Column いえズーム コラム

夏休みに親子で!エンタメ要素も楽しい「小樽市総合博物館」


お盆休みもそろそろ終わりに近づいてきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。結局今年も暑い日が続いていますね。自由研究や夏休みの宿題が廃止された小学校もあるとかないとか…時代はどんどん変わっていきますね。さて、今日は鉄道好きの方はもちろん、長い夏休みを持て余している子どもたちも喜びそうな、親子連れにぴったりのスポットをご紹介します!

その場所とは、この夏ドライブで立ち寄った「小樽市総合博物館」です。人気漫画「ゴールデンカムイ」にも登場するSLしずか号をはじめ、かつて北の大地を実際に走っていた歴代の機関車や、「機関車トーマス」に出てくるようなレンガ造りの車庫、昭和の時代に走っていた懐かしのローカル車両まで、館内も屋外も含め充実した展示と解説を、見て、触れて楽しむことが出来ます。エンタメ性の高さにもびっくり!それではレッツらゴー!

テーマパークのような仕立てが楽しいエントランス



観光客でにぎわう小樽運河を右手に見ながら、手宮方面へまっすぐ進むと、左手に小樽市総合博物館があります。ここは北海道の鉄道発祥の地といわれる旧手宮線・手宮駅構内跡地です。レンガ張りの外壁で立派な博物館。駐車場も完備しています。

小樽市総合博物館は北海道鉄道開業の地手宮に1962年に北海道鉄道記念館としてオープンし、数回の閉館やリニューアルを経て、2007年小樽市総合博物館として再開館。鉄道系博物館施設の広さでは日本一の規模を誇ります。



昔の駅舎を思わせる券売所。入場料は大人400円、中学生以下は無料です。入場券は切符の形をしていました。入場口も改札のような仕立てです。テーマパークのようでワクワク!

ゴールデンカムイにも登場するSLしずか号が展示された「しずかホール」



館内に入って最初に迎えてくれるのがドーム状のホールに置かれたSLしずか号。北海道が舞台の人気漫画「ゴールデンカムイ」にも登場する機関車です。クラシカルで優美なフォルム。しずか号は道内初の鉄道「幌内鉄道」が明治13(1880)年に誕生した4年後に、アメリカのポーター社で製造され、翌年の明治18(1885)年から走り出しました。



しずか号に連なる客室の中に入ってみました。こちらは一等客車「い1号」。ほとんどが木で装飾されていて、ベルベット調のブルーの座席が配されています。石炭ストーブもいい感じです。こんな列車に揺られる旅路は、車での移動とは全然違っていたんだろうなぁ。

映像や模型を通じて蒸気機関車の歴史や北海道の鉄道の歴史が学べる1階展示室



鉄道展示室には明治時代の手宮駅構内のパノラマがあって、時代ごとに変わっていった路線の変遷を見ることができたり、蒸気機関車のナンバープレート、時刻表、機関車の模型などが展示されています。ナンバープレートの写真しか撮っていなかった…!


写真はイギリスの保存車両


中でも興味深かったのは、蒸気機関車の父とよばれるジョージ・スチーブンソンと、息子のロバート・スチーブンソンがSLを実用化するまでの物語をアニメーションで観られるブース。炭鉱夫だったジョージ・スチーブンソンが苦学の末に実用化し、その意思を息子が継いで、さらに発展させ、産業革命時代のイギリスに列車網が誕生しました。懐かしい感じのアニメですが、お子さんと座って休憩するのにもおススメです。(これも写真が無くて失礼)



子どもが喜びそうなのはこちら!歴代の模型SLが機関車庫から出てきて、転車台でぐるっと回る様子が見られます。観たい車両のボタンを押すと、音楽と解説が音声で流れ、SLが動き出します。
映像はこちら!

