Column いえズーム コラム

「土間」のある家づくり【北海道 2025年版】


家づくりで「土間」を希望される方、増えています。

「土間」とは、家の中でも靴のまま入れるエリアのこと。「となりのトトロ」に登場するサツキとメイの家では「土間」に台所があり、まっくろくろすけがたくさんいましたね。昔の民家は土間が台所や作業場を兼ねる空間になっていたことも多かったようです。

現代の住宅でも、土間を広めに確保して、靴や傘、コートなどを収納するウォークインクローゼット(wic)を設置したり、愛犬の足洗場、大切な自転車やバイク置き場、薪ストーブの設置場所、リビングとつなげて開放的な空間を作ったりと、さまざまな土間空間が生まれています。今回は、さまざまな「土間」をご紹介します。

「土間」の住宅事例(札幌市)リヴスタイル



玄関を入ると、「LIV+DOMA」の名の通り、広々とした玄関土間が。土間スペースだけで6帖分あります。
たとえば自転車やアウトドアが趣味の方なら、ここにギアを飾りながら置いたり、メンテナンススペースにできたり。犬と暮らすファミリーなら、愛犬のお気に入りスペースも作れそうです。仕切りを設けてセカンドリビングとして使うこともできます。

階段下のデッドスペースをくり抜き、リビングと土間スペースをつなげました。開口部上の三角形が愛らしいアイキャッチとなっています。1階は玄関からキッチン、リビング、土間が回遊できる間取りなので、モデルハウスに来場した子どもたちも、ぐるぐる回って楽しげに遊ぶそうです。
天然木の心地よさ・自分らしい暮らしが描ける規格住宅「LIV+DOMA」 札幌市北区新琴似

「土間」の住宅事例(札幌市)S・建築製作所



玄関土間にはSさんの趣味の自転車や子供たちの遊び道具が置かれています。家族と来客の動線を分けるように造られており、玄関からリビングにも水回りにもつながる回遊動線となっています。

シューズクローゼットは床から天井まである大容量。「収納力がほしい」というのは奥さまの要望で、家のあちこちにたくさんのストレージ(収納)を用意してもらいました。この大型シューズクロークのおかげで、玄関土間はいつもすっきりと片付いています。
高性能で暖かい!素材の風合いを生かしたデザイン住宅 札幌市/S・建築製作所

「土間」の住宅事例(札幌市)SUDOホーム



玄関を入ると、奥まで土間が広がります。1段上がったところからが室内です。土間は、左手にあるトイレや洗面スペースの床へと続きます。男の子3人がサッカー少年。「帰宅後、泥が床についてもサッと拭いて簡単に汚れを落とせます」(Kさん)
記事はこちら 伸びやかな空間が広がる3階建て 札幌市K邸/SUDOホーム

「土間」の住宅事例(小樽市)江田建設



新築するにあたって間取りを考える際は、江田建設が過去に手掛けた設計プランを参考に、Kさんが、我が家はどんな配置にしたいかパズルのように考えて、部屋数や間取りの希望を伝え、K邸のプラン作りは進んだそうです。ご主人は、作業スペースがある土間続きの吹き抜けリビングを希望。玄関から土間、LDKまで一直線。
記事はこちら モノづくりの熱意に共感。性能重視の家づくり 小樽市K邸/江田建設

土間と薪ストーブのある家 (帯広市)Cryptn(クリプトン)



天井高3.3mの広々としたリビングスペース。ここにはKさんが一番の要望に挙げたという薪ストーブと土間があります。土間とフロアをつないでいるソファは造作です。
「最初は掃除のしやすいフラットな土間を考えていましたが、社長からダウンリビングにしたらどうかと提案していただいて。かっこいいねとお客さんに褒めていただくことも多いです」
記事はこちら 土間と薪ストーブのある家/帯広市Kさん クリプトン

