Column いえズーム コラム

【連載2】ヒューマンスケールを知る


※この記事は北海道住宅新聞の「快適キッチンのミカタ」という連載記事を転載しています。北海道住宅新聞はこちら

キッチンを長く安心して気持ち良く使うためには、身体的に負担がないことが大切。今回は、お客さまの身長にあった快適な作業導線を導く方法をお伝えします。

両手をひろげて

キッチンの前で 両手を大きく左右に広げてみてください。左右水平に腕を伸ばして、右手の中指から左手の中指までが身長とほぼ同じです。これが「ヒューマンスケール」。身長は縦方向に計測することはあっても、横方向で見ることはあまりないと思います。

横方向で見ると、「あれ、こんなもんかな」と意外に数字で把握している身長より短く感じるかもしれません。

お客様のヒューマンスケールを把握しておくことは、身長を基本に動作域を把握することができるので、疲れないキッチンを演出することができるのです。



横一直線に伸ばした腕をそのまま水平に伸ばした範囲を最大水平作業域、垂直上方向に重ねたところまでを最大垂直作業域といいます。これが無理なく作業できる最大空間範囲です。

身長×0.8=肩の高さ…ラクに物を取り出せる上限高さ
身長×0.9=目の高さ…アイレベル
身長×0.4=洗面台の高さ…ラクに物を取り出せる下限高さ
身長×0.25=肩幅…通路などすれ違うときの幅を考える参考
身長×0.55=重心



人がストレスを感じる高さの順番は、上→下→真ん中だと言われていますので、一番動きやすい「適切な場所」とは、視覚でとらえることができる身長×0.4~身長×0.8の高さになります。

キッチン本体や食器戸棚においてもヒューマンスケールを基本とし、適切な位置に使う頻度が高いものがあるかを確認しましょう。

このときに手が届くだけでなく「目で見える」ことも忘れてはならないポイントです。



☆ポイント☆
身長が基本。手が届くだけでなく「目で見えること」も大事

快適キッチンのミカタは連載です。
次回はキッチンの快適さの違いにも関係する高さの考え方についてお伝えします。
次回記事はこちら 第3回 キッチンの高さを決める作業点


阿部 美子さん:ララプラスキッチン代表

住宅設備機器ショールームに勤務した8年半で約1000組のキッチン提案を行い、2007年ショールーム営業部門で全国第1位を獲得。社長表彰を受ける。2012年に全国初、唯一のキッチン空間に特化したキッチンアドバイザーとして活動を開始。

公式サイトはこちら

連載一覧
第1回 キッチンに立つたびに幸せな気持ちになる
第2回 ヒューマンスケールを知る
第3回 キッチンの高さを決める作業点
第4回 キッチン空間のハインリッヒの法則
第5回 会話の見える化で快適キッチン提案
第6回 つい、見落としがちなキッチン空間のポイント
第7回 体にやさしいLDKのつなぎかた
第8回 忘れたころにやってくる・・・キッチン機器のコスト
第9回 高齢化対応キッチンと車椅子対応キッチンのちがい
第10回 使える話題‼️ オープンキッチンと女性の社会進出
第11回 宙に浮く「フロートデザイン」が人気の理由
第12回 「料理」を家事として見た時のキッチン選び
第13回 安心は禁物! 視線が届かない対面キッチンも
第14回 生活スタイルの変化で人気の海外製食洗機
第15回 快適なレイアウトの秘訣は「利き手」にあった!
第16回 リビングキッチンの配色テクニック
第17回 意外と見落としがちなシンクと水栓の距離
第18回 似ているようで違う! キッチン天板の選び方

2021年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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