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北海道の外壁リフォーム、おすすめは樹脂サイディングのカバー工法


目次

北海道に外壁リフォームのシーズン到来!
北海道の外壁リフォームは、雪が降らない春~秋がシーズンです。
そこで、築30年くらいの住宅の外壁リフォームを考えている道民向けに、お勧めの外壁リフォームを紹介します。



お勧めはズバリ、樹脂サイディングを使ったカバー工法です。あまりメジャーではありませんが、上記の理由からお客さんにとってメリットの多い外壁リフォームとなっています。

この記事では、樹脂サイディングを使ったカバー工法が、
・メンテナンス不要の理由
・リフォーム費用が張り替えより安い理由
・凍害などに強い理由

などを見ていきます。また、サイディングと外壁リフォームの基礎知識、樹脂サイディングの特長、樹脂サイディングを使ったカバー工法の実例なども合わせてご紹介します。

サイディングは日本の新築戸建で一番使われている外壁材

サイディングは住宅の外壁材。平成以降に建った戸建住宅の外壁は、ほとんどがサイディングです。サイディングは素材によって窯業系・金属・樹脂の3種類に分かれます。それぞれを簡単にご紹介します。

窯業(ようぎょう)系サイディング



レンガ調、タイル調、塗り壁調、木目調など柄も色もバリエーション豊か


主な成分はセメント。日本で最もメジャーなサイディング。デザインの選択肢が豊富。新築戸建の約8割はこれ。ただ、寒冷な北海道は凍害の被害がこれまで多くあった。製品はかなり改良が進み、厚みが16㎜以上の高級品では高耐久をうたうものもある。一般的な製品では、経年劣化で塗装が剥げたり、変色したりするものもあり、10年ごとを目安に塗り替えが必要。サイディング同士の隙間を埋めるシーリングの補修もざっくり5~10年ごとを目安に依頼する。

金属サイディング


採用例


ガルバリウム鋼板やアルミなど金属ならではの無機質なデザインが人気を集めている。新築戸建での採用率は1割ほど。耐久性はあるが、窯業系サイディング同様、塗装によって着色しているので塗り替えが必要(塗り替えが必要になるまでの期間は窯業系よりも少し長め)。シーリング補修も必要。また、潮風による塩害を受けやすいので、沿岸部の住宅では採用しないのがベター。

樹脂サイディング


採用例


塩化ビニル樹脂製。樹脂サッシと同じ原料。大ざっぱに言うとプラスチック製で、雨風や紫外線による劣化に強い。国内で販売している会社が少なく、新築戸建での採用はごく少数。外壁リフォームでは有力な選択肢の1つ。塗装品じゃないので塗り替え不要。また、サイディング同士の継ぎ目にシーリングを使わない「オープンジョイント工法」が標準工法となっており、シーリング補修も不要。メンテナンス面でお客さんの財布にやさしい。

大まかにサイディングのことを理解していただいたと思います。ここから今回の主役である樹脂サイディングを詳しく掘り下げていきます。

樹脂サイディングの特長


樹脂サイディングの形状。他のサイディングと比べて薄く、重量も軽い(ゼオン化成・『ゼオンサイディング』のカタログより)


北米生まれの樹脂サイディング。高温多湿な地域もあれば、低温乾燥な地域もある北米の厳しい気候に対応したサイディングとして半世紀以上前に開発され、現在、アメリカ・カナダでは新築戸建の半分以上に樹脂サイディングが使われています。

撥水性が高く凍害にも強い



樹脂サイディングの主成分である塩化ビニル樹脂は撥水性があり、湿気をほとんど通しません。撥水性の良い傘やレインコートに雨水がつくと水が球状になりますが、同じ現象が樹脂サイディングでも起こります。住宅の外壁には内部の建材を雨や紫外線から守る役目があり、防水性能がとても重要です。また、内部に水がしみこまない性質と優れた撥水性により、凍結融解を繰り返すことで発生するひび割れ(凍害)も起こりにくく、寒冷地の住宅にもってこいです。

塗り替えとコーキング補修が不要


シーリングが経年劣化し、隙間が生まれている窯業系サイディングの例


先述の通り、顔料(着色料)を練り込んで着色しているため、塗装剥げの心配がありません。よって塗り替え不要です。また、シーリング補修が不要なのは、「オープンジョイント工法」という工法をとっているからです。



