
札幌圏の地場企業の中には、道産の木材やレンガ、石など、自然素材を家作りに積極的に活かす住宅会社があり、自然素材を活かした住まいづくりにもさまざまな工夫やバリエーションを持っています。安くて機能性に優れた新建材だけに頼らない、或いはほとんど使用しない、人体と環境にやさしいエコな家づくり。素材そのものの風合いや経年劣化による味わいが楽しめるなどの魅力もあります。
コロナ以降は資材全般が値上がりしており、最近ではフロアタイルやビニルクロスなど、新建材も同じく価格が上がっているため、自然素材の安定した仕入れルートを持っている住宅会社では、少し予算を上乗せしても、床材や壁材に本物の木や塗壁などを提案しているという例もあります。劣化ではなく経年変化として、愛着を持ち続けられるからです。
まずは人気の素材や、どんな素材がどのように使われているのかを見ていきましょう。

家づくりで人気の自然素材
板張りの外装材に使われる天然木
経年とともに自然な風合いが増す天然木の外装は、北海道の風景にも似合う憧れの外壁です。使われている木材には、耐候性が高く、丈夫でメンテナンスフリーなものも多く、施工方法によっては部分的な交換も容易です。森林資源の循環利用が可能なことから環境にやさしい建材としても、見直されつつあります。ガルバリウムや塗壁などと組み合わせると、バリエーション豊かな仕上がりが楽しめます。

道南杉を外装材として採用したヨシケン一級建築士事務所の住宅
道南杉
日本の杉分布の北限にあたる北海道南部に生息する道南杉は、積雪・寒冷な厳しい環境で、比較的腐りにくく、狂いにくく、北国の外装材に適した強度を持っています。
道産カラマツ
森林資源の豊富な北海道。道産カラマツは日本のカラマツ生産量の約80%を占めており、長期的に安定供給されている間伐材です。幼齢だと狂いやすい性質から。最近まで梱包や輸送、パルプに使われていましたが、乾燥技術の進歩により、狂いにくい建材が流通。住宅の内外装材として多く活用されています。
トドマツ・エゾマツ
北海道では、昔から建築の主材料として、本州のスギ・ヒノキのように取り扱われてきた建材です。
焼き杉板
杉板の腐食防止のため、表面をバーナーであぶり炭化させた焼き杉板は、昔から日本家屋の外壁材として重宝されてきました。昨今ではカラーバリエーションも豊富になっています。
内装に使われる天然木(床・壁や天井・造作家具など)
人気の無垢フローリング
住宅で使う自然素材の中でも特に人気が高いのが天然木の無垢フローリング。
北海道産の無垢材としては、オーク(ナラ)、ニレ、タモ、セン、バーチ(カバ)、クリなどが主流です。中でも木目の美しさと強度を兼ね備えたナラは、ジャパニーズオークとも呼ばれ、重厚感のある風合いが魅力。タモは硬さと弾力性に優れ、ナチュラルな雰囲気が楽しめます。
その他、深みのある濃い色合いが特徴のウォールナット(クルミ)、経年とともに艶と色味が深まるサクラ(アメリカンブラックチェリーなど)、ワックスを掛けたような光沢と感触が魅力のチーク、明るい色味で温もりのあるカントリースタイルにぴったりなパイン(北米産マツ)、キメが細かく明るい色合いで、上品に仕上がるハードメイプルなどがあげられます。

床にはナラの無垢材、巾木には道産のタモ材を採用した例(㈱キクザワ)
壁や天井に木を使う
フローリングの他にも、壁面や天井を板張りにしたり、間伐材の端材を有効活用したウッドタイルで仕上げるなど、天然木の素材感を生かした空間演出もおすすめです。和風建築で親しまれてきたヒノキやマツ、スギ、ケヤキなどは仕上がりの美しさや強度、加工のしやすさに加え、香りの良さも魅力。国産よりも安価に手に入るウェスタンレッドシダー(米スギ)やウェスタンヘムロック(米ツガ)なども同じように芳香があり、リラックス効果も実証されています。

吹抜けの2階までトドマツの板張りにしたダイニング(リヴスタイル)
造作家具に木を使う
造作によって欲しい場所に、オリジナル・デザインの家具や収納が叶うのはマイホームの醍醐味です。新たに家具を購入することを考えると、唯一無二の造作家具でコーディネートするというのも一案です。

