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札幌・奥野工務店の魅力を解明します!


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住宅のプロ、奥野社長の見識が頼りになる



その取材活動の中で、住宅の技術・品質に関して、プロの見識を知りたいとき、頼りになる方の1人が札幌市白石区の株式会社奥野工務店の奥野智史社長です。


例えばこの記事は、
築年数の経過した家を暖かく省エネに改修するフルリフォーム(リノベーション)は、断熱・気密施工技術が不十分だと満足な効果を発揮しなかったり、費用が高額になるケースが多いこと

を前提に、
奥野工務店が、経済産業省の補助事業「既築住宅・建築物における高性能建材導入促進事業」を活用したフルリフォームで応えた先進事例
として取材させていただきました。


この記事は、
新築住宅でも黒アリなどの小さな虫が室内に侵入するリスクを完全にゼロにするのは難しい。でも虫が苦手な建て主さんのために住宅会社は何ができるか
というテーマでした。

奥野社長には黒アリや小さな虫が侵入しやすい布基礎と捨てコン(防湿コンクリート)との取り合いをコーキングで密閉する対策を全棟で実施しているので虫の侵入はかなり防げる
という具体策を教えていただきました。

札幌市白石区の奥野工務店は、約50年の歴史ある住宅会社で、住宅業界内では「ソトダン21」や「NPO法人パッシブシステム研究会」などの活動を通じてよく知られている存在です。もし、札幌圏で家を建てたい方が奥野工務店の存在を知らなかったとすれば、それは大変もったいない話です。奥野社長のインタビュー記事。ぜひご一読お願いします。


目次

奥野工務店 奥野智史社長インタビュー


創業は昭和43年(1968年)。50年を超えましたね。

奥野智史社長 創業は父で私は2代目です。50年以上の歴史があることで、ОBのお施主さまからのリフォームのご相談やご紹介もいただいていますし、社歴の長さが信用にもつながっていると感じます。

跡を継いだ理由は?

奥野(敬称略)父は、札幌の丸井今井デパートで家具職人、その後大工になり、奥野工務店を創業しました。私が物心ついたときには、父は工務店の社長でした。父の影響もあって私も子どもながらにモノづくりが好きでした。大学の建築科を卒業し、建築会社、その後設計事務所に進みました。

建築会社時代は現場監督として工程管理、予算管理を学び、27歳で結婚し、28歳で奥野工務店に入社しました。



父の時代は高断熱高気密住宅の理論・技術はまだ確立していませんでしたが、私は札幌の工務店として、家の寒さ、結露、省エネなどの課題を解決することが大事だと考え、住宅の団体に加入して学びました。

奥野工務店さんは断熱性能が大きな特徴ですね。

奥野 そうです。きっかけは1973年に第1次オイルショックが起き、北海道の住宅業界は、それまでのように灯油をたくさん使って家を暖めるのではなく、壁や窓を断熱する家づくりを始めたことにあります。



詳しくは割愛しますが、断熱を厚くするだけでは結露やカビ、木材が腐るといった問題が起きるので、住宅の省エネ性能や耐久性などを高めるために、気密や換気も含めた高断熱高気密住宅の家づくりを学びました。

断熱性能もお客様と相談しますか?

奥野 奥野工務店は自由設計の注文住宅が基本なので、断熱性能に関してもお客様に相談の上で決めていきます。具体的には、当社の標準的な断熱仕様を元に、年間光熱費の見込み額をお示しします。


電気料金だけでなくガス、灯油も昔ほど安くありませんので、年間光熱費はお客様の家計にとって重要です。住宅ローンの額だけでなく、光熱費も含めての住宅の維持費を事前にしっかり計算しておくことが大事なのです。

光熱費の見込み額を元に建て主さんと相談し、建設費、光熱費の両面で対策を検討します。例えば外壁の断熱材や窓の性能を高める、コンパクトな家にするなどいろんな方策があります。

パッシブ換気も特徴ですね?

奥野 換気について強い関心があるお客様はそれほど多くありません。自宅の室内空気環境を意識している人も多くないと思います。住宅会社でさえ、換気への意識は薄い場合も多いと思います。

ですが、来客は家の臭いなど空気の質が悪い場合は、玄関を開けた途端に気づくと思います。寝ているときに機械換気の作動音がうるさいと、気になって眠れないという方もいます。



換気のフィルターは定期的に掃除すべきですが、やっていないご家庭も多く、そうなると目詰まりして換気が不十分になり、結露の原因にもなります。そうした問題を解決できるのがパッシブ換気です。



パッシブ換気システムの住宅は、建物内外の温度差、つまり室内の暖かく軽い空気の浮力を換気の主たる動力源とする「計画自然換気」です。機械を使わずに換気を行う、換気と暖房を同時に行うという北海道の産学官連携で開発されたシステムです。道内各地でも多くの実績があります。パッシブシステム研究会公式サイトより
https://pv-system.jp/jisseki_map.html 

パッシブ換気を導入する理由は?


