パソコン上で30棟も建てて間取りを徹底研究
Kさんは、実家の敷地に新居を建てようと思い立って2~3年は大手メーカーの住宅展示場を巡ったり、家を建てるためのノウハウ講座にも通ったりしました。間取り図作成ソフトも購入し、パソコン上で「30棟もの家を建てた」と言います。
それからビルダー選びを始め、札幌良い住宅を参考にしながら、何社かに問い合わせていくうちに、「この人だ」と思ったのが、北渡建設が開催した住宅相談会で出会った「オイちゃん」こと一級建築士の老川さんでした。
「細かな要望を聞いてくれて、何案も出してくれる」「無理なことも無理で終わらせず、何ができるかを考えてくれる」「アイディアに溢れてる」「1つ言ったら10わかってくれる人」等々、Kさん夫妻からは「オイちゃん」を絶賛する言葉が次々と。実は、Kさんと老川さんは同い年ということもあり、すっかり意気投合。家づくりが動き出しました。
ラフスケッチで描かれた空間が、そのまま目の前に!
1階はモダンな金属サイディング、2階は和を感じさせる塗り壁。個性的な外観は、老川さんの提案。Kさんは「塗り壁はメンテナンスは大丈夫?」と不安を感じましたが、老川さんは使用する塗り壁材について詳しく調べ、昔使われたモルタルとは別の、耐久性の良い素材を使っていることなどを説明し、Kさんの不安は消えていきました。
2階を生活のメインスペースにしたかったKさんは、自分でも間取り図作成ソフトを使って考えてみました。広い空間を作るためには階段の位置が重要と気づいたものの、なかなか良い間取りが考えつかなかったそうです。これに対し老川さんは、道路に面した東側の壁沿いに階段を配置することで解決しました。階段沿いの壁には、リビングダイニングの奥まで光が届く窓が配置されていて、部屋が暗くなる心配もありません。
Kさんは、「この手があったのか!と驚きました。自分では思いつきもしませんでしたから」と、設計図を見た当時の興奮を振り返ってくれました。
階段を上ると左手に広がるリビングは、羽目板を貼った斜め天井は一部掘りこんでダウンライトが配置され、ナチュラルモダンな雰囲気を醸し出しています。一方で、コーナー部には、内障子付きの窓とぼんぼり型の照明が配置され、和のテイストも混ぜることで落ち着いたリラックスできる雰囲気です。
ご夫婦ともに「ベストです!」とご納得のリビングですが、設計図の段階では、お二人とも不安を抱きました。
ご主人は、これまで斜め天井の家に住んだことも、ダウンライトも使ったこともないため、「LEDの粒の眩しさや、光の広がり方など、照明のイメージが沸かず本当に大丈夫なのか心配でした」。奥様は「子どものオムツ替えの時、うんちの状態を確認できるか明るさが心配」と
そこで老川さんは、「この角度だとこう照らす」というようにスケッチに描いて説明しました。オムツ替えに関しては、ダウンライトを明るい色にも取り替えられるようにしたことで、ご夫婦の心配は払拭されました。
約半年間、ほぼ毎週行われたという打ち合わせの際に、老川さんは、部屋全体や特定のスペースなど、状況に応じて何枚でもこのような完成イメージ図を描いてくれたそうです。
設計図では平面的で想像つかないことも、老川さんがスケッチで立体的に描くことで完成後のイメージがつかみやすくなり、提案されたプランに対して「どう判断したら良いのかが具体的に見えてきた」と言います。
Kさんご夫妻は、スケッチで家の中の様子を想像することができたので、「着工後はスケッチがそのまま形になっていく面白みがあった」と言います。また、そのことで着工してからの変更する箇所もほとんどなかったので、心配していた予算オーバーという事態も避けられました。
テレビの後ろの壁は、老川さんのセンスにお任せしました。ナラ材を乱張りしています。
ダイニングとの間仕切りを兼ねる収納棚は、持ち込みを決めていたソファのサイズに合わせて造作しました。
事細かな要望にきちんと応えた造作とプラン
こちらは寝室です。棚は、持ち込む家具などが下に納まるよう寸法を考えた造作。棚には、バンカーズボックス(アメリカの銀行で100年前から使われている書類整理箱)にマンガ本がシリーズごとに入っています。棚の高さはバンカーズボックスのサイズに合わせて調整してくれたそう。これなら背表紙の派手な色使いのマンガ本が目立たず見た目スッキリ。読みたい時に箱ごと引っ張り出せば、全巻一気読みもできますね。右奥にはウォークインクローゼットも。結構広くて収納力抜群です。
