道内の地場企業の中には、道産の木材やレンガ、石など、自然素材を家作りに積極的に活かす住宅会社があり、自然素材を活かした住まいづくりにもさまざまな工夫やバリエーションを持っています。安くて機能性に優れた新建材だけに頼らない、或いはほとんど使用しない、人体と環境にやさしいエコな家づくり。素材そのものの風合いや経年劣化による味わいが楽しめるなどの魅力もあります。
コロナ以降は資材全般が値上がりしており、最近ではフロアタイルやビニルクロスなど、新建材も同じく価格が上がっているため、自然素材の安定した仕入れルートを持っている住宅会社では、少し予算を上乗せしても、床材や壁材に本物の木や塗壁などを提案しているという例もあります。劣化ではなく経年変化として、愛着を持ち続けられるからです。
まずは人気の素材や、どんな素材がどのように使われているのかを見ていきましょう。
家づくりで人気の自然素材
板張りの外装材に使われる天然木
経年とともに自然な風合いが増す天然木の外装は、北海道の風景にも似合う憧れの外壁です。使われている木材には、耐候性が高く、丈夫でメンテナンスフリーなものも多く、施工方法によっては部分的な交換も容易です。森林資源の循環利用が可能なことから環境にやさしい建材としても、見直されつつあります。ガルバリウムや塗壁などと組み合わせると、バリエーション豊かな仕上がりが楽しめます。
道南杉
日本の杉分布の北限にあたる北海道南部に生息する道南杉は、積雪・寒冷な厳しい環境で、比較的腐りにくく、狂いにくく、北国の外装材に適した強度を持っています。
道産カラマツ
森林資源の豊富な北海道。道産カラマツは日本のカラマツ生産量の約80%を占めており、長期的に安定供給されている間伐材です。幼齢だと狂いやすい性質から。最近まで梱包や輸送、パルプに使われていましたが、乾燥技術の進歩により、狂いにくい建材が流通。住宅の内外装材として多く活用されています。
トドマツ・エゾマツ
北海道では、昔から建築の主材料として、本州のスギ・ヒノキのように取り扱われてきた建材です。
焼き杉板
杉板の腐食防止のため、表面をバーナーであぶり炭化させた焼き杉板は、昔から日本家屋の外壁材として重宝されてきました。昨今ではカラーバリエーションも豊富になっています。
内装に使われる天然木(床・壁や天井・造作家具など)
人気の無垢フローリング
住宅で使う自然素材の中でも特に人気が高いのが天然木の無垢フローリング。
北海道産の無垢材としては、オーク(ナラ)、ニレ、タモ、セン、バーチ(カバ)、クリなどが主流です。中でも木目の美しさと強度を兼ね備えたナラは、ジャパニーズオークとも呼ばれ、重厚感のある風合いが魅力。タモは硬さと弾力性に優れ、ナチュラルな雰囲気が楽しめます。
その他、深みのある濃い色合いが特徴のウォールナット(クルミ)、経年とともに艶と色味が深まるサクラ(アメリカンブラックチェリーなど)、ワックスを掛けたような光沢と感触が魅力のチーク、明るい色味で温もりのあるカントリースタイルにぴったりなパイン(北米産マツ)、キメが細かく明るい色合いで、上品に仕上がるハードメイプルなどがあげられます。
床にはナラの無垢材、巾木には道産のタモ材を採用した例(㈱キクザワ)
壁や天井に木を使う
フローリングの他にも、壁面や天井を板張りにしたり、間伐材の端材を有効活用したウッドタイルで仕上げるなど、天然木の素材感を生かした空間演出もおすすめです。和風建築で親しまれてきたヒノキやマツ、スギ、ケヤキなどは仕上がりの美しさや強度、加工のしやすさに加え、香りの良さも魅力。国産よりも安価に手に入るウェスタンレッドシダー(米スギ)やウェスタンヘムロック(米ツガ)なども同じように芳香があり、リラックス効果も実証されています。
吹抜けの2階までトドマツの板張りにしたダイニング(リヴスタイル)
