いつか故郷の北海道へ
皆さんは、故郷(ふるさと)での暮らしや、子ども時代の楽しかった出来事を思い出すことはありますか?
故郷(ふるさと)という言葉には、
1 産まれ育った地
だけでなく、
2 精神的なよりどころ
3 自宅、我が家
という意味も含まれます。
2016年5月。東川町に家を建て、東京から移住したOさんは、東京に暮らしていた頃から「いつか子ども時代を過ごした故郷に戻り、菜園づくりや山菜採り、ゴルフなど、自然を楽しみながら暮らしたい」と願っていました。
Oさんは、子どもの頃は札幌で育ち、父の転勤に伴い大学はハワイ。その後イギリスの航空会社(現British Airways)に就職しスチュワーデスとして13年半勤務。結婚後、夫の転勤に合わせスウェーデンに8年、イギリスに3年暮らし、その後東京に移り住みました。
国外や東京の生活が長かったOさんですが、10歳までは祖父母とともに北海道・札幌で暮らしていました。札幌での生活は、戦後の食料難だったため、庭を畑にして野菜を作ったり、キノコを採ってお味噌汁の具にするなど、ある意味自給自足に近い生活でした。「子どもの頃のように、いつか自然豊かな場所で土に親しむ生活がしたい」というのがOさんの願いになっていったのです。
住まいを彩る絵画やアンティーク
そんなOさんが建てたおうちを拝見させていただきました。
リビングはナラ無垢フローリングや珪藻土の塗り壁、木の柱・梁など、自然素材中心の優しい風合い。窓からは庭と見渡す限りの田んぼ、そして大雪山系の山々が見渡せます。
Oさんはスウェーデンで暮らしていた頃、娘が学校に通っている時間帯にアンティークショップで働いていました。
この陶器は「スウェーデン工芸デザインの父」と称されるWilhelm Kage(ヴィルヘルム・コーゲ)の作品。Oさんは「スウェーデン人は、家の壁などに皿や絵を飾るのが好き。私もこの陶器を気に入ったので、店頭で高値を付けて、誰も買わないようにして・・・結局自分で買いました」と笑います。
リンゴの花が描かれたこの絵画も一目惚れで購入。いつも眺めて楽しんでいます。
両親の躾で子どもの頃に茶道を習ったOさん。祖父は季節に合わせて掛け軸や食器を変え、祖母も庭の花を切って生けていました。
和室の床柱は、叔母が住んでいた家の解体時に譲り受けたものです。
祖父母から受け継いだ箪笥や陶器なども飾られていました。
象の置物は、スチュワーデス時代に立ち寄ったケニアの露店で買ったもの。インドで買ったテーブルやカーペットも。お気に入りのものに囲まれた暮らしを楽しんでいます。
住み心地を良くする工夫
設計・施工を担当したのは東神楽町の藤井光雄工務店。Oさんは藤井さんにさまざまな要望を伝え、プランに反映させています。
Miele(ミーレ)の食器洗浄機は容量が多く、ドアが全開になるため使いやすい。またヨーロッパの電化製品は寸法が規格化されているため、もし食洗機をElectrolux(エレクトロラックス)など他社製品に変更してもキッチンにぴったり収まります。
収納も適材適所でたっぷり配置。ゴルフバックを入れる収納は玄関近くに設置。野菜などを保管できる食品庫や菜園用の道具などをしまう物置、寝室には友人たちが「もうひと部屋作れるんじゃない?」と驚くほど大きなウォーキングクローゼットもありました。
階段の手すりもお気に入りです。「大手ハウスメーカーのモデルハウスで見た手すりは既製品で、見た目も感触も残念でした。この手すりは木の感触が良くて嬉しくなります」と話してくれました。
毎朝、目覚める度にベッドから遠くの山々や眼下に広がる田園風景を眺めます。天気が良ければ双眼鏡で鳥を探します。キタキツネが家の前を歩いているのを目撃することも。秋は山並みが赤みかかった紅葉に、冬は真っ白な雪山にスキー場のリフトがイルミネーションのように輝くそうです。