キッチン・ダイニングの背面収納には丈夫なクルミの三層材を使っている(シノザキ建築事務所)
そのほかの自然素材

珪藻土の塗壁に陶器の花瓶が映える(辻野建設工業)
塗壁(内外装)
珪藻土
珪藻土は海や湖などに生息していた植物プランクトンの死骸が蓄積した地層から採取されたもので、吸放湿性、保温性、断熱性に優れた素材です。内装用では石膏ボードに直接塗るもの、壁紙の上から濡れるものなど、メーカーによってさまざまな商品が展開されています。また、珪藻土にワラなどの繊維や貝殻、炭などを混ぜ込んだものなどもあります。
漆喰
漆喰は水酸化カルシウム(消石灰)を主原料とした壁材で、石灰石を焼いた消石灰に、ノリやスサ(ワラくずなど)、水を加えて練ったもので、「呼吸する壁」と呼ばれるように調湿性に優れています。また、月の光に反射する明光性、消石灰の不燃性から、防犯・防火にも適しており、お城や武家屋敷にもよく使われてきた素材です。近年ではシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着することでも注目され、健康で快適な住まいづくりに活用されています。
ゼオライト
硬質ゼオライト鉱石を原料にしたゼオライトは、北海道・秋田・岩手・宮城・福島・島根で産出し、放射能の除染に使用されるほど有害物質の吸着性能が高い自然素材。調質機能にも優れており、近年人気の塗り壁材です。
このほか塗壁には、土を使った土壁、砂を使った砂壁、紙繊維を混ぜ込んだ繊維壁などがあります。左官職人による仕上げが一般的ですが、室内ならオーナー自身がDIYすることで、思い出作りと費用削減が同時に叶います。塗り模様はスタッコ、おうぎ、コテ波、刷毛引きなどがあり、意匠を凝らし個性をだすことができるのも魅力です。
天然石(石材)やレンガ
天然石(石材)
天然石(石材)は、屋根(石屋根)や内外壁、床材、浴室、天板、外構アプローチなど、住宅の装飾材として様々な用途があります。模様と艶が美しい御影石や大理石などは、ラグジュアリーな空間づくりで人気。乱形のもの(乱形石)を含め、床材として取り入れている例を見かけます。道産石材としては札幌市南区で採れる札幌軟石が有名で、外装のアクセントや玄関周りに用いられることが多いよう。このほか薪ストーブの遮熱壁などには石積みに適した素朴な凝灰岩なども人気です。
レンガ
天然土を素材にしたレンガも、内外装ともに人気の自然素材です。北海道では道庁の赤レンガや、函館の金森倉庫が連想されますが、高耐久で美しいレンガ建築は、次世代に継ぐ資産価値の高さもポイントです。外装に使う場合はメンテナンスフリーでランニングコストがかからない、レンガの耐熱・蓄熱性能で夏は涼しく冬は暖かい住宅になる、などのメリットと、リフォームが難しい、施工費用が高い、などのデメリットがあります。このほか、エクステリアに用いたり、室内ではストーブやキッチンの遮熱壁や、室内壁のアクセントとして使われているようです。

粘板岩が乱形に貼られた豪華なエントランス(北渡建設)
ここまでどんな自然素材が、どのように使われているかを見てきました。札幌圏の家づくりでは、自然素材をどのように使っているのでしょうか?一挙に実例をご紹介します。
札幌の自然素材住宅 道産材の温もりがあふれる住空間を求めて

お仕事の関係で十勝から札幌に転居してきたというKさんご夫妻。「2年ほど賃貸マンションに住んでいたのですが、札幌は家賃が高く、車が2台あるので駐車場代もかさみました。それなら、十勝に戻る予定もないので、札幌に家を建てようかという話になったんです」と家づくりのきっかけを振り返ります。
「木の温もりが感じられる、シックな雰囲気の家に暮らしたいという漠然としたイメージがあったので、そのような家づくりをしている会社のモデルハウスを中心に回りました。全国展開のハウスメーカーより、距離感が近くて、道産材を使っている、地元に根ざした工務店にお願いしたいという思いもありましたね」。
こうした考えに最も合致したパートナーとして、Kさんがパートナーに選んだのは三五工務店でした。実際に完成したお住まいも、ナラの無垢フローリングや、カラマツの梁・天井など、道産材の温もりがあふれる空間に仕上がっています。
札幌の自然素材住宅 北海道産シラカバや屋久島地杉など、自然素材をふんだんに採用

