Column いえズーム コラム

秋田で家を建てた体験談~暗さ・収納・お風呂の位置に後悔


はじめまして。ライターの「りぶにこる」です。
私は秋田県秋田市で、2015年に注文住宅を建てました。
しかし、様々な失敗から、新築2年目にして内装・外構のリフォームをしています。
2度目にしてようやく出来上がった“本当の快適なくらし”を手に入れたエピソードを、全3回の連載で紹介したいと思います。


目次

はじめに|後悔したポイント



まずは、我が家で感じた後悔ポイントを早速紹介したいと思います。

①部屋の中の暗さ

最も大きな後悔ポイントとなったのが、部屋の中の暗さ。
一番の原因は、リビングの壁がOSB合板(画像参照)であったこと。
「和っぽい雰囲気にぴったり」とのことでしたが、朝からずっと照明を使わなければいけないことに、気持ちが下がり切ってしまいました。
また、シーリングライトだけでは部屋の隅まで明るさが届いておらず、朝晩ともになんだか部屋が暗い印象でした。

②収納スペースの奥行き

リビング収納の奥行きは、わずか25cm。
読書家がいない我が家では、数少ない書籍類や小物を収納しても、残りスペースの活用に難しさを感じた箇所でした。
逆に衣類収納が少ないため、ここに洋服を詰め込んだこともあります。
収納スペースがあることだけに満足せず、奥行きや用途をしっかりと考え、伝えるべきだったと反省しました。

また、依頼をしていない室内物干し用の窓枠レール(サービスと言われた箇所)は、ハンガーが壁部分に当たってそもそも掛けられません。
サービスだから言いづらいな…と思いつつ、撤去のお願いをしたところ「サービスだからそれは難しい」と、あっさり断られてしまいました。
もうちょっと一般的な寸法で、収納のサイズ感を考えてほしかったです…。

③お風呂・洗面脱衣所の位置

玄関のすぐ横にお風呂という間取りだったので、お風呂上がりに玄関のドア前を横切るのは、秋田の冬には厳しいです。
どこにお風呂を置くのかは難しいところですが、もうちょっと慎重に検討したほうが良かったかもしれません。

家族構成と家を建てる動機



2歳の長男、転職したばかりの24歳の主人と、パート勤めである27歳の私。
元々授かり婚だったこともあり、経済的な事情で、私の実家で暮らしていました。

しかし次男の妊娠発覚後は、まわりで家を建て始める友人が多くなってきたタイミングでもありました。

「地に足を付けて、自立した暮らしをしなければいけない」
そんな思いからスタートした“家を建てる”という選択。

当時は、SNSを使った情報収集がまだ一般的ではなかったため、家づくりについては手探り状態でした。

夫婦の憧れである平屋をつくりたい



現実的なことはさておき“どんな家にしたい?”と考えるのは、私たちにとっては楽しい時間でした。

夫婦共通の希望は“おばあちゃんちみたいな平屋”。
ちびまる子ちゃんのおうちみたいな、懐かしくて、ちょっとレトロな家。
「縁側が欲しいな」
「書斎があったらかっこいいよね」

そんな言葉を交わしながら、これからの家づくりにワクワクした気持ちを抱いていたのです。

「予算はおいくらですか」の一言で目が覚める



若い世代でも平屋を選択する方が増えたのは、ここ数年のことではないでしょうか。
当時はまだ、平屋を建てるという選択肢は、あまり浸透していなかったと思います。

“100坪以上の土地がないと難しい”
“総2階建てに比べたら坪単価がぐっと上がる”

憧れだけで描いた平屋の夢は、徐々に壊れていくような気がしていました。

そんな中、新築平屋の完成内覧会が珍しく秋田市内で開催されるのを知り、そこを訪れることにしたのです。

施工会社は、和風住宅を得意とする地元の工務店。
高齢のご夫婦が終の棲家として住むというコンパクトな平屋は、木のぬくもりとヒノキの香りに包まれた、私たち夫婦の好みの家そのものでした。

「私たちも平屋を建てたいんです!」
営業担当者さんに話を持ちかけると、そこで返ってきた一言。

「ご予算はおいくらですか」

実家暮らしで、家賃を払いながらの生活をしているわけではなかったので、すぐに答えが出ませんでした。

長男も2歳、ましてや次男は生まれてすらいない。
私たちはマイホームに、どれだけのお金を費やすことができるんだろう。

勢いだけで“家づくり”を始めた私は、一旦立ち止まり、家よりも“暮らし”を考えてみることにしました。

施工会社選びの苦労



ちびまる子ちゃんのような大きな平屋は無理だとしても、平屋住まいはどうしても諦められませんでした。

“小さくていいから、家に多額なローンを支払うのではなくて、旅行や思い出にお金を掛けたい”
私たちが考えた最適な予算は、秋田市内のお安い賃貸アパート家賃と同じくらいのローン払いでした。

そこから気になる施工会社をいくつか訪れ「小さくてもいいので、この予算で平屋は建てられませんか」と相談に行きましたが、全て断られました(笑)

そんな時に出会ったのが、実家の向かいで完成内覧会をしていた建築会社。
シンプルで無駄のない家が目に留まり、予約もせず来場した私たちを、快く出迎えてくれました。

“身の丈に合った家”しか造らないという、自信に溢れた社長の言葉に「相談するならここしかない」と話を持ちかけました。
すると「なんとかやってみましょう」と、頼もしい一言をいただいたのです。

二者択一の間取りプランニング



偶然の出会いから家づくりを一緒に始めることになった、建築会社さん。
完成内覧会で対応してくれた社長さんが担当してくれるとのことで、安心してお話を進めていきました。

ですが常に予算があるからと、壁紙や作り付けの収納やキッチンなど、何を選ぶにも二者択一が多かったように思います。

例えば、おうちの印象が変わる床材とその色味。
予算の都合でパイン材になるから、色はナチュラルかブラウン、どちらにするか。
扉の種類はお任せになるけれど、引き戸か開き戸どちらにするか。
引き戸のレールの目詰まりや、スムーズに開閉ができなくなったりと、見かけだけでなく機能面でももう少し意見すべきだったと後悔しています。

ただ私たちとしては、この予算でやってくれるだけありがたいという気持ちが大きく、基本的に社長さんの言うことを否定することはできませんでした。

建坪20坪の2LDKの小さな平屋は、思ったよりもかなり早く施工され、あっという間に出来上がっていったのです。

家づくりは後悔ばかりと感じた割合は80%を超える


出典:マイナビニュース


“家は三回建てないと満足しない”とよく言われるように、家が完成した直後から「やり直したい…」と感じてしまうようになりました。
どんな暮らしをしたいのかがうまく思い描けていなかったことが、家づくりの後悔を招いた一番の原因だったんだと思います。

マイホームブルーになり親戚はおろか、友人も招くことができなかった日々から、どのようにして「快適な家」に近づけようとしたのか。

続く

記事/りぶにこる

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