※この記事は北海道住宅新聞の「快適キッチンのミカタ」という連載記事を転載しています。北海道住宅新聞はこちら
リビングのテレビボードや収納家具、玄関の収納ボード、アイランドキッチンは、「フロート型デザイン」が人気です。
「フロート」とは、浮いたように見える配置のこと。床から少し浮かせて配置することで、部屋の奥行きを出して抜け感を演出でき、間接照明を入れればモダンで上質な印象になります。
「ルンバブルな家」
フロートタイプのキッチンは、アイランドタイプでどの角度からもキャビネットが浮いたように見えるデザインです。巾木の高さが高いほど、宙に浮いたキッチンに見えます。
海外ではドイツのrational(ラショナル)が、足元に間接照明をつけるとおしゃれな壁付け家具のように見える壁付けのフロートキッチンを扱っているようです。
日本ではサンワカンパニーやパナソニックのLクラスキッチン、トーヨーキッチンがフロートキッチンのデザインを採用していますが、巾木があるキッチンと、床とキッチンキャビネットの間が空いているキッチンとでは、空間の印象がまるで違ってきます。
そして、このデザインが人気になってきたもう一つの理由に、新しい家電のお掃除ロボット「ルンバ」と拭き掃除ロボット「ブラーバ」の登場があります。
時短家事のニーズを受けて大人気のお掃除ロボットは、障害物にぶつかると角度を変え、再度まっすぐ進み始めます。どこに向かっても常にまっすぐ進むので、床にものは置けません。
フロートタイプの家具やキッチンは、その点ロボットが空いた空間も清掃してくれて、床にものを置けない=片付けもできて一石二鳥。そのうえ広さを感じられて、おしゃれな空間にも見えるので若者に人気のようです。
このように家電のために床にものを置かないようになった家を「ルンバブルな家」と呼ぶそうです。そして、一歩先行く提案は、ルンバやブラーバが戻ってくる場所も、さりげなく設計に組み込む発想が喜ばれるようです。
☆ポイント☆
一歩先ゆく快適提案、フロートタイプのデザインと暮らし方
快適キッチンのミカタは連載です。
次回記事はこちら 第12回 「料理」を家事として見た時のキッチン選び
阿部 美子さん:ララプラスキッチン代表
住宅設備機器ショールームに勤務した8年半で約1000組のキッチン提案を行い、2007年ショールーム営業部門で全国第1位を獲得。社長表彰を受ける。2012年に全国初、唯一のキッチン空間に特化したキッチンアドバイザーとして活動を開始。
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連載一覧
第1回 キッチンに立つたびに幸せな気持ちになる
第2回 ヒューマンスケールを知る
第3回 キッチンの高さを決める作業点
第4回 キッチン空間のハインリッヒの法則
第5回 会話の見える化で快適キッチン提案
第6回 つい、見落としがちなキッチン空間のポイント
第7回 体にやさしいLDKのつなぎかた
第8回 忘れたころにやってくる・・・キッチン機器のコスト
第9回 高齢化対応キッチンと車椅子対応キッチンのちがい
第10回 使える話題‼️ オープンキッチンと女性の社会進出
第11回 宙に浮く「フロートデザイン」が人気の理由
第12回 「料理」を家事として見た時のキッチン選び
第13回 安心は禁物! 視線が届かない対面キッチンも
第14回 生活スタイルの変化で人気の海外製食洗機
第15回 快適なレイアウトの秘訣は「利き手」にあった!
第16回 リビングキッチンの配色テクニック
第17回 意外と見落としがちなシンクと水栓の距離
第18回 似ているようで違う! キッチン天板の選び方
2021年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。