H邸には自然素材がふんだんに使われています。木目がつまった屋久島地杉を外壁に貼り、玄関扉は「チャネルオリジナル」のウエスタンレッドシダーを採用、階段ステップの一部には札幌軟石が置かれています。

室内は床にブナ材を用い、造作棚などに用いた道産シラカバ材の質感が洗練された空間を演出しています。また、キッチン収納の天板やエンドパネルを見ると、室内のトーンをまとめるためにシラカバ材で覆うひと手間が加えられていました。
ソファー正面の壁は珪藻土の塗り壁になっており、凹凸が間接照明によってきれいなニュアンスを生んでいます。
札幌の自然素材住宅 決め手は「本物の家づくり」

ある方の紹介でSUDOホームさんのモデルハウスを見に行ったら、とても重厚感があって。それからは、どこのモデルハウスを見に行っても、私たちの気持ちは満足できなくなりました。例えば床材の木材とかも、同じくムク材なのにSUDOホームさんは本物を使っていると感じられました。いろんなモデルハウスに行けば行くほど、SUDOホームさんは"良いもの"を使っているなと感じました。
SUDOホームさんでは造作家具をお願いできるので、テレビボードの高さなど細かな部分にかなりこだわりました。イメージ以上に仕上がり、住んでいてとても楽しいです。また、家に入ったときの暖かさと、木の香りも気に入っています。家を建ててからもインターネットでいろいろな住宅を見ていますが、SUDOホームさんで建てて良かったなと実感しています。
札幌の自然素材住宅 木の温もりあふれる心地よい空間づくり

コーディネートについては「木が主役であり、その良さを邪魔しない空間づくりを心掛けています」とインテリアコーディネーターの篠崎正子さん。
玄関ホールを抜けると、目前にリビングが広がっています。左手には稚内産珪藻土を使った塗壁仕上げの壁が続き、間接照明や造作のテレビボードも備えています。ダイニングはキッチンからの動線が良い横並びの配置。クルミの三層材を使ったダイニングテーブルは造作のオリジナルです。
吹抜のさらし階段を上がった場所は物干しスペースになりました。
篠崎正子さん「足裏に心地よい杉の無垢板を敷いてデッキをイメージしています。ベンチも置きました」。
入った瞬間から圧倒的な木の存在感、温もり、癒しを感じ、柔らかな自然光に包まれる住まい。そこでの暮らしは、快適に違いありません。
札幌の自然素材住宅 木目がアクセントになった外観の家

横張したガルバリウム鋼板がベースの外観。道南杉や道産カラマツの木目がアクセントになっています

外構の設備が充実のK邸。家の左側には、物置と屋根付きの駐輪場とゴミの一時保管場所を造作しました。
札幌の自然素材住宅 天然木フロアと天井にはレッドシダーの無垢材でリゾートライクに