キッチンではメイン照明が台所に立つ人の背後になるので、「手元が暗いのではないか」と気になっていたご主人ですが、ここも老川さんの提案で、位置や向きを変えられる建築化照明をカウンター上に設置。これで手元も向こう側にあるダイニングテーブルも利用シーンに合わせて照らすことができます。
キッチンとダイニングの隣には双方から出入りできる洗面脱衣室とユーティリティーがあります。ユーティリティーにあるアイロンがけできるカウンターは奥様のリクエスト。北欧っぽいオシャレな壁紙も奥様のチョイスです。
おや?よく見ると壁の造作棚に書類が収納されています。これは、お子様の成長に伴い、増える書類の置き場所として確保したもの。フルタイムでの仕事、家事、育児と慌ただしい中、例えば、保育園への連絡を書くほんの5分でも、このスペースに籠って一人になることで気分もリセットできる、ありがたい空間です。
<奥様は、キッチンを中心に、ユーティリティー、洗面脱衣室、ダイニングを回遊できる動線と、ユーティリティーの機能性をとても気に入っています。
30年先も見据えたきめ細かい設計
階段を上ってすぐ左手に設けられた書斎コーナーは、将来、お子さんの勉強スペースとして使う予定です。飾り棚を設けたのは、「子どもが机に上って遊んだら、下は階段なので落ちたら大変」という心配と、「窓からの光は活かしたい」というKさんの願いを生かした老川さんのアイディア。
そして、お子さんが成長した将来、この場所はあるモノに変身する可能性が!
Kさんご夫妻が階段の上り下りが辛い年齢になったら、「ホームエレベーター」を設置できるよう、天井や壁を補強しているそうです。そんな先のことまで考えているなんてびっくりですね。
階段を上りきった所に設置された赤ちゃん用の安全ゲートは、老川さん曰く「一番苦労したところ」。スマートに納まるよう工夫を凝らしました。通常はドアの下に「フランス落とし」留め具を付け、床には留め具受けを付けるのですが、フランス落としを壁面に横付けしたので床に留め具受けが不要となり、スッキリしました。将来、犬を飼う時は、ワンちゃんの安全ゲートとしても大活躍する予定です。
1階にある広々とした子供部屋は、もし、お二人目ができたら、簡単に2部屋に分けられる構造になっています。コンセントの位置も、2部屋に分けて家具を置いた場合を想定しています。
和を感じさせる演出が光る
1階にはもう1部屋、予備室があります。奥様が月に何回か、自宅でカイロプラクティックを行っています。お客様が行きやすい玄関の正面奥に配置されています。カイロの施術は床で行うので、お客様の視線の高さに合わせて窓の位置を少し落としているのもポイントです。
落ち着いたグリーンの絨毯や和紙調のウインドウスクリーンが和の雰囲気も感じさせ、宿泊用のゲストルームとしても活用予定です。
最後にご紹介するのが、窓からの光が開放感をもたらす広々とした玄関です。
土間に突き出したベンチは、靴を履く際に大活躍。さりげなくデザインされた手すりがあることで、情趣ある旅館の玄関のようにも見えます。床暖房が入っているので、靴に付着した雪も自然と融けます。
老川さんがスケッチを描きながら、傘掛けスペースの位置など、細かなことも一つ一つ決めていったことを思い出し、「本当に満足です」とKさん。
玄関の奥には、シューズインクローゼットが。靴はもちろん、除雪用の衣類やママさんダンプをセットで収納でき、使い勝手の良さが伝わってきます。
住み始めて約1ヶ月。「使い勝手すら予定通りで、自慢できる家です」というKさん。家族の成長ともに予定しているリフォームも含め、北渡建設さんとのお付き合いはこれからも続きます。
記者の目
取材中、Kさん夫妻の口からは、老川さんのことを「オイちゃん」と数え切れないほど呼んでいました。Kさん夫妻が、納得する家を作るための努力を重ね、またそれに応える老川さんが力を発揮した家づくり。だからこそ、築かれたお互いの強い信頼関係があるのだと感じました。
2018年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。