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プライバシー保つ庭。光降り注ぐリビング。家族が主役の家 北渡建設

「マイホームに対しては、漠然としたイメージしかなかった」と話すのは、札幌市のMさんご夫妻。北渡建設さんで完成した新居は、家族に合った動線と間取りで引っ越し直後から何も戸惑うことはなかったといいます。その設計力は、何を元にしているのでしょうか。Mさん邸に伺ってみました。



目次

プライベートの庭もある子育てに優しい家



住宅街の角地に立つ4人家族のMさん邸。以前に賃貸で住んでいた場所からも近く、公園や学校など子育てにも恵まれた環境です。一角を囲むように木製フェンスを設けた小さなお庭は程よくプライバシーが守られており、お子さんも安心して遊べます。

上の息子さんが小学校に入る前、なるべく早めにマイホームを建てて、ゆっくりと周囲に慣れるようにしておきたい。そんな思いから、Mさんご夫妻は「札幌良い住宅」(IEZOOMの前身)の記事を読んで、住み手本位で考えてくれそうな北渡建設に新築を依頼しました。

「早くお庭でバーベキューをしたい!」と、楽しみにしている上のお兄ちゃん。昨年の秋に引っ越してきたため、家族で暖かくなる季節を心待ちにしています。「夏にはウッドデッキでプール遊びもさせたいですね」とほほえむ奥さま。



着工前に生まれた弟さんもいまは1歳に。Mさん邸ではLDKに床暖房を採用、お子さんたちの手足が冷えることもなく安心して暮らしています。
淡い色のメープル材を挽板(ひきいた)にしたフローリングは、無垢板と同じような足ざわりで家族のお気に入り。床暖房に対応し、表面を守る塗装を施しているのでワックス掛けも不要です。子どもが飲み物などをこぼしても、サッと拭けば済むのもうれしいところ。

「購入した無垢板のテーブルには、染みが結構ついてしまって。担当のオイちゃん(老川さん)にこの床材を勧められて、本当に良かったと二人で話しています」



こちらは、対面キッチンからリビング・ダイニングを見たところ。「光の降り注ぐ明るい家」をリクエストしたお二人に対して、リビングの南側をすべて窓にすることも可能でしたが、あえて老川さんはソファの横などに壁を設けました。

「ソファでスマホを見るのに、日差しが当たると画面が見えづらくなってしまう。テレビもそうです。それに、すべてをガラス面にしてしまうと暑さやまぶしさのコントロールが難しくなる。光が必要な部分と陰が必要な部分を意識して、設計させていただきました」(老川さん)



スペインしっくいの白い塗り壁に、目を引く造作のアクセントウォール。柔らかな雰囲気の室内に調和するこのレンガタイル、近づいてよく見ると1枚1枚に味わいがあります。テレビボードも造作もので、ルンバでお掃除ができるように少し浮かせて設置されています。さらに床面が広く見え、空間がより大きく感じられます。



壁に設けられた小さな開口部は、玄関へ行かずに受け取り口の郵便物を取り出せるもの。「主人が朝出かけるときに、ここから『いってらっしゃ~い』と言ったりするんですよ」と奥さま。

実はこの窓、通風口としての役割も果たしています。向かいの位置にあるシューズクローゼットの窓を開ければ、爽やかな風が通り抜ける。夏には涼しさが感じられ、日光や風といった自然を家のなかにも取り入れる、北渡建設らしいアイデアです。



ダイニングに、壁と同じスペインしっくいを塗った引き戸がありますが、写真を見ても一見ドアと分かりません。壁と一体化するようにデザインされています。これは、老川さんのこだわり。

1日の生活パターンを把握して納得のプランニング

最初に作成されたプラン図面がほぼ形になったというMさん邸。打ち合わせを重ねる前から、ご夫妻が納得するプランができたのには理由がありました。

それは、北渡建設から「家族が過ごす一日の流れを書き出す」という “宿題”があったこと。「時間はかかりましたが、自分たちを振り返る良いきっかけになりました」とお二人。「何があったら我が家はラクなのかということも見えてきましたし、“この時間でこういったことができたら本当は良いのに、いまの賃貸ではできないからもどかしいんだ”といった気付きにもなりました」。Mさんファミリーのルーティーンを共有することで、老川さんもMさんご家族にふさわしい住宅を作ることができたのです。