24畳大の広々としたLDK。ゲストルームからリビングまで連続する大きな窓はコンクリートテラスに面していて、開放感を創出しています。床には幅広の天然木フロアを、天井にはレッドシダーの無垢材を貼り、リゾートライクに仕上げました。
当別町の自然素材住宅 「旅する木」&「辻野建設工業」と実現した環境・健康に優しい家
自然に囲まれた、程よい大きさのまちで暮らしたいと望んでいたTさんファミリーは、札幌にも近い当別町のまちなかにマイホームを建てました。手掛けたのは「当別田園住宅 つじのムラ・プロジェクト」などを手掛けている辻野建設工業さん。
道南杉の板張りがナチュラルな表情を見せるTさん邸。板張りの外壁には、天然成分からつくられたウッドロングエコを塗装しています。できるとことは自分たちでやりたいとTさんファミリーは、DIYで1本ずつ塗装を行いました。
白い塗り壁、そして木の質感にあふれた13.5畳のLDK。フローリングはナラの無垢材で、こちらもTさんたちが塗装に参加しています。
札幌の自然素材住宅 札幌のまちなかで木の温かみに触れる家
木酢液を含浸させた北海道産のカラマツ材を外装に用いた高原のコテージのような住まい。板の色が均一でないところに自然素材ならではの味わい深さを感じます。カジュアルなお洒落っぽさを漂わせる個性的な外観デザインですが、戸建てや集合住宅が建ち並ぶ街並みにも自然に溶け込んでいます。
実は、この総板貼りの外観こそSUDOホームを選んだ最大の理由と語るHさん。「白を基調としたモダンなモデルハウスを見慣れていたのでインパクトがありました。新築に向けて心が動いたのもSUDOホームさんのオープンハウスと出会ってから。無垢のフローリングもそれまで訪れたモデルハウスのフロア材と肌触りがまるで違いました(ご主人)」。
札幌の自然素材住宅 道南杉を外壁全面に採用した家 江田建設
建て主のМさんは北海道の一次産業に関わる仕事をしていて、自宅の新築にあたっても道産木材の活用を江田建設に要望しました。
特に外壁については、札幌市内の住宅施工事例を見学し、道南杉は無塗装でも不朽が起きていない、そして経年でグレーに変色している様子が楽しめることを知り、設計施工を依頼した江田建設に道南杉を外壁全面に採用することを依頼しました。

キッチン壁面の飾り棚
ご主人 印象深いのはこの土地に元々立っていた大きな栗の木を、再利用したことですね。伐採した栗の木を製材し、キッチン背面の棚板や、玄関かまちに使ってもらいました。棚は乾燥期間が1年ほどしかなかったため、しなりなども発生していますが、それも味があると捉え、愛着が持てます。
【番外編】十勝の自然素材住宅 自然素材をたっぷり使って安心な家に
外城常務が自然素材にこだわる理由は、「人工的な素材をたくさん使うと、シックハウスの原因になるかもしれません。自然素材を使った建材は、アレルギーやアトピーなどを持つお子さまにも優しく、また木をふんだんに使うと人に癒やしの効果があります」からだと言います。
室内の壁も、ふつうの家ではビニールクロスを使いますが、常務の自宅ではほとんど珪藻土塗り壁を使っています。調湿作用や消臭効果などが期待できるほか、色やコテムラのつけ方などで表情が変わり、デザインの変化もつけられます。
ご夫婦とも「家に入ると、空気の良さを感じる」と口をそろえて言います。お友達が遊びに来たときも「この家、なんかいごこちがいいね」と言われるそうです。

塗り壁と木をふんだんに使った室内
札幌の自然素材住宅 家の前からすぐ登山!自然大好きなご夫婦の家
アウトドア好きの奥様は、晴れた冬の日はスキーブーツを履いたまま家を出発し、
裏山でバックカントリースキーを満喫しています。
以前は、家を建てる願望は全くなかったというK様夫婦。
知人から「いい家を作っている会社があるよ」と聞いたのが丸三ホクシン建設でした。
丸三ホクシン建設で手掛けた家の写真の数々も魅力的でした。
無垢の木などナチュラルな素材を・・・
年月を重ねるほど風合いが良くなるものを・・・
この点でご主人と丸三ホクシン建設の住まい作りは一致しました。
札幌の自然素材住宅 道産木材の安らぎ ヨシケン一級建築士事務所
玄関を開けて真っ先に感じるのが、さわやかな木の香り。
札幌の自然素材住宅 ナチュラルなインテリアが映えるリビングと木の温もりあふれる玄関
ナラの無垢フローリングにシンプルでナチュラルなインテリアが映えるリビング。リビングを中心とするコの字型の間取りは、「中庭がほしい」というOさんのリクエストによるものです。
玄関ホールは、帰宅した家族をほっと落ち着かせるような木の温もりと優しい照明が印象的な空間です。正面と右側の足元の2ヵ所に明かりとり窓が設置され、日中は外の光が優しく迎え入れてくれます。
札幌の自然素材住宅 幅広の無垢床材や天然石シートを使用したモデルハウス
奥野工務店では新しい素材を使って今までにない印象的なデザインも提案したモデルハウスを札幌市西区西野に完成させました。

