ここ北海道では、「暖かい家づくりをすること」が厳しい冬を快適に過ごすための備えとなります。近年では気候変動によって真夏の暑さや残暑の厳しさも増しており、寒気・暖気の両方をシャットアウトしてくれる「高断熱な住宅」の価値がより高まっている状況です。また性能の高い「省エネ」住宅は暖・冷房費を抑えられるため、将来的にかかるランニングコストを考えると、とても経済的です。
さまざまな断熱材や工法を用いて発展してきた高断熱住宅ですが、今回は高性能断熱材・スタイロフォームで家を包み込むように施工する外張断熱工法=SHS(スタイロフォーム・ハウス・システム)工法を用いた家づくりの実例を集めてみました。実際の暖かさや住みやすさをのぞいてみましょう!
ZEH Oriented(オリエンテッド)の高性能・UA値0.23、C値0.2の高断熱高気密
取材当日は外気温27度という暑い日でしたが、室内は涼しいくらいの快適さでした。
戸村さん 弊社の建物は全棟
■住宅性能表示における断熱等性能等級6
■性能基準が「ZEHオリエンテッド※」
の高断熱高気密な省エネ住宅です。
※都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域で、敷地面積が85㎡未満の土地)に建築されるZEH住宅(平屋建てを除く)
この建物はUA値が0.23、C値が0.2で、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は最高ランクの星5つを取得。低炭素住宅の認定も受けています。
奥野工務店は硬質ウレタンボードで家全体をすっぽりと外側から包む「ソトダン21工法」を採用。玄関にはその模型が展示されています。
全棟気密測定を行っているのも性能に自信があるから。高性能住宅の認定で、助成金を受けることも可能です。
この記事を詳しく見る▶︎ BELS星5つ・パッシブ換気で空気がきれいな奥野工務店の家 江別市文京台
木の香りに包まれ、冬暖かく夏涼しい家
北側からのやわらかい光が差し込むキッチンでくつろぐのはKさん夫婦。2022年5月に完成したばかりの家は木の香りに満ち満ちていました。
この家を設計・施工した越智建設は、「北海道SHS(スタイロ・ハウス・システム)会」の施工店で、梁、柱などの主要構造部を「スタイロフォーム」という板状の高性能断熱材で覆う外張断熱工法を標準で採用しています。
断熱材に使うスタイロフォームは断熱性・気密性が高く、冬に暖かいのはもちろん、夏も涼しい家づくりが可能です。熱を吸収しにくい素材なので、2階天井裏にも熱がこもりません。
越智社長 暑い夏に、ご近所の方たちが「昨晩は2階の寝室が暑くて寝苦しかった」と話す中、うちで建てたオーナーさんは「我が家は2階も快適だった」と、効果を実感されていました。
冬に暖かい家というのは当たり前になってきていますが、スタイロフォームが冬の寒さだけでなく、夏の暑さ対策にも有効であるということが分かる印象的なエピソードです。
この記事を詳しく見る▶木の香りに包まれた、美しいさらし階段のある家 札幌市西区・K邸/H.M 越智建設
ネコたちと暮らす、遊園地のような楽しいマイホーム
家中に張り巡らされたキャットウォークを自由に移動する猫ちゃん。札幌市のWさんは、第一に愛猫がのびのび暮らせる家を希望し、ハウジング光陽で夢の、マイホームを実現しました。
依頼の決め手は、住宅のデザインやプランのセンスが良かったことと、担当者の誠実な対応でした。「ハウジング光陽さんは、コミュニケーションがとりやすく、見積もこちらの希望する予算を考えて良い提案をしていただき、安心できました」とWさん。
リビングの一角には透明板を貼った格子状の天井があり、端っこはネコが通り抜けられるように穴が開いてます。ここからネコが良く出入りするようになりました。1階LDKからネコの様子が確認できますし、1階を明るくする効果もあり、とても気に入っています。
Wさんによると、以前住んでいたマンションは70m2ほどの広さで、今は120m2と大幅に広くなったのですが、光熱費はほぼ同じ水準でホッとしているそう。「マンションは、暖房をつけてから暖まるまで時間がかかりましたが、今の家は室温が下がりにくく、暖房の利きもいいんです。やはりSHS工法のおかげだと思います」と話してくれました。