トイレは、もし車椅子生活になっても利用しやすいように配慮。トイレは1・2階の両方に設置しました。
北海道・東川町を選んだ理由
Oさんは当初、北海道への移住にあたって旭川を候補にしていました。「子ども時代に過ごした札幌は今では自然が少ない。旭川なら・・・」と旭川に住む従兄弟に相談したところ「私たちも仕事の都合がなければ旭川よりも自然豊かな東川に住みたい」と一言。その話を聞いて東川への興味が湧いたそうです。
早速、東川町の分譲地に行き、周囲を見回すと、山々や田んぼの美しい景色が一望できました。東川町はOさんにとって、地縁もない見知らぬ地でしたが、田園風景の美しさや東川町の移住者支援策の充実、ニュータウンの生活環境、利便性などに惹かれ、土地の購入をすぐに決断しました。
藤井工務店との出会い
土地探しの次は住宅会社選びです。旭川市内の住宅展示場などでハウスメーカーの話も聞きました。でも一番気に入ったのは東神楽町の工務店、藤井光雄工務店でした。
「東川町で藤井さんのオープンハウスを見学したとき、木の梁が見えて、暖かい雰囲気の家で、ひと目みて『あっ!これで良い』と確信しました。応対してくれた藤井さんが、営業トークをほとんどしない、聞かれたことを控えめに話す感じも、ハウスメーカーの営業攻勢に疲れていた私としては好印象でした」と振り返ります。
その後、Oさんは、藤井さんのブログを見ました。大工さんの話や施工のこだわりなどがいろいろ書かれていました。
参考 藤井光雄工務店公式サイトのブログページ
家を建てて貰うなら、既製品、工場生産品中心の家より、大工さんの心がこもった家が良いなと、ますます興味を持ちました。
住宅性能や基本的な仕様などは、藤井光雄工務店の標準仕様通りのものを採用しました。「オープンハウスや藤井さんの自宅を見せて貰って、あの雰囲気がとても気に入ったので、ほぼその通りに作って欲しいと思ったのです」とOさん。
参考 藤井工務店公式サイト「家づくりページ」
快適な暮らしに満足
最後にOさんに東川町での暮らしについて伺いました。
Oさん この家に暮らし初めて1年半になりました。寒さ厳しい東川町ですが、冬場も家の中は暖かく、光熱費負担は予想以下。遊びに来た友人たちも『良いなぁこの家は』と褒めてくれます。
スキーやゴルフがすぐ近くでできる環境も道外の友人たちにとっては羨ましいようです。道外に住む娘さんもこの家が気に入って『お母さん、私も将来この家に住む』と話しています。
庭ではリーフレタスやミニトマト、キュウリなどのほか、食用菊やビーツ、ルバーブ、ワサビ菜、ハニーサックル、テッセンなどいろいろな植物も育てています。
今では友人・知人と山菜採りやゴルフ、近隣の美味しいお店に出掛けるなど忙しい日々です。
東川町では、大雪山からの雪解け水を各家庭で汲み上げているため、水道料がかかりませんし、塩素消毒のない美味しい水を利用できます。旭川から大雪旭岳源水公園取水場まで水を汲みに行っていた友人が、今ではこのおうちのキッチンから水を汲むようになったほどです。
東川町では、70歳以上の一人暮らしの場合、除雪した雪を家の前に置いておけば、町が集めて排雪してくれます。お年寄りに優しい町だと感じます。
近所の若いご夫婦が、庭の芝生で赤ちゃんをハイハイさせているのをみたりすると、都会ではなかなかできない、人間らしい暮らしができる町だと感じます。
旭川のスーパーも近く買い物には困りません。東川の道の駅「道草舘」では農産物の直売品も買えます。町内にある美味しいお店も見つけました。
私はこれまで、いろいろな街で暮らしてきましたが、東川町での快適な住環境や豊かな自然、好きな美術品に囲まれる生活にとても満足しています。私にとって東川町が一番大切な、理想の故郷(ふるさと)になる気がしています。
2018年02月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。