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デザイン+予算+要望を満たす札幌のおすすめ建築家/石狩市K邸

安心して任せられる建築家:笠井さん

この記事は、

1 建築家にデザイン性の高い家を依頼したい
2 こだわりすぎて予算オーバー、は避けたい
3 私たちの生活や趣味、敷地条件や家の好みも踏まえた自由設計の注文住宅が欲しい

という方に特におすすめです。



ハウスメーカーは企画型商品で没個性?
工務店はデザインセンスに欠けるかも?
建築家なら斬新で美しい家を建ててもらえるかも?
とお考えの方でも、建築家に依頼する上で一抹の不安はあるかと思います。

1 デザイン重視はいいけど性能は大丈夫かな?
2 こだわりすぎて予算オーバーしないかな?
3 私たちの要望よりも建築家のこだわり優先の「作品」になって、結果住み心地が犠牲にならないか心配

といった声はよく耳にします。

今回ご紹介する石狩市のK邸を設計担当した建築家の笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さんはこうした不安をお持ちの方にとって、良い依頼先になるかと思います。まずは、K邸の家づくりを写真で見ていきましょう。


目次

屋外もくらしに生かすプランニング



南西側から見たK邸外観です。

立地はご主人のご実家もある石狩市の花川地区。市の地区計画により区画は200平方メートル以上というゆとりある敷地、しかも角地の土地を購入しました。左には街路樹が広がる閑静な住宅街です。



外観の色合いは白を採用。白特有の膨張した感じを抑えた生成りのような白で優しい色味のガルバリウム鋼板を外装に選びました。手前は菜園スペース、駐車場はコンクリートで雑草対策も行いました。



家族で焼肉も楽しめるテラス。2階部分がハネ出しになっているので、屋根付きのテラスが実現しました。屋外のテラスだと、木製で作ると雨風に長期間さらされたら劣化が心配なのでコンクリートを強化塗装し施工しました。

以前は札幌市中心部で暮らしていたので、交通量の多さなど、お子さんたちの外出は安全面でも心配でしたが、今は、閑静な住宅街で交通量も少なく、テラスや庭も広いし、近所に公園もあるので、お子さんたちが屋外でのびのびと遊び、活発になったそうです。

建築家の笠井さん(左)が座っている木製のベンチは、笠井さんがオーナーのために、建築の端材を使ってDIYしプレゼントした特製ベンチです。

大きな土間空間が魅力



玄関ホールです。奥行き8メートル近くある長い土間と、高さ約5メートルの吹き抜け空間が広がります。友人・知人が訪れるとまずこの玄関ホールで驚かれるそう。

スケルトン階段が空間をより解放感あるすっきりした印象にしていますが、階段の踏み面は無垢材で、空間を無機質過ぎないナチュラルな風合いにしています。



屋外のテラスと室内の土間空間は、床面が同じ高さ、素材感。幅約6メートルの大きな窓で隔てられているといっても、まるで土間とテラス、室内と屋外が一体になったような広がりを感じます。家族みんなのお気に入り空間です。

ちなみに、ここにはカーテンを設置していませんので、屋外から土間空間は覗けるわけですが・・・

斬新なデザインと住み心地の両立



一階には土間だけじゃなく、LDKやお風呂など水回りがあります。日常生活は外からの視線を避けたいので、土間とリビングを隔てる半透明の引き戸で閉じることができます。



引き戸を開けるとリビングと土間がつながり解放感が生まれます。事前にKさまから、友人知人・親戚など交友関係が広く、来客を招き入れることも多いということを聞いており、来客が多いときは、土間空間とリビングダイニングの間の扉を開けて、大勢で過ごせる空間を生み出すプランになりました。



キッチンは使い勝手と、室内のイメージに合わせて選びました。



洗面室とお風呂は、造作ではなく、既製品がシンプルで機能的、コスト面も優れているので選びました。



2階は、主寝室と、お子さんのお部屋があります。



1階・2階を貫く大きな吹き抜け空間があるので、2階ももちろん開放的です。

窓や造作、ドアなどの細かな気配り



階段をあがるとフリースペースがあります。備え付けのカウンターデスクの天板は、間伐材とカラフルな紙を貼り合わせた、木口の色合いも楽しめる合板を採用。

お子様は勉強や読書、お父さんはデスクワークで活用するスペースですが、視界いっぱいに外が見えるように大きな窓を壁一面に、サッシのフレームの上端が目立たない施工上の工夫も施したことで、星空を眺めて楽しめる空間にもなりました。



