Column いえズーム コラム

北海道の「漁師住宅」5選


北海道の「農家住宅」20選を以前紹介させていただきましたが、一次産業が盛んな北海道ですから、当然「漁師住宅」もあります。海沿いなので塩害対策、そして仕事から帰った後の勝手口から脱衣場への動線設計などいろいろなポイントもあります。

江差を愛する大工さんが実現した断熱等級7+ZEH+道南杉の家 江差町・山本邸/辻久建設



民謡の王様と呼ばれる「江差追分」、明治維新の歴史舞台ともなった徳川幕府の軍艦「開陽丸」、歴史ある街並み「いにしえ街道」、北海道最古の祭り「姥神(うばがみ)大神宮御渡祭」など観光地としても有名な道南・江差町。

江差町をこよなく愛する大工・山本聖貴さんは、自身が勤める工務店、有限会社辻久建設社長の辻雄一郎さんとこだわりの家を実現させました。まだ道内でも建設実例が極めて少ない、国交省が定める断熱等性能基準の最高等級「断熱等級7」を達成した超省エネ住宅です。

また、太陽光発電を組み合わせたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)で光熱費負担ゼロ、さらには地産地消と塩害対策も兼ねた道南杉の採用、地元の仲間と楽しく過ごせるリビングなど見どころ満載の家づくりになりました。



辻社長 江差は海沿いで風も強いので塩害対策が非常に重要です。金属サイディング(ガルバリウム鋼板)や、標準的なサイディングなどではわりと短い期間で錆や劣化が生じます。私の自宅も外壁は道南杉の板張りですが、10年経過して経年変化しても、建物の機能、性能上は問題ありませんし、木材は既製品と違い、廃版にならないので何年経っても交換できます。外壁の色味は変わりますがそれも自然の風合いとして魅力に感じる人も多いと思います。約160年前に建てられた「横山家」など江差の文化財も木造ですが、メンテナンスすれば住み続けられます。江差の地に適した地場産材を使うというのは理にかなっています。

ちなみに、この目透かし(木材を隙間をあけて貼る)の裏側に、かすかにエアコンの室外機が見えますが、エアコンの室外機も塩害には弱いという問題があります。故障しやすく寿命も短くなるので今回、塗装屋さんにお願いして黒に塗装しました。塩害対策に加え、このように目立たなくなる意匠性向上の狙いもあります。
江差を愛する大工さんが実現した断熱等級7+ZEH+道南杉の家  江差町・山本邸/辻久建設

塔のある可愛い家 枝幸町S邸/セルコホーム旭川・小森工務店



ヨーロッパのお城や教会のような塔のある外観、そしてパステルカラーの爽やかな色合いが印象的なS邸。毛ガニ漁日本一の枝幸町で、漁業を営むSさまが2021年に実現された念願のマイホームをご紹介します。

「小森工務店の旭川のモデルハウスが、塔のある吹き抜けリビングの印象がとても良くて、そのモデルハウスをベースに建てていただきました」と奥さま。

奥さま 小森社長は枝幸にも通ってくれましたが、私が旭川のモデルハウスを見て実際にイメージしながら打合せをさせていただいたほうが良かったこともあって、旭川にも何度も通いました。枝幸町民は比較的買い物などで旭川にでかけることが多く、苦にしないんです。

漁師の家ですが、隣接する実家や倉庫で仕事帰りに着替えるので、勝手口などは必要ありませんでした。

いろいろ要望はありましたが、ほぼ全て叶いました。小森社長はきさくな方で相談しやすかったです。ラインで細かな打合せができたのも良かったですね。
塔のある可愛い家/枝幸町S邸/ セルコホーム旭川・小森工務店

生活感を感じさせず、楽に暮らせる平屋 斜里町田中さん/光輝建設



世界遺産の知床を有するオホーツクのまち・斜里町に建つBOX型の平屋。この家は地元で漁師をしている田中さんが、『生活感を感じさせない家』『楽に暮らせる家』をテーマに建てた住まい。光熱費を最小限に抑えられる高い性能を確保したうえで、AV(オーディオ・ビジュアル)システムやキッチンのレイアウト、大きな窓から見える庭、家事が最小限で済む動線などを実現。細部まで田中さんのこだわりが感じることができます。
生活感を感じさせず、楽に暮らせる平屋 斜里町・田中さん/光輝建設

オーシャンビュー&巨大水槽&超省エネの家 稚内市I邸/小山内建設



ダイニングから一望できるオホーツク海。ご主人は水揚げ量日本一、年間約2000トンを誇る宗谷のミズダコの漁師で、漁期の4月から12月には、朝1時頃には起きて漁に出ています。そのため、起床して真っ先に海の様子をチェックできるように大きな窓にしました。

玄関側から、リビング側の両面から鑑賞できる水槽を悠々と泳ぐ青色の鮮やかな魚は、熱帯魚の王様とも呼ばれる「ディスカス」。水槽の横幅150センチ!一般家庭に設置する水槽としては最大級です。水槽が壁面に収まっていて、照明や配管などは見えないようになっています。

大きいのは水槽や窓だけではありません。ご夫婦と子ども5人、合わせて7人が全員で夕食を囲めるダイニングテーブルが置ける大きなダイニングもあります。ご主人は「漁が朝早いので、家族全員が揃うのは晩御飯の時間だけ。その時だけは家族皆揃って過ごしたいのでリビングよりダイニングを大きく確保したんです」と話してくれました。
オーシャンビュー&巨大水槽&超省エネの家 /稚内市I邸/小山内建設


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