Story 取材記事

南国リゾートをイメージしたホテルライクな邸宅/北渡建設/札幌市南区

腕の良い大工職人を抱え、和風建築のテイストを盛り込んだ家づくりや、邸宅と呼ぶにふさわしい品格のある住宅づくりに定評のある北渡建設。今回はその技術力やデザイン力が、遺憾なく発揮された事例をレポートしました。



札幌市南区。豊かな緑に囲まれた住宅街に北渡建設でマイホームを新築したTさんのお宅があります。Tさんのご家族構成は40代のご夫婦と愛犬のマル。奥さまはもうすぐ出産を控えていらっしゃいます。

外観は塗り壁を基調に天然石や木製ルーバー・羽目板で仕上げた南国リゾートをイメージしたデザイン。町並みとの調和をとりつつ洗練された佇まいは往来からも目を引きます。Tさんご夫婦と、設計担当の老川さんに家づくりについてお話をうかがいました。

「注文住宅ってこうだよな」と思わせるコアな建物が魅力

Tさん夫婦の家づくりは、希望のエリアに土地を見つけたことから始まりました。奥さまの実家にも近く、奥さまが幼少期から育った親しみのある場所です。その後札幌良い住宅.jp(現:いえズーム)に掲載されている北渡建設の施工例に一目惚れ。会社に問合せたところ、オーナーのご厚意で見学する機会を得ました。


写真はTさん邸の中庭。プライバシーが保たれた心地よい空間に仕上がりました


「拝見したHさんのお宅は、中庭のあるコの字型の建物で、コアな感じがしてとても気に入りました。外からの視線を気にせずに寛ぐことができるのも良かったですね」とTさん。


老川さんがサラサラと描くパース図はオーナーにもわかりやすいと好評


「ハウスメーカーにも何社か話を聞きましたが、予算ありきの発想のためなのかパッとしないものばかりでした。ところが老川さんのプランニングはまさに理想そのものだったんです。予算オーバーでしたが、妥協できないところばかりで、工夫してコストを抑えていくことにしました」と奥さま。

素材・デザインにこだわりホテルライクな空間を演出

海外のリゾートホテルのようなインテリアが好みという奥さま。老川さんは奥さまの希望を反映した設計に加え、ホテルや別荘のような高級感を演出するためのデザインと素材選びにこだわりました。



粘板岩が乱形に貼られた豪華なエントランス。粘板岩は広い玄関土間から、玄関ホールとダイニング・キッチンの一部まで続いています。「石畳が奥に伸びていく様がリゾートっぽくて素敵かなと考えました」と老川さん。



玄関ホール横には家族玄関にもなるシューズ・クロゼットを完備。アーチ状の下がり壁の向こうにはキレイに整備された中庭が見えます。



造作による豪華なリビングドア(右正面奥)を抜けると、ダイニング・キッチンが広がっています。照明計画も老川さんによるもの。間接照明やガラスのペンダントライトがムーディーでラグジュアリーな空間を演出しています。



アイランド型のキッチンや背面収納は全て北渡建設のオリジナル。キッチンのワークトップには天然の御影石を、連続するテーブルの天板にはセラミックタイルを採用しています。



キッチンからはL字に配されたリビングや中庭が見渡せます。



ダイニング奥の壁面には薪ストーブをビルトイン。暖房の用途よりもインテリアや雰囲気づくりの一環として採用した品。壁面も天然石を使っています。



リビングはバリのリゾート風にコーディネート。ウォルナットの床材や、天井の間接照明が寛ぎの空間を演出しています。向かって正面のコーナーは将来アップライトピアノを置く予定なのだそう。横長のハイサイドライトは老川さんが設計の段階でこだわったポイントの1つ。絵画のように窓に映る緑を楽しむことができ、採光の役割も果たしています。



中庭に面した窓は様々なサイズを組み合わせた個性的なデザイン。左右の縦長の窓は通風の角度に配慮して、上が横滑り出し、下が縦滑り出しと、異なった開閉方向になっています。窓枠も無垢材で樹脂部分をカバーし、仕上げの美しさにこだわりました。

奥さまの「あったら嬉しい」が期待以上の形で実現



キッチンのすぐ横、洗面室との間には奥さま専用のパウダー・スペースがあります。通称「女優ミラー」と呼ばれる、顔に影の出ない明るい照明付きの鏡、その上には汗を抑える送風機も付いていて、まさに高級ホテルさながらの仕様。女性にとって夢のような空間です。



ゆったり4.5畳の洗面室。洗面化粧台も造作によるインテリア性の高い仕上がりになっています。浴室には透明なドアを、床材には足触りの良い天然素材のマヤヘンプを使うなど、ホテルライクなセレクトが光ります。



浴室横に設けられたこちらの空間も奥さまの希望を叶えた特別な空間。入浴後のボディ・ケアや、火照りを冷ます休憩スペースとしてつくられたもので、まさにホテルのような空間設計になっています。お子さんの誕生後は、赤ちゃんの湯上がりケアにも重宝しそうです。

愛犬が快適に暮らせる工夫がいっぱい

愛犬との暮らしが楽しめるというのも要望のひとつ。Tさん宅には愛犬マルが快適に過ごせるアイデアやヒントがたくさんあります。



ダイニング・キッチン壁面の格子奥は、階段下を利用した愛犬マルの専用スペース。幅約2.7m×奥行き約1.1mとゆったりした広さに加え、換気やエアコン、ペットカメラなどの設備も付いており、外出時でもスマートフォンで温度設定の変更やマルの様子が確認できるそう。スマート家電を上手に使ったプランになっています。



2階主寝室にもゲージの付いたマルの専用スペースがあります。いつでも一緒の空間で過ごすことができるのは飼い主にとっても、ペットにとっても安心です。

老川さん「コーギーの特徴について調べたら、暑さに弱いことを知り、なるべく涼しい場所を選んでマルのスペースを作りました。ペットも家族の一員なので、目が届くところに、でもメインになりすぎないよう配慮してダイニング・キッチンの壁際を選びました。玄関からダイニング・キッチンまでの約12mある床に粘板岩を貼っているので、フローリングよりも滑りにくく、家の中でも長い距離を走ることが出来ます」。

記者の目



夫婦の寝室は広い屋根上を利用したウッドデッキにつながっています。夏には近くの花火を眺めることができる夫婦ともお気に入りの場所です。

「どこにも出かける気が起きないくらい、居心地の良い家になりました」と奥さま。取材中も現在進行中のプランのラフや設計図を描く老川さんと、その姿を温かく見守るTさん夫婦の姿が印象に残っています。作り手の熱い思いにオーナーが信頼を寄せ、一緒に作品を仕上げるような家づくり、それが注文住宅なのかもしれません。


2019年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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