共働き世帯の増加による家事の効率化志向や、子育て時期の暮らし方の多様化などを背景に、玄関まわりの収納=『シューズクローク』を導入する家が増えていますね。ここ15年ほどで設置率は約2倍、専有面積も増えつつあるなど、単なる靴収納にとどまらず、住まいの内と外を繋ぐ場所として、家族構成・生活動線・持ち物の種類に応じた“暮らしに寄り添う収納設計”が求められるようになってきています。
そこで今回は、暮らしの中の重要なスペースとなった『シューズクローク』を、ライフサイクルに合わせて家族全員が使いやすくなるよう、押さえておきたい3つの視点をご紹介します。

①高さで分ける:「上・中・下」のゾーニング
収納を上・中・下の3つの高さに分けて考えると、使いやすくなります。
●上段:季節モノ・ストックなど使用頻度が低いもの
●中段:日常でよく出し入れするもの
●下段:子どもが使うものや重量があるもの
②動線・使用頻度・背丈に合わせた収納
家族構成や生活スタイルに合わせて、「誰が」「どこで」「どのくらいの頻度で」使うかを考慮しましょう。
●通勤バッグ・アウターなど、家から「持ち出す」ものは動線上である玄関に収納することで生活動線がスムーズに
●よく使うモノは手前に、たまに使うモノは奥へ配置することで出しやすく戻しやすい
●下段は子どものもの、中段は大人のものといったように、家族それぞれの背丈に合わせて収納場所を作ることで、自分で出し入れできるように
③よく使うモノは手前に、たまに使うモノは奥へ配置することで出しやすく戻しやすい
「入る量」だけでなく「見直しやすさ」も重要。家族のライフサイクルの変化に対応できるように考えることも大切です。
●靴以外に玄関に置きたいものをあらかじめ考える
●一時的にものを置いておけるスペースの確保
●子どもの成長度合いや季節に応じて置いておきたいものに対応しやすい可動棚を活用
この3つの視点を意識するだけで、「今」の暮らしにフィットした玄関になり、家族全員が自然に片づけられる収納空間をつくることができます。プランニングなどの提案時に、ぜひ取り入れてみてください。
このコラムを書いた人
のんちさん:整理収納アドバイザー1級
2014年に資格取得後、4度の引越しを経て2021年から活動開始。訪問・オンラインでの片付けレッスンを行いつつ、手仕事のコミュニティも主宰。片付けなどに関する100軒以上のお悩みに触れ、サポート実績は300時間以上にのぼる。インスタアカウントでも楽しくためになる発信を続けている。
のんち|片付け×家事シェアの専門家 https://www.instagram.com/nonchi._.kurashi/?locale=ja_JP

※この記事は北海道住宅新聞 2025年7月5日号に掲載されたコラムです
2025年07月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。