2050年脱炭素社会実現に向けて住宅の高断熱化が加速中です!
いま日本では、2050年までの脱炭素社会実現を目指し、国をあげた住宅の高断熱化・省エネルギー化が進められています。
2022年7月に行われた住宅性能表示制度の改正によって省エネ上位等級が新設、また2025年4月から省エネ基準適合が義務化されました。
2022年4月にはZEH基準に相当する断熱等級5、一次エネルギー消費量等級6が新設され、品確法(住宅の品節確保の促進などに関する法律)に規定された省エネ性能を表す断熱等性能等級(以下断熱等級)は5つのランクが設定されました。(表を参照)
2022年10月にはさらに戸建て住宅には断熱等級6・断熱等級7が新設されました。
それぞれの等級は暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を、それぞれ
等級7 約40%削減可能なレベルの性能
等級6 約30%削減可能なレベルの性能
としています。
ちなみに等級5は、断熱等性能等級4より上位の「ZEH(ゼッチ)基準」相当です。
等級4は、1999年に制定された「次世代省エネ基準」がベースとなっており、壁・天井・窓や玄関ドアにしっかりした断熱が必要なレベルです。
このように、これまで省エネレベルの基準だった等級4が、2025年4月からは最低基準に位置づけられることで、全ての新築住宅に高い断熱性能が義務化されることになったというのがここ数年の大きな変化です。
家を建てる人たちにとっては、制度によって住宅品質が確保されるのは嬉しいことですが、断熱等級を表す主な数値あるUA値は、家を建てる時に使う断熱材や窓などの「仕様」によって算出される数値だという事も知っておきたいポイントです。
UA値(外皮平均熱貫流率・住宅の断熱性能を表す数値で、小さいほど高断熱)は仕様に照らし合わせた計算のみで出される数値であり、C値(相当隙間面積・住宅の気密性能を表す数値で、小さいほど気密性が高い)のように実際に測定が行われることはありません。良い仕様で、その数値にふさわしい高断熱を実現できるかどうかは、「工事の質の高さ」にかかってきます。つまり「大工さん・職人さんの技術力」が欠かせないということです。
断熱・気密が家族の健康や家計、暮らしの快適さを左右する
札幌圏で、断熱・気密性能が低い家で暮らすと、
1 年間光熱費が軽く30万円を超えてしまう
2 脱衣所や浴室が寒くヒートショックの心配が常にある
3 結露やカビに悩まされる
4 足元や窓からの冷気が冷たい
といった問題が生じます。「現代の新築住宅で寒さや光熱費負担に悩むなんてありえない、と思われる方もいるかもしれませんが、北海道住宅新聞社が、札幌市内の新興住宅街に住む新築購入後数年以内の住宅購入経験者40名に、入居後の感想を聞いたところ、
「冬場の灯油代が以前の賃貸マンションの時の3倍かかった」
「思ったより光熱費が高す」
「窓の下が寒い」
「暖房のない二階はいつも肌寒い」
といった住宅の光熱費や寒さに関する不満が最も多く聞かれ、高断熱高気密住宅が得意であるかのように見えるハウスメーカー・工務店でも、住宅性能の確保は解決済み、とは言い切れないという現状を明らかにした結果でした。
たとえデザインや間取りが良くても、寒冷地北海道・札幌では、住宅の断熱・気密性能が悪いと快適な暮らしは困難です。 今回は、札幌圏で、住宅の寒さ、光熱費負担問題を解決できたご家族の体験談と、その住宅会社の取組をご紹介します。
施工経験が豊富で、高断熱・高気密住宅の施工経験が豊富な、腕の良い大工さんや職人さんに支えられた技術力の高い会社ばかりです。それでは、一挙に実例を見ていきましょう!