室内を見ると、1階のLDKの床は一般的な90mm幅でなく120mm幅のオーク無垢フローリングで仕上げることで、目地が少なく、ゆったりと落ち着いた印象の空間を表現。ダイニングは道南杉の羽目板で浮き天井を造り、間接照明とレトロモダンなペンダント照明で木の心地よさを引き出しているのが特徴的です。
また、1階ホールには極薄に成型した天然石を下地に貼り合わせたシート材“ストーンスタイル”をニッチの壁面に施工。夜にはスポット照明で浮かび上がる石の質感を、いつまでも眺めていたい気分になります。
札幌の自然素材住宅 道産木材を積極的に採用
三五工務店の企画型住宅第四弾として登場した「SOCOCO(そここ)」。建物の構造にカラマツ材、仕上げにカバ材フローリングなど道産木材を採用したナチュラルなインテリアが特徴の一つ。森林面積が圧倒的に多い北海道のビルダーとして、道産材の活用に取り組んでいる。
自然素材住宅 外壁や室内などにカラマツや道南杉を活用 晃和住宅
外壁は主にダークブラウンのガルバリウム鋼板ですが、1階部分に張った道南杉は、奥さまのリクエストで落ち着きのあるエルメスのオレンジカラーに塗りました。「奥さまは本当にセンスの良い方で、私も勉強になりました」と担当の杉林さん。
リビングにおじゃますると、床も天井もカラマツの木!奥には、サイズや色の異なる板を張ったウォールがあります。対面のキッチン側からみると、まるで小ホールのような見通しの良さと開放感。来客時には左奥の一角を仕切って部屋に使える便利さもあります。それにしてもこのウォール、さまざまな色合いの木を使っていて創作されたアートのようです。「設計を担当した白田さんがまず何枚かの板を貼ってみて、それからオーナーさんと大工が端材を使ってパズルのように組み合わせていきました」と小川社長。
よく見れば、コンセント口にも開閉できる小さな板が貼ってあって作りが細かい!
札幌の自然素材住宅 本物は褪せずに味が出る キクザワ
「この家は、可能な限り無垢材を使っています。デザインとして木の質感を大事にしたのはもちろんですが、できる限りフェイクは使いたくないと思ったんです。人間は自然界で生まれて育ってるわけですから、天然のものがいちばん合っている。表面に木目が印刷された塩化ビニールの「貼りもの」は、古くなるとみすぼらしくなります。日が当たり続けると色褪せるからです。でも木(無垢材)っていうのは日焼けすると"味"が出る。この大きな違いがあります。刺激臭が全くないのは、天然素材を可能な限り使っているほかに、ホルムアルデヒドのような刺激臭を分解するという抗酸化工法を採用しているからです」と菊澤社長。珪藻土入り塗り壁ならではの風合いが感じられます。札幌の自然素材住宅 裸足でも快適、無垢フローリング 白田建築事務所
「前のアパートはこの時期かなり冷えましたが、今は日中暖房を止めても快適に過ごせます。少し動くと汗ばむくらい」。くつろいだ表情で1ヵ月前に入居したばかりのマイホームの住み心地について語るご主人。無垢のフローリングの肌触りが気持ち良くて、いつも裸足だそうです。隣で遊んで欲しそうにしている息子さんも裸足で元気。壁にクロス(壁紙)を張らず、構造面材をそのまま現しにして生かした渡辺邸。どんなテイストの家具とも相性が良さそうなシンプルで暖かみのあるデザインです。「壁は家族と親戚総勢10数名で1日半かけて塗装しました。ちょっとムラがありますが...」。天井付近を指さすご主人。手作業ならではのザックリとした質感がこの家の持ち味をさらに引き立てています。札幌の自然素材住宅 木や自然素材を使った上質な3階建2世帯住宅
「木をふんだんに使った2世帯住宅を建てたいと、みんなで話していました」と話すYさん。最初は元の家を生かせないかと、大手メーカーのリノベーション住宅を見学しましたが「期待しているものと全然違う仕上がりだなと感じました」(Yさん)
