Column いえズーム コラム

道内初の『WONDER VOID』モデル プランに縛られない暮らし提案 BESS札幌

この記事は、住宅業界向け専門紙「北海道住宅新聞」2022年6月5日号に掲載された記事を転載しています。



 ログハウスメーカーの(株)BESS札幌(江別市、鎌田大樹社長)は、札幌の東約25㎞に位置する南幌町で、間仕切り壁がない開放的な造りが特徴の規格住宅『WONDER VOID』(ワンダーボイド)の道内初モデルハウスを4月下旬にオープンした。

『WONDER VOID』は、親会社のBESS((株)アールシーコア・本社東京都、二木浩三社長)が開発した在来木造2階建ての戸建住宅で、標準的な延床面積は30坪前後。テーマは「無くて、自由」で、プランに縛られない自由な暮らし方を住まい手に楽しんでもらいたいという思いから、水回りを除いて基本的に間仕切り壁を設けていない。住まい手はオープンな空間で自由に家具を配置したり、自分好みに仕切ったりして暮らしを楽しむ。

また、水回りの間仕切り壁もあえて未塗装のまま引き渡し、住まい手に好きな色を塗ってもらう。この間仕切り壁には、たて板張り調に加工した同社特製の「BOLLOX(ボロックス)合板」を使っている。

室内は木の温かみを感じられるログハウスメーカーらしい仕上げで、床はパイン材の無垢フローリング、壁はホワイトウッドの無垢材で仕上げたほか、天井は梁とOSBを現しにしている。

さらに、今回のモデルハウスでは、木土間(もくどま)を採用。同社の住宅商品のオプションの1つで、その名の通り木の床を土間として使う。表面に油性塗料で防水加工を施した国産杉の無垢材を使っている。個性的でユーザー人気も高いオプションだが、道内のモデルハウスでは採用例がなかったため、今回初めて取り入れた。ちなみに、塗料はこすれや経年劣化で落ちてくるため、数年に一度塗り替える必要がある。

ピザ窯や走るログ小屋など外構の見せ方もポイント


外観。ウッドデッキのそばにピザ窯を設置


そのほか、今回のモデルハウスでの試みについて、同社営業責任者の小杉康弘氏は、「来場者が『WONDER VOID』での暮らし方を想像できる仕掛けとして、外構を工夫した」と話す。同社のモデルハウスでは見学に来たユーザーにその家を身近に感じてもらうため、インテリアや外構で暮らしのイメージが湧く仕掛けづくりを大事にしているという。

外構のポイントは、まず庭に設置したピザ窯。『WONDER VOID』の標準仕様となっている広いウッドデッキに加え、余暇の過ごし方を広げる提案だ。

「コンクリートブロックやレンガを使って簡単に作れるもので、お客様から要望があれば無料で作り方を教える。DIYを楽しんでもらいたい」(小杉氏)。


走るログ小屋『IMAGO iter』。法律上の扱いは車両のため、建築確認が不要となっている


さらに、駐車スペースの一角にはBESS本社が昨年10月に発売した、車でけん引できる可動式ログ小屋『IMAGO iter』(イマーゴ・イーテル)を展示。12フィートサイズの車台の上に床面積6.5㎡のログ小屋を設置したもので、発売以来、旅行やドライブに連れ出せる全く新しいログ小屋として、SNS等で話題になっている。

「休日は庭でバーベキューをしたり、ピザを焼いたり、あるいは『IMAGO iter』を海辺や山に連れ出してアウトドアを楽しんだりといった暮らしが想像できる外構に仕上がった」と小杉氏は手応えを語る。

南幌町での受注が好調


木の床で造る斬新な土間スペース。右奥の白い壁がBOLLOX合板で、通常は未塗装のまま引き渡す


また、モデルハウスを南幌町に建てた理由は、近年、同町での受注が増えているため。今年に入ってからすでに3棟の戸建住宅を町内で着工したという。
 小杉氏は南幌町での受注実績が成長曲線を描いている理由について、施主は町外・道外からの移住者が中心とした上で、「当社の住宅はアウトドア志向が強いので、都会を離れてのびのびと暮らしたい移住者のニーズに合っているのだと思う」と言い、続けて「コロナ禍でリモートワークが普及し、都会から地方へ移住する人が増えているので、南幌町での受注は今後も期待できる」と展望を述べた。

※この記事は北海道住宅新聞の2022年6月5日号の記事を転載しています。
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