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丁寧な打ち合わせから生まれる、数寄屋大工の美しい家 北渡建設

北渡建設は、数寄屋造りを手がける東京の有名工務店で修行した渡部一博会長が、その技術と感動を北海道に伝えるために三十数年前、函館で腕利きの大工と2人で創業した工務店です。

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30年以上前に函館で建てた邸宅

数寄屋造りとは、安土桃山時代に別棟として建てた茶室(=数寄屋)から始まった日本の建築様式。自然の素材を生かし、華美な装飾を避けながら手のこんだ繊細な仕上げが特徴で、邸宅に多く見られ、大工の高度な技量が求められます。
創業以来数多くの邸宅と、有名旅館や料亭の新築など、デザイン力と高い技術を必要とする建築で経験を重ねてきました。伝統建築の知識と技術を生かし、明治時代に建てられた小樽の旅館・銀鱗荘の大規模改修に中心となって関わるなど、その腕を発揮しています。
小樽へ定期的に仕事で通うようになってから、札幌でも仕事をしたいと考えるようになり、6年前に札幌支店を開設。若手の数寄屋大工も育てるなど、技術の継承にも取り組んでいます。
hokuto_2532cc.jpg今年から社長に就任した渡部一生さんに、北渡建設の家づくりについてインタビューしました。

家づくりの過程でどういったことを大切にしているのか?

渡部社長;当社では、「美しく、住み心地の良い住宅」をお客さまに届けることを大切にしています。家は、何千万円もする一生で一番高い買い物です。ですから、丁寧に打ち合わせを進め、お客さまがご納得して入居できるよう、金額に見合うサービスをご提供したいと考えています。
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最近の施工例

車を買うとき、販売店の担当者の接客ぶりをチェックして感じの良い人、約束を守る人から買いたいと考える人が多いでしょう。車よりもさらに高い買い物の家であればなおさらです。私たちはお客さまに信頼していただけるよう、接客・打ち合わせ・技術力など全てにおける高レベルのサービスの提供を心がけています。
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事務所に入ると、2階に上がる階段が、まるでアート

また、「家を建てたい」と相談に来て下さったお客さまには、まず資金計画とライフプランニングの相談から始めます。資金計画では、税金や諸費用がかかることや、家具や引っ越し代なども考えてお客さまのご予算が適切かどうか、お客さまに適したローンは何か、など納得いくまで検討します。建てた後、お子さんの入学や結婚など、人生設計まで考慮に入れてアドバイス。その後、お客さまと話し合いをして最終的な予算を決め、家のプランづくりに入ります。こうして、ご縁をいただいた以上きちんと仕事をし、自分たちでできることは全てやる。だからプランの相談・打ち合わせだけで1年かかることも珍しくありません。その結果、「美しく住み心地の良い住宅」ができあがるのだと思います。

丁寧な打ち合わせとは、具体的にどんなことか?

渡部社長;それは、ご要望を丁寧に検討し、実現できること、できないことなどをきちんと整理し、説明すること。お客さまが納得いくまで打ち合わせを重ねることです。家づくりは、お客さまの大半が初めての経験。わからないことが数多く出てきます。設計図面には、構造や仕様、プランなど家づくりに必要ないろんな情報が詰まっているのですが、それを一目で理解するのはプロでも難しいもの。
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北渡建設ではお客さまに対して必ず建築模型を作って、平面図だけでは理解しづらいプランの内容を立体的に理解できるようにしています。リビングなどプラン上重要なところは、そこだけの部分的な模型を作ることもあります。
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上記模型の施工写真

もちろん、お客さまのご要望をすべてかなえるのは、予算や土地の形状、構造上の制約などで難しいと思います。だからこそ、時間をかけてでもお客さまとしっかり情報を共有し、打ち合わせを重ねる必要があると思います。
話は変わりますが、基礎の形状が複雑で間違いやすい建物で、職人さんのために基礎だけの模型を作ったこともあります。図面だけでなく、頭の中で立体的に基礎工事の内容を把握することで、施工の間違いを防ぐためです。このことを知った設計事務所の所長が「ここまで下準備する工務店は見たことがない」と感心して下さいました。
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これまで手がけた数寄屋建築の数々を写真で展示

間違いがないように丁寧に準備をすることが、施工力の高さにつながると考えています。こうした取り組みで、設計事務所からの指名も増え、「複雑なプランでも確実に施工してくれる」と同じ設計事務所から何件も依頼が来ています。

施工力の高さとは具体的にどんなこと?

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事務所1階にある茶室。若い数寄屋大工が丹念に造った

渡部社長;「見えないところも丁寧にやりたい」と見積に含まれない細かな工事をすることだと考えています。それは、10年、20年経っても美しい家にしたいからです。
建材や設備は、お客さまの承諾なしに変えることはできません。しかし施工内容は大工や職人の手間なので、良い施工法があれば当社がその分を負担することで変えられます。10年、20年経っても不具合が出にくいなど、お客さまにとってメリットがあるからです。こうした積み重ねが難しい現場にも対応できる施工力を培ってきたと考えています。
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最近の施工例から

北渡建設に入社する前、邸宅を多く手がける東京の工務店で現場監督を務めた経験があります。建築雑誌を見て、すばらしい作品がたくさん載っている工務店に押しかけて入社しました。最高の作品を生み出すにはどんな下準備が必要か、どんな手間がかかるのかを身をもって知ることで、自分の目指すべき目標ができました。
その経験から、見えない下地の処理にまでこだわることの大切さを知り、今の仕事に生かしています。見えないところも丁寧にやりきるのがプロの仕事だと思っています。

記者の一言

札幌支店とモデルハウスは、札幌ドーム前の国道36号線の交差点から白石区方面に向かう細めの道路に入り、徒歩3分ほど。駐車場もあり、事前に連絡をすれば平日でもモデルハウス見学が可能です。
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事務所の全景

「まずは気軽にご相談、見学に来てください」と渡部社長。でも、写真を撮ろうとすると「えっ、顔を写すんですか?」と急にシャイな表情となり、撮影するのが大変でした・・・
押しが強く迫ってきたり、駆け引きしてくる営業マンが苦手の人でも、この社長とならいろいろ話せそうな気がします。
 

2016年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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