造作家具に木を使う
造作によって欲しい場所に、オリジナル・デザインの家具や収納が叶うのはマイホームの醍醐味です。新たに家具を購入することを考えると、唯一無二の造作家具でコーディネートするというのも一案です。
キッチン・ダイニングの背面収納には丈夫なクルミの三層材を使っている(シノザキ建築事務所)
そのほかの自然素材
珪藻土の塗壁に陶器の花瓶が映える(辻野建設工業)
塗壁(内外装)
珪藻土
珪藻土は海や湖などに生息していた植物プランクトンの死骸が蓄積した地層から採取されたもので、吸放湿性、保温性、断熱性に優れた素材です。内装用では石膏ボードに直接塗るもの、壁紙の上から濡れるものなど、メーカーによってさまざまな商品が展開されています。また、珪藻土にワラなどの繊維や貝殻、炭などを混ぜ込んだものなどもあります。
漆喰
漆喰は水酸化カルシウム(消石灰)を主原料とした壁材で、石灰石を焼いた消石灰に、ノリやスサ(ワラくずなど)、水を加えて練ったもので、「呼吸する壁」と呼ばれるように調湿性に優れています。また、月の光に反射する明光性、消石灰の不燃性から、防犯・防火にも適しており、お城や武家屋敷にもよく使われてきた素材です。近年ではシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着することでも注目され、健康で快適な住まいづくりに活用されています。
ゼオライト
硬質ゼオライト鉱石を原料にしたゼオライトは、北海道・秋田・岩手・宮城・福島・島根で産出し、放射能の除染に使用されるほど有害物質の吸着性能が高い自然素材。調質機能にも優れており、近年人気の塗り壁材です。
このほか塗壁には、土を使った土壁、砂を使った砂壁、紙繊維を混ぜ込んだ繊維壁などがあります。左官職人による仕上げが一般的ですが、室内ならオーナー自身がDIYすることで、思い出作りと費用削減が同時に叶います。塗り模様はスタッコ、おうぎ、コテ波、刷毛引きなどがあり、意匠を凝らし個性をだすことができるのも魅力です。
天然石(石材)やレンガ
天然石(石材)
天然石(石材)は、屋根(石屋根)や内外壁、床材、浴室、天板、外構アプローチなど、住宅の装飾材として様々な用途があります。模様と艶が美しい御影石や大理石などは、ラグジュアリーな空間づくりで人気。乱形のもの(乱形石)を含め、床材として取り入れている例を見かけます。道産石材としては札幌市南区で採れる札幌軟石が有名で、外装のアクセントや玄関周りに用いられることが多いよう。このほか薪ストーブの遮熱壁などには石積みに適した素朴な凝灰岩なども人気です。
レンガ
天然土を素材にしたレンガも、内外装ともに人気の自然素材です。北海道では道庁の赤レンガや、函館の金森倉庫が連想されますが、高耐久で美しいレンガ建築は、次世代に継ぐ資産価値の高さもポイントです。外装に使う場合はメンテナンスフリーでランニングコストがかからない、レンガの耐熱・蓄熱性能で夏は涼しく冬は暖かい住宅になる、などのメリットと、リフォームが難しい、施工費用が高い、などのデメリットがあります。このほか、エクステリアに用いたり、室内ではストーブやキッチンの遮熱壁や、室内壁のアクセントとして使われているようです。
粘板岩が乱形に貼られた豪華なエントランス(北渡建設)
ここまでどんな自然素材が、どのように使われているかを見てきました。札幌圏の家づくりでは、自然素材をどのように使っているのでしょうか?一挙に実例をご紹介します。
外壁、床、天井にカラマツを使った家
静岡県で研究者として長年活躍してきたEさんは、退職後に北海道・中札内村へ移住しました。「これからは良い環境の中で本を執筆したい」と選んだのが、お子さんの暮らす十勝、そして水野建設(音更町)のカラマツの家でした。
