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決め手は高断熱+パッシブ換気・動線と収納に優れた平屋の家 札幌市/奥野工務店


Aさんはご主人と息子さんの3人家族。首都圏に賃貸マンションがあり、家族の暮らしはそちらがメインですが、故郷である札幌市に終の棲家を新築し、現在は2拠点生活を実践しています。

Aさんが家づくりを依頼したのは札幌の奥野工務店。高断熱・高気密に加え、パッシブ換気システムを標準仕様にした、省エネで空気環境の良い家づくりに定評のある会社です。

Aさんと、奥野工務店の戸村さんにお話をうかがいます。

大開口+傾斜天井・縦横に視線が広がるLDK



玄関に入ると目の前には真っすぐに土間が、左手に一段上がってリビングが続いています。土間の突き当りには自転車やキャンプ道具なども収納できる広いクロークを設けました。



リビングには南向きの庭に向かって大きな開口を設置。天井は北に向かって斜めに高く伸びており、南のテラス窓からの明るい採光と、北向きに配した高窓からの穏やかで安定した光の両方を採り込んでいます。
規則的に並んだ構造梁が空間のよいアクセントに。無垢のフローリングが温もりを添えています。



Aさんこだわりのキッチンは、壁にブラック・ガルバリウムを貼りました。フラットで大判のものを採用しており、マグネット式のラックやフックが付くので整理収納もしやすいそう。



キッチンはⅡ型の配列にしたウッドワンのステンレス天板+木製で、室内の雰囲気にぴったりです。

Aさん ステンレス天板、つまみ式のIHヒーター、ミーレのフロント・オープンタイプの食器洗い乾燥機、料理中によく使うゴミ箱の配置など、使いやすさとメンテナンスのしやすさを考えて選んでいます。

間取りや収納は、自作の図面を元に奥野工務店と調整を重ねて理想形に


Aさんが作図した造作図面


Aさんのお宅で目を見張るのは、リビングの間仕切り壁を活用してキレイにつくられた収納の数々。動線に沿った形で収納が計画されており、間取り全体にも無駄がありません。

そして、これがAさんのアイデアによるものだというから驚きです。早速Aさんに案内していただきます。



リビングのテレビボード。



テレビボードの横に並ぶ可動棚のついた収納ラック。食器やストック品の収納にも便利です。



間仕切り壁の裏側を活用した通路兼収納スペース。高窓からの自然光で日中は照明も必要ありません。手前からコート掛け、扉付きの収納ラック、その奥には図書コーナーが続いています。

突き当りを左に曲がるとユーティリティーがあり、キッチンにも抜けることができる回遊動線です。通路の右手には洋室が3部屋配置されています。



一番奥にある主寝室のクローゼットはランドリールームにつながる造りです。


ランドリールームの様子。奥に主寝室のクローゼットが続く



ガス式衣類乾燥機「乾太くん」やSKシンクを採用。窓の下にもブラック・ガルバリウムを貼りました。洗濯物を畳むのに便利な折り畳み式の作業カウンターも備えています。

キレイを保つゆとりあるユーティリティー



先ほどの通路の突き当りを左に曲がると広い洗面室が現れます。右手にはトイレがあり、水回りが集中するエリアです。



洗面化粧台の背面には掃除道具やストック品を納めた収納を完備しています。

Aさん 棚の右側にはよく使う化粧道具を、左側には掃除器具を入れています。モノの出し入れがしやすいように、引き戸は一枚にしてもらい、常に片側をオープンにしています。



洗面室に続く脱衣室と浴室。脱衣室の壁は羽目板仕上げに。床は足触りが良くて掃除もしやすいボロン(ADVAN)を使いました。

Aさんにうかがいます

奥野工務店との出合いや、家づくりを依頼した決め手は何ですか?


床ガラリから床下を通じてきれいな空気が室内に広がる


Aさん 家を建てるなら高断熱・高気密な住宅性能は必須条件でした。さらに家づくりについて調べていたところ、「パッシブシステム研究会」のホームページを発見し、エコで省エネな換気システムについて知りました。その中で、奥野工務店さんの平屋の実例を発見し、問い合わせたのがきっかけです。

奥野工務店さんからもらった資料の中に、何でも任せるのではなく、オーナーこそ家づくりについて勉強して知ることが大切であるという現会長の言葉があったんです。

その言葉がとても印象的で、「この会社なら一緒に家づくりをしてくれそうだ」と感じたことが依頼の決め手になっています。

家づくりを通じての感想は?


キッチンからの眺め


Aさん 掃除などが苦手なタイプなので、ロボット掃除機が使いやすいよう、巾木もつくらず、スッキリとした間取りを心掛けました。



室内壁はOSBボードをサンダー掛けして面を整え、天然塗料のオスモカラー(カントリー色)で仕上げてもらいました。

自分で作図した図面や3Dパースを元に、イメージを共有してもらいながら実図面を作っていただき、理想通りの間取りや内装になりました。とても満足しています。

また、 年末の引き渡しで冬を過ごしてみましたが、 暖房を消して就寝しても朝までに1℃しか室温が下がらずとても快適。断熱性能の高さも実感しています。

記者の目


屋根のかかった玄関ポーチ(左)と広々としたカバードポーチ(右)


長期休暇で訪れたご主人は、「イメージしていた通りだ」と驚いたそう。造作家具や収納を含め、細部までオーナーの希望を形にする奥野工務店の設計・施工力の高さを物語るエピソードでした。



1階床面積 110.97㎡(33.50坪)
延床面積 110.97㎡(33.50坪)
構造・工法 木造在来軸組工法
断熱(壁) (内)高性能GW16K 105mm+(外)A種硬質ウレタンフォーム2種2号 80mm
断熱(天井) ポリスチレンフォーム押出法3種30mm+吹込GW18K 400mm
断熱(基礎) ポリスチレンフォーム押出法3種100mm
断熱(玄関ドア) 樹脂複合枠断熱ドア(熱貫流率0.90 )
断熱(窓) ダブルLow-Eトリプルガラス(アルゴンガス入)日射遮蔽型
換気 第3種換気システム(パッシブ換気)
暖房 エコジョーズ

2025年06月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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