脱炭素社会を目指す動きやコロナ下でのおうち時間増加によって、住まいにも今まで以上に快適性・省エネ性・デザイン性が求められている中、奥野工務店では高い断熱・気密性能を活かしてパッシブ換気のメリットをより大きくし、新しい素材を使って今までにない印象的なデザインも提案したモデルハウスを札幌市西区西野に完成させました。
高い性能を活かして、暖房・換気をより省エネに
「当社の断熱・気密性能をベースに、パッシブ換気・床下暖房システムでどこまで省エネな住まいにすることができるかが大きなテーマの一つでした」。
こう語るのはモデルハウスを案内して頂いた営業担当の戸村公平さん。
奥野工務店が建てる住宅は、断熱性能を示す外皮平均熱貫流率=UA値(数値が小さいほど高断熱)が0.25W前後と、国の省エネ基準値0.46Wはもちろん、ゼロエネルギー住宅・ZEH+の強化外皮基準である0.3Wも上回り、気密性能を示す相当隙間面積ーC値(数値が小さいほど高気密)は実測値で0.3cm2/m2未満と、札幌市が定めた札幌版次世代住宅基準で最高ランクとなる“トップランナー”の0.5cm2/m2より高気密。
今回のモデルハウスもUA値0.4W、C値0.273cm2/m2を記録しています。この高い性能をもとに、パッシブ換気・床下暖房システムをどのように進化させたのでしょうか。
パッシブ換気・床下暖房の設計・仕様を最適化
戸村さんによると、ポイントは室内に給気した空気の循環経路や床下放熱器の容量・配置などを最適化にあると言います。
パッシブ換気・床下暖房システムは、“暖められた空気は上昇する”という自然の原理を応用し、床下に導入した新鮮外気を放熱器で予熱してから室内に給気・循環させ、汚れた空気は2階壁付けの排気筒から排出する仕組み。
この仕組みを奥野工務店の住宅に最適化するにあたり、今回は省エネ空調システムの研究開発等を行っている㈱から屋(札幌市)が換気設計を行いました。
具体的な仕様を見ると、これまで1階は床下に設置した放熱器8台程度、2階はプランに応じて1階天井ふところに複数台設置した放熱器を暖房熱源としていましたが、暖房に必要な熱量を求める熱負荷計算や、室内の空気を循環させる経路と床・壁の通り道の設定、放熱器の容量・位置の選定などを厳密に行い、室内の空気の対流を促すため、地中に埋設したアースチューブから入ってくる新鮮外気と2階から下りてくる室内の空気をミックスするボックスを1階床下に設置しました。
これによって、家中どこでも温度差のない快適な室内環境はそのまま、1階床下に設置する放熱器が従来の半分程度となる4台で済んだばかりか、1階天井ふところの放熱器も不要に。暖房設備にかかるコストを減らすことができるだけでなく、光熱費は同社の試算で従来よりも5万円弱少なくなるなど、省エネ化とコストダウンの両方が可能になったのです。
コンパクトでも家族4人で快適に暮らせる
モデルハウスの延床面積は約34坪とコンパクトな2階建てですが、4LDKで1階の動線が回遊式となっているほか、リビングには吹抜けを設け、トイレは各階に用意。さらに車2台分のカーポートスペースも確保するなど、夫婦と子供2人の4人家族であれば十分快適な暮らしを送れるプランになっています。
さらに見どころとして、奥野工務店の住宅では初採用となる意匠・素材の建材や間接照明を活かし、独自の個性的なデザインを提案しているが大きなポイント。「これまで使ったことがない建材を積極的に採用することで、お客様に奥野工務店がご用意できるたくさんの選択肢を見て頂きたかったんです」と戸村さん。
幅広の無垢床材や天然石シートなどによるデザイン提案
室内を見ると、1階のLDKの床は一般的な90mm幅でなく120mm幅のオーク無垢フローリングで仕上げることで、目地が少なく、ゆったりと落ち着いた印象の空間を表現。ダイニングは道南杉の羽目板で浮き天井を造り、間接照明とレトロモダンなペンダント照明で木の心地よさを引き出しているのが特徴的です。
また、1階ホールには極薄に成型した天然石を下地に貼り合わせたシート材“ストーンスタイル”をニッチの壁面に施工。夜にはスポット照明で浮かび上がる石の質感を、いつまでも眺めていたい気分になります。
このほかにも、デザイン上のアクセントとして各部屋や内玄関の壁の一部には柄・色が異なるクロスを貼り分け、窓も標準のトリプルガラスサッシでは初めてブラックの内外観色を採用することで、飽きのこないインテリアをコーディネート。
3つの異なる素材でコーディネートした外観
一方、ダークカラーのガルバリウム鋼板で仕上げた外観は、デザイン上のアクセントとして玄関回りにウッディ調のサイディングを使ったほか、玄関とカーポートスペースにまたがる門型のアーチ部分には、白華をあえて抑えずにセメント本来の質感を表現したスレート材を下見張りしているのが見どころ。ガルバリウム鋼板・窯業系サイディング・スレート材という異なる素材の組み合わせによって、独特の存在感を醸し出しています。
ちなみにデザイン・プランは、戸村さんともう1人の営業スタッフ・狩野泰孝さんの若手2人によるもの。若手2人に任せたことについて奥野諭社長は「当社は断熱・気密など性能が最大のセールスポイントですが、特に若い方で性能もデザインもこだわりたいという人にも、モデルハウスをきっかけにつながることができればと考えました」と、その意図を語っています。
モデルハウスは今年度末頃まで公開予定で、戸村さんは「性能だけでなく、デザイン性も高めたことによって、快適で省エネな暮らしはもちろん、所有する満足度も大きいと思います。当面は予約制での公開となりますが、ぜひ一度足を運んで頂ければ」と話しています。
奥野工務店 札幌・西区西野モデルハウス
住所:札幌市西区西野6条7丁目3-34
見学予約・お問い合わせ:TEL011-861-8754
営業時間:10:00~18:00
ホームページ:https://www.okuno-kk.com
電子メール:info@okuno-kk.com
2021年5月現在の情報です。詳細は同社公式サイト・電話等でご確認下さい。
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