Column いえズーム コラム

新たな常設モデルを公開 『脱洋風・脱ローコスト』目指す /室蘭・USAMIホーム

この記事は、住宅業界向け専門紙「北海道住宅新聞」2022年8月15日号に掲載された記事を転載しています。


外装仕上げはガルバリウム鋼板をメインとし、一部に木を採用することでアクセントを付けた


USAMIホーム(室蘭市・㈱宇佐美建設、小林英二社長)は、『脱洋風・脱ローコスト』を掲げた新たな常設モデルハウスを、地元・室蘭の八丁平地区で公開中だ。「一時期、輸入住宅のフランチャイズに加盟していたため、洋風な家が得意な会社だと思っているお客様も多かった」(設計担当・中村燦太氏)─そのイメージを覆すスタイリッシュなデザインを打ち出している。
 
「“宇佐美建設が変わった”と来場者に思ってもらうことが、このモデルハウスを建てた目的。お客様の中には、当社は洋風の住宅やローコスト住宅を手がける会社というイメージがある。新モデルハウスを足掛かりに、住宅会社としてのカラーを新しくつくっていきたい」。こう語る中村氏は、同社の新しい設計担当者。今年2月に入社した30代前半の若手で、同社のこれからの家づくりをリードする存在となっている。
 
同社が『脱洋風・脱ローコスト』を目指す理由は、住宅会社として今後も生き残っていくためだ。「洋風は現在のトレンドとはいえない状況で、この先、受注を伸ばすのは難しい。また、ローコスト路線だと、どうしても価格競争に巻き込まれる。会社の将来のためにイメージを一新する必要があった」と中村氏は言う。

玄関を開けた瞬間のインパクト重視


モダンな雰囲気のリビング。床材はアカシアの無垢フローリングを採用している


モデルハウスは在来木造2階建てで、延床面積は38坪。外観はガリバリウム鋼板を基調とし、木外壁でアクセントをつけてモダンな雰囲気に仕上げ、内観もグレー系のクロスや土間続きのリビングなどトレンドを意識した。

プラン面のポイントは、玄関からリビングまで続く土間スペース。さらに土間を進んでいくと、大きな開口部と吹抜けが特徴の開放的なリビングが広がっている。今までの同社の住宅との違いを明確に感じられる造りにしたいという思いから、モデルハウスに入ってすぐ、インパクトを感じられるポイントを用意した。


パントリーと家事スペースを兼ねたキッチン横の3帖の小部屋


また、キッチンの横には3帖の広めのパントリーが隣接。「私の実家もそうだったが、奥様の個室がない家は多いと思う。そこで、パントリーだけでなく、家事スペースや奥様が1人になれるような場所としても使えるよう、広めに面積をとった」と中村氏は意図を説明する。来場者からの評判が特に良い場所の一つになっているという。

断熱仕様は、外壁が高性能グラスウール16K105mm充てん+押出スチレンフォームB3種25mm外付加、天井がブローイング300mm、基礎が押出スチレンフォームB3種・内外50mm、窓はPVCサッシ・Low-EトリプルガラスでUA値は0.31W。

このほか、太陽光発電の無料設置サービス(シェアでんき)を利用し、屋根に自家消費用として太陽光パネルを11kW設置。さらに、ZEHの強化外皮基準をクリアした上で、ダクトレス第1種熱交換換気やエコジョーズなどの省エネ設備を採用し、ZEH化している。

今後はデザインの良さと高性能を両立した高品質な住宅でユーザーにアピールしていく。それに伴って、建物価格も引き上げる。また、断熱性はHEAT20・G2グレード(UA値0.28W、1・2地域)の標準化を目指す考えで、現在施工中の物件では外壁の付加断熱材をフェノールフォーム30㎜に変更するなどの改良を加えており、UA値は「0.25W程度になる見込み」(中村氏)と手応えを感じている。

2022年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。