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アンティークが似合う冬も快適な洋風住宅 幕別町T邸/広岡建設

結婚を機に家を建てたいと考えていたTさんご夫婦。「新しい生活を、暖かくお気に入りのデザインの家で始めたい」と、結婚式や新婚旅行の費用をすべてマイホーム建設費用の一部に充てました。求めたのは「アンティークなインテリアが似合う家」。デザインと高性能が一体になった住まいが完成しました。



目次

オープンハウスがデートコース



共働きのTさんご夫婦は、結婚前から「長期ローンを組むなら若いうちの今がいい」、「広々とした環境で子どもを育てたい」と、結婚後すぐに家を建てたいと希望していました。広岡建設のオープンハウスがデートコースだったと言います。

2017年秋、結婚式や新婚旅行の計画をすすめていたところ、仕事で通りかかった場所で理想的な条件の土地を見つけました。「高い買い物だから少し考えたい」と躊躇するTさんを奥さんが説得。結婚式や新婚旅行を止め、すべて新居の建設費用に充てることにして土地を申し込みました。「私たちが申し込んだ後も、2、3組キャンセル待ちがあったそうです。素早く決断してよかった」と、奥さんは笑います。

外観は海外の伝統的スタイル、中身は高性能住宅



「職場の先輩のお宅が広岡さんで建てていて、洋風のデザインが好みでした(奥さん)」、「1年をとおして快適に過ごせる高性能な家づくりが魅力的(Tさん)」など、優れたデザインと高性能を両立していることが決め手となり、広岡建設で建てることは土地探しの前から決まっていたとか。広岡建設は、雑誌や映画に出てくるような古き北欧、北米の伝統的スタイルを得意としています。Tさんの奥さまのように、広岡さんが建てた知り合いの家に憧れて依頼されることも少なくないそうです。

「優れたデザインは年数が経過しても古さを感じない」と、廣岡国船社長は胸を張ります。自ら欧米に出向き、気になる建材や建物があれば何度も足を運んで確認し、そこで得られたアイデアを家づくりに活かしています。「Tさんのお宅は、さまざまな提案を受け入れてくれました」と廣岡社長。Tさんご夫婦のイメージから手書きで図面を起こし、オリジナリティあふれる住まいを作り上げました。

古材やアンティークを生かしたインテリア



さて、Tさんのお宅をご紹介しましょう。
淡いブルーに彩られたTRANS(トランス)の木製玄関ドアを開くと、広々としたエントランスに迎えられます。全体のバランスを考慮して上り框(かまち)を低く設定し、クールグリーンのタイルを埋め込んでアクセントを付けています。エントランス奥にはシューズクローゼットを設置。



「アンティークが似合う家に住みたい」というTさんご夫婦の要望を受けて、歴史を感じる国内外の建材やインテリアがふんだんに取り入れられています。特に目を引くのが随所に埋め込まれたステンドグラス。広岡建設ではアンティークなインテリアや建材を多数ストックし、オーナーさんの希望や家の雰囲気に合ったものを選んで提案しています。

奥様の実家も洋風で、幼いころからアンティークなものに囲まれて生活していたと言います。その影響を受けてアンティークが好きになり、気に入ったものがあれば購入してしまうそうです。「選び方は見た目重視」と謙遜しますが、小物選びやディスプレイに幼少から培われたセンスの良さが伝わってきました。



リビングは天井が高く開放的。3つの梁の一本は大正時代の民家を解体した古材をアクセントとして使っています。フローリングには北海道産のナラを採用するほか、道産のナラ、サクラやクルミを使用したTRANSの木製サッシを取り入れるなど、輸入住宅のインテリアに違和感なく道産品を採用しています。