UA値0.167W!!札幌のトップランナー住宅 札幌市H邸/拓友建設
Hさん邸は、5ランクある札幌版次世代住宅基準で一番厳しいランクであるトップランナー(現・プラチナ)の認定を取得しています。
「トップランナー」は断熱性能が国の省エネ基準の2.5倍も高性能ですが、それだけ設計や施工が難しく、建築費用もかかります。札幌市は補助金を出して推進しており、2019年度は3軒の募集に対して、申込があったのは1棟のみ。日本でもっとも厳しい公的な基準です。これをクリアすれば光熱費は大幅に下がり、維持費も安くなります。もちろん暖かくて快適な家になります。トップランナーレベルの断熱性を確保するために、壁には合計で約300ミリの断熱材を施工しました。1階リビングには、床から高さ2mもある大開口のトリプルガラス入り樹脂サッシを取り付けたので室内は明るさ抜群。
なお、現在の最高レベル基準「プラチナ」は、超高断熱化に加えて太陽光発電と蓄電器の装備が必要になります。詳しくはこちら。
「高断熱だから窓は小さい」そんなイメージと正反対なのは、窓も断熱性と気密性に優れた高性能品を採用しているからです。「家の断熱性を高めるためには、正直に言えばすべての窓を小さくするのが手っ取り早いんです」と妻沼社長は語ります。
「でも、それでは肝心の住み心地が悪くなってしまう。当社が設計事務所とタッグを組むのは、お客さまに合ったデザイン性と快適性を両立させた満足度の高い家をつくるためです」。
拓友建設とは?
札幌市北区の工務店・拓友建設株式会社は、住宅会社100社以上が参加する住宅性能の研究グループ「北海道SHS会」の会長を長年務め、北方型住宅や札幌版次世代住宅基準、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)など、札幌圏の高断熱高気密の家づくりをけん引している札幌の住宅会社。▶拓友建設
大工さんの気遣いに感動&快適な家づくり 札幌市T邸/ケイアイの家
富山では築40年の社宅に住んでいたというTさん。寝るときには掛け布団と毛布を何枚も重ねて、湯たんぽを入れていても寒かったと話します。窓周りには結露が発生してカーテンが濡れてしまうほどだったとか。長年寒さに悩まされてきたTさんが住まいに求めたのは、冬を暖かく過ごせる快適な住環境でした。
玄関とリビングを仕切る扉がない構造は、高気密・高断熱の高性能住宅だからこそ実現する間取りです。
奥さま 親戚がケイアイさんで家を建てていて、「暖かくて住みやすい」という話は以前から聞いていました。いくつかの住宅メーカーを検討したのですが、やはり信頼できるケイアイさんにお願いしようと思って依頼を決めました。
常田さん ケイアイの家は標準仕様で『ZEH oriented』基準をクリアしています。外壁は高性能グラスウール105ミリに、ネオマフォーム45ミリを付加断熱。サッシもトリプル、玄関ドアも高断熱製品を採用し、断熱気密施工も新住協(一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会)で知識、技術を学んで実践しています。
以前の住まいでは寒くて毛布を何枚も重ねて眠っていたと話す奥さま。親戚にその話をすると「ケイアイの家は毛布がいらないほど暖かいよ」と言われたそう。日頃から信頼できる人の感想を聞いていたことも依頼を決める後押しになりました。
ケイアイの家(ケイアイコーポレーション株式会社)とは
ケイアイの家は、北国の暮らしに適した住宅を建てています。先端技術を開発し、日本の住宅性能の向上を目指す民間の研究機関・新住協(一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会)に属し、定期的な勉強会に出席しては知識を得て、実際の施工で実践しています。▶ケイアイの家
エアコン冷暖房でも快適に暮らせる ファース(FAS)の家 江別市M邸/SANKEI(サンケイ建匠)
SANKEIサンケイ建手がける『ファース(FAS)の家』は、「エアクララ」という断熱材を使用した高気密・高断熱の家に、健康空気循環システム「AIキット」による空気の流れと、調湿空気清浄剤「ファーストシリカ」による最適な湿度コントロールで、エアコンの冷暖房を効率よく家全体に巡らせる高性能住宅です。
Mさんはさまざまな住宅会社の家を見学しながら、「北海道で新築する家に、今どき寒い家はない。むしろ、夏の暑さをしのぐ機能が必要」と考えるようになりました。これまで住んでいたオール電化の賃貸テラスハウスは部屋によって室温にムラがあり、光熱費が大きな負担に。マイホーム建築にあたって重視したのは徹底的にランニングコストを抑えることでした。
「『ファースの家』が見学できる」構造見学会がSANKEIとの出会い。「エアコンでは北海道の寒さに対応できるはずがない」と思っていたご主人が、実際の構造を目の当たりにして、「断熱性や気密性の高い魔法瓶のような家であれば、エアコンを使ったシステムが成立する」と納得する機会になりました。
実際に新居で冬を過ごした結果、今よりも狭かった以前の家よりもトータルの光熱費は安く済んでいるそうです。
株式会社SANKEI(サンケイ建匠)とは?