そこで建て替えに絞って、数社にプランを相談しましたが、「なるべく世帯のフロアを分離したい」「車を3台駐めたい」などの希望に住宅会社から「全ての希望を叶えるのは無理」と言われたそうです。そんなとき、奥さまの知人から紹介されて出会ったのがシノザキ建築事務所さんでした。
札幌の自然素材住宅 可愛すぎない大人ナチュラルな家
「シンプルモダンはすっきりしすぎて落ち着かない。カントリー調は重苦しくて疲れる。モダンとカントリーの中間くらいのナチュラル感がいいというお客様の声から生まれたイネスホームの「Luce+(ルーチェプラス)」です。 大きな吹抜けを渡る2本の梁 色みを抑えた無垢のフローリング 機能性を重視した自慢のオリジナル家具 木を随所に使いながらもしつこくない大人の雰囲気 トイレの壁にまで贅沢に木を使って落ち着く空間づくり。 アンティーク調の家具と現代的な家具を組み合わせたコーディネート術 など、札幌の自然素材住宅 2階にワンルーム・モダンリビング。アシストホーム新モデルハウスQ1.0-α!
斜めに傾いた天井は、ウエスタンレッドシダー(米杉)。
濃淡のある色味が印象的なアクセントになっていると思いませんか?
札幌の自然素材住宅 京町家のイメージで自然素材も活用 北一タカハシ建設
伝統的な京町家にヒントを得た、越屋根に道南杉の下見張りという、本格的な和風住宅。「建てている時から近所でも評判だったんですよ」とは、家族で見学に来られた女性の言葉。
天井の梁は新品をあえて古材のように加工。腰壁は秋田杉に木目を浮き立たせる浮造り(うづくり)仕上げ。「ここまで?」と思うほどの数寄を凝らしています。
北一タカハシ建設 「町家のオープンハウス」見学会は驚きいっぱい!
札幌の自然素材住宅 建築家の父と施工力の拓友建設がコラボした、カラマツの香り漂う家/拓友建設
訪ねてきた人から「おしゃれだね」と言われる玄関のデザインウォール。建築時に使った木材の端材を再利用し、アーティスティックに貼ったもの。なかに入る気持ちをワクワクさせる、小野寺邸のアクセントにもなっています。小野寺邸の床は道産カラマツのフローリングが基本。カラマツは針葉樹。ナラなどの広葉樹に比べて柔らかく、足触りがいいので快適だとか。
札幌の自然素材住宅 板張りのカフェ風キッチン
キッチンは、「物を置きがちなので、中があまり見えないほうがいい」という奥さまの思いをベースにかたちづくっていきました。家の中に小屋があるようなイメージで、吹き抜けの2階まで板張りの壁にして、カフェ風に。
「木材はリヴスタイルさんにアドバイスをいただいて、トドマツをナチュラルな感じに仕上げてもらいました。規格住宅でもかなり自由度が高いのは嬉しい驚きでしたね。わがままばかり言いましたが、柔軟に対応していただきました」と奥さま。
札幌の自然素材住宅 素材・デザインにこだわったホテルライクな演出
海外のリゾートホテルのようなインテリアが好みという奥さま。担当の老川さんは奥さまの希望を反映した設計に加え、ホテルや別荘のような高級感を演出するためのデザインと素材選びにこだわりました。エントランスには粘板岩を採用し、豪華に演出。粘板岩は広い玄関土間から、玄関ホールとダイニング・キッチンの一部まで続いています。「石畳が奥に伸びていく様がリゾートっぽくて素敵かなと考えました」と老川さん。
造作による豪華なリビングドア(右正面奥)を抜けると、ダイニング・キッチンが広がっています。アイランド型のキッチンや背面収納は全て北渡建設のオリジナル。キッチンのワークトップには天然の御影石を、連続するテーブルの天板にはセラミックタイルを採用しています。リビングはバリのリゾート風にコーディネート。ウォルナットの床材や、天井の間接照明が寛ぎの空間を演出しています。
札幌の自然素材住宅 こだわりのビンテージ家具が似合う自然素材仕上げ
