景観&子育て環境で中富良野町に移住
森林管理・教育研究を行っているTさん。子育て環境の充実と、山の見える景観を求めて、富良野市から中富良野町に移住しました。藤井光雄工務店に家づくりを依頼し2017年に新居を建てたTさんの家づくりを取材しました。
自宅からの景色です。中央で噴煙を上げているのが十勝岳。左には美瑛岳、右には富良野岳や大麓山も見えます。
小高い丘に建つT邸。外壁は道産カラマツの板張りです。Tさんは「外壁は木にこだわりました。自然素材の魅力は年数が経ったときの味わいだと思います。一般的な外壁だとみすぼらしく劣化するのがイヤでした。カラマツは完成当初は赤みが強かったのですがだんだん茶色が濃くなって1カ月で濃い茶色になりました。新居を見に来てくれた友人などが『木の外壁って良いですね!』と言ってくれます。外壁を板張りにする家はまだまだ珍しいのかもしれませんね」と笑顔で話してくれました。
窓からの景色も四季に合わせて変化します。「季節はもちろん、朝、夕暮れなど時間帯でも景色の変化は大きく、見飽きることがありません」とTさん。
周囲の自然にも似合う家に仕上がりました。
ウッドデッキもカラマツの板張り。ここは洗濯物を干したり、お子さんが遊んだり、家族で焼肉をすることもあります。
中富良野町は環境対策の一環で、ゴミ・資源の分別品目が多いため、仕分けたゴミ・資源の置き場所もある程度のスペースが必要です。そこでご主人は、ゴミ箱を、家のデザインを損なわないように保管するため、手書きで図面を書き、木材を加工し、外壁と同じく自然塗料・ウッドロングエコで塗装したゴミ箱を休日に制作しました。
では早速、家の中も拝見します。
玄関・土間とLDKが一体となった開放的な1階
玄関から入ると、吹き抜けのある土間とLDKが一体となった大きな空間が見渡せます。
大きな土間には、デンマーク、morso(モルソー)製の薪ストーブがありました。設計施工を担当した藤井工務店の藤井光雄さんは「モルソーはデザインの良さも魅力ですが、薪ストーブの経験が無い人でも『焚きやすい』のが魅力です」と言います。
薪ストーブは、炎を視覚的にも見ることができるので、暖かさを実感しやすい良さがあります。また、リビングやダイニングで寛いでいる時に、炎のゆらぎを眺めると、気持ちが安らぐなどリラックス効果もあると言われています。
土間には勝手口も設置。子どもが外遊びした後の衣類、庭のお手入れをするための長靴や作業道具、ご主人の趣味であるスキーや自転車などのアウトドア用品なども、勝手口から入って、土間で着替えて、手入れして、乾かしながら置いておくなど、屋外と屋内をつなぐ、使い勝手の良い空間として活用されていました。
2階に行く階段も土間に設置。
大工さんと相談して、娘さんがリビングから素足で渡れるように、台も用意しました。
土間から見たリビング。テレビを壁架けにしたのは奥様の要望。テレビボードも不要になり、家を大きく使えるようになりました。
タブレットやスマホなどの端末を置ける棚も設置。端末とスピーカーを無線でつなぎ音楽を聞けます。映像や音楽を省スペースで楽しめる工夫です。
オーダーのキッチン。奥さまだけでなくご主人や友人も集まって料理をしたりすることも踏まえ、大きめなキッチンを制作。調理器具の設置高さなど使い勝手を踏まえた収納、清潔感などにもこだわりました。
見晴らしの良い高台に家を建て、採光も重視して窓を設置したので、リビングダイニングは明るい空間になっています。
木の肌触り、景色も楽しめる2階
2歳の娘さんはもう、階段の上り下りができます。ということで2階を案内していただきました。階段も木の優しい感触です。
階段から見る土間上の吹き抜け空間。木を多用したナチュラルな雰囲気に、薪ストーブの黒い煙突が良いアクセントになっています。
子ども部屋の床は道産ナラの無垢フローリング。「価格の安い合板にしようかと迷いましたが、藤井さんに、無垢フローリングの良さを聞いて・・・。足の感触がとても良いので、この決断は正解!嬉しいです」とTさん。子ども部屋は1部屋ですが、間仕切りを設置して2部屋にセパレートすることも可能です。
木製のおもちゃも。
2階ホールにはカウンターも設置。珈琲を飲みながら景色を眺めるのも楽しみです。
住まいづくりの経緯について伺いました。
「子育て」と「景色」で中富良野町を選択
-家づくりのきっかけは?