「土間」の住宅事例(札幌市)リヴスタイル



「LIVPLUS DO」は、玄関の広さも特徴のひとつ。「実家の広い玄関に慣れているためか、狭い玄関のごちゃごちゃした雰囲気が苦手で。何人かで一緒に靴を履けるぐらいの広さが欲しかったんです。ベビーカーもストレスなく玄関に入れられますし、子どもが大きくなれば自転車なども置けますね」とSさん。
爬虫類や昆虫を飼うのが趣味という奥さまは「広い玄関土間でいろいろと飼育のための作業ができるので、とても助かっています」
記事はこちら 夫婦それぞれの趣味を満喫できる家 札幌市北区・Sさん/リヴスタイル

「土間」の住宅事例(帯広市)イゼンホーム



ご主人が趣味のDIYに没頭できる作業部屋です。マグネットボードなども活用し、工具が整然と収納された部屋の広さは3畳。すべての道具が手の届きやすい場所に並んでいます。
「土間なので掃除も楽で、気兼ねなく作業できるところも気に入っています」(ご主人)

作業部屋の位置は玄関脇。友人から本棚やエアコン室外機カバーなどの制作依頼もあるというご主人にとって、車に工具や作品を積み込むのにも絶好の場所です。
記事はこちら 「DIY」「お酒」「焼肉」が楽しい家にリノベーション/帯広市M邸 イゼンホーム

「土間」の住宅事例(北広島市)エコットハウス(松浦建設)



H邸の大きな特長が使いやすい生活動線です。玄関を開けると、端の勝手口まで続く開放的な土間があります。



右奥に見えるのが勝手口。カーポートから勝手口、土間、パントリー(食品庫)、冷蔵庫、キッチンが一直線なので、買い物帰りの収納には大変便利です。

記事はこちら 「うえはら生花店」店舗リニューアルと自宅を新築 北広島市U邸/松浦建設

「土間」の住宅事例(帯広市)水野建設



玄関は広々とした土間空間。薪ストーブを設置し、玄関という役割を超えたくつろぎの場となっています。
正面の壁は上部に開口を設け、奥のLDKとの一体感や空気の流れを重視したデザインにしました。

念願の薪ストーブを前に「お酒を飲みながらここでぼんやり過ごすのがいい」とご主人。造作のベンチはテーブルにも椅子にもなり、外に出しても使えるというスグレモノです。部屋や道具の数を増やすのではなく、ひとつを多目的に利用することで、無駄のない美しさが生まれました。

記事はこちら 市街地で叶えるスローライフ/帯広市S邸 水野建設

「土間」の住宅事例(札幌市)晃和住宅



札幌市のО邸。玄関を入ると、土間が左手に続いています。角が食品庫となっていて、曲がるといきなりキッチンです。流しや収納庫などはステンレス製。プロの厨房みたいですね。

「もともと飲食店で働いていたことがあるので、システムキッチンではなくてステンレスの業務用キッチンが使いやすいし、ずっと憧れでした」と話す奥さま。それなら、と土間スペースに業務用の厨房機器を中古で購入して設置しました。普段はOさんの帰りが遅いため、料理は奥さま、食器洗いは同居するお母さまが担当して子どもたちと夕ごはんを食べているそう。

「僕も料理するんですよ!」とOさん。「広さも奥行きもちょうどよくて、使い勝手も最高です」と、うれしそうに話します。「ステンレスキッチンだからサッと拭ける。出たゴミはそのまま床に落としてもいい。だって、下は土間ですから。最後にほうきで集めて捨てちゃうから掃除もラク。土間が濡れてしまっても、床暖房が入っているのですぐに乾いちゃう。もう、いいことづくめですね」

奥さま「土間スペースにダイニングテーブルを置いていますから、料理を出してすぐ食べられるし、片付けられる。行き来の手間がかかりません。コンロの左側には、大きな食品庫を造ってもらいました。冬の間も庫内は冷たいので、野菜など保存するのにとても助かっています」

ダイニングテーブル。リビングとキッチンの境目になっていて、キッチン側は土間になっていますが、リビング側は段差を上がって床板に座るかたち。クッションを床板に置いて座れば、ちょうど掘りごたつのような感じになります。


アウトドア感覚で住むDIYしやすい木の家 札幌市・Oさん/晃和住宅株式会社

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「土間」の住宅事例(旭川市)アーケン



犬を愛するオーナーのYさんはアウトドアが趣味。できれば山に住みたい。ただ現実は経営するペットショップから離れて住みにくい。なら、住宅街に山小屋のような家と、木々を植えた“森”をつくろう。そんな思いを形にしようと、自宅には古材をふんだんに活用し、わんちゃんがめいっぱい楽しめる庭もオーダーしました。