この記事を詳しく見る▶ハウジング光陽 札幌市・Wさん
「カフェみたい」と言われる、すっきり片付く家
お友だちから、「カフェみたい」とほめられるA邸。物が散らからない、たっぷり収納のおかげで、部屋はいつでもすっきり。だから、カフェのように居心地が良いのです。
住宅の基礎まわりの断熱材は防蟻剤入りの「スタイロフォームAT」を採用。隣のご実家は、建て替え前はシロアリに悩まされていたそうです。そこで、越智建設で建て替えた時にスタイロフォームATを採用し、問題が解決したそう。
「奥さんの実家に行くと、すごく快適なことは前から感じていましたので、越智建設さんにお願いすることにしました。他でお願いすることは、ちょっと考えられなかった」とご主人。
床暖房で床上に放熱器がないため、リビングのテラス窓のように床面まである大きな窓も採用しやすくなります。
「暖房と給湯は省エネタイプの灯油ボイラー「エコフィール」を使っています。灯油代は、かかった月でも2万円ぐらい」。1ヵ月でタンクの半分も使わない感じです。SHS工法のおかげで気密性が高まり、室内の暖かい空気が漏れにくいため、同じ断熱性能でも暖房の利きは良くなります。このボイラーも、洗面所横に扉付きで設置されているため、目立ちません。これもAさんの要望に応えたもの。
「快適すぎて家にいる時間が長くなりました」とにこやかに話す奥さま。越智建設に対する深い信頼と、それに応えた越智社長の家づくりが印象的でした。
この記事を詳しく見る▶H.M越智建設 札幌市・Aさん
氷点下30度でもボカボカ!15年経っても快適なSHSの家
温暖な神奈川県鎌倉市から2003年に道北・東川町に移住した鶴岡さんご夫妻。新築から15年経ちましたが、今も楽しく快適な暮らしが続いています。2015年には奥様の妹さんも東川に移住、やはり小岩組でマイホームを実現されました。その暮らしをサポートしてきたのが、SHSの高性能と小岩社長の飾らない温かい人柄でした。
高断熱高気密のSHS工法を採用することで、冬の寒さも室内ではほとんど感じません。屋外は、時にはマイナス30℃近いこともありますが、室内は一度暖まると室温はなかなか下がらないのです。当初は22℃位で設定していましたが、今は家の中のどこにいても寒さを感じることがないので20℃設定で快適に暮らしています。北海道での暮らしですから暖房費は心配していましたが思ったより安く済んでいます」と話してくれました。
この記事を詳しく見る▶小岩組 東川町・Tさん
自然な木の香りに包まれる家
Cさんご夫妻は、”Jターン”で東京から札幌に戻り、小樽市内の小高い丘にすてきなお家を建てました。北海道に戻ったのは、東日本大震災がきっかけ。子どもを安全で環境の良い場所で育てたいと考え、札幌の会社に転職。そして丸三ホクシン建設と出会い、札幌のお隣、環境の良い小樽で家を建てたのです。
外壁は、ダークグレーのガルバリウム鋼板と道南杉の板張り仕上げを組み合わせました。住宅性能に関しては、断熱工法は、梁、柱などの木造住宅の主要構造部を板状の断熱材「スタイロフォーム」ですっぽり覆う外張断熱のSHS工法で施工。断熱仕様は、外壁がスタイロフォーム100ミリ、屋根は160ミリ、窓はトリプルサッシを採用し、断熱性能を現すUA値は0.34Wと国が求める省エネ基準の0.46Wよりも約3割も高性能。さらに国が推進する、家を50年、100年と長く使いづけるための「長期優良住宅」認定も取得。適切なメンテナンスをすれば、子どもの代になっても安心して住み続けることができます。
「ホクシンさんのオープンハウスを見に行った時、まずこの木の香りがいいなと思ったんです。間取りはやっぱりこだわりましたね。仕切りをあまり作らずに、子どもたちが宿題したり、遊んでいる様子をキッチンから見渡せるようにしてもらいました。子どもたちは友だちと鬼ごっこをするほど楽しんでいます」と奥さま。
この記事を詳しく見る▶丸三ホクシン建設 小樽市・Cさん
真冬に月10万円の灯油代がSHSで建て替えて2万円台に!