キッチンは奥さまこだわりの空間



キッチンは奥さんが一番こだわった空間です。音更町にある「ファーマーズ」でキッチンを造作しました。ファーマーズでは、アンティークも多数買い求め、インテリアとして使っています。ダイニングは祖母から譲り受けた「ファーマーズ」のテーブルに、1脚1脚違うデザインの椅子を配置。奥の食器棚は、子どもの頃からつかっていた奥さんの宝物。実家でも一人暮らしをしていた大学在学中でも使っていたそうで「私の行くところに必ずついてくる食器棚」と笑います。



インテリアに合わない冷蔵庫は、パントリー内に置きました。廣岡社長の提案を取り入れ、壁付けのI型とアイランド型を組み合わせた広々としたレイアウト。パーティーシンクと呼ばれるサブシンクも設置しました。海外の豊かな暮らしを想像させるキッチンです。お子さんが生まれて成長するなど、今後のライフステージの変化でもっと活用する機会が増えるでしょう。



パントリー内には、保冷食品庫も造作。外気を取り入れることができ、冬はそのまま野菜が保管できます。「とても便利です」とTさんもお気に入り。広岡建設イチオシの設備です。



リビングとダイニングのアクセントに設置されている壁は、廣岡社長自ら新品のレンガの角を1個1個削り、上から白く塗装するなど、アンティーク風を狙った作品です。「さまざまな提案を受け入れてくれたので、実験的な取り組みができた」と言います。トイレの手洗い場の鏡の縁にタイルを張ってアンティーク風にするなど、随所に廣岡社長の遊び心が活かされています。

壁紙とアンティーク照明でお部屋をスタイリッシュに


ヘリンボーン張りの床のユーティリティ。右には、使いやすい国内メーカーのユニットバスを入れた


共働きのため出勤時間が重なるので、洗面所はふたり一緒にいても使える広さにしたいとオーダーしました。ヘリンボーン張りしたフローリングは手間がかかり、丸1日かけて施工したそうです。

一方で、「洋風建築でも、プランの細かいところは日本の文化を取り入れなくては住みにくい家になる」と廣岡社長。そのひとつがお風呂です。洗面台右手の折れ戸は、日本の大手建材メーカーのユニットバス。輸入住宅ではトイレとお風呂が同じ部屋にあり、洗面所とは透明なガラス扉で仕切られて・・・というものもありますが、日本人の生活様式には合いません。
「トイレやお風呂は、やっぱり日本メーカーの製品が一番使いやすい」と廣岡社長。



さて、壁は、一般的なビニールクロスではなく、塗り壁を主に使っています。寝室の窓側のアクセントクロスにはボタニカルな絵柄で本物の紙を使った“壁紙”・ウイリアム・モリスを使っています。19世紀末のヨーロッパの雰囲気ですね。照明器具もキッチンはキッチン、テーブルの上、階段はアンティークを使用するなど、各フロアを個性的に演出しています。



出窓のあるふたつのフロアは、それぞれ子ども部屋とゲストルームに使用する予定です。子ども部屋は複合フロア材や木目調シートの床材などコストダウンした材料を使うことが多いですが、Tさん宅は1階と同じ北海道産ナラ材の無垢材で統一しています。照明器具はまるでデコレーションケーキのようにカラフル。子ども部屋の予定なので、あえておもちゃチックなカラフルな製品を選びました。国内用のシーリングソケットに使えるように改造し、リモコンで点灯・消灯可能なシーリングソケットを接続しています。



Tさんの書斎は屋根裏部屋をイメージ。床の材質や壁のトーンにこだわり「家の中で唯一ここだけは自分の希望を取り入れた」と笑います。「妻にはもっと間取りを広く取ればいいと言われましたが、この広さが一番落ち着くんです」と満足気に笑います。