サンケイ建匠は1979年の創業以来、札幌市西区を拠点に地元密着型の不動産・住宅サービスを展開。事業内容は不動産・住宅の全般に渡り、資金計画から土地・建物不動産売買、「ファース工法」でつくる新築住宅、中古住宅購入+リフォーム・リノベーションなど、様々な要望に「ワンストップ体制」で応えている。
「ファース工法」を採用した高品質な家づくり
冬暖かく、夏涼しい、快適な温熱環境のファースの家は、高気密・高断熱、計画換気、調湿機能に優れ空気がきれい。省エネでエコ、高耐久で強い点が特徴。木造軸組構造が基本となる工法は、腕の良い専属大工による高い断熱・気密施工があってこそ。小屋裏設置のエアコンと独自の空気循環システムで家全体のベース温度をつくり、輻射による快適な暖房・冷房空間が魅力だ。▶︎SANKEI(サンケイ建匠)
寒さに弱いインコのためにZEHパッシブ換気 恵庭市T邸/エコットハウス
野生のセキセイインコは、多くて10万羽もの群れを成す野鳥。群れの最小サイズが10羽ということから、群れで暮らすインコ本来の生育環境をつくるため、11羽の多頭飼育をしているそう。
「窓を開けたスキに小鳥たちが逃げないように、網戸を閉めっぱなしにできる引き違い窓にしてもらいました」と奥様。他の部屋と異なり、小鳥部屋は一定の室温を保つために、個別換気・個別暖房にもこだわりました。
エコットハウスで建てる決め手となったのは、温度変化を嫌う小鳥たちにやさしい室内環境と、冬の停電時にも室温が下がりにくい高い断熱性能。機械換気を使わずファン音がない静かなパッシブ換気と、停電してもある程度自立した生活が送れる「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)※」が実現でき、北海道でもインコたちにとってほぼ理想の環境をつくることができたとTさん。
※ ZEHとは:断熱性能を高めるなど住宅で使うエネルギーを最小限に抑えた上で、家で使うエネルギーとほぼ同じ量の電気を太陽光発電によって生み出す家。パッシブ換気とZEHの組み合わせは技術的に非常に難しいとされています。
エコットハウスとは?