玄関ドアを開けると、広い土間が。自転車や衣類、靴が置かれています。建物は「山小屋」をイメージしただけあって、アウトドア感が漂います。
記事はこちら 室内に古材フル活用!家族も愛犬も癒される家/旭川市・Y邸/アーケン

「土間」の住宅事例(札幌市)シノザキ建築事務所



左/玄関から真っすぐに土間が続き、ウッドテラスへの動線も。
右/玄関には土間とホールを回遊できるシューズクロークを備えました。床下暖房だから、濡れた靴も朝には乾いています。玄関土間とリビングは高さ180cmの壁で仕切っただけのオープンスペースになっています。
記事はこちら 深い庇のウッドテラスに数寄屋を感じる建築 札幌市/庇深の家(hibuka

「土間」の住宅事例(小樽市)丸三ホクシン建設



一階は脱衣・浴室・収納空間のほかは、個室を設けずリビングダイニングを最大限大きく確保する間取りにしました。玄関から奥の壁際に設置されたペレットストーブまでは、土間空間が一直線に続きます。土間は、モルタルに炭を加え職人の手作業で施工。自然素材中心のナチュラルな室内に、シックな色合いが加わり、落ち着いた空間に仕上がりました。夫妻の要望でプランに加わった土間空間は、大きな窓からの暖かな陽射しのなかで、本を読んだり、ペレットストーブの炎を眺めて寛げるお気に入りの場所になりました。

リビングにいると、ご夫婦の好きな絵や雑貨で統一され、家全体の印象がすっきりしていることに気付きます。それには訳がありました。例えば、玄関の正面には木の格子戸があり、そこを開けると・・・シューズクロークがありました。そこには靴のほかに、キャンプ好きなご家族なので、シュラフやランタンなどさまざまなキャンプ用品が玄関そばに収納できるようにプランされています。こだわりのキャンプ用小物は、いつでも眺められるよう壁掛け収納にしています。こうした工夫で家の中が整理整頓できているのです。

記事はこちら ガルバリウムと道南杉でシャープな外観~木の香りと家族の笑顔が溢れる小樽の家

「土間」の住宅事例(札幌市)イネスホーム



「30歳前後で、まだお子さんのいないご夫婦を想定して設計しました。2人とも仕事を持っていて、おしゃれでアクティブで、自転車や山登りなどアウトドアが好きで、友達がよく遊びに来るようなイメージです」
正面には本物の水道管を支柱に使ったオープンシェルフ。
「最近、配管をむき出しにするようなインダストリアル系のインテリアが人気ですよね。そのテイストを取り入れました」と福嶋さん。
お気に入りの靴や、スポーツギア、ツールボックスなどを飾って楽しめそうです。
「玄関の土間も広くしています。自転車のメンテナンスやスキーやスノーボードのお手入れ、DIYなどもできますよ」
上がり框(かまち)には、手洗い用のボウルも取り付け、その場で手の汚れを落とせます。

記事はこちら 自分たちのセンスでコーディネートを楽しむ住まい。新モデル「Layered」/イネスホーム

「土間」の住宅事例(札幌市)アシストホーム



1段下げた土間リビングでは薪ストーブを取り囲むように、造作のソファや窓際ベンチを設置。訪れた人は自然と腰を下ろしたくなる、そんなくつろぎ設計が魅力です。煙突の目隠しで採用したレンガ調の壁が天井まで届き、室内に、より高さと広さを感じさせます。壁に組み込まれた薪の備蓄スペースも、モダンなデザインとして部屋のインテリアに溶け込んでいます。

ストーブの開閉時に香るわずかな煙のにおいも愛しく感じてしまいそうです。薪をくべるひと手間も、家族の楽しい時間になりそうですね。

事例はこちら 薪ストーブのあるニアリーZEHの高性能住宅Q1.0-Z アシストホームのモデルハウス

「土間」の住宅事例(芽室町)カントリーヴィレッジ



十勝・芽室町の住宅会社・カントリーヴィレッジの朝日社長のご自宅です。1階はご両親の居住スペース。2階は朝日社長とご家族のスペースに分かれる玄関ホール。2世帯住宅で玄関を共有にすると、玄関の収納量も多めに必要になります。土間続きの玄関には、左右に靴や衣類などを収納できるクロークがあります。