高断熱と省エネ設備の採用で1年を通して快適に生活


白いクロー-ゼットドアの中には、REC社の熱交換換気システムがおさまる


Tさんご夫婦は「デザインだけでなく住み心地も快適」と評価します。Tさんはオホーツク地域の出身。十勝以上に気候の厳しい地域です。冬も夏も快適に暮らせる家は必須条件でした。広岡建設ではスウェーデンの高性能熱交換換気システム「REC(レック)」に加え、採りこんだ外気を地中熱で温めるアースチューブを標準仕様として採用。これにより氷点下20度の厳寒期でも外気は予熱されるので熱交換換気の内部素子が温度差で凍結することもなく、省エネ効率をさらに高めて、快適な室内環境を保ちます。


リビングにあるピーエス社の冷輻射パネル


さらに、暖房は三菱電機の「エコヌクール」。ヒートポンプ方式で効率良く温水を作り、給気と熱交換させることでちょうど良い温度になった新鮮空気が家中に行き渡って暖房できるというもの。スペースを有効に使えます。なお、夏はリビングにあるピーエスの除湿型冷輻射パネル「HR-C」が活躍します。エコヌクールで作った冷水をパネルに通し、除湿しながら周りをじわじわとひんやりさせます。急に冷えたり風が来ることもないので、エアコンのような不快さがありません。

オール電化と言うと「光熱費が高い」というイメージをもたれがちですが、外壁が230mm、屋根が400mmという分厚い断熱材が覆われるなど、高い住宅性能と効率の良いエコヌクールの採用で光熱費が安く抑えられています。「冬は家が冷え込まないよう暖房を20度に設定して外出していますが、帰宅後も少し温度を上げるだけで快適な室温になります」とTさん。建物面積42坪(138m2)という広さで年間の光熱費は約21万円(通常は35~45万円)と、驚くほどの安さ。暖房、調理、給湯、家電すべて含めてこの価格です。外壁や屋根の断熱材には、密度の高いロックウールを使っているので遮音性や遮熱性も高く、30度を超える真夏でも室内は快適な温度に保たれています。「空気も綺麗になったし快適そのもの」と満足しています。

高性能窓と玄関ドアはオリジナル


十勝で組み立てられた、TRANSのトリプルガラス入り木製サッシ。木は道産品を使用


広岡建設の高性能な家づくりに温かみのある木製の窓と玄関ドアは欠かせません。実は廣岡社長はTRANS(トランス)という木製窓・玄関ドアメーカーの社長も兼任しています。TRANSは、北欧の高性能住宅でよく使われている木製断熱窓、玄関ドアの企画から製造・販売まで行っています。木製窓は、トリプルガラスにクリプトンガスを封入、窓全体の断熱性能・U値が0.8Wを切るという超高性能。評判を聞きつけて、本州からも問い合わせや注文がたくさん来ているそうです。芽室町に工場があるほか、スウェーデンに現地提携工場もあります。

T邸で道産材を使った木製高性能窓を採用したのは、こうした北欧生まれの高性能窓・玄関ドアに道産材を使うことで北海道の木材の良さを広めたいという思いもあるからです。



「『広岡建設はデザインがよい』と良く褒めていただきますし、実際デザイン面での評価から家を受注するケースも多いのですが、お客さまが驚くのは住みだしてからの家の快適性と低燃費です。2008年には、『環境負荷低減住宅促進協議会』という、研究機関とも連携して地場の工務店が冷暖房費を抑えながら快適な暮らしができる高性能住宅を建てるための団体も立ち上げました。そうした取り組みの経験が今回の家づくりにも生きています」と廣岡社長は言います。

欧米にある伝統的スタイルの住宅を日本人が住みやすいようにアレンジし、十勝の厳しい気候でも快適に暮らせる高性能住宅。廣岡社長自身がデザインを造り込み、住宅性能を厳しくチェックするなど、強いこだわりが満足度の高い家へとつながります。

記者の目


トイレの壁は、社長がアンティーク風仕上げにこだわった


Tさん宅には奥さんのアンティークコレクションがたくさん飾られており、家自体がコレクションボードのようでした。好きなものに囲まれて幸せそうな奥さんと、嬉しそうな奥さんを見て幸せそうなTさんの笑顔が印象的でした。

2020年08月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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