札幌市清田区のエコットハウス(松浦建設)は、豊富な住宅リフォーム経験を背景に、新築住宅を建てる際もメンテナンスや光熱費の負担の少ない、高耐久・高性能・省エネの家づくりを重視。外壁は次世代レンガ、換気はパッシブ換気、断熱は1メートル断熱トリプルなどに取り組み、住宅の性能や品質に関心の高い層から評価されている。▶エコットハウス
高断熱・高気密、耐震にこだわった開放的な平屋の家 北広島市Y邸/リビングワーク
断熱・気密には相当なこだわりを持っていたYさん。「なるべく、我が家から無駄なエネルギーを出したくないんです。そのためには、室内の熱を逃したくない、つまり断熱性と気密性はしっかりとしたいと思いました」
暖房は、エアコン1台だけ。「リビングワークさんのオープンハウスを数件見学して、どの物件もエアコン一台でも全室暖房ができていて十分暖かかった」と確信したそうです。 凸凹の少ない家にすることで、断熱・気密性能が高めやすく、建材などの無駄なコストを抑えることもできました。
南側には、天井のすぐ下から床までの高さがある大きな窓。トリプル樹脂サッシでも「省エネ建材等級」で最高レベル、世界でもトップクラスの性能と言われるYKK APのAPW430シリーズを採用しています。 玄関ドアには、逃げる熱を大幅に減少させる超高断熱タイプの「イノベスト」を選びました。断熱性能を表すUA値0.24(HEAT20 G2クリア) 気密性能を表すC値0.7。
札幌の住宅会社・リビングワークとは?
株式会社リビングワークは1994年にリフォーム・インテリア会社として創業。雪と寒さに悩まされることがない家、すてきなインテリアで毎日が楽しい家を提供したいという創業の思いが、新築注文住宅とリノベーション両方に生かされています。高性能住宅にこだわり、オンリーワンのインテリアとデザインで、将来にわたり価値の高い家づくりを続けている。 ▶株式会社リビングワーク
最新鋭ZEHと自然素材が絶妙コラボ! 北広島市佐久間邸/キクザワ
カーポートの屋根と、建物の屋根に合わせて7.8KWという大容量太陽光パネルを設置。外壁はグラスウール(GW)に換算すると300㎜近い断熱厚にするなど、国の省エネ基準に対して2.5倍以上高断熱。 「家を建てようと決めた時に『この家をZEHにできるか実験したら面白くない?会社にもきっとプラスになるはず』と考えたんです。もちろん私達家族にとって経済的なメリットが大きいのも魅力でしたし(笑)、そうなったらどこまでもそれを追求しようという事になって・・・」
ZEH(=ZERO ENERGY HOUSE)とは、家で使う暖房、冷房、換気、調理などのエネルギーを家に 付けた太陽光発電で全てまかなえる住宅のこと。実際は、夜や悪天候時は発電できませんので、電力会社から「買電」して電気を引いてますが、日中は家で使い切れない余剰電力を電力会社に「売電」しています。この「買電」よりも「売電」が上回れば、「お金を稼ぐ家」になるわけです。
もし、断熱厚が国の省エネ基準ぐらいの薄さだったら、家で使うエネルギーはたくさん必要です。ところが佐久間邸は、住宅の省エネレベルを国が細かく評価する「BELS」という制度で、省エネ基準住宅の約3分の1しかエネルギーを使わないという認定を受けました。
「キクザワの断熱性能であれば、吹き抜けをやめて窓も小さくすれば、もっと少ないパネル枚数でも十分にZEHになったと思います。ただ、暮らしの楽しさや生活しやすさを妥協したくありませんでした。「ZEHのおかげで光熱費を支払うどころか『おこづかい』がもらえました」(佐久間さん)
恵庭市の工務店・キクザワとは?
