Column いえズーム コラム

和室の施工例30選


和室とは?

和室とは、日本風の部屋を指し、「洋室」と対比する形でそう呼ばれています。「日本間」は、伝統的な日本家屋の様式に基づいてつくられた部屋で、壁には塗壁(ぬりかべ)、床は畳や板敷、建具は障子・襖(ふすま)を入れた、床に座る座位のスタイルです。もともと日本の家屋は畳敷きの部屋を襖で仕切った間取りでしたが、戦後の近代化に伴い、フローリングやカーペット敷きの部屋に開閉式のドアが付いた「洋室」や「洋間」が一般的になってきたことで、畳敷きの部屋や空間を和室を呼ぶようになりました。

今求められている和室(和のスペース)

戦後急速に広まった近代的な住宅の中にある和室は、畳敷きで収納が無く、家具を置くと狭くなるという「使いにくさ」がありました。また高齢化社会になったことで、イスで過ごす椅子座の暮らしや、段差の無いユニバーサルデザインが一般的となり、​​畳敷きの個室をつくらない傾向も強くなっています。

そうは言ってもやはり日本人。畳の上にゴロンと寝そべってリラックスしたり、あぐらをかいて輪になっておしゃべりしたり、コタツを出して囲んだり…そんな寛ぎ方が好きという人は多いものです。現代の日本で求められている和室にはどんな要素があるのか考えてみると

■リビング続きの予備室として、来客用にもなる
■リビング横にあって子どものプレイスペースにもなる
■将来的1階で暮らすようになった時の寝室として確保する
■収納が付いていて季節の衣類や布団・リネンなどが収まる
■モダンなインテリアにも似合う置き畳(スクエア型・琉球畳など)が人気
■広くなくても、イグサの香りや質感を感じられる空間が欲しい
■小上がり風にしてLDKとは別空間として楽しむ
■吊り収納+地窓にして映えポイントをつくる
■小上がり風にして下部に引き出し式や蓋式の収納をつくって空間を生かす
■小上がりにして掘りごたつをつくる
■茶道や華道などをたしなむ本格和室
■仏間を設けるために和室をつくる

などなど、「和」が感じられること、実用性と現代の住宅に合うデザイン性を兼ね備えていることが大きな要素になっているようです。ここからはいえズームが日ごろ取材している住宅実例の中から、個性的な和室を厳選してご紹介します。大工さんの技術が光る本格和室からオシャレな和スペースまで、様々な実例をご覧ください!

可動式小上がりの和室 札幌市T邸/拓友建設



抹茶色の壁と12cm角の大黒柱が映える和室は、6畳の可動式小上がり。床からの高さは約30cm、引き出し収納も設置されています。リビングの延長の空間として、和室がほしかったというTさん。「老後は1階で生活を完結できるように、段差を解消してバリアフリーにしたい。そのため将来、撤去しやすい可動式にしてもらいました」。

置き敷きの畳を外すと、掘りごたつ調に早変わり。「ここで仕事できるようにしたいが、ふだんはそれとわからないようにしたい」というTさんが、「掘りごたつ風に」というアイディアを出しました。「写真のように、造作した座卓がスマートに納まるよう設計の際に工夫してTさんのご要望にお応えしました」と一原さん。和室の用途を広げるナイスアイディアです。
記事はこちら 札幌版次世代の最高レベル×建築家が設計する家

本格茶室のある家 札幌市/アシストホーム



こちらの美しい茶室の持ち主は、表千家※1の教授者であるオーナーさん。
茶道を始めて30年ほど経ってもなお、さらに稽古に励みたいという専心な思いから、2016年3月に「茶室」のある家を実現させました。建物本体が完成したのは2015年の12月ごろ。しかし茶室はまだ未完成。資材の取り寄せを待ちながらの居住だったそうで、竣工までの間、徐々に完成する茶室を眺めながら過されたそうです。
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オンリーワンを目指した和の家 旭川市穴田邸/北一タカハシ建設