オープンジョイント工法は、樹脂サイディングの標準的な施工方法。サイディングを外壁に張る際、ジョイント部分は端部同士を重ねるだけで、シーリングを使いません。サイディングの隙間を埋めるシーリングは防水の役割を果たす一方、隙間をシーリングで密閉すると、サイディングの内外で気圧差が生じます。

シーリングが劣化してひび割れ等ができた場合、気圧の高い外壁の屋外側から気圧の低い外壁の内側に雨水が浸入しやすくなります。継ぎ目を開放しているオープンジョイント工法は、サイディングの内外で気圧差が生じないため、外壁の室内側に雨水が浸入しにくい仕組みになっています。この仕組みは研究機関との共同研究によって実証されています。


施工中のサイディングを上から撮った写真。サイディングの端部同士を重ねて接合している


潮風で傷まないので沿岸部でも施工OK



塩化ビニル樹脂は潮風による腐食や錆びといった劣化の心配がないため、沿岸部の住宅にもお勧めです。

樹脂サイディングの弱点

樹脂サイディングのデザインは下見板張り調、縦張り調、木目調とバリエーションが少ないですが、色は豊富に揃っています。


ゼオンサイディング、カラーバリエーションの一例。可愛らしいパステルカラーも用意されている(「ロイヤル横張り」シリーズより、画像クリックでゼオン化成HPへ)。


樹脂サイディングのもう1つの弱点は、扱っているリフォーム会社が少ない点。理由は他のサイディングと施工方法が異なるため、敬遠するリフォーム会社があるからです。

外壁リフォームはカバー工法含めて3種類



外壁リフォームは「塗り替え」「張り替え」「カバー工法(重ね張り)」の3種類です。どれを行うかは住宅の築年数や外壁の傷み具合によりますが、築30年以上の古い住宅では張り替えかカバー工法を行います。塗り替えはリフォームというより定期的なメンテナンスです。それぞれをざっくり紹介します。

塗り替え

住宅を新築してから10年ごとを目安に行う。
外壁は紫外線や雨風により日々ダメージを受けており、経年劣化で塗装が剥げたり、色褪せが進んだりする。表面の塗膜は防水など家を守る役割も果たしているので、剥がれたまま放置しておくと外壁の傷みも内部の建材の傷みも早くなる。サボらずやりたい。ただし、樹脂サイディングは塗り替え不要。

張り替え

築30年以降を目安に検討する大規模な外壁リフォームその1。
既存の外壁材を剥がして、新しい外壁材を張る。既存の外壁材は解体してごみになり、その処理費用はリフォーム主が負担する。

カバー工法

築30年以降を目安に検討する大規模な外壁リフォームその2。
既存の外壁材の上に新しい外壁材を重ね張りする。張り替えと違って、既存の外壁材を残す点が特長。ごみが減る分、張り替えよりもリフォーム費用が安く済む。使用できるサイディングは重さの問題で樹脂と金属に限られる。窯業系は重いため家の負担が大きくなり、地震のときに心配。
(各サイディングの一般的な重さ:樹脂サイディング:約2㎏/㎡、金属サイディング:約4㎏/㎡、窯業系サイディング:約20㎏/㎡)


既存の外壁材を剥がすと、内部の木材が
腐っていた例。張り替えでもカバー工法でも、外壁リフォーム時に内部の点検もしてもらえる


窯業系サイディングの外壁リフォームを比較、それぞれの良い点・悪い点

現在、一戸建てに住んでいる方々のほとんどは、新築当初に外壁材として窯業系サイディングを選んだと思います。
窯業系サイディングの外壁リフォームは、
①窯業系に張り替える
②金属サイディングでカバー工法をする
③樹脂サイディングでカバー工法する
この3つが有力な選択肢になります。そこで参考までに、それぞれの良い点・悪い点を整理してみました。

1.窯業系→窯業系(張り替え)

良い点
・デザインが豊富なので、今までの外観とがらっと雰囲気を変えることも可能
・普及品から高級品までグレードが色々ある
・依頼できるリフォーム会社が多い

残念な点
・改良は進んでいるが、凍害や塩害のリスクがある
・大体10年後にはまたコーキング補修や再塗装が必要になる

2.窯業系→金属(カバー工法)