家族が過ごす一日の流れを把握した老川さんは、玄関からの動線を2つに分けました。パーティーションで2つの入口に分けられています。ひとつは、玄関ホールから直接リビングへ。



もうひとつは家族用で、シューズクローゼット側から入ります。トイレ、洗面室・浴室と水回りが直線に続き、洗面室にあるもうひとつのドアを開ければすぐ階段で2階へ上れます。



洗面台カウンターはシンプルで明るいトーン。水かかりの多い天板は、湿気に強くお手入れしやすい木目調のメラミンを使って造作しました。



キッチンに隣接した家事室は奥さまのお気に入りです。「前の家では、1階で洗濯したものを2階へ行って干すのがすごく面倒でした。それをオイちゃんに話したら、ここだけですべての洗濯作業ができる部屋を造ってくれたんです」。家事の合間にパソコンなどができる、奥さま専用のカウンターも設けました。

コンセントも照明もニッチも欲しいところに全部ある



家事室の隣はキッチンコーナー。平日は材料を切ったり洗ったりする作業が多いので、リビングにいる子どもたちが見える対面キッチンに流しを設置。お皿に料理を取り分けたりと、ゆとりがあって使いやすさも抜群です。ガスコンロは壁側のカウンターに設けました。「サッと後ろを向いて炒めものができたりするので、無駄な動きがないんですよね」。奥さまも働きに出ているので、調理は週末にまとめてやることが多いそうです。

造作したキッチンカウンターは、手元が見えない高さにしました。ダイニングテーブル側に棚とコンセントを設置。「テーブルで鍋をするので、ここにあるコンセントがとても助かるんですよ」。


写真右側にニッチがあります


キッチン側のカウンター側にも深めのニッチが設けられています。「家族のマグカップなどよく使うものを置いています。すぐ取り出せるので便利です」。
調味料入れ程度の深さはよく見かけますが、マグカップが置ける深さはあまり見たことがありません。毎日使うものだから、これは良いアイディアですね。

さらには、成長した子どもたちがダイニングテーブルで勉強するときのため、手元を照らすスポットライトを壁上部に設置しました。



綿密な打ち合わせで実現したものもあれば、老川さんがご夫妻のライフスタイルや好みを察して造られたところもあります。例えば、キッチンと家事室の間にある出入り口。上部にアールをつけた形で「ここが可愛くて好きなんです。お願いしたわけでもないのに、なんで好みを知ってるの?という感じ」と奥さま。



2階にあるご主人の書斎です。壁には本棚を造作。お仕事を家に持ち帰っても集中できる環境です。



子ども部屋は2部屋あり、広さは最小限に、仕上げもシンプルにしました。



主寝室は、落ち着く雰囲気にするため、窓は小さめ。写真にはありませんが、隣接するウォークインクローゼットが便利です。



打ち合わせ中にちょうど北海道胆振東部地震があり、2階ホールに非常用品の備蓄庫を造りました。飲料水、食料品、カセットコンロ、ソーラー充電のミニライトなどまとめることで、探さなくても良くて安心ですね。

家族が主役の住まいをつくってくれる


タイルが素敵なソファわきのニッチ


奥さまご出産までの約半年間、週末ごとに打ち合わせをするというハードなスケジュールでしたが、「楽しかったね」とご夫妻は振り返ります。「話し合いを積み重ねていったことが、我が家の満足感につながっている。初めて家に入ったときも、イメージが全部共有できていたので、戸惑うところはありませんでした」

オーナーさんたちからは、よく「オイちゃん」と呼ばれ、ご家族と担当者というよりは、お友だち同士のようになっている北渡建設の老川さん。新築後の小さな不具合も、電話するとすぐに飛んできて直してくれたとか。これからも続くおつきあい、信頼できる会社で良かったとうなずき合うお二人です。

記者の目

「北渡建設のサイト施工例をみると、立派な家ばかりでウチは大丈夫かと少し不安でした」というMさん。社長インタビューの記事にある通り、はじめに資金計画を詳細に話し合った後、建築が可能かどうかを答えてくれたので、安心しておまかせできたといいます。「最初から“家ありき”じゃなくて、北渡建設は“人ありき”でみてくれる会社」と、ご夫妻で繰り返していたのが印象的でした。


2020年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社北渡建設の取材記事