音楽好きな共働きのご夫婦が暮らす江別市のS邸におじゃましました。
1階は羽目板貼り、2階はコンクリートのような質感のシングルスレート（KMEW社のSOLIDO）に片流れ屋根の外観。夏場の日射対策として庇を出した2階南面を斜め壁にして、屋根と一体化させた特徴的なフォルムは、工事中から道行く人の注目を集めていました。
設計・施工は洗練された高品質な家づくりに定評がある北渡建設。オーナーご夫妻と設計担当の老川さんにお話を伺いました。
吹抜けの階段ホールに大開口部があるクールモダンなエントランス
交通量が比較的多い通りに面したS邸は、外からの視線が気にならない2階にLDKを設けたモダンテイストな住まいです。
羽目板貼りのビルトインカーポートの奥に玄関があります。
玄関ドアを開くと、正面に木製サッシの大開口部があります。スケルトン階段越しに光が差し込むスタイリッシュな空間です。
窓の外には目隠しの木を植えています。アイアンの手すりは眺望を妨げないスリムなデザインを採用しました。
カッコ良さと使いやすさにこだわった2階LDK
大開口部に面した2階ホール。階段の右側がリビング、左側がダイニングキッチンです。
「高級感のあるカッコイイ家にしたかった」というSさんのこだわりを反映した勾配天井のリビング。
通路沿いの壁には、2階部分の外装にも使われているシングルスレート（SOLIDO）を貼り、間接照明をプラン。ラグジュアリーな空間に仕上がりました。
壁の向こうはファミリークローゼットになっており、上部に開口部をつくって通気を良くしています。
グレーの濃淡でコーディネートしたダイニングキッチン。天井にはやすりで表面を滑らかにしてから塗装をかけた胴縁材を貼りました。安価な材料を使い雰囲気良く仕上げるのは、設計担当の老川さんの得意技です。
夫婦で料理を楽しむⅡ型キッチン
キッチンは部屋の広さやライフスタイルに合わせてレイアウトを選べるキッチンハウスのセミオーダーキッチンです。
ご夫婦で料理をすることが多いSさんはシンクとコンロを分けて配置するアイランドⅡ型を選択しました。
奥さま「作業台も通路も広いから2人でキッチンに立っても余裕があります。キッチンの周りに回遊動線があるのも便利です」。
ランドリーと一体化した大型ファミリークローゼット
リビング側とキッチン側の2方向からアクセスできる6.3帖の大容量ファミリークローゼット。
衣類だけでなく、ふだん使わない雑貨や家電、整理しきれない日用品も置けるので居住空間にモノが溢れることがありません。
クローゼットの奥には乾燥暖房機付きのランドリーも完備しており、洗濯と乾燥仕上げを一か所で完結できます。
乾いた洗濯物は畳まず、ハンガーに掛けたまま、クローゼットへ。各個室へ運ぶ手間もかかりません。家事の時短につながり、ご主人も奥さまも大満足です。
吹き抜けの洗面室などラグジュアリーな水廻りとくつろぎのバルコニー
キッチンの横には洗面スペースとテラスがあります。
アールの吹き抜け天井が空間的な広がりを感じさせるホテルライクな洗面スペース。この天井にも胴縁を使っています。
洗面カウンター前面にはガラスと天然石をミックスしたモノトーンのタイルをあしらっています。
右側には椅子に腰掛けて使える高さのミラーもあり、北向きの採光窓からの安定した自然光の中で朝のメイクができます。
ルーバー状の日よけがお洒落なバルコニー。バーベキューや夕涼みが楽しめるセカンドリビング的な半屋外空間です。
「外観のアクセントにもなるように」という老川さんの提案で屋外に少し張り出した形にし、木の手すりを設置しました。
音漏れの心配が無く気分が上がるマイスタジオで音楽を満喫
「隣近所に気兼ねせず、趣味の音楽に没頭できる空間が欲しい」というご夫婦双方の要望により1階には防音性を備えた音楽室を設けています。
ご主人のギターが掛けられた壁は、スタジオをイメージしたデザインで、黒に塗装した合板に四角くカットした木毛セメント板を貼った、手の込んだ仕上げになっています。
奥さまのピアノのそばの防音ドアを閉めると、室内が密閉状態になります。そのため、個別の換気装置のほかに小さめの換気窓を2ヵ所に設け、対角線上を風が通るようにしています。
老川さん「壁と天井に防音材を入れ、木毛セメント板をインテリアとして取り入れました。窓はペア+単板ガラスです。窓を二重にすることで、トリプルガラスよりも防音性が高くなります。
奥さま「外にも2階にも音が全く漏れていないことを確認しました。安心して演奏を楽しむことができています」。
そのほか１階にはホワイトとブルーで統一した寝室や書斎が
白とブルーのコントラストが美しい1階のベッドルーム。プロジェクター付きシーリングライトからの映像を投影する壁のみ、目の細かいクロスを使用しています。
寝室の隣にあるご主人のワークスペースは窓際にカウンターを造作。出入り口正面の吊り戸棚はキッチンとセットだったものを有効活用しました。
このほか、1階には将来的に2部屋に分けられるスペースがあります。
北渡建設と出会ったきっかけを教えてください
ご主人 iezoomで北渡建設さんを知りました。土地にお金をかけられなかったので室内が広く見えるように工夫した狭小地の住宅が印象に残っています。記事の中でよく語られる「老川さん」にもお会いしたくて、北渡建設さんの敷地内にあるモデルハウスを見に行きました。
家づくりのパートナーとして選んだ理由は？
老川さんが作成した手描きパース。各スペース毎にオーナーがイメージしやすいよう丁寧に描き提案。その数は1邸につき何十枚にも及ぶ
ご主人 北渡建設さんのシックでスマートな家が理想に近かったことと、1つの要望に対し、複数のプランを提案してくれる老川さんの引き出しの広さが決め手です。打ち合わせの時、老川さんがフリーハンドでパースを描くのを見て感動しました。
老川さん 最初に務めた会社で「手書きでパースが描けないと話にならない」と言われました。デジタル化が進んだ今の時代でも、私にとって、お客さまにイメージを掴んでいただく上で欠かせないテクニックです。
ご主人 口頭で話していたことが目の前で絵になると説得力があります。工事が始まってからはパースが少しずつ形になっていくのが楽しみでした。
実際の住み心地はいかがですか？
ご主人 入居したての頃は前の賃貸アパートと雰囲気が違い過ぎて、よそのお宅にいるみたいでした。実際に住んでみると、通り抜け可能なファミリークローゼットを中心とした回遊型の間取りが本当に便利。「良い家だな」と改めて感じます。
奥さま 大きな窓がある階段廻りが好きです。友達にも「お洒落な家だね」と褒められます。キレイな状態をずっと保ちたくて、水廻りを念入りに掃除するようになりました。
ご主人 この夏は片付けなどが忙しく、バルコニーでバーベキューをする時間もありませんでした。これから新しい家での暮らしを心ゆくまで楽しむつもりです。
カメラ 村川写真事務所
2023年11月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。