良い点
・モダンでスタイリッシュな外観になる
・凍害が起こりにくくなるなど、外壁の耐久性が上がる

残念な点
・窯業系よりも頻度は少ないが、コーキング補修と再塗装の手間がかかる
・沿岸部ではさび等塩害が起こる恐れがある
・凹みや傷ができやすい

3.窯業系→樹脂(カバー工法)

良い点
・メンテナンスフリーの外壁になる
・金属サイディング同様、外壁の耐久性が上がり、凍害などに強くなる
・沿岸部でも問題なく使える

残念な点
・施工できるリフォーム会社が少ないので、地域によっては依頼先がなかなか見つからない可能性がある
・デザインの選択肢が狭いので、人によっては納得のいくデザインが見つからないことも。

道民にはなおさら樹脂サイディングのカバー工法がお勧め



樹脂サイディングのカバー工法を勧める理由をまとめます。

理由1:樹脂サイディングはメンテナンスの手間から解放される

理由2:樹脂サイディングは高耐久で凍害・塩害にも強い

理由3:カバー工法は既存外壁材のごみが発生せず、張り替えよりもリフォーム費用を抑えられる

理由4:札幌市内を中心に、道内各地で産業廃棄物の処理費用が上がっている



北海道住宅新聞の2022年3月5日号によると、札幌市内の最終処分場で処理コストが高騰しており、この影響で産業廃棄物の処理費も上昇しています。リフォーム工事で発生するごみは産業廃棄物に分類されます。札幌市内のある個人リフォーム事業者は、「窯業系サイディングの処理費は2年前に1万5000円/㎥だったのが、最近は2倍以上の3万5000円/㎥まで上がった」と話しています。

【気になる話題】4月から外壁リフォームが値上がり?



2022年4月から外壁の張り替えリフォームを行いにくくなるかもしれません。

「石綿障害予防規則」(石綿則)という、アスベストによる健康被害から労働者を守るための省令が改正され、2022年4月から一定規模以上のリフォーム・解体工事(※)は、事前にアスベスト含有建材が使われているかの調査を行うことになりました。この調査費が約30万円になるといわれています。
※請負金額100万円以上のリフォーム・改修工事と、床面積80㎡以上の解体工事

アスベストは耐熱性、耐磨性などに優れた天然鉱物で、かつては色々な住宅建材に使われており、窯業系サイディングにも使用されていました。人体への健康被害を考慮し、2006年9月にアスベスト含有率が0.1%を超える製品の製造・使用が一部例外を除いて禁止されましたが、それ以前に建てられた住宅・建築物ではアスベスト含有建材を使用している可能性があります。また、アスベストを含むごみの処理費用は、そうでないゴミの処理費用よりも高額なので、古い窯業系サイディングを解体すると思いのほか出費がかさむかもしれません。

外壁リフォームのプロに樹脂サイディングのカバー工法について色々聞いてみた

樹脂サイディングのカバー工法について、ゼオンサイディングを使って実際にカバー工法を実践しているリフォーム会社2社に話を聞くことができました。

1.㈱総建装(札幌市)


画像クリックで総建装HPへ


「カバー工法の外壁リフォームは、お客様が住んでいる状態で行うケースがほとんど。工事は張り替えと同様、2週間くらいで終わります。工事の音が発生する時期は下地を施工したり、サイディングを切ったりする工程で、これが大体2~3日です。ずっとやかましいわけではなく、最後の仕上げの工程では、室内にいてもほとんど騒音を感じることはないと思います」。

こう話すのは、総建装で営業・現場管理を担当する坂井説彦さん。

坂井さんは樹脂サイディングの強みと弱点について、「強みはやっぱり長期にわたってメンテナンスが必要ないところ。金属サイディングのように凹んだり傷ついたり、錆びたりもせず、耐久性もある。ただ、デザインがラップ調に偏っているところなど、他のサイディングより選択肢が少ないところはウィークポイントだと思います」と、話します。


総建装が行った樹脂サイデイングのカバー工法の事例


また、メンテナンスフリーの外壁材のため、その後の仕事を得られない恐れがありますが、坂井さんは「そこは問題ありません」と言い、「ご満足いただけることで同じお客様から水回りのリフォームや間取りの変更など、別のお仕事を貰えるケースも多いですし、外壁リフォームの工事を行っている最中に、近所の方から声を掛けられて仕事につながるケースも多々あります」と、理由を詳しく教えてくれました。