兄弟のお部屋は、今は2人で一つの大きな部屋ですが、中学生になるころには、間仕切りを加えて2部屋に分けられるようにあらかじめ室内ドアが2つにできるような工夫などがされています。

窓が高い場所に設置されている(高窓)ため、部屋の奥まで採光が届く上、外からの視線が入ってこない=カーテンが不要というメリットもあります。



実はこのK邸。室内の全てのドアが、既製品ではなく造作の建具を制作し採用しています。この短い動画を見ていただくとわかりますが、手を放してもゆっくりドアが閉じ、最終的には完全に閉じたような状態になります。実際は壁側の木が凸で、ドア側が凹んでいるので、わずかに浮いている状態で閉じます。壁側がドアに擦れて汚れたり、ドアを閉めたときに音がしないといった細かな気配りです。

ではそろそろ、オーナーのKさまご夫妻と、設計を担当された笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さんに、家づくりのお話を伺います。

石狩市花川北地区は魅力的

家づくりのきっかけは?

Kさん 夫婦とも、もともとマイホーム願望がありました。でもこれまでは賃貸暮らしで、最後に住んでいたのは中島公園付近の賃貸住宅で家賃が8万円でした。



この金額を今後も毎月払うなら、持ち家の戸建て住宅を新築できるかなと思ったのがきっかけです。子どもが、引っ越しで何度も転校、ということにならないように、建てるなら早めにとも思いました。

土地探しはどのように?

Kさん 良いなと思った土地はすぐに売れてしまう。コレ!と思った土地を2回、逃しました。結局土地探しには何年もかかりましたが、最終的には笠井さんの土地情報から選びました。


左はオーナーのKさん。右は笠井啓介さん

左はオーナーのKさん。右は笠井啓介さん


石狩市花川北地区は、宅地が200平方メートル以上で、地盤もよく、都市ガスのエリアだったのも魅力的でした。角地でしたし最終的には良い土地を購入できました。

笠井さんのセンスに任せたい!

笠井さんに設計を依頼した理由は何ですか?

Kさん 笠井さんは北海道工業大学(現在は北海道科学大学)建築学科の同級生でした。笠井さんは大学時代は最初、それほど勉強熱心という感じではありませんでしたが、次第に美術方面に没頭するようになり、次に建築に目覚め、大学を休んでヨーロッパに留学したりしていました。


K邸を設計担当した建築家の笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さん

K邸を設計担当した建築家の笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さん


Kさん 建築学科の同級生にはもちろん、建築を真面目に学んでいる同級生もたくさんいましたが、もし私が将来家を建てるなら、笠井さんに頼みたい、と思える何かが彼にはありました。デザイン、建築のセンスが優れているし、人柄も良かったのかなと思います。



この写真は、K邸の打ち合わせ段階で笠井さんが書きKさん夫妻に提出した外観のスケッチです。

住宅を間取りから考えると利便性は良くてもデザイン的には冴えない家になりがち(お客様の要望第1に考える工務店に多いプランニング方法)

住宅を外観デザインから考えると見た目は良くても使い勝手の良くない家になりがち(外観やデザインを重視する設計事務所に多いプランニング方法)

と言われたりしますが、笠井さんの場合は、お客様の要望をまずしっかり聞いたうえで、住宅を間取りやデザインだけでなく、縦の断面など、できるだけ立体的な視点で考えるそうです。



その結果、例えばK邸のようにテラスが土間とつながり、一階の玄関ホールが2階のフリースペースと空間でつながったりと、空間的に魅力的な住まいづくりができるのかもしれません。

高断熱+床暖房で快適

住宅性能は意識しましたか?

Kさん 私の実家は寒い家でした。冬に、弟の部屋に雪が積もっていたこともあります(笑)。なので暖かくて省エネな家にしたいという思いはありました。

笠井さん 札幌エリアの場合、壁なら軸間の充填断熱工法で105ミリの断熱に加え、付加断熱で25ミリの断熱材を施工するのが、暖かさと省エネで最低限必要ではないかと考えています。K邸は基礎断熱を強化し、一部トリプルサッシも採用。そのうえで床暖房にしています。一般的な住宅会社では床暖房はコストアップ要因になると思いますが、建築家の先輩、白田建築事務所がこの点、性能とコストの両面で素晴らしいスキルをもっているので、教えていただき、この家では床暖房を採用しました。



Kさん 窓など開口部が広く、大きな吹き抜けがあるにも関わらず家じゅうが暖かく、省エネで、室内の壁際にパネルヒーターなどの暖房器具がないのもとても良いです。

建設費は予算厳守で!

