の大工として腕を磨きました。



2011年に、父の経営する猪子建設に2011年に入社しました。有限会社猪子建設は大工だった猪子茂昭氏が1987年に創業した十勝・音更町の工務店です。創業から11年目までは大手ハウスメーカーの住宅を施工する仕事がメインでしたが、現在はお客様から直接受注する仕事が中心です。

実際に猪子建設で家を建てた人に話を伺うと「希望を叶えてくれるだけでなく、プロの経験でさまざまな提案をしてくれるので、凄く居心地の良い家になりました」「家が暖かく省エネなのも良かったですが、子育て世代向けの配慮もうれしい」などの声も。



真治さんもお客様との打合せや現場管理、営業などをしながら、父である猪子茂昭社長から、家づくりのノウハウやお客様への対応、そして経営に必要なスキルなどを学び、現在は取締役営業部長として活躍しています。

真治さんは「父や先輩たちに大工仕事や現場管理、そしてお客様との打合せでも家づくりに関する様々なことを学んできました。父が猪子建設で取り組んできた家づくりはお客様目線で丁寧な仕事をしていくという姿勢です。その良さは私もしっかり身につけたい。また、現代の子育て世代が望む家事動線の改善や家の機能性、子育て環境の面では、自宅を建てた今回の経験も活かしながら、より良い提案ができるようにしていきたい」と話してくれました。


2018年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。