恵庭市を中心に札幌、北広島、江別など札幌圏の工務店。菊澤里志社長は、道内の有力工務店グループアース21の会長を務め、北海道の住宅業界を牽引。大工を常勤雇用。アフターメンテナンスも含め施主との信頼関係を高めており、住宅受注の約6割は顧客などからの紹介。ZEH住宅など住宅性能や自然素材を活用した家づくりも人気の要因です。 ▶キクザワ
進化したパッシブ換気と新素材で魅せるデザイン 札幌・西野モデルハウス/奥野工務店
「当社の断熱・気密性能をベースに、パッシブ換気・床下暖房システムでどこまで省エネな住まいにすることができるかが大きなテーマの一つでした」。
こう語るのはモデルハウスを案内して頂いた営業担当の戸村公平さん。
奥野工務店が建てる住宅は、断熱性能を示す外皮平均熱貫流率=UA値(数値が小さいほど高断熱)が0.25W前後と、国の省エネ基準値0.46Wはもちろん、ゼロエネルギー住宅・ZEH+の強化外皮基準である0.3Wも上回り、気密性能を示す相当隙間面積ーC値(数値が小さいほど高気密)は実測値で0.3cm2/m2未満と、札幌市が定めた札幌版次世代住宅基準で最高ランクとなる“トップランナー”の0.5cm2/m2より高気密。今回のモデルハウスもUA値0.4W、C値0.273cm2/m2を記録しています。
パッシブ換気・床下暖房システムは、“暖められた空気は上昇する”という自然の原理を応用し、床下に導入した新鮮外気を放熱器で予熱してから室内に給気・循環させ、汚れた空気は2階壁付けの排気筒から排出する仕組み。
この仕組みを奥野工務店の住宅に最適化するにあたり、今回は省エネ空調システムの研究開発等を行っている㈱から屋(札幌市)が換気設計を行いました。暖房に必要な熱量を求める熱負荷計算や、室内の空気を循環させる経路と床・壁の通り道の設定、放熱器の容量・位置の選定などを厳密に行い、室内の空気の対流を促すため、地中に埋設したアースチューブから入ってくる新鮮外気と2階から下りてくる室内の空気をミックスするボックスを1階床下に設置しました。
これによって、家中どこでも温度差のない快適な室内環境はそのまま、1階床下に設置する放熱器が従来の半分程度となる4台で済んだばかりか、1階天井ふところの放熱器も不要に。暖房設備にかかるコストを減らすことができるだけでなく、光熱費は同社の試算で従来よりも5万円弱少なくなるなど、省エネ化とコストダウンの両方が可能になったのです。
狭小地でも家族4人が快適に暮らせるパッシブ換気の住まい 札幌・豊平モデルハウス
パッシブ換気システムを採用するためには高い断熱・気密性能が欠かせませんが、このモデルハウスでは外壁の外張り断熱材を標準の硬質ウレタンボード80mmから、より熱を伝えにくいキューワンボード70mmに変更し、壁の中には高性能グラスウールを充てん。天井は吹込み断熱材450mm、基礎は発泡プラスチック系断熱材を外側に100mm、土間下に50mm施工し、窓はすべてトリプルガラスの樹脂サッシを採用。断熱性能を示す外皮平均熱貫流率=UA値(数値が小さいほど高断熱)は0.25Wと、国の省エネ基準である0.46Wはもとより、ゼロエネルギー住宅・ZEH+の強化外皮基準である0.3Wも上回ります。
もっとも、断熱・気密性能は計算上のスペックではなく、現場での施工がしっかり行われているかどうかに左右されます。狩野さんによると「例えば構造体を施工する時には、筋交いを留めるボルトなど金物回りで必要なところはすべてコーキング(隙間を埋める充填剤)を使うなど、手間はかかりますが細かい部分まで断熱・気密施工にはこだわっています。当社の住宅では気密性能=相当隙間面積(数値が小さいほど高気密)で0.5cm2/m2を保証しますが、昨年引き渡した住宅4軒は0.1〜0.2cm2/m2でした」と言います。
札幌の工務店 奥野工務店とは?
