帯広の郊外で農業を営むMさんご夫妻。「この冬、いちばん寒い時はマイナス28度。それでも家の中は、全部暖かかったんですよ」。そう話すお二人は、昨年12月にイゼンホームで家を建て替えてから、「とても暮らしがラクになった」と口をそろえます。老後も考えた平屋の住まい、Mさんご夫妻に家づくりのお話を伺いました。
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設計も大工もお気に入り。我が家はイゼンホーム一択
Mさん邸の屋根には、パッシブ換気システムの排気筒が見えます。パッシブ換気システムは、暖房エネルギーで換気を行います。室内で暖かく軽くなった空気が上昇し、住宅の屋根などに設置された排気筒から排気されます。その分だけ、新鮮な外の空気が床下に給気され、床下に設置した暖房用放熱器で暖められ、床にもうけたスリット状のガラリから放熱され、家中をやわらかく換気します。
換気のために電気代が新たにかかることがなく、モーター、ファンを使わないので寝室への騒音もなく、メンテナンスがほとんど必要ありません。
イゼンホームでは、NPO法人パッシブシステム研究会に所属してその技術を習得。今では、新築の約半数がパッシブ換気システム住宅となっています。
約8年前、同じ敷地内に息子さんが家を新築した際に、イゼンホームを紹介したのは親のMさんご夫妻でした。「じつは、その5年ぐらい前から私たちは帯広の住宅会社めぐりをしていたんです」。ハウスメーカーや工務店と、いろいろ回った中で奥さまが気に入ったのがイゼンホームでした。
「古い家の寒さに参っていましたから、まず住宅性能が大事。それに、イゼンホームの家は、中村さんが設計した女性ならではの優しさ、柔らかさが感じられるようなデザインがとても気に入りました。水回りの使い勝手を優先した動線も好みでしたね」
息子さんたちもイゼンホームの家を見て気に入り、大手ハウスメーカーを含めた数社の見積もりから決定したそうです。
「その息子の家が、とても良かったんですよ!」と奥さま。「建築中もね、大工のマツオカさんが、毎日現場をきれいに片付けていくの。だから、うちを建て替えるときも、『設計は中村さんに、大工も息子の家のときと同じマツオカさんに』ってお願いしました」
今回の建て替えでは、ほかの会社に見積もりは取らなかったそう。「家は長く住むものだから、やはり信頼がないと任せられない。息子の建てた家を見ていて、やはりイゼンホームにしようと思いました」
丹精込めたお庭を大きな窓から愛でるリビング
普段から農作業で忙しいMさんご夫妻、プランの打ち合わせは空いた時間をみながらじっくり行いました。3年間かけたそうです。外装のデザインや仕様はご主人、室内は奥さんと息子さんのお嫁さんが話し合いながら決めていきました。「息子夫婦は家を1軒建てている経験があるので、打ち合わせに同席してもらって助かりました」と奥さま。天井を少し高めにしたのも、お嫁さんのアドバイスによるものだそうです。
奥さまの要望のひとつは、丹精込めてつくっているお庭をリビングの窓から眺められることでした。「奥さんの庭は、素晴らしいんですよ!」とイゼンホームの中村さんも言います。「シーズンになると、芝生の向こうに花々がとてもきれいに並んで、まるで公園みたいなんです」。その花々が、ベストポジションで眺められるうように、中村さんは家の高さや窓の位置を慎重に調整して設計しました。
「洗濯物を干す部屋からは、日高山脈もきれいに見えるんですよ」と奥さま。「家の中から自然をいっぱい頂いているような家で、贅沢だなぁと思いますね」
効率的な動線で、暮らしがグンと楽になった我が家
キッチンはステンレスのカウンター、後部収納も鏡面仕上げの扉でスマートに。並列に設置した天井のライトもきれいに映えます。
キッチンの左側には、先ほど紹介した、日高山脈が見える洋室があります。予備室として普段は洗濯物を干すスペースになっています。キッチンの右側(写真奥の扉)からは、ユーティリティー、バスルームがつながって回遊式動線に。「お風呂からキッチン、洗濯物を干す部屋と一直線の動線で、家事がとてもラクなんです」と奥さま。
キッチンから見たリビング右側の奥には、ご主人の書斎スペース、右前方にはリビングとひと続きになる和室があります。