奥野 床下に新鮮な空気を取り入れ、家全体を自然の力でくまなく循環させるので、室内の有害化学物資や過剰な水蒸気を排出でき、フレッシュな室内空気環境を維持できます。停電時でも換気し続けます。

換気装置の作動音もしないし、フィルター掃除も不要。トイレなどの局所的な第3種換気も併用することで非常に理に叶った換気システムになっています。奥野工務店ではパッシブ換気システムを標準仕様にしています。

私自身がアレルギー体質なので、ハウスダストや花粉症などで苦しまれている方の気持ちがわかります。2003年に建築基準法改正で、建材などに含まれる化学物質を規制するシックハウス対策が施行されました。ある程度効果はあったと思いますが、建材や家具などから有害化学物質が全てなくなったわけではなく、苦しまれている方もたくさんいます。

私自身も住宅の壁に塗られた塗料などで体調が悪くなることがあります。米ぬかを原料とする自然塗料などもおすすめしています。ご家族の健康、建物の長期維持のためにも換気についてもご検討いただけたらと思っています。

断熱とパッシブ換気以外の特長は?



奥野 例えば2019年の西岡モデルハウスは、外観右側の部分に札幌軟石を施工しました。道南杉やレンガなど、風合いなどが魅力的な北海道産の自然素材のことならさまざまな提案ができます。

お客様の要望が大前提ですし、ご主人、奥さまそれぞれに、住まいで叶えたい点があると思います。


西岡モデルハウスでは地震エネルギーを吸収して揺れを抑える制震ダンパーも採用しました。

構造や性能、デザインや間取り、動線、住設機器など、納得の住まいを実現するにはいろいろな工夫が必要です。奥野工務店の特長はそこにあります。私たちはそれを「おくの手」と呼んでいます。家のどこかに奥野工務店の「おくの手」がありますので期待していただければと思います。

「おくの手」はどこから生まれるのですか?

奥野 住み心地の良い家を実現したいという私たちの熱意です。多くのお客様が奥野工務店を選んでいただく際に、当社の家づくりに対する熱意を感じて、それを住宅会社選びの決め手だと話してくれます。

冬の寒さが厳しい北海道では、1980年代以降、多くの住宅会社が、ある意味では競合でもある同業の住宅会社という垣根を越えて、技術を一緒に研究し実践、学びあって成長しました。そして学んだことを社内の経営・設計・施工のスタッフと一緒に話し合い、新しい技術に挑戦するかどうかを検討しました。

熱意をカタチにできるんですね?

奥野 幸いなことに奥野工務店の創業社長である父は、2代目候補である息子の私が高断熱高気密やパッシブ換気に挑戦することに関して一切口出ししませんでした。

「自分が生きている間は、会社をつぶすなよ」と言うだけ。大手企業とは異なり、数名の現場監督や大工と相談すれば、その日からでも新たなチャレンジを開始できる環境だったのです。

経営面についても質問します。奥野工務店さんは年間何棟くらい家を建てていますか?

奥野 札幌圏を中心に年間で10~15棟ほどの住宅を建てさせていただいております。
それ以上受注を伸ばすのは良くないと考えています。

年間15棟まで、の理由は?

奥野 奥野工務店は従業員8人の小さな工務店です。設計・プランニングの面では、経験豊富な現場監督兼営業マンが2人います。

私も含めて3人が、お客様の要望をしっかり伺い、性能・素材・デザイン・間取り・動線・住設機器・ご予算などを十分に検討してお客様に提案し、納得いただきながら家を建てるとすると、1人あたり年間4~5棟くらいが精一杯です。



丁寧さが大事なんですね?


奥野 はい。家づくりの大切なポイントを設計・施工の両面でよくわかっている担当者が、お客様に寄り添い、打ち合わせの最初からお引渡し、アフターメンテナンスも含めて丁寧に担当してこそ、満足のできる注文住宅ができると思います。それが工務店らしい家づくりだとも思っています。

もし現在の人材で、受注棟数を増やそうと思えば、お客様の要望をじっくり検討する時間を減らさなければならないし、お客様にも「明後日までに決めてください」というような言い方をせざるをえなくなるかもしれません。施工の面でも現状の受注規模が良いバランスかなと思っています。

施工の面とは?

奥野 奥野工務店には専属の棟梁が4人います。断熱気密性能をはじめとする品質・性能の良い家を建てるには、設計や仕様・建材の選定以上に、丁寧で正確な施工ができる大工が必要です。

4人の棟梁は、新築工事だけでなく、ОBのお客様のご自宅のアフターメンテナンス・リフォーム工事なども担当するので、新築工事を年間15棟以上建てるのは難しいのです。

経営面の事情でも新築が年間10~15棟というのは適正かなと考えています。

西岡モデルハウスの魅力は?

奥野 断熱性能は、外壁が高性能硬質ウレタンフォームのキューワンボード 70㎜と、軸間に高性能グラスウール16K105㎜を充てん。天井はブローイング450㎜、基礎は押出スチレンフォーム B3 種外側 100㎜+土間下同 50㎜で、窓はすべて PVC・アルゴンガス入りトリプルガラスサッシ。



Ua値は 0.25W とZEH+の強化外皮基準を上回っています。試算によると年間光熱費は 21万6千円弱です。

パッシブ換気システム、制震ダンパー、札幌軟石、組み込み車庫、2階にLDK、床に道北・下川産のタモ、天井にヘムロック(米ツガ)の無垢材なども採用しています。

場所は札幌市豊平区西岡2条8丁目1-62(ホーマック西岡店さん向かい)です。モデルハウスで奥野工務店の「おくの手」を見ていただけたらと思います。

見学は予約制です。
奥野工務店 TEL 011-861-8754

事務所が繋がらない場合は 
営業(浦田)携帯 090-4876-9165
営業(狩野)携帯 090-9975-4946
までお願いいたします。
https://iezoom.jp/contact/?COID=253
いえズームの問い合わせフォームからも申し込み、問い合わせが可能です。


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