Tさん 一番は子育て環境の充実です。子どものため、そして自分たちのためにも、住み心地の良い家は大事かな、早めに家を建てたいねと夫婦で話し合いました。
―富良野市から中富良野町に移住した理由は?
Tさん 中富良野町は、中学生までの医療費が無料など、子育て支援策が充実しています。職場のある富良野市と隣接する中富良野町でも、通勤は可能だったので、そういう面では問題ありませんでしたし、保育園などの条件なども中富良野町を選んだ理由の一つです。
あと、家から見える景色も大きな要因です。せっかく縁あって自然豊かな富良野に暮らしているのだから、せっかくの環境、田舎の良さは活かそうと、家からの眺めは重視していました。特に大雪山を一望できると良いなと思って土地探しをしました。
とはいえ、畑や山林が多い地域での宅地探しは思ったより情報が少なく、景色が良い土地を探すのは苦労しました。不動産屋さんにも、土地情報より、土地探しをしている人の方が多いくらいだと聞きました。最終的には、この近くに住んでいる職場の人に、この土地の情報を教えてもらって決めました。地元の人だから分かった情報だったかと思います。
-藤井光雄工務店を選んだ理由は?
Tさん 職場で家を建てた人に、数社、良さそうな住宅会社を教えてもらった時に、藤井光雄工務店も入っていたのです。ホームページを見ると、自然素材を多く使った家と感じて興味を持ちました。
藤井さんが建てた美瑛のパン屋さんなど数軒の家を見せて頂いたところ、自然素材の活用や、間取り、照明などそれぞれの家での創意工夫がありました。
自分の家ならどうしたいかなと考えているうちに、藤井さんに家づくりをお願いしたいと考えるようになりました。断熱性能のこだわりも、藤井光雄工務店のホームページに詳しく書いていたので、その点も選んだ理由です。
職場の先輩が、自分で、広葉樹の樺(カバ)をひいて木の板にしたものを私に譲ってくれたことがあったのですが、硬い木なので加工も難しく、そのまま持っていました。
藤井さん Tさんから「木の板を使いたい」と相談いただいたので、板の状態なども踏まえ、窓用の材料として活用させていただきました。
Tさん 私は職業柄、木に関わる仕事をしているので、木材が割れたり反ったり、色が変わったりという点は十分理解しています。木の乾燥収縮が落ち着いた頃に補修してもらえば大丈夫だというのも感覚的にわかります。そういった面も含め、自然素材をたくさん使った家の実績が豊富な藤井さんなら大丈夫だと信頼できました。
―家づくりでの工夫は?
Tさん 外観デザインは自分の好みを藤井さんにまず伝えました。間取りやデザイン、仕様の大枠は藤井さんに提案して貰きました。車庫は組み込みにしていただいたところ、家が大きく見えるようになりました。
キッチンや収納など、家事に関わるような部分は妻と藤井さんが細かな打合せを重ねて、こちらのこだわりをしっかり反映していただいたので、そういう意味でも満足感が高いです。
適材適所の収納力にも満足しています。
建設中の工事現場にも毎週数回、見学に通いました。大工さんは山田さんというご兄弟で、とてもきさくで、チームワークの良い方でした。現場で細かい相談をして、反映させていただくなど気配りも十分でした。
打合せは、直接お会いしての打合せだけでなく、メールなどでプランを伝えて頂いてお返事をしたりといった形で数多くさせていただきました。
私たちの思い通りの注文住宅を実現していただいたことで、住む私たち自身がこの家に愛着を感じています。実際に暮らしてみると、外が寒くても家の中は暖かい、外が豪雨でも室内は静かだったり、収納はまだまだ入るとか、木の色合いがだんだん良くなったりなど、藤井さんの配慮が住み心地の良さにつながっているんだといつも感じています。
2018年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。