奥野工務店は、高断熱高気密・パッシブ換気・自然素材活用・自由設計の注文住宅などを特徴とする札幌の工務店。1968年創業で50年以上の歴史もある。設計・プランニングは、経験豊富な現場監督兼営業マン、そして奥野社長がお客様の要望をしっかり伺い、性能・素材・デザイン・間取り・動線・住設機器・ご予算などを十分に検討して提案している。▶奥野工務店
パッシブ換気&高断熱高気密の良さを実感 小樽市N邸/江田建設
小樽市のNさんご夫妻は、家の寒さと結露に悩まされる中で住宅の断熱・気密、そしてパッシブ換気システムの家を建てたいと考え、住宅会社を探し、パッシブシステム研究会の副理事長でもある江田建設にたどり着きました。
この家の断熱性能は、壁が内側にロックウール105ミリ、 外側にウレタン80ミリの複合断熱。窓はトリプルサッシを採用する高断熱仕様で、気密性能も測定の結果、 C値(相当隙間面積)が0.2cm2/m2 。Q値(熱損失係数)が1.0W/m2K 。UA値(外皮平均熱貫流率)が0.25W/m2K と高い水準を確保しています。
Nさん 脱衣所や玄関、2階など家のどこに居ても寒い空間がないし、結露などの悩みも全くありません。トリプルサッシを採用したので窓廻りも冷気を感じません。 室内に暖房機がないので、暖房機の掃除が必要ないし、壁際に設置物がなく、室内がすっきりするし、家具などを置きやすいのも良かったですね。パッシブ換気に加え、水回りは別途第三種換気も導入しているので、愛犬がいるのに臭いなどの悩みもありませんし住み心地は快適です。この家は2世帯住宅ですし、小さな子どももいるので光熱費は、普通の家の倍近く掛かるのでは無いかと心配していましたが、一年間でトータル約25万円位でした。2世帯住宅とは思えない光熱費で喜んでいます。
なお、パッシブ換気システムは、家全体の空気がもれなく循環し、最終的に屋外に排出される仕組みで、室内空気環境を重視される方に注目されている手法です。
小樽市の工務店・江田建設とは?
江田建設は小樽の工務店ですが、同社の江田清三社長の断熱・気密・換気・暖房の勉強熱心さは札幌圏の住宅業界でも一目置かれています。住宅の断熱性能、パッシブ換気システム、住宅の施工品質を重視する札幌の設計事務所などからの要望で、札幌市内でも数多くの施工実績があり、小樽・札幌を問わず家づくりを行っています。 ▶江田建設
アパート時代と変わらない光熱費に感激 札幌市K邸/ブレイン札幌
札幌のK夫妻が、家を建てるときに特に重要視したポイントは2つ。 1つは、「暖かい家にしたい」 もう1つは、「自分たちの希望を叶えたプランになるか」です。
暖かい家にこだわったのは、20年近く前に奥さまのご実家が建て替えで高断熱・高気密住宅に生まれ変わり、その快適さを既に実感していたことと、2人で住んでいた鉄骨アパートがとにかく寒かったからです。 「床がやけに寒いと思ったら、下階の住人が引っ越して空室になってました」とKさん。底冷えを感じるほどの寒さだったそうです。
また、ご実家では食品庫や吹抜けなど、高断熱・高気密住宅ならではの便利な設備やプランが実現しており、それも戸建住宅を建てたいという思いにつながったようです。
まずはハウスメーカーが、価格やプランの自由度という点で脱落していきました。 高断熱が売りのハウスメーカーも、宿泊体験をした結果、「思ったほど良く感じられなかった」ということで候補から外れ、残ったのがブレイン札幌ともう1社の工務店。どちらも高断熱・高気密が売りでした。
「ブレイン札幌さんは、正式契約の前から設計担当の方が積極的に提案をしてくださり、カフェ風カウンターの相談もブレイン札幌さんだけが乗り気でした」とKさんは嬉しそうに話します。
入居して1年半 「オール電化住宅なのでとても高そうなイメージだと思いますが、車2台分の広さのロードヒーティングを入れても最大で月4万円です。年間ではアパート時代とほとんど変わらない光熱費です。家中どこも同じ暖かさで、しかもうんと広くなって快適なんです」とKさん。
札幌市の工務店 ブレイン札幌とは?