Yさんはビンテージの家具が好きで、室内はこだわって取り寄せた家具でコーディネートされています。壁面に間接照明を施したリビングのテレビスペースは、壁材にウッドチップと再生紙でできたドイツ製の壁紙・オガファーザーを使用。自然素材のやさしい風合いが、ビンテージ家具とも好相性です。1階の床にはナラの無垢材を使っています。床暖房のおかげで足元からじんわりと暖かく、裸足でも心地よい肌触りと温もりを感じます。視界を遮らないスケルトン階段は、Yさんの希望でした。クルミの三層板を使っています。
札幌の自然素材住宅 カフェスペースの壁にツキ板と珪藻土
石狩市でカフェと陶芸教室を営むKさんのお宅。窓の外には野鳥のための餌台を置いていて、ヒヨドリやムクドリ、ゴジュウカラなどの野鳥を窓越しに観察できるそう。「自然を五感で感じてもらえるような、癒しのスペースをつくりたいと思っています」と奥さま。
壁にはダークブラウンに塗装したツキ板と珪藻土を使用。天然素材を使った内装も、居心地の良さにつながっています。古民家を連想するような化粧梁は、チェーンソーで傷をつけ、古材風に仕上げたこだわりポイントです。
カフェスペースとアトリエをつなぐ通路は左右に作品が展示されていて、メインのギャラリースペースになっていて、通路の壁面にもディスプレイ用の棚を造作しています。珪藻土の塗壁に陶器の花器がぴったりマッチしています。入居後10年以上が過ぎたKさんですが、住むほどに住まいへの愛着が増している様子です。
札幌の自然素材住宅 外装に札幌軟石・下川産タモのフローリング
広い土地が手に入りにくくなっている札幌で、コンパクトながらも4人家族が快適・健康的に、何不自由なく暮らせる―そんな住まいを奥野工務店では、札幌市豊平区西岡で公開中のモデルハウスで提案しています。
モデルハウスは、建物の性能の高さに加え、使い勝手のよい間取りや心地よさを感じるインテリア、オリジナリティのあるエクステリアも大きな見どころです。
特にエクステリアでは、ガルバリウム鋼板に札幌軟石を組み合わせた外装仕上げが見どころ。初めて採用したという札幌軟石は、組み込み車庫のシャッター上部に約6m2施工し、外観上のアクセントとなっています。札幌軟石はホテルのロビーやアプローチなどに使われる例はありますが、住宅の外装材としてに使うのは珍しいとのこと。軽量で紫外線劣化の心配もなく、裏側に雨水が回り込んでも抜け落ちる納まりとしているため、メンテナンスは基本的に必要ありません。
間取りでは2階にリビングを設けているのが大きな特徴で、床に道北・下川産のタモ、天井にヘムロック(米ツガ)の無垢材、壁に天然紙が素材の壁紙・ルナファーザーを使うなど、道産材・自然素材によって温もりを感じる健康的な空間演出も魅力です。
札幌の自然素材住宅 道産カバの床材や珪藻土入りの塗壁
リビングの天井は現しの梁よりも高い位置にあり、ダウンライトが梁や天然木の床をムーディーに照らし出します。床材には道産のカバ材を使用していて、お子さまのはだしの足にも心地よい感触です。玄関ホールの壁にはクロスを使わず、稚内産の珪藻土入りの左官材を使用。吸放湿性と消臭性に優れた天然素材だから、冬場の過乾燥の抑制や消臭効果が期待できます。
札幌の自然素材住宅 道産の楡(ニレ)無垢材の床
ダイニングの隣には子ども部屋を想定した個室があります。2階の床材は道産の楡(ニレ)を採用。節が少なく、粘りや強度が高い、年数を減ると少し飴色に変化する無垢材です。
北海道産カラマツや道南杉を使った外壁、無垢クローリングの心地よさ、木の香りと温もりを感じる住空間などなど、自然素材を活用した家づくりの実例を一挙に見てきました。人体や環境に優しく、癒し効果も期待できる自然素材。自然物特有のムラなども「味わい」と捉えて楽しめる方におすすめです。ぜひ家づくりの参考になさってくださいね。
こちらの記事が気に入った方は
・「板張り」の住宅事例まとめ
・室内壁が塗壁の住宅実例まとめ【札幌ほか北海道】
・室内壁や天井が羽目板・板張りの住宅実例まとめ【札幌ほか北海道】
も併せてご覧ください。
目次
2022年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。