「京都めぐりや伊勢神宮のお参り、お城を訪ねるのも大好きで、日本の伝統的文化を大切にした家にしたいと思っていました。でも、頭の中でイメージできる和風のわが家はあまり具体的ではありません。札幌でAさんの家を見せていただき、この会社に任せよう。そして自分の希望をかたちにしてもらおうと決めました(ご主人)」。
奥さまも同意されます。「古美術や骨董(こっとう)品が好きで、少しずつ集めていました。そんなお気に入りを飾れる自分だけの家にしたい」
それは、「和風」を愛する穴田さんにとって幸せな出会いでした。
記事はこちら 「和の家」でオンリーワン目指す北一タカハシ建設

将来の事を考えたリビング続きの広々とした和室 帯広市Kさん/ホーム創建



リビング続きの和室は客間として用意しました。将来、ご両親が一緒に住むことになった時のために、広めに確保しています。
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ナチュラルモダンのお家に合わせたコンパクトな和室 帯広市Tさん/カントリーヴィレッジ



モダンでコンパクトな和室。
記事はこちら 20社から選んだ工務店。ナチュラルモダンの家/帯広市Tさん/カントリーヴィレッジ

造作の美しい和室 青森市浪岡・H邸/小野住建



和室の造作仕事が綺麗で、10年以上経っているのに留めにズレがなくて驚きました。和室の畳は和紙です。丈夫ですね。

小野社長 2006年の頃は集成材は住宅用材としてはまだ普及していなかったので、この家では無垢材を使っています。無垢材は年数を経て乾燥収縮するので、施工に使うまえに丁寧な乾燥をすることが重要です。素材をよく選ぶことも大事だし、木の反り、上下、目と年輪を見て、木に逆らわない施工をしている点、もちろん大工の腕も大事だと思います。
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熊本いぐさの畳を採用した和室 名寄市K邸/キタクラフト



ご主人「夫婦とも、畳の部屋は絶対欲しいと思っていたんです。布団で寝たいし、畳は落ち着きます。熊本いぐさを採用してもらいました」
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海外からのゲストからも好評の和室 ニセコ町M邸/ヨシケン一級建築士事務所



床の間のある和室は、海外からのゲストにも喜ばれているそう。珪藻土に藁を混ぜた塗壁など、素朴でシンプルな仕上げも素敵です。
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掘りごたつを設置したリビング併設の和室 小樽・N邸/江田建設



リビング併設の和室を設け、座りやすいように掘りごたつを設置した。
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和室のような雰囲気の小上がり 十勝大樹町E邸/石井建設



LDKには、小上がりが設置されていました。

ご主人「小上がりを作ってよかったと思います。家族や友達がソファだけじゃなくていろんな場所に座れます。和室っぽい空間も欲しかったですが客間を作ったとしても宿泊されることは滅多になさそうですし、親しい身内が宿泊する場合なら個室ではなくても小上がりで寝てもらっても良いかなと思いました」

小上がりの下は石井さんの提案による引き出し式の収納があり、お子さんの衣類など、すぐ取り出したいアイテムを収納するのに重宝しています。
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リビングとの一体感を大事にした和室 音更町I邸/プラスワイド



和室の壁や天井を日本的な色使いとすることで、リビングとの一体感を残しつつ和の風情を演出しています。クローゼットの扉を外せば仏間として使えるなど、ライフステージの変化に対応した造りです。
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琉球畳を使ったモダンスタイルの和室 札幌市K邸/辻野建設工業



2階にある和室は、琉球畳を用いたモダンスタイル。壁紙やブラインド、照明にもこだわっています。
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カジュアルな雰囲気の和室 幕別町M邸/プラスワイド



リビングに隣接する和室は、市松模様のフチなし畳にベンチ収納がカジュアルな雰囲気。洋間のリビングとひとつづきに使っても違和感ありません。
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間取りにもこだわりのある客間(和室) 北斗市T邸/ノースランドホーム(山野内建設)



リビングの横には客間があります。最近は客間をリビングと一体化させて小さく、そして洋間にする家が増えていますが、Kさんは和室が大好き。ベッドではなく布団派、お子さんもまだ小さいので、家族全員でここに布団を敷いて寝るのが楽しいそうです。

