
子ども部屋づくりで大切なのは、家具やデザインよりも「ここでどんな行動をするか」をイメージすることです。基本となるのは、①寝る ②勉強する ③支度をする ④遊ぶ。この4つの行動がスムーズにできる環境を整えることが、子どもの自立につながっていきます。そのためには、どんな間取りや造作家具を提案すればいいのか、4つの行動のポイントを紹介しましょう。


①寝る
ベッドか布団かにもよりますが、シングルベッドならサイズは約100×200㎝。部屋の中で大きな面積を占めます。小学生のうちはセミシングルでも十分ですが、長く使うならシングルサイズを選んでおくと安心。ベッド下を収納に使ったり、ロフトベッドで空間を分けたりと、成長を見越した工夫が自立を助けます。
②勉強する
必要なのは学習机と棚。集中しやすい環境にするには、机の上は必要な物だけに。文房具や教材は近くの棚や引き出しにまとめておくとスッキリします。収納は「ざっくり」で十分。細かすぎないほうが、子ども自身が片づけやすくなります。
③支度をする
ランドセルや制服、持ち物を、ひとまとめにしておくと、朝の準備も帰宅後の片づけもスムーズ。「置きっぱなし」になるのは、“片づけの仕組み”が合っていないサインかも。年齢に合わせ、リビングに置くか子ども部屋に置くかを見直すことも重要です。
④遊ぶ
おもちゃや本は、大きめのボックスやオープン棚にざっくり収納するのがお勧め。片づけのハードルを下げることで、遊んだ後は自分で片づけるようになります。小さくこまごましたおもちゃは、浅い引き出しに入れると見つけやすく、管理もしやすいですよ。

子どもは成長とともに個室で完結する行動が増えるからこそ、家づくりの段階で「どこで・何をするか」を想定しておくことが大切です。
片づけの習慣は、性格ではなく環境で決まります。片づけの仕組みさえ整っていれば「自分のことは自分で」できるようになり、親の声かけも減って親子ともにラクになります。さらに子どもの身長や好みの変化に応じ、片づけの仕組みを調整することで“自分でできること”も増えていきます。
“子ども部屋は子どもが自立するための練習の場”という視点で、住まいづくりを考えてみてはいかがでしょうか。
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このコラムを書いた人
のんちさん:整理収納アドバイザー1級
2014年に資格取得後、4度の引越しを経て2021年から活動開始。訪問・オンラインでの片付けレッスンを行いつつ、手仕事のコミュニティも主宰。片付けなどに関する100軒以上のお悩みに触れ、サポート実績は300時間以上にのぼる。インスタアカウントでも楽しくためになる発信を続けている。
のんち|片付け×家事シェアの専門家 https://www.instagram.com/nonchi._.kurashi/?locale=ja_JP

※この記事は北海道住宅新聞 2025年10月5日号に掲載されたコラムです
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