高窓(ハイサイドライト)のメリットとデメリット
高窓(ハイサイドライト)は、壁面の高い位置に配した窓のこと。天井に付ける天窓(トップライト)よりも費用やメンテナンスの面でも採用しやすいことから人気の高い窓デザインです。
メリットとしては、
・高い位置から光を確保することで室内の奥まで広範囲に光が届く
・プライバシーを確保しながら採光が得られる
・開放感を演出して室内を広く感じることができる
・吹抜の壁に付けると、雲の流れや月や星空など、空の様子が眺められる
・外観・空間デザインのポイントになる
・開閉式の窓にすると通風を確保することができる
といった効果が期待できます。
一方でデメリットとしては、
・高い位置にあるので掃除がしにくい
・隣家の2階窓の位置によってはプライバシーが確保しにくくなる
・付けすぎは気密の面で性能が下がる心配がある
・太陽光が入りすぎると室温を上げる原因にも
といった懸念点があることもおさえておきたいところです。
高窓の具体的な事例
具体的な事例としては
・テレビを配置する壁面に採光窓として採り入れる
・腰窓を付けにくい天井高(例えばロフトなど)の空間に採用する
・プライバシーを確保したい個室や、寝室のベッドヘッド側に配置する
・洗面化粧台の上部に配置して光を採り込む
・家族の気配が感じらるよう、部屋と部屋の仕切り壁に室内窓として採用する
・庭木の緑を眺める額縁のように設計する
など、さまざまな採用方法があるようです。
室内の印象を大きく変える高窓(ハイサイドライト)。
メリット・デメリットを知った上で、上手に家づくりに採り入れた実例をいえズームの取材事例からご紹介します。
朝日が差し込む吹上天井のリビング 札幌市西区S邸/白田建築事務所
(画像左)リビング上部は片流れ屋根の傾斜を生かした吹上げ構造になっていて、採光窓から差し込む光が部屋全体を明るく照らしています。
(画像右)高窓からの採光とOSB合板の木目が温かな印象の洗面室と脱衣室。
Sさん 家を建てる時の一番の希望は、神棚に朝日が当たるような設計にしてほしいということでした。建て替える前の家は寒くて本当に大変だったんですけど、唯一良かったのは毎年1月1日の朝に神棚に朝日が当たることだったんです。
白田さん 一番の希望である神棚の場所から設計を考え始めました。採光のために吹上天井にして、現しにしたOSB合板の壁や松を使った柱は、時と共に色の変化を楽しめるよう素材そのままの色を生かしています。
光が差し込むリビングが主役の暖かい平屋/札幌市西区Sさん
高窓をいくつも配したことで、太陽の光も十分に入ってくるリビング 浦河町F邸/神馬建設
玄関を入ってすぐのリビングは、吹き抜けの開放的な空間です。住宅街にあるため、まわりの視線が気にならないよう、高窓をいくつも配したことで、太陽の光も十分に入ってくるといいます。
自分たちらしさを詰め込んだ、永く住み続けられるイエづくり 浦河町・F邸/神馬建設
季節の飾りを楽しむコーナーとして高窓を活用 札幌市T邸/SANKEI(サンケイ)
テレビ背面にある細長のFIX窓は季節の飾りを楽しむコーナーとして活用しています。
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SE構法で2階まで高さのある大開口を実現 札幌市M邸/シノザキ建築事務所
リビングダイニングに入るとすぐ、2階までの高さがある大きな窓が目に飛び込んできました。高く広がる空が見え、たくさんの光が降り注ぐ明るい空間です。リビングへとくだる踏み板部分は、奥さまの希望でゆるやかな曲線に。テレビの横には、M邸の暖房であるペレットストーブが置かれています。
M邸には、親世帯と同様、SE構法が採用されています。最高レベルの耐震等級3の耐震性を確保しつつ、採光に配慮した位置に大開口を連続して配置することができました。
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リビングは大きな吹き抜けの空間に、ワイドな高窓から「月見」満喫 札幌市T邸/奥野工務店
リビングは天井高約5.5mの大きな吹抜け設計。南西と南東の壁にワイドな高窓を配しています。「ちょうどお月さまが窓から見えて、とても癒されます」と奥さま。
奥野工務店・営業担当の戸村公平さん 「3方向に建つ住宅に囲まれた立地ですので、明かり取りのためリビングを吹抜けにすることを提案させていただきました」。
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高窓からの陽射しで明るいリビング 札幌市南区/丸三ホクシン建設
室内へ入ると、高窓から明るい陽射しが。リビングは無垢材のニレ床が広がるナチュラルな空間となっています。天井の梁、テーブルや椅子などの家具に木材がふんだんに使われています。
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吹き抜けの高窓で開放的な空間に 旭川市/セルコホーム旭川 小森工務店
吹き抜けがあり、リビングは明るく開放的な空間になりました。隣りの洋室はお子さまのプレイルームとして使用中。扉を開けて続き間にすれば、お子さんの様子も見守ることができて安心です。
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大きな吹き抜けと高窓からの日差しで開放的なリビング 札幌市/キクザワ
リビングには大きな吹き抜けがあり、高窓から日差しが入る開放的な空間です。床材には天然木を使用した複合フローリング材を採用し、壁は珪藻土の配合された石膏プラスター仕上げ。天然素材の心地よさが室内全体に広がっています。
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子供部屋に高窓を 石狩市/笠井啓介建築研究所
こちらはお子さんのお部屋。
窓が高い場所に設置されている(高窓)ため、部屋の奥まで採光が届く上、外からの視線が入ってこない=カーテンが不要というメリットもあります。
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テレビの配置を考慮した高窓 札幌市/ブレイン札幌
リビングのテレビスペースはこんな感じ。「ソファに座ると、吹き抜け窓から雲が流れる様子を眺めることができ、とても気に入っています」と奥さま。
「隣接する建物との兼ね合いを考え、設計上一番配慮した点でした」と佐藤社長。
テレビの配置やプライバシーに考慮した高窓の窓台には季節の雑貨を飾って楽しんでいます。
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高窓から星を眺められるリビング 清水町/外城建設
屋根形状を活かした梁のないデザインはご主人の希望で、「天井をつくるのはとても大変そうでしたが、梁を無くしたことで高窓から星空を眺めることもでき、正解でした」とご主人。
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ハイサイドライト(高窓)で明るいリビングに 札幌市/ブレイン札幌
「室内はあまりモノを置かず、すっきりとした空間にしたい」と要望したご夫妻。リビングルームはホワイト系の壁クロスと淡い色合いの木調フローリングで開放的に、ネイビーカラーのアクセントクロスが空間を引き締めています。
壁掛け式のテレビは、ブレイン札幌の提案で壁をふかして、配線などが見えないように設置しました。上部には横長のハイサイドライト(高窓)も設けて明るい光を採り入れています。
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ハイサイドライトからお互いの気配が感じられる2世帯住宅 札幌市/白田建築事務所
LDKはキッチンがメイン。背面のハイサイドライト(高窓)の向こうには親世帯のLDKがあり、互いの気配が緩やかに感じられる造りです。白田さんに設計のポイントをお聞きすると、採光を確保する窓、景色を切り取る窓、プライバシーに配慮した窓など、必要な位置に必要な窓を配置することが一番難しかったといいます。
2階ホールの吹き抜け窓から入る光は、ホールや階段室のほか、ハイサイドライトから寝室にも届く設計