Column いえズーム コラム

【連載18】似ているようで違う! キッチン天板の選び方


※この記事は北海道住宅新聞の「快適キッチンのミカタ」という連載記事を転載しています。北海道住宅新聞はこちら

キッチンは、キャビネットや機器類、天板、シンクの組み合わせ。そこで今回は、天板の選び方についてお伝えします。

天板の種類を大きく分けると、以前はステンレス天板と人造大理石製天板の2択でしたが、最近ではセラミック天板や天然石天板、MDF、タイルなどがあるほか、下地に無限のカラーバリエーションを持つ左官材を2.5㎜から3㎜程度薄塗りしてシームレスに仕上げたモールテックス天板などもあり、種類もカラーも豊富になりました。


人造大理石


人造大理石と人工大理石のちがい

その中でも、人工大理石と人造大理石の違いについては、お客様にも聞かれることが多いので、詳しく知っておくことで、お客様の暮らしに合わせた提案に幅がでてきます。
 
人造大理石は、天然の石などを細かく粉砕し樹脂で固めた半人工素材です。石英94%+樹脂で製造したサイルストーンや、水晶を入れたクオーツストーンなどです。
 
例えばクオーツストーンは、表面硬度が高く、抗菌処理が行われていますので、衛生的に使用できるといった特徴があります。


人工大理石


一方、人工大理石はアクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材の化学合成材です。天然石は入っていません。アクリルとポリエステルの配合バランスによって、傷の修復度や耐衝撃性などに違いがでます。

人工大理石のうち、アクリル系はアクリル樹脂成分が多く、衝撃に強いほか、傷がついても修復が可能。耐熱性は200℃くらい。ポリエステル系は、ポリエステル樹脂成分が多く、軽量で安価ですが、表面は紫外線で黄色に変色し、汚れが取りにくく、傷の修復も難しいのが難点。耐熱性はアクリル系と同じく200℃くらいです。

アクリル系の方が高級感を出しやすく、耐候性や耐水性も優れます。このように、似ているようでもその違いをしっかり把握しておけば、お客様の生活に寄り添ったキッチン天板の提案が可能になってきます。

☆ポイント☆
人工大理石はアクリル系とポリエステル系で、キッチンの使い方・選び方が異なる

快適キッチンのミカタは連載です。
続きは北海道住宅新聞本紙でお楽しみください。北海道住宅新聞はこちらから


阿部 美子さん:ララプラスキッチン代表。

2011年からキッチンアドバイザーの先駆けとして活動を開始。キッチンショールーム勤務の経験を活かし、独自のコンテンツでキッチンの楽しみ方を伝えている。

公式サイトはこちら

連載一覧
第1回 キッチンに立つたびに幸せな気持ちになる
第2回 ヒューマンスケールを知る
第3回 キッチンの高さを決める作業点
第4回 キッチン空間のハインリッヒの法則
第5回 会話の見える化で快適キッチン提案
第6回 つい、見落としがちなキッチン空間のポイント
第7回 体にやさしいLDKのつなぎかた
第8回 忘れたころにやってくる・・・キッチン機器のコスト
第9回 高齢化対応キッチンと車椅子対応キッチンのちがい
第10回 使える話題‼️ オープンキッチンと女性の社会進出
第11回 宙に浮く「フロートデザイン」が人気の理由
第12回 「料理」を家事として見た時のキッチン選び
第13回 安心は禁物! 視線が届かない対面キッチンも
第14回 生活スタイルの変化で人気の海外製食洗機
第15回 快適なレイアウトの秘訣は「利き手」にあった!
第16回 リビングキッチンの配色テクニック
第17回 意外と見落としがちなシンクと水栓の距離
第18回 似ているようで違う! キッチン天板の選び方

2022年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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