共働きの若いご夫婦のためのパッシブ換気&床下暖房システムの住まい。家事の効率アップを図るため、水廻りと収納の使い勝手の良さにもとことんこだわっています。2019年暮れ、便利な札幌の街中に住み始めたHさんに住み心地を聞いてみました。

目次
パッシブ換気+床暖房で夏も冬も心地良く

地下鉄駅まで歩いて10数分、スーパーやドラッグストアは徒歩5分圏内という利便性の高い南向きの敷地に建つH邸。札幌市が「雪が滑り落ちない」と認めたデザインの良い勾配屋根材「コロナルーフ」を使用した赤い三角屋根のお住まいです。建物前面に車2台分の駐車場を確保。夏場はバーベキュースペースになります。

設計・施工を担当した、いえずきホームの山本誠治さんにすすめられ、自然の力を利用して快適な暖かさを保ちながら室内の空気をキレイにする「パッシブ換気床下暖房システム」を導入。屋根と同じ赤で統一した可愛い排気塔もこの家のトレードマークです。
天井・外壁・基礎の断熱厚が合計1000mmあるという高断熱仕様で性能を強化。開口部は全てトリプルガラス入り樹脂サッシを使用しています。「ハウスメーカーの住宅と比べて断熱がしっかりしていることが、いえずきホームさんを選んだ理由の1つ」とご主人。
住宅展示場を廻って情報収集をしていた頃、山本さんからパッシブ換気床下暖房システムを採用した住宅を紹介されて見学。玄関-リビング-水廻りが回遊動線で結ばれた無駄のない間取りも気に入り、決めたそうです。
広がりのある居住スペース。煉瓦でヴィンテージ感をプラス

南面にテラスがあるリビングと洋室が並ぶ1階。ラフな木のような風合いのフローリングと建具で統一したナチュラルテイストのシンプルな空間です。
1階の居室と水廻りの出入り口は全て引き戸。通路や階段の幅、トイレの間口は通常より10cmほど広い1mとしています。「基礎だけの時は狭いと感じましたが、完成した建物を見ると、思っていた以上に広がりがありました(奥様)」。

ダイニング廻りは柔らかな印象のピンクがかった煉瓦タイルでちょっと贅沢に。煉瓦の質感を生かしたヴィンテージスタイルを得意とする、いえずきホームらしいデザインです。
開口部に沿って設けられた床面のガラリはパッシブ換気床下暖房の暖気の吹き出し口です。自然給気で取り入れた新鮮な外気を床下の放熱機で暖め、このガラリから室内へ。汚れた空気は暖気の上昇によって屋根の排気筒から屋外に自然に排出されます。暖房・給湯の熱源はガス。
暖房器具が不要だから窓廻りがスッキリ。お部屋も広く見えますね。

リビングに隣接する洋室。お子様が生まれたらキッズルームとして使う予定です。「歳をとったら、この部屋を寝室にして1階だけで生活したいと思っています(奥様)」。
作業性重視のキッチン&ユーティリティ

キッチンは奥様のご要望でリビングとその隣の洋室全体が見渡せて、なおかつ調理をしながらテレビが見られる位置に。ダイニング側からシンクや作業台、ガステーブル周辺が見えないセミオープンキッチンなので片付けが追いつかなくても気になりません。
「レンジフードは面倒なフィルター掃除が必要ないタイプ。ダイニングの照明もホコリが目立たず、手入れのラクなダウンライトを選びました」と奥様。

背中側にはゴミ箱スペース付きの食器棚と冷蔵庫、天井までの高さの食品庫が一直線に並んでいます。キッチンの真横にユーティリティがあり、お料理や後片付けとお洗濯の同時進行もスムーズです。
山本さんの提案でキッチンカウンターの側面に縦長の壁を造り、住設機器のスイッチ、操作パネル等をまとめて設置。「階段やユーティリティからも近くて便利」とご主人にも好評です。

ゆったりとしたユーティリティー。突き当りに浴室のドアが見えます。洗面スペースと洗濯機置き場の間にはシャンプー・リンスなど消耗品をストックする大型の収納を設けています。「動線上に必要な収納スペースがあると暮らしやすい」と奥様もお気に入り。

浴室の右側にある引き戸を開けると、玄関のシューズクロークの前に出ます。手前の廊下を右に進んだところがリビング。「子供が生まれたら、泥んこのまま室内に入れるようにしてあげたくて、リビングを通らずに浴室に行ける動線を作ってもらいました(ご主人)」。
2階の物干しコーナー。家事の時間がぐっと短縮

ウォークインクローゼット付きの主寝室と2つの個室がある2階も1階同様、通路幅を1m確保。階段廻りの手摺が低めで圧迫感がないため、ホール全体が広く見えます。
階段の右側にはご夫婦の趣味など、いろいろな目的に使えるホールも。今は主に物干しスペースとして活用中。
「寝室と同じフロアに物干しがあると、畳んだ衣類を持って1階と2階を往復しなくて済むので片付けが楽。洗濯物もあっという間に乾きます(奥様)」。

ツートンカラーのカーテンが可愛い子供部屋。2階の居室の窓下にも暖気の吹き出し口のガラリがあります。
休日は暖かい我が家でゆったりと
「以前、住んでいたアパートは部屋の温度差が大きく、冬場はいつも床がヒンヤリしていましたが、今は家中どこでも足元が暖か。窓際に居ても冷たい気流感がなくとても快適です。暖房・給湯にかかるガス代も1~2月の平均で17000円程度に抑えられています(ご主人)」。
平日は仕事があるため、お休みの日しか現場を見に行くことが出来なかったというおふたりですが、新居の出来栄えにご満足な様子。
「山本さんが細かいところまでしっかりとフォローして下さいました。三角屋根の建物が建つことを知り、雪の問題を心配したご近所の方から問い合わせが相次いだ時も山本さんの丁寧な対応のおかげでご理解が得られました」。
実際、大雪の日も雪が落ちることもなく、札幌市が「無落雪屋根と同等効果がある」と認めたことを実感できたとか。
「休日は外出することが多かった私たちですが、最近は居心地の良い自宅でのんびりと過ごしています」。ダイニングのダウンライトの下でグラスを傾けるひとときがご主人の1番の楽しみです。
記者の目
「暮らしやすさ」をとことん追求した機能的で暖かな雰囲気のH邸。生活動線を考慮した合理的でゆとりのある水廻りプランは、いえずきホームの持ち味の1つです。お子様の遊び場やおもてなしの空間、ホビースペース、そして老後の寝室と、さまざまな用途に使える「1階のもう1部屋」もライフスタイルの変化への備えとして是非、検討したいですね。
2020年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。