Eさん 床と天井にカラマツを使った白壁の家は、時代や国を超えて愛される良質なデザイン。子どもの代まで長く使ってもらえそうです。
静岡と十勝でも安心・3Dパースや現場報告の共有でイメージ通りの住まいに/中札内村Eさん
内・外装材に自然素材を使い、木の温もりが伝わる家 旭川市M邸/藤井光雄工務店
M邸は、旭川市の静かな住宅街に建っています。木の温もりが伝わるこの家は、自然素材を活用した高断熱・高気密住宅を得意とする藤井光雄工務店が手掛けました。
外壁は経年で節が抜けにくいとされるカラマツの総板張り(写真左)。広々とした21.6帖のLDK(写真右)。カラマツの柱とナラの床、ホタテの貝殻を使った塗り壁といった自然素材にこだわっていることが特徴的です。以前から使っているちゃぶ台や家具がナチュラルな住空間になじんで、新築とは思えない落ち着きを感じさせます。
施主の想いとプロの提案、両輪でつくる省エネ住宅 旭川市M邸/藤井光雄工務店
「質」を見極めて「素」材を生かす。柱や梁が見える設計 札幌市S邸/白田建築事務所
LDKの窓際に、造作のベンチ・テレビ台を取り付けた
木の風合いが感じられる家を希望したオーナーのSさん。「いえズーム」をはじめ、インターネットで情報収集をした際に見つけたのが、白田建築事務所のホームページだったそう。
ご主人 惹かれたのは、「質」を見極めて、「素」材を生かす、「質」・「素」に暮らす家づくりと、柱や梁が見える設計です。妻も賛同してくれたので、白田さんに相談に乗っていただきたいとメールを送りました。この段階で、ほぼ依頼することは決めていた気がします。
メールを送ったのが、2023年10月のこと。ここから約1年8カ月かけて家づくりは進み、内装のメインに使われているOSB合板と周囲の自然環境が見事に調和するS邸が完成しました。
現し天井やOSB合板づかいで、インダストリアルな空間を実現 札幌市S邸
終の棲家はキャンピングカーのように身軽でシンプルに 音更町T邸/水野建設
首都圏の大きな家を手放し、開放感あふれる十勝の市街地で身軽に暮らす――そんな定年後の過ごし方を選んだのは、音更町に新居を建てたTさんです。
カラマツ外壁に赤いガルバリウム鋼板のフラット屋根という外観はご主人の希望。「十勝の農村部で見た、赤い屋根の家が青空に映えている風景が印象的で。イメージ通りになりました」。
無垢床と天井にカラマツを使用したリビングダイニング。天井にはあえてクロスを貼らず、木に包まれる心地よさを楽しんでいます。床には地元・十勝のカラマツを使っています。
終の棲家はキャンピングカーのように身軽でシンプルに/音更町Tさん
自然素材にこだわった内装・美しい造作家具でワンランク上の寛ぎを 札幌市西区八軒/SUDOホーム
SUDOホームの家づくりは自然素材にこだわった本物志向。そして自慢の大工職人による、オリジナルの造作も魅力です。マンションリノベーションでも、随所にその粋を感じることができます。
ダイニングの床材には吉野杉無垢フローリングを採用。天井には溝加工し、柿渋で仕上げた道産のトドマツ合板を使っています。
ダイニング横の洋室。壁や天井は天然粘土塗装で仕上げています。そのほか、各所に選び抜かれた素材を使っています。
木の温もり溢れる上質なマンションリノベーション 札幌市西区八軒/SUDOホーム
高断熱高気密の「山小屋風の家」/晃和住宅
お子さんが生まれる前はよく山に出かけていたというT夫妻が、家づくりで希望したのは「山小屋のような家」でした。
希望の住宅実例がない中で晃和住宅とイメージ共有のために利用したのが、北アルプスの山小屋を紹介するガイドブックやネット検索で見つけてきた画像だったそう。子どもたちが家の中を走って回れるように、中心に階段を配置する希望を伝え、プランニングが進みました。
床はナラ材、壁と天井はカラマツの針葉樹合板、土間部分の天井にはOSB合板を使っています。