ブレイン札幌は札幌市西区の工務店。断熱・気密性能の高い住宅で年間の暖房光熱費を18万円ほどに削減し、ソーラーによる太陽光発電によって光熱費をさらに減らす。遠赤外線床暖房を採用することで、身体の奥からじんわり暖かく、省エネも実現。地中熱ヒートポンプ冷暖房システムにも取り組むなど、住宅の光熱費や住環境改善に力を入れています。設計・デザイン面は外部の建築士と連携することでセンスの良い家づくりを実現、性能・デザインの両立で顧客満足度は高い工務店です。 ▶ブレイン札幌
室内の温度差がないので健康面でも安心 札幌市O邸/晃和住宅
「本当のところ、ここに住むまでは"外張り断熱は寒いんじゃないか"という不安があったんですよ」とOさん。「それが、全室床暖房でどこも暖かい。土間やお風呂の床も暖かいんですよ」。
奥さまも「前の家は寒かったので、母の健康面で、ヒートショックなどが心配でした。温度差がないのは超安心です」と話してくれました。さらに、「気密もすごいですよね。換気扇を付けていたら、玄関ドアを開けるときに『プシューッ』というんです。もう驚きました」とOさん。
「前の家は築20年。調べると木材や断熱材が一部腐っていました。大規模リフォームで1000万円以上もかかることを考えれば、晃和住宅さんで新築して大正解でした」。暖房の効きが悪く、寒さや結露を我慢していた前の家と同じ灯油代や電気代で、前とは比べものにならない快適さを手に入れられました。
札幌の住宅会社・晃和住宅とは?
晃和住宅の小川敏夫社長は創業以来現場で大工仕事をこなしつつ、技術を学び、建築家とのコラボも経験し、設計・デザイン力も鍛えながら札幌の中堅ビルダーに成長してきた。住宅の断熱・気密性能を大切にすること、そして「顧客の要望をしっかり受け止め、実現する」という面で高い評価を受けています。 ▶晃和住宅
W断熱、ウッドファイバー断熱を採用 札幌市H邸/シノザキ建築事務所
お仕事柄、いろいろな家におじゃますることが多いというHさん。「わりと寒い家も見てきているんですよね。だから、やはり我が家は暖かいのがいいな、と思っていました」。シノザキさんがすすめる断熱・気密の仕様にも"ちょっと高いけど投資してみよう"と思ったといいます。「せっかくの暖気を逃したくないですからね。それに将来的に考えれば、光熱費が安く済むのも魅力的でした」
H邸の断熱は、壁の中と外に断熱材を施工するW断熱方式。壁の中は、道産木材を使い、遮音性能や蓄熱性能にも優れたウッドファイバー断熱材を採用。熱が逃げやすい窓も、断熱性能が世界トップクラスというトリプルガラス入り樹脂サッシを採用しています。雪降る季節に窓のそばに立っていても、寒さを感じることはないそうです。
札幌の設計事務所 シノザキ建築事務所とは?
代表の篠崎廣和さんは全国最大手の2×4ハウスメーカーの設計会社で住宅設計、全国最大手の在来工法ハウスメーカーの住宅設計や現場、お客様対応など、トータルでは1000件を超える住宅づくりを行い、住まいづくりの膨大な経験とアイデアを蓄積。特別な思いがあるという札幌の地で設計事務所を開業しました。 住まいの動線、デザインセンス、住宅性能に関する理解と経験、顧客ニーズを踏まえた多彩な提案などが魅力で、オープンハウスを開催すると毎回多くの来場者で賑わいます。 ▶シノザキ建築事務所
屋根断熱で2階の天井を高く! 恵庭市M邸/丸三ホクシン建設
奥さま「もともと、住宅展示場などを見に行くのがとても好きだったんです。色んな家を見に行くのがちょっとした夫婦共通の趣味でした。見た目だけでなく断熱や換気などの話を聞くのも好きで札幌周辺の住宅展示場などをたくさん見に行きました」丸三ホクシン建設は、断熱性能を高めるために、住宅を外側からすっぽり覆うように断熱するSHS工法を採用しています。
2階の天井は室内側から見ても三角屋根の小屋裏形状になっています。そのため2階の子ども部屋は開放感抜群です。一般的な天井断熱なら小屋裏に断熱材を充填したりしますが、SHS工法は屋根断熱なので小屋裏を設ける必要がなく、2階の天井が高くできるのです。
奥さま「過ごしやすくて、すごく落ち着きます。住んでいる私たちも快適ですが、遊びに来てくれた人が『居心地がいいからまた来るね』って言ってくれるんです。娘も我が家を喜んでいるし、新天地ですが元気いっぱい学校に通えています。理想の我が家が実現して、本当に良かったと思っています」
丸三ホクシン建設とは?