記事はこちら 十勝・芽室の住宅会社「カントリーヴィレッジ」朝日社長のこだわり自宅公開

「土間」の住宅事例(中富良野町)藤井光雄工務店



玄関から入ると、吹き抜けのある土間とLDKが一体となった大きな空間が見渡せます。大きな土間には、デンマーク、morso(モルソー)製の薪ストーブがありました。設計施工を担当した藤井工務店の藤井光雄さんは「モルソーはデザインの良さも魅力ですが、薪ストーブの経験が無い人でも『焚きやすい』のが魅力です」と言います。薪ストーブは、炎を視覚的にも見ることができるので、暖かさを実感しやすい良さがあります。また、リビングやダイニングで寛いでいる時に、炎のゆらぎを眺めると、気持ちが安らぐなどリラックス効果もあると言われています。

土間には勝手口も設置。子どもが外遊びした後の衣類、庭のお手入れをするための長靴や作業道具、ご主人の趣味であるスキーや自転車などのアウトドア用品なども、勝手口から入って、土間で着替えて、手入れして、乾かしながら置いておくなど、屋外と屋内をつなぐ、使い勝手の良い空間として活用されていました。2階に行く階段も土間に設置。大工さんと相談して、娘さんがリビングから素足で渡れるように、台も用意しました。

記事はこちら 大雪山を眺め「木」を楽しむ注文住宅 中富良野町・T邸/藤井光雄工務店

「土間」の住宅事例(札幌市)三五工務店



「家の中と外がひと続きになったような、オープンな空間」を目指したkita35。確かに、玄関からフロア、ウッドデッキまで段差の無いフラットなつくりは、家でありながら外とのつながりを感じさせる。京町家のような構成を採り入れた「通り土間」もそうだ。まるでリビングとダイニングの間を流れる川のように、タイル床の土間が続いている。自転車も置けるしDIYもできる、庭のような使い方が可能だ。

例えばハワイでは、同じ室内にサンダル履きの人と裸足の人がいてサーフボードを持ち込んだりもする、そんな大らかさをこの家は持ち併せている。

自由な設計を実現するために、今回は最新の断熱技術が投入されている。積雪が多く寒冷な札幌の冬に、大きなガラス張りの空間から太陽エネルギーを取り入れるガラス開口部の技術や暖房方法、そして住宅全体の断熱性能などだ。新住協代表で室蘭工業大学の鎌田紀彦名誉教授の意見も仰ぎながら、壁の断熱材は35センチもの厚さに施工(外側24.5センチ、軸間10.5センチ)。さらにキマド社との協働による「木製クワトロ(4重)サッシ」を採用した。

三五工務店が企画型住宅において断熱の標準とするQ値は1.0W/m2・Kだが、このkita35ではなんと0.675/m2・Kの数値 を実現。性能までも、次世代クオリティーを実現させた形だ。

記事はこちら 家はどこまでくつろぎを演出できるか!提案型住宅kita35の挑戦/三五工務店

「土間」の住宅事例(石狩市)笠井啓介建築研究所



玄関ホールです。奥行き8メートル近くある長い土間と、高さ約5メートルの吹き抜け空間が広がります。友人・知人が訪れるとまずこの玄関ホールで驚かれるそう。

スケルトン階段が空間をより解放感あるすっきりした印象にしていますが、階段の踏み面は無垢材で、空間を無機質過ぎないナチュラルな風合いにしています。

屋外のテラスと室内の土間空間は、床面が同じ高さ、素材感。幅約6メートルの大きな窓で隔てられているといっても、まるで土間とテラス、室内と屋外が一体になったような広がりを感じます。家族みんなのお気に入り空間です。

記事はこちら デザイン+予算+要望を満たす札幌のおすすめ建築家/石狩市K邸

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参照:モダン系住宅30選(札幌・旭川・帯広・函館)


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