間取りについても工夫があります。
打ち合わせの初期にご主人が、山野内建設さんに手書きの図面を提出しています。冬季の日射取得や、防災備蓄ができる収納スペースなどのほか、客間(和室)から来客がリビングを通らずに洗面化粧台やトイレなどに行ける動線が書かれています。
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モダンなフチなし畳と、ダイナミックな床柱が個性的な和室 十勝鹿追町 外城邸/ソトシロ建設



外城常務と奥さまの未来さんは、2人とも北米に留学した経験があります。そこで発見したのは日本の良さ。奥さまは、「アメリカに行って和服の良さ、奥深さに気づきました。今は着物を着るのが大好きです。だから和室は欲しかったし、せっかくだから雪見障子も欲しかった」と言います。フチなし畳もおしゃれ。

外城常務も、「畳も最近は樹脂系素材を使ったものが扱いやすさで人気なのですが、あえて本い草にこだわりました。小さな子供たちに本物に触れてほしいし、体にも良いと思うからです」
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便利で大容量な和室の収納スペース 旭川市S邸/昭和木材



寝室となる和室の収納には、林さんの工夫がありました。ちょっと見たところただの壁に見えますが・・・ 

壁となじむ色のロールスクリーンを二面に設置、上げるとそれぞれに大きな収納スペースがあります。お布団も収納できます。スクリーンを上げ下げするだけで済むので、とても便利に使っているとか。
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リビングに隣接した和室は小上がり風に 音更町M邸/カントリーヴィレッジ



リビングに隣接した小上がり風の和室は、Mさんご夫妻の提案。「ほかの家を見学した時に小上がりを見かけていいなあ、と思ってました。ちょっと腰掛けられたりとか」。
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ゲスト用にも使える和室でリラックス 江別市T邸/ヨシケン一級建築士事務所



リビングの隣には和室があります。「客室として考えていましたが、じつは居心地がよくて・・・普段からよくここにいるんですよ」とTさん。「畳の部屋はいいですね!何もしないでダラダラしています。冬にはこたつを出してきて、2人でご飯を食べたりもしますよ」。

引き戸を開け放せばリビングと一体化できて、将来お子さんを遊ばせてもキッチンからも目が届くなど、ライフスタイルに応じた使い方も考えているそうです。
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プレイルームとしても活用、LDKから見渡せる和室 札幌市北区K邸/アシストホーム



リビング横の和室は希望していた間取りのひとつで、来客の際には寝室として、子ども連れのお友達が集まった時にはプレイルームとして使うなど、重宝しているそう。LDKから見渡せるオープン設計なので、目が行き届くとお友達にも好評です。

和室の引き戸はダイニングの天井高さに合わせた大きなサイズで、取り付けには「大工さんが苦労されていました」とご主人。その甲斐あってLDKと一体化した奥行きのある空間を創っています。
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和室のふすまは、壁紙を貼って和洋ミックスしたデザインに 帯広市M邸/イゼンホーム



和室のふすまには、奥さまとお嫁さんがセレクトした和モダンなデザインクロスを使いました。リビングのカーテンも、小さく花をちりばめたホワイトのカーテンで奥さまのお気に入りです。
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間接照明で落ち着いた雰囲気の来客用和室 江別市H邸/シノザキ建築事務所



1階には、ご両親が泊まるときに使う和室も設けました。収納を吊り押し入れにすることで空間の広がりが感じられ、その下の間接照明が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
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リビング続きのモダンな和室 秋田県大仙市S邸/村上工務店



和室はふすまをあければリビングと一体化し広く使えます。神棚や床の間、和室のクロスなどは、Sさんの要望に基づいて村上社長が細部も提案しました。
記事はこちら 「暖かさと光熱費」が最優先の注文住宅 秋田県大仙市S邸・村上工務店

和紙でできた畳を採用した和室 北見市I邸/光栄建設



ご夫婦は、老後を想定して1階に寝室を配置することも検討しましたが、そうなるとお仏壇のある和室を1階に配置することが困難でした。お仏壇のお手入れは毎日のことだから、できれば1階に配置したい。

どちらを優先するか迷っていた時に、介護福祉士でもある次男の「階段の上り下りも運動になる。バリアフリー重視とは言っても、元気なうちは2階で寝起きして、階段の上り下りをするのも良いのでは?」という一言で、1階に和室、2階に寝室という配置に決まりました。