Mさんは奥さまとの結婚を機に、築40年の実家で2世帯暮らしを始めました。しかし、悩みは冬の寒さと灯油代の高さでした。「月10万円かかったこともありました。断熱もほとんど効いてなかったんでしょう」。建て替えを考えていた時、帯広・土田工務店で2世帯住宅を建てた農家のインタビュー記事を発見。裏勝手口から一直線の廊下を通ってお風呂やトイレに至る動線など、農家の気持ちや暮らしのニーズをよく分かっていると感じ、シンプルですっきりとしたデザインも気に入り、事務所を訪問することに。
暖かさに関しては、土田専務がSHS工法の仕組みを基本から説明し、高性能断熱材「スタイロフォーム」にすっぽり覆われる構造のメリットを知ったことと、建てている途中で友人の家がSHS工法で建てていたことを知り、「あの家は遊びに行って快適だったから、自分の家も大丈夫だ」と思ったそう。
ひと冬を過ごしてみて、一番満足しているのが部屋の暖かさ。「驚いたのが灯油代です。前の家は、月に10万円かかったことがあって。今は一番かかった月でも26000円でした。家が70坪と通常の2軒分の広さに大きくなり、暖かくなって、それで暖房代が激減したのですから、こんなにありがたいことはないですね」。
この記事を詳しく見る▶土田工務店 士幌町・Mさん
快適な室内環境が創る、充実したセカンドライフ
湧別町に住む松浦さんは、お子さまが成人して独立していきました。残された夫婦は、借家生活を卒業して、快適な我が家を建ててセカンドライフを過ごすことを決めました。 選んだのは、「家じゅうどこも寒くない」SHSの家でした。
「住宅雑誌で光栄建設さんのことを知りました。地中熱ヒートポンプなど、他にはない環境にやさしい家づくりと新しいことにチャレンジしているという姿勢に好感を持ちました。モデルハウスで体験宿泊ができるというので、妻と2人で冬に泊まりに行きました。驚いたのは、室内で不快な空気の動きがなく、暖房が入っていないんじゃないかと思うぐらいでした。少し時間が経って気づいたのは『寒くないことが快適』ということでした。ストーブの火で体を暖めるという生活だった私にはこの柔らかな空気感は衝撃的でした」とご主人。
「家じゅうどこにいても寒くない、暑くないことが、こんなにすごいことだとは思いませんでした」と奥さま。
この記事を詳しく見る▶光栄建設 湧別町・Mさん
収納豊富&中庭がある札幌・手稲のコートハウス
長く社宅にお住まいだったSさんは奥さんと娘さんとの3人家族。ご両親の土地に家を建てることになり、住宅会社探しを始めました。Sさんは技術系の会社員で、「高断熱・高気密で暖かく、堅牢な家」を基本条件としていたそう。奥さまも同じ考えでした。ピンと来る住宅がなかなかなく、仕事が忙しいSさんの代わりに奥さまがインターネットで検索して、暖かくて構造のしっかりした家を建てている拓友建設さんを知りました。妻沼社長は高性能な外断熱住宅を推進する北海道SHS会の会長も務め、道が進める北方型住宅の建設経験も豊富。過去の記事まで遡って読み込み、「この会社はいいかも」と気に入りました。
庭を中心に配置して周りを建物で囲むような住宅プラン。リビングにも温かな光が入るこのゾーニングをSさんご夫妻も気に入って、建築に至るまでの基本プランとなりました。リビングは「タンスなど余計なものはまったく置きたくない、すべて収納できるように」というSさんご夫妻の考えで、このようにすっきりとした空間が実現しました。
この記事を詳しく見る▶拓友建設 札幌市・ Sさん
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