傾斜木質合板屋根を生かした吹上天井は圧巻のスケール感です。
誰でも歓迎!山小屋をイメージした土間続きリビングがある家 北広島市Tさん/晃和住宅
道産材を使い木の温もりに溢れたi-worksモデルハウス/辻野建設工業
撮影/株式会社 西川公朗写真事務所 西川 公朗氏
北海道当別町の辻野建設工業が公開中のi-worksモデルハウスは、スローライフ・スタイルにぴったりな住まい。建築家で日本を代表する住宅作家の伊礼智氏が設計するi-worksプロジェクトは、「小さくても豊かな暮らし」を唱え、本物の素材にこだわったシンプルでコンパクトな住宅を提案しています。
モデルハウスの室内は木の温もりに溢れており、床には道産のナラを、巾木には道産のシラカバを使っています。キッチンやダイニングテーブルセット、ソファーや収納、建具類全般は、「旅する木」が製作。地域性や、住み手の個性が出てくる楽しさも魅力です。
心地よいミニマルライフを提案するi-worksモデルハウス(JR当別徒歩3分)
自然素材をバランスよく配したいごこちのいい空間/三五工務店
営業担当を設けず、経験豊富な設計士が直接オーナーとやり取りをし、家づくりを進める三五工務店は、「木・鉄・石」の自然素材を使った、いごこちのいい住まいを提案しています。
「木・鉄・石」の自然素材を使った三五工務店の施工実例を参考に打ち合わせを進めていく中、ご主人は自分の家にも「石」を使いたいと考え、炉台には札幌軟石を使用しています。
パチパチと薪が弾ける音や炎のゆらめきはとてもリラックスできるそう。「薪ストーブの前のソファに座って、お酒を飲みながらウトウトするのが幸せ」と、ご主人のお気に入りの場所になりました。
白い壁と木材をバランス良く配し、手すりや照明器具などに取り入れた鉄素材が空間を引き締めています。ご主人が選んだ壁掛けの観葉植物も良い雰囲気です。
玄関の天井にはカラマツの板を貼っています。床材は1、2階ともにナラ材を使用。このように木を豊富に使いながらも、山小屋のようなやぼったい印象にならないバランス調整によって、いごこちのいい空間に仕上がりました。
好きなものに囲まれて暮らす、ビルトインガレージと薪ストーブのある家
大きな窓が切り取る雄大な風景・子どもたちがのびのびと過ごせる自然素材の家
LDKに入って、一番に目に飛び込むのは、テラス窓からの眺めです。遠くに大雪山系を望む、どこまでも広がる緑の田園が続いています。
1階はナラの無垢床に、天井や床には塗壁を使っています。構造梁を現しにした天井も良い雰囲気。暖房にペレットストーブを採用しています。
板張りのマイホーム新築も古家リフォームのサロンも雅建築企画で実現! 東川町
構造材や内装材に無垢材や塗り壁などの自然素材をふんだんに使った「木ごこちがよい家」/橋本建設
橋本建設(石狩市)の家づくりは「健康的に暮らせる、環境に優しい、手の届きやすい価格の家」がコンセプト。
構造材や内装材に無垢材や塗り壁などの自然素材をふんだんに使い、換気にはエコで省エネなパッシブ換気を採用。
リビングは梁と2階の床下地合板を現しにした高天井。2.6mの高さがある開放的な空間です。床材には宮崎産のオビスギを使い、壁の一部は沖縄産のサンゴを材料にした塗り壁で仕上げています。無垢床の自然な凹凸が心地よく、住むほどに味わいが出てくる素材です。
パッシブ×ZEH基準×自然素材 高品質を手の届く価格で/石狩市・樽川モデルハウス 橋本建設
無垢の床材、柱や梁、天井も現しの木材など自然素材を活かしたモデルハウス「Koselig」/丸三ホクシン建設
建具や階段、収納、洗面台やキッチンに至るまで大工さんや建具職人さんの造作があるのもホクシン建設の魅力。既製品にはない、自然素材の柔らかい印象や一点もののオリジナリティが住まいへの愛着を深めてくれます。
