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生活動線が整えて暮らしをスムーズに 整理収納コラム6


朝の時間帯に家族みんながそれぞれの支度をしていると、「水筒どこ?」「あ、ハンカチ忘れた!」と小さな渋滞が起こることはありませんか。この“朝のもたつき”って、実は空間の流れが整っていないことが原因かもしれませんよ。
今回は、家の中で人が行き来する“流れ”、つまり生活動線を整えることで、暮らしがグッとスムーズになるというお話です。




動線というと「最短距離で動けること」を思い浮かべがちですが、それよりも「行動が順番通り自然につながること」が大切になります。

例えば、小学生が朝に支度をする時の流れを考えてみましょう。起きる→トイレ→洗面→着替え→朝食→身支度→出発。この一連の行動は家の中を移動しながら進んでいきます。そのため、それぞれの行動の流れが考えられていないと、家の中を何度も行き来することになり、置きっぱなしや忘れ物も増えてしまいます。


玄関ホールから→洗面室→ユーティリティー→パントリー兼ファミリークローゼット→キッチン(LDK)がつながる


対応策としては、家づくりの段階で行動の流れを書き出し、間取り図を見ながらたどってみるのがオススメ。そうすると「家のどこで何を使うのか」が明確になり、 収納スペースの見極めやモノの置き場所を決める際にも役立ちます。



小中学生の子がいるわが家では、子どもが自立できるよう、リビング横の和室に身支度スペースを設けています。クローゼットと学用品スペースを隣接させたことによって、朝の準備は1ヵ所で完結。登校前にバタバタと探し物をすることがなくなり、穏やかに登校を見送れるようになりました。
帰宅後はランドセルや帽子が一時的に散らかることもありますが、動線に沿ってモノの置き場所も決まっているので、「片付けて~」の一言でサッと元に戻せます。


玄関から直通の洗面化粧台は、帰宅後やトイレの後の手洗いにも便利です。右手にランドリールームを兼ねた脱衣室、左手にはキッチンに通じるパントリーが続く


生活動線に沿って流れるように動ける家は、時間にも気持ちにもゆとりが生まれます。動線を整えることは、家族の行動をデザインすること。家の中を自然に動ける仕組みづくりが、朝のバタバタ感を穏やかなリズムへと変えていきます。新築でのプランづくりやリフォーム・リノベーションでの間取り変更を行う時は、ぜひ動線の流れを整えてみてくださいね。

iezoomでは、スムーズな身支度や家事ラクが叶う間取りとして、水回りや玄関まわりなどに回遊動線(行ったり来たりせずに、ぐるっと移動できる経路)を採り入れた家を紹介しています。興味のある方は「回遊動線・間取りの工夫~住宅設計例20選」も、ご覧ください!

このコラムを書いた人



のんちさん:整理収納アドバイザー1級

2014年に資格取得後、4度の引越しを経て2021年から活動開始。訪問・オンラインでの片付けレッスンを行いつつ、手仕事のコミュニティも主宰。片付けなどに関する100軒以上のお悩みに触れ、サポート実績は300時間以上にのぼる。インスタアカウントでも楽しくためになる発信を続けている。

のんち 片付け×家事シェアの専門家  https://www.instagram.com/nonchi._.kurashi/?locale=ja_JP



※この記事は北海道住宅新聞 2025年11月5日号に掲載されたコラムです


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