和室のふすまには、奥さまとお嫁さんがセレクトした和モダンなデザインクロスを使いました。リビングのカーテンも、小さく花をちりばめたホワイトのカーテンで奥さまのお気に入りです。
寝室は、写真の手前にウォークインクローゼットも備えています。廊下を隔てた向かいには、中村さんのアドバイスでトイレルームを配置しました。「寝室からすぐトイレに行けるのは、実にありがたい」とMさん。
トイレは広めのつくりで、背面の壁にエコカラットを使用しました。「住んでみてわかる。この家は本当に動くのがラク」とMさん。組込式の車庫にしたので、車を降りてから直接勝手口から家の中に入れるのも、「特に、冬は寒さに当たらずラクですね~」と話します。
仕事とプライベートの空間を分けてリラックス
Mさん邸は、玄関とは別に勝手口も設けています。農家住宅ならではのつくり。農作業用の服や靴はこちらに収納、汚れた服を洗うための洗濯機や洗面化粧台も備えました。また、保冷庫も設けているので食料品の保存に便利です。
こちらは玄関。左端のドアを開けると応接室につながる土間スペースへ。仕事関係や来客を応接室に通すことで、リビングはご夫婦専用のスペースとしてくつろげます。お客さんが来るたびに気を使うことがなくなりました。廊下側にも、応接室に入れるドアを設けたので、ご夫妻も入りやすくなっています。
おしゃれなドアや、応接室のインテリアは奥さまのセレクト。室内にはMさんの農場を写した航空写真や、奥さまの押し花アートなどが飾られていて、程よく柔らかな雰囲気を醸し出しています。
玄関からリビングまでの廊下は長さが10mほどありますが、こちらの家は幅を120cmと広めにしているので、歩いてもゆとりが感じられます。
廊下にも暖気が上がるガラリ(通風口)を設けています。パネルヒーターが室内にないので、スペースを広く使えます。
暖かくて省エネ、停電にも強い高性能住宅
「中村さんが提案した床下暖房+パッシブ換気は、ストーブのように火が見えないので大丈夫かな、という気持ちが最初はありました」と話すMさん。
「でも、住んでみるとしっかり暖かい。それに、ストーブと違ってどこに行っても温度が同じなんだよね」。
取材で訪問した日は、まだ雪がちらつく寒さでしたが、「朝から暖房を切っているんですよ」と奥さまに言われて驚きました。中村さんが説明します。「床下のコンクリートに暖房熱が蓄えられていて、しかも無駄な熱が外に出ていきません。ですから、今の時期なら1日ぐらい暖房を切っていても大丈夫でしょうね」。
Mさん邸は、断熱仕様を一般的な家の約2倍に強化。イゼンホームさんの家としては標準的な仕様だそうですが、UA値は0.26Wと国が求める省エネ基準の0.46Wの2倍近い数値です。また、倉庫にソーラーパネルを設置していて、数年後の売電期間が終了したら、自家消費主体に切り替えるそうです。
もし、停電になっても高断熱仕様+自家発電でとても安心ですね。
「床下暖房ははじめてだったので、温度調整の仕方に最初戸惑いました。温度調整を高くしすぎたりしていたけど、3ヶ月目でようやく慣れました。熱源は、ハイブリッド給湯暖房ボイラーを使っていますが、慣れてからはガス代は月1万円程度で済んでいます」Mさん邸は平屋でも50坪ほどあるので、冬の暖房費でこの金額はちょっと驚きです。
「うちを見て、『どこの住宅会社さんで建てたの?』と聞いてくる人もいるんですよ」と奥さま。ご主人も「外から見ただけで『凝った家だね、どこなの?』と言われたりするね」。そう話すご夫妻の表情は少しうれしそう。中村さんが「お二人とも、新婚さんみたいですよね!」と冷やかすと「ほんと、新婚さんですよ。人間以外はね」と笑うご主人。Mさんご夫妻と、イゼンホームとの良いお付き合いがこれからも続いていきそうです。
記者の目
イゼンホームは60年以上の歴史を持ち、高断熱住宅やパッシブ換気システムにいち早く取り組んできた会社。性能だけでなく、生活者目線の暮らしやすい動線と優れたデザインセンスが、たくさんの住宅会社を見てきたMさんご夫妻の決め手になったようです。「イゼンホームさんは本当に良い家をつくってくれました。生活してみて本当にそれが分かる」。相手との信頼関係がなによりも大事と繰り返す、Mさんご夫妻の言葉が印象に残りました。
2019年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。