無垢の床材、柱や梁、天井も現しの木材なのでナチュラルな印象です。キッチンやレンジフードはあえてコストや機能性を踏まえメーカーの既製品を採用していますが、周囲を木材で覆っているので違和感がありません。
キッチンの背面収納も大工さんの造作。メラミン化粧板を面材に使うことで、既製品のキッチンとも調和がとれ、傷がつきにくくメンテナンスしやすい点もメリットがあります。
「Koselig」はホクシン建設のスタンダードを体感できるモデルハウス
地産地消と塩害対策も兼ねた道南杉の外壁 江差町/辻久建設
辻社長 江差は海沿いで風も強いので塩害対策が非常に重要です。金属サイディング(ガルバリウム鋼板)や、標準的なサイディングなどではわりと短い期間で錆や劣化が生じます。私の自宅も外壁は道南杉の板張りですが、10年経過して経年変化しても、建物の機能、性能上は問題ありませんし、木材は既製品と違い、廃版にならないので何年経っても交換できます。外壁の色味は変わりますがそれも自然の風合いとして魅力に感じる人も多いと思います。約160年前に建てられた「横山家」など江差の文化財も木造ですが、メンテナンスすれば住み続けられます。江差の地に適した地場産材を使うというのは理にかなっています。
ちなみに、この目透かし(木材を隙間をあけて貼る)の裏側に、かすかにエアコンの室外機が見えますが、エアコンの室外機も塩害には弱いという問題があります。故障しやすく寿命も短くなるので今回、塗装屋さんにお願いして黒に塗装しました。塩害対策に加え、このように目立たなくなる意匠性向上の狙いもあります。
江差を愛する大工さんが実現した断熱等級7+ZEH+道南杉の家 江差町・山本邸/辻久建設
アレルギー持ちのご家族のために自然素材を用いた家 浦河町/神馬建設
奥さまには自然の風景になじむ木の家や、アレルギー持ちの家族のために自然素材を用いたいという想いがありました。そこで床はカラマツ、壁は伊達産のホタテ漆喰の塗り壁をメインにしました。
自然の中に建つ家なので色ムラなどの経年変化があっても違和感がないだろうと考え、外壁は無塗装に。「神馬建設さんと一緒にメンテナンスしつつ、この家をよくしていけたら」とTさんは話します。
愛馬を見守る総板張りのイエ 浦河町・T邸/神馬建設
北海道産シラカバや屋久島地杉など、自然素材をふんだんに採用 札幌市/シノザキ建築事務所
H邸には自然素材がふんだんに使われています。木目がつまった屋久島地杉を外壁に貼り、玄関扉は「チャネルオリジナル」のウエスタンレッドシダーを採用、階段ステップの一部には札幌軟石が置かれています。
室内は床にブナ材を用い、造作棚などに用いた道産シラカバ材の質感が洗練された空間を演出しています。また、キッチン収納の天板やエンドパネルを見ると、室内のトーンをまとめるためにシラカバ材で覆うひと手間が加えられていました。ソファー正面の壁は珪藻土の塗り壁になっており、凹凸が間接照明によってきれいなニュアンスを生んでいます。
薪ストーブやロフトが生活を彩る、空窓階段のある家 札幌市H邸
トドマツをナチュラルに使用、板張りのカフェ風キッチン/リヴスタイル
キッチンは、「物を置きがちなので、中があまり見えないほうがいい」という奥さまの思いをベースにかたちづくっていきました。家の中に小屋があるようなイメージで、吹き抜けの2階まで板張りの壁にして、カフェ風に。
「木材はリヴスタイルさんにアドバイスをいただいて、トドマツをナチュラルな感じに仕上げてもらいました。規格住宅でもかなり自由度が高いのは嬉しい驚きでしたね。わがままばかり言いましたが、柔軟に対応していただきました」と奥さま。
「家時間」を楽しむ家 札幌市手稲区・Nさん/リヴスタイル
素材・デザインにこだわったホテルライクな演出 札幌市/北渡建設