和室は、い草の匂いが苦手だったため、和紙でできた畳を採用。ふすまも洋風にして和室感を減らしました。
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モダンテイストの和室 帯広市T邸/カントリーヴィレッジ



一階奥には、モダンなテイストも取り入れた和室。
記事はこちら インダストリアル×性能×動線重視の注文住宅 帯広市・T邸/カントリーヴィレッジ

「板畳」を用いたリビング併設の和室 音更町猪子邸/猪子建設



リビングに併設された和室。本格的な和室ではなく、フローリングを部分的に畳に変えて、畳の良さを取り入れる「板畳」です。壁の一部は仕上げ材の施工前に磁石を設置することでマグネットが付けられるように工夫しています。掲示物などを画鋲ではなくマグネットで壁に付けることもできます。
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民謡と三味線を練習する奥様の為の和室 十勝音更町G邸/猪子建設



ご主人「妻は3歳から民謡と三味線を学び、大きな大会にも出ます。結婚を機に銀行を退職し専業主婦になりましたが、民謡と三味線の力は今後も発揮して欲しい、応援したいと思うので、一階に練習場として和室を用意しました。リビング併設の和風では集中しにくいからです」

奥様「集中して練習できる環境を作って頂きました。両親との同居や、来客の宿泊、そして、もし将来指導者になる場合も踏まえると、玄関から直行できる1階の和室が個室になっていることが重要でした」
記事はこちら モダンデザインに優しい気配り 住み心地と暖かさに感激 十勝・音更町G邸/猪子建設

畳スペースは憩いの場所。オープンでプライベートな和室 ニセコ町R邸/晃和住宅



R邸は床の高さを微妙に変えて目線を意識した、こだわりの施工が際立ちます。奥にある和室やバスルームの空間は、一段高く設計されていました。一段上からの眺める山の景色は、先ほどまでのリビングからの眺めとは違って、山の麓の家々までよく見えます。

畳スペースは一見、仕切りが腰の高さぐらいしかなくてオープンな雰囲気です。現し天井がリビングとの空間に連続性をもたせています。一方で、畳に座った目線の高さでは、充分な囲まれ感があって和室の雰囲気があります。畳すれすれの低い位置にある窓からは、庭の様子がよく見えます。奥様が丹精込めて育てているという草花たちが、美しく眼下に広がっていました。
記事はこちら 羊蹄山とニセコ連峰を見渡せる三角屋根の注文住宅/ニセコ町・Rさん 晃和住宅

譲り受けた床柱や受け継いだ品々が飾られた和室 東川町O邸/藤井光雄工務店



両親の躾で子どもの頃に茶道を習ったOさん。祖父は季節に合わせて掛け軸や食器を変え、祖母も庭の花を切って生けていました。
和室の床柱は、叔母が住んでいた家の解体時に譲り受けたものです。祖父母から受け継いだ箪笥や陶器なども飾られていました。
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リビング・玄関とひと続きにつながった和室 札幌市Y邸/イゼッチハウス北海道



ご夫婦のお気に入りは、リビングとひと続きになった和室。玄関にもつながっていて、反対のリビング側は3枚のスライドドアで区切れるようになっています。「普段は、リビング側は開け放して使っています。やはりゴロッとできるスペースがあるのはいいですね」とYさん。お客さまが泊まるための部屋にも使っているそうです。
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市松模様が印象的な和室 江別市Y邸/晃和住宅



こちらはモダンな和室で、市松模様の扉を開けるとお仏壇が納まっています。じつに趣を凝らしたデザイン。
記事はこちら 木造住宅の魅力満載。晃和住宅の「ナチュラル系」住宅3事例(連載その1)

茶道の炉や、床の間を設えた本格和室から、フローリングの一部に畳スペースを設けたモダン和室(板畳)まで、様々な実例をご紹介しました。畳は管理が大変という印象もありますが、最近は風合いはそのままに、化繊を織り交ぜメンテナンスしやすいもの、色や大きなども豊富になっています。

「ホッとできる」畳の間。この機会に和室のあるプランを考えてみてはいかがでしょう。


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