施工は、他のサイディングと違って少し特殊な部分があるとした一方、「うちは樹脂サイディングの施工が得意な大工にお願いしています。特に、キムラさん(※)が紹介してくれる大工は腕が良いです」と言います。
※㈱キムラ。札幌市の住宅資材総合商社(https://www.kimuranet.jp/)。子会社にホームセンターのジョイフルエーケーがある。

また、札幌市内の産業廃棄物処理費の値上がりについては、「ここ2~3年で上がっており、つい最近も値上げの打診がありました。産廃処理費はお客様に負担をお願いするところなので、今は張り替えを勧めにくい時期です」と、話していました。

2.アイリフォーム㈱(秋田市)


画像クリックでアイリフォームHPへ


続いて取材に答えてくれたのは、アイリフォーム㈱の進藤光洋社長。

「営業範囲が海沿いで、潮風でサイディングが傷みやすい地域なので、外壁リフォームの9割で樹脂サイディングを使っています」。

進藤社長は樹脂サイディングを採用する理由を話したあと、続けてカバー工法の注意点として、『既存外壁材の点検と補修』を挙げました。

「既存の外壁材のシーリング切れや塗装の傷みはトラブルのもとになります。既存の外壁材の不具合をしっかりと解消してからカバー工法に移ります」。

進藤社長の言う通り、カバー工法を行う際は丁寧な下地処理と補修が欠かせません。リフォーム会社選びの際には、ここのところをきちんとやってくれる会社を選ぶのがポイントです。


穴が空いている外壁材。カバー工法を行う際は、住宅の寿命を延ばすためにも補修が欠かせない


また、カバー工法は樹脂サイディングと金属サイディングを使用できますが、費用は「同じくらいか、樹脂の方が少し安い」と進藤社長はいいます。アイリフォームでは先述の塩害のリスクから、お客様からよほどの要望がない限り、外壁リフォームで金属サイディングは使わないそうです。

ちなみに、ゼオンサイディングを採用している理由は、2社とも「変色に対して30年保証がついているところが大きい」と話していました。

「定年後を考えて」─樹脂サイディングのカバー工法の体験


樹脂サイディングのカバー工法を希望する人の中には、「老後の負担を減らすため」という人も多いです


最後に、実際に樹脂サイディングのカバー工法で外壁リフォームを行った方の体験談を紹介します。

もう外壁リフォームはしたくない─。60代前半のHさんが樹脂サイディングのカバー工法で外壁リフォームを行ったのは、そんな動機からでした。

札幌市在住のHさんは、築25年の戸建住宅を数年前に外壁リフォームしました。もともとの外壁材は12㎜厚の窯業系サイディングでした。最初の外壁リフォームは新築から約10年経った頃。外壁のあちこちでシーリングの劣化が目立ち始めたので、塗り替えを行いました。

「10年後にまた塗り替えをやるのかと思うと、ちょっと面倒に感じた」(Hさん)。

月日は流れ、2回目の塗り替えが必要な時期に入ってきます。
「今後のことを考えて、メンテナンスの必要がない外壁にリフォームしたかった」というHさんは、インターネット検索で樹脂サイディングのカバー工法に出会います。

「親戚に話したら、『古い外壁を残したままで大丈夫なの?』と反対されました。自分も確かに、と不安に思うところはあった」。
そこで施工実績が豊富なリフォーム会社を探し、相談を持ち掛けます。

「『下地の既存サイディングの補修などをしっかりと行ってからカバー工法に入るので、大丈夫です』と言われ、信じることにした」と、Hさんは思い切って樹脂サイディングのカバー工法で外壁リフォームを依頼しました。

リフォーム会社の施工は事前の言葉通り丁寧だったようで、「工期の7割は下地処理をしていたように思います。逆にサイディングを張る工程に入るとあっという間でした。シーリングの処理がないのと、サイディング自体が軽いので、慣れた職人さんもさくさく施工できるみたいです」(Hさん)。



施工は無事終了。その後、暮らしていますが不具合もなく、「これで恐らく、自分が生きている間は外壁のメンテナンスはしなくてよさそう(笑)」とHさんは冗談交じりに話していました。

※企画・編集協力:ゼオン化成㈱(http://www.zeonkasei.co.jp/kenzai/

2022年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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