海外のリゾートホテルのようなインテリアが好みという奥さま。担当の老川さんは奥さまの希望を反映した設計に加え、ホテルや別荘のような高級感を演出するためのデザインと素材選びにこだわりました。エントランスには粘板岩を採用し、豪華に演出。粘板岩は広い玄関土間から、玄関ホールとダイニング・キッチンの一部まで続いています。「石畳が奥に伸びていく様がリゾートっぽくて素敵かなと考えました」と老川さん。
造作による豪華なリビングドア(右正面奥)を抜けると、ダイニング・キッチンが広がっています。アイランド型のキッチンや背面収納は全て北渡建設のオリジナル。キッチンのワークトップには天然の御影石を、連続するテーブルの天板にはセラミックタイルを採用しています。リビングはバリのリゾート風にコーディネート。ウォルナットの床材や、天井の間接照明が寛ぎの空間を演出しています。
南国リゾートをイメージしたホテルライクな邸宅/北渡建設/札幌市南区
道産カバの床材や珪藻土入りの塗壁 札幌市/ブレイン札幌
リビングの天井は現しの梁よりも高い位置にあり、ダウンライトが梁や天然木の床をムーディーに照らし出します。床材には道産のカバ材を使用していて、お子さまのはだしの足にも心地よい感触です。玄関ホールの壁にはクロスを使わず、稚内産の珪藻土入りの左官材を使用。吸放湿性と消臭性に優れた天然素材だから、冬場の過乾燥の抑制や消臭効果が期待できます。
独自床暖房の快適設計&高天井のリビングの家/石狩市・ブレイン札幌
建築家の父と施工力の拓友建設がコラボした、カラマツの香り漂う家/拓友建設
訪ねてきた人から「おしゃれだね」と言われる玄関のデザインウォール。建築時に使った木材の端材を再利用し、アーティスティックに貼ったもの。なかに入る気持ちをワクワクさせる、小野寺邸のアクセントにもなっています。小野寺邸の床は道産カラマツのフローリングが基本。カラマツは針葉樹。ナラなどの広葉樹に比べて柔らかく、足触りがいいので快適だとか。
建築家の父と施工力の拓友建設がコラボした、カラマツの香り漂う家/拓友建設
幅広の無垢床材や天然石シートを使用したモデルハウス 札幌市/奥野工務店
室内を見ると、1階のLDKの床は一般的な90mm幅でなく120mm幅のオーク無垢フローリングで仕上げることで、目地が少なく、ゆったりと落ち着いた印象の空間を表現。ダイニングは道南杉の羽目板で浮き天井を造り、間接照明とレトロモダンなペンダント照明で木の心地よさを引き出しているのが特徴的です。
また、1階ホールには極薄に成型した天然石を下地に貼り合わせたシート材“ストーンスタイル”をニッチの壁面に施工。夜にはスポット照明で浮かび上がる石の質感を、いつまでも眺めていたい気分になります。
進化したパッシブ換気と新素材で魅せるデザイン/札幌・西野モデルハウス/奥野工務店
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木の温もりあふれる心地よい空間づくり 札幌市/シノザキ建築事務所
自然素材をふんだんに使った、十勝鹿追町の高気密高断熱住宅/ソトシロ建設
家の町医者がつくった、時間が経つほどに味の出るモデルハウス/キクザワ
狭小地でも家族4人が快適に暮らせるパッシブ換気の住まい/札幌・豊平モデルハウス/奥野工務店
北海道産カラマツや道南杉を使った外壁、無垢クローリングの心地よさ、木の香りと温もりを感じる住空間などなど、自然素材を活用した家づくりの実例を一挙に見てきました。人体や環境に優しく、癒し効果も期待できる自然素材。自然物特有のムラなども「味わい」と捉えて楽しめる方におすすめです。ぜひ家づくりの参考になさってくださいね。
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