※この記事は北海道住宅新聞の「快適キッチンのミカタ」という連載記事を転載しています。北海道住宅新聞はこちら
「料理」「盛り付け」「後片付け」などの作業をマルチにこなす主婦(主夫)にとっては、無駄のない作業動線が快適なキッチン空間のポイント。
キッチンを設置してから作業動線で後悔しないようにするには、冷蔵庫、シンク、コンロの中心を結んだ「ワークトライアングル」のほか、電子レンジ等のキッチン家電と調理スペース、ゴミ箱と調理スペースを結んだ動線を考えることが大切になってきます。
ミニマムな視点から考える
キッチン相談に伺い、共通していたこととして「コンセント問題」があります。
これには3つの場合があります。
①コンセントがなくて家電の置き場に困っている場合
②「なぜ、こんなところに?」という位置や高さの場合
③スペースの間隔なく、たくさん設置してある場合
コンセントの高さと位置は、家事効率のアップと時間の有効活用が求められる生活にとって、キッチン本体と同時に大事なポイントです
ライフスタイルの多様化で、キッチンの小家電もバリエーションが増えました。
小家電とは炭酸水を作るソーダストリーム、ホットサンドメーカー、お菓子つくりのハンドメーカーなど。
また、今はiPadやスマートフォンで動画を見ながら料理をするので、コンセントの数も必要です。
あるオープンキッチンのお客様も、コーヒーメーカー(バリスタ)を使うたびに延長コードを引き、キッチンの端で使わねばならならず、キッチン本体の収納や高さばかりに意識が向きすぎて気がつかなかったと後悔されていました。
また最近では、コンセントの位置が遠いために電子レンジを離れたところに置くしかなく、「なんだか使いづらい原因」が家電との動線にあったと、改めてコンセント位置の重要性を確認した事例や、反対に背面にコンセントが多すぎて、その分をリビングに欲しかったという事例などもあります。
住まいやすさに電気配線は深くかかわっているのです。
生活実感を想像し、お客様の一歩先をゆく快適キッチン提案の視点として、最適なコンセントの数と配置をおさえておきたいところです。
☆ポイント☆
後悔しないキッチン空間は想像力とミニマムな視点から
快適キッチンのミカタは連載です。
次回はキッチンとリビングダイニングのつながりについて考えます。
次回記事はこちら 第7回 体にやさしいLDKのつなぎかた
阿部 美子さん:ララプラスキッチン代表
住宅設備機器ショールームに勤務した8年半で約1000組のキッチン提案を行い、2007年ショールーム営業部門で全国第1位を獲得。社長表彰を受ける。2012年に全国初、唯一のキッチン空間に特化したキッチンアドバイザーとして活動を開始。
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連載一覧
第1回 キッチンに立つたびに幸せな気持ちになる
第2回 ヒューマンスケールを知る
第3回 キッチンの高さを決める作業点
第4回 キッチン空間のハインリッヒの法則
第5回 会話の見える化で快適キッチン提案
第6回 つい、見落としがちなキッチン空間のポイント
第7回 体にやさしいLDKのつなぎかた
第8回 忘れたころにやってくる・・・キッチン機器のコスト
第9回 高齢化対応キッチンと車椅子対応キッチンのちがい
第10回 使える話題‼️ オープンキッチンと女性の社会進出
第11回 宙に浮く「フロートデザイン」が人気の理由
第12回 「料理」を家事として見た時のキッチン選び
第13回 安心は禁物! 視線が届かない対面キッチンも
第14回 生活スタイルの変化で人気の海外製食洗機
第15回 快適なレイアウトの秘訣は「利き手」にあった!
第16回 リビングキッチンの配色テクニック
第17回 意外と見落としがちなシンクと水栓の距離
第18回 似ているようで違う! キッチン天板の選び方
2021年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。