15人の大工を擁する技能者集団。無垢材、レンガなど自然素材を活かした家づくりと、造作の収納・家具、オーダーのキッチンなども人気。高断熱・高気密住宅の普及にも熱心で、1棟完成する毎に気密測定を実施し、施工品質のチェックも行っています。また木造住宅の外張り断熱工法「SHS工法」の会長も務めている。▶丸三ホクシン建設
薪ストーブのあるニアリーZEHの高性能住宅Q1.0-Z 札幌モデルハウス/アシストホーム
住まいで使うエネルギーを減らす「省エネ」と、太陽光発電システムなどでエネルギーを生み出す「創エネ」を組み合わせた「ニアリーZEH」(ネットゼロエネルギー住宅・ぜっち)。アシストホームが2017年に建てたモデルハウスのコンセプトです。
白いガルバリウム壁とキレイに並ぶ窓が目を引く外観です。耐久年数がよくメンテナンスに優れ、見た目も格好いいガルバリウムにしたいと、ご主人が希望しました。屋上に太陽光パネル(12.07kW)を搭載し、全館空調の暖冷房を採用したZEHのオール電化住宅。
札幌のハウスメーカー・アシストホーム(株式会社アシスト企画)とは?
92年に設立した札幌市北区の住宅会社。高断熱高気密住宅、シックハウス対策方法(室内環境改善対策)にも積極的に取り組む。お客様のライフスタイルをしっかりヒアリング、暮らしや住まいへの思いを踏まえた注文住宅を提案している。プランニングから現場管理、コーディネートまで、女性スタッフを中心に統一感のある暮らしの提案をしている。▶アシストホーム(アシスト企画)
最後に
断熱性能・省エネ性能は、断熱材の厚みや製品の仕様だけで決まるわけではありません。断熱・気密施工の技術や丁寧さが性能に大きく影響します。住宅会社によって断熱性能向上に向けた勉強、努力を重ねているか、気密性能を測定しているか、そして太陽光発電やZEHの対応などへの理解度も異なります。
また、自由設計の注文住宅を行う工務店の場合はある程度、断熱材の仕様・厚みなどは顧客の予算、断熱性能をどのくらい重視するかを話し合った上で断熱性能などを決める会社が多いと思います。そういう意味では、住宅会社のカタログやホームページに記載された断熱仕様・スペックだけで、省エネ性能の高い家を建てる住宅会社かどうかは、わからない面があります。
札幌圏で家を建てる方は、この点しっかり住宅会社の実力を見極めて頂ければ、後悔のない家づくりが実現しやすいと思います。
北海道の住宅業界がどのように住宅の省エネ、結露などと闘ってきたか。
住宅の高断熱高気密総まとめ ももしよければ参照ください。
断熱リフォームという選択肢もあります
今回は札幌圏の新築住宅で高断熱高気密を実現された事例をご紹介してきましたが、住み続けた家や、中古住宅を購入して断熱改修し、暖かい高断熱・高気密住宅にする選択肢もあります。
目次
2024年08月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。