家づくりは思った以上にお金がかかりますよね。予算オーバーになることも多いと聞きます。

Kさん 最初に予算を笠井さんに伝えました。最終的に、予算内に収まったので、とてもありがたかったです。

笠井さん:建築家に家づくりを依頼したら、お客様が伝えていた予算を大幅に超えた見積もりが出てきて・・・という話はよく聞きます。私はお客様の予算をしっかり守ったプランニングを常に心がけています。

高い建材・設備をふんだんに使って良い家を建てるのではなく、コストが安い建材などを上手に使いながら機能やデザインも高めていく。施工会社も、腕が良いが価格の面でも競争力がある会社を選ぶ。

K邸の場合、カーポートや庭づくりまでは予算内では実現できないということも含め、ご予算を踏まえてどこまでできるか、を明確にご説明し、何を優先するか、ご予算をしっかり打ち合わせることが大事だと考えました。

省エネ、収納十分、快適な家に満足

住み心地は?

Kさん 家全体が暖かくて、床暖房の出力は5段階の3くらいに設定していたらもう十分暖かいです。収納が十分あり、住み心地にとても満足しています。子どもたちは階段や土間、自分たちの部屋で遊び回っていますし、私たち以上にこの家を喜んでいます。妻は当初は、生活する側の目線で、この大きな土間と吹き抜け空間は、スペースを贅沢に使いすぎているかもしれないと心配していましたが、実際に住んでみるととても快適で満足してくれています。

笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さんのプロフィール

1984年生まれ札幌出身で、設計事務所で腕を磨いた後、フリーとなってハウスメーカーや工務店の設計を担当。2013年に笠井啓介建築研究所を設立。
詳しくはこちら参照ください
https://iezoom.jp/company/company-1282.html

追伸1 建築家白田さんからのおすすめの声


笠井啓介(笠井啓介建築研究所)さんという有望な若手建築家がいると、いえズーム編集部に教えてくれたのは白田建築事務所の白田智樹さんです。

白田さんはいえズームでも何度も取材させていただいている札幌の建築家で住宅の住み心地、性能、価格、自然素材の活用などの魅力と、お客様のライフスタイルや好みをしっかり反映させた家づくりで人気です。

白田さんは、笠井さんに住宅の断熱に関する設計施工のノウハウを教えたり、大規模な物件で共同で設計を担当したこともある北海道工業大学建築学科の先輩です。

白田さんに笠井さんのことを伺うと「住宅のデザインなどをしっかり考え、建築家としての提案をできる人。若手の建築家の場合、いろいろと妥協してでも仕事の実績を増やしていきたいと思う人が多く、妥協だらけの設計になることが多いんです。その点彼は若いのに自分の考え、アイデアを大切にできる。勉強熱心なので私もノウハウや経験を彼に教えることもあります。お客様との出会いを増やし、ますます活躍してほしいなと思っています」とエールを送ってくれました。

追伸2 工務店さんからのおすすめの声も

取材にお邪魔したこの日、施工を担当した工務店さんが一年点検に訪れていました。



新築住宅は、お引渡し後、1年ほどの期間で、室内の暖房利用などもあって木材などの乾燥収縮が起き、建具や壁紙に反りや隙間が生じたり、見た目や機能面で問題が生じることがあります。そのため、一年点検を多くの住宅会社が実施しています。



Kさんも工務店さんに、クロスの隙間、建具の反りなどを相談、後日職人さんが補修に訪れることになりました。

せっかくなので工務店さんに笠井さんのことを聞いてみたところ「笠井さんは、細部の収まりを踏まえたしっかりした図面を書いてくれます。我々工務店にとって大変ありがたいのです。建築家の中には、イメージだけの図面を我々に渡し、施工の真っ最中や、場合によっては施工後にダメ出しをしてくる方がいます。出戻り工事はコストも手間も工期も圧迫します。笠井さんはお客さんだけでなく、私たち施工側からも喜ばれています。その結果、建築費も安くでき、結果それがお客様に還元されています」と話してくれました。

2019年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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