Column いえズーム コラム

“走るログ小屋”に問合せ急増 BESS


この記事は、住宅業界向け専門紙「北海道住宅新聞」2021年12月5日号に掲載された記事を転載しています。

ログハウスメーカーのBESS(㈱アールシーコア、本社東京・二木浩三社長)が10月に発売した可動式ログ小屋が、SNSなどで話題を呼んでいる。12フィートサイズの車台に載る『IMAGO iter(イマーゴ・イーテル)』(床面積6.5㎡)と、20フィートサイズの車台に載る『IMAGO X』(同11.2㎡)の2タイプを展開しており、車でけん引できることが大きな魅力となっている。

可動式ログ小屋は、同社が2016年に発売したログ小屋『IMAGO』の新シリーズ。車でけん引して旅行やアウトドアに連れ出すなど、ログ小屋の新たな楽しみ方を提案している。

シャーシ(車台)の上にログ小屋を積載しており、法律上は車両となる。そのため自動車税がかかるほか、車庫証明やナンバープレートなども必要だ。一方で固定資産税はかからず、建築確認もいらない。なお、公道でけん引するにはけん引第1種免許が必須となる。

ログ小屋は、ログ材が各コーナーで交差するとき、端部を半段ずつずらしながら重ねていく「プロジェクトノッチ」で、70㎜厚の国産杉の無垢材でつくっている点が特徴。同社のログハウスはここ3~4年でログ部材を国産材に切り替える取り組みを進めている。雰囲気は一般的なログハウスと変わらないという。また、お客様自ら塗装を行うことで、愛着を深めてもらえるよう、無塗装での引渡しを基本としている。

開発の裏にはログ小屋の売上増


IMAGO iter(幌屋根タイプ)の内装。ログ部材には厚み70㎜×幅137㎜の国産杉の無垢材が使用されている。


同社BESS事業本部で広報宣伝企画の木村伸氏によると、開発の背景には昨年からIMAGOの売上が伸びていることがあるという。

「IMAGOは発売以来、毎年コンスタントに売れていたが、新型コロナの影響でテレワークや趣味の部屋などの需要が増えたからか、昨年から売れ行きがさらに上向いた。今年は昨年以上の勢いで売れており、4~9月の注文棟数は前年同期の2.6倍だった」(木村氏)。

また、開発が始まったのは2020年の秋。新型コロナの感染拡大で世間に閉塞感が漂う中、ユーザーがわくわくする提案をしたいという思いから、ログ小屋ごと移動するというアイディアにたどり着いた。

発売1~2ヵ月の反響としては、全国で約20件の購入の問い合わせがあり、その大半が法人。店舗や宿泊施設としての需要が高いという。

さらに、新たな認知の広がりがあるといい、木村氏は「今までは住宅を中心にしたメディアに取り上げていただいたが、今回は車系のメディアに多数取り上げていただいたのがこれまでとの大きな違い。発売以来、WEB記事では100件以上と様々なメディアに取り上げていただいたおかげもあり、世間への周知がかつてない速度で進んでいると感じている。現在の問い合わせは法人様が中心だが、時間が経つにつれ一般ユーザーからも増えてくるのでは」と、一般ユーザーからの購入増加に期待を寄せている。

※この記事は北海道住宅新聞の2021年12月5日号の記事を転載しています。北海道住宅新聞はこちら


2021年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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