このほか、1階には季節の星座やその日の星空について解説を聞きながらプラネタリウムが楽しめるドームシアターがあります。

科学を楽しく学習できる科学展示室や企画展示室がある2階

2階は、しずかホールを見下ろす吹き抜けを囲むように科学展示室、企画展示室、実験室、研究室が配されています。特に科学展示室は、青少年科学館のような展示が多く、子供連れの親子に人気でした。



こちらは鏡面の凹凸によって映り方が変わる実験。細い私、普通の私(普通でも太い)、太い私と3パターン映るので、ぜひスマホで撮影して楽しんでみてください。

北海道で活躍した鉄道車両が並ぶ屋外車両展示



2階の展示を見終えて、テラスへ出ると、屋外展示を見渡すことが出来ます。わ~いっぱい並んでる!



まずはきかんしゃトーマスが入っていたような機関車庫を見学。手宮鉄道で実際に使われていた施設です。



この機関車庫三号は、明治18(1885)年に竣工。現存する日本最古のレンガ造機関車庫で、北海道庁旧本庁舎(赤レンガ道庁)を設計した平井晴二郎による設計。扇形をしており、屋根上には採光のために越屋根状の窓が設けられています。国の重要文化財に指定されています。



建物中央には八角形の石造柱を建て、小屋梁を設けた頑強な造り。瀟洒な格子窓も風情がありますね。職業柄、どうしても建物構造に目がいってしまいます。正面からおさえていませんが、一緒に移っているのは日清戦争勝利の時期に完成したため「大勝号」と名付けられた機関車。明治期からのこの車庫の主です。


実際に手宮鉄道で使われていた転車台



写真は左から、1950年代~10年ほどの間活躍したローカル線キハ031。小型すぎてラッシュに対応できなかったそう。丸みを帯びたレトロな車体がかわいらしいですね。中央は1923年にアメリカから輸入された除雪用のロータリー車。右は初期に使用された木製の除雪車。



車庫を出ると広い敷地にたくさんの列車が並んでいます。ここは道内で最も古い動態保存の蒸気機関車「アイアンホース号」の停車駅。7月はじめに行った時には運航されておらず…。2024年8月現在は乗車無料で運行中。乗車の際は、転車台を使った方向転換もお見逃しなく!

アイアンホース号の運行予定はこちらから確認できます


こちらは1982年ごろまで走っていた特急「北海」。場内には私が幼いころに見たり乗ったりした記憶のある旧車もたくさん並んでいました


しずか号の運転席に乗った時には、国鉄マンだった父方の祖父を思い出しました。80年代に祖父と一緒に一度来たことがありましたが、屋外の展示だけが記憶に残っていました。うん十年ぶりに訪れましたが、屋内展示も充実し、アイアンホース号の乗車など体験も含めて長時間楽しめる博物館になっていました。

北海道は特に、車での移動が当たり前になっていますが、こうしたレトロな車両に揺られて旅していた頃は、時間の流れや車窓から眺める景色も今とは全く違っていたんでしょうね。北海道の鉄道の歴史を改めて知るとともに、いつかゆっくり列車の旅がしてみたいと思いました。今度来るときはアイアンホース号にも乗ってみたいと思います。小樽運河を訪れた際には、少し足を伸ばして見学してみて下さね。それではまた☆

小樽市総合博物館

所在地    〒047-0041 北海道小樽市手宮1-3-6
電話番号    0134-33-2523
開館時間    9:30~17:00
休館日   火曜日(祝日の場合は翌平日)
    年末年始:12月29日~1月3日
入場料    一般:400円(300円)
    高校生・市内在住の70歳以上:200円(150円)
    中学生以下:無料
    ※団体は20名以上で2割引
    ※( )は冬期料金(冬期期間:11月4日~4月28日、期間変更になる場合もあります)

バリアフリー   バリアフリー設備あり、盲導犬受け入れ可
駐車場   無料
施設のWebサイト    https://www.city.otaru.lg.jp/categories/bunya/shisetsu/bunka_kanko/museum/
    ※情報は変更される場合があります。施設の詳細は上記サイトでご確認ください。

アクセス JR「小樽駅」前バスターミナル3番のりばより「高島3丁目経由おたる水族館」行き(系統番号10番)に乗車「総合博物館」で下車
または、樽石ビル前の「小樽駅前」より「高島3丁目」行き(系統番号2番)に乗車「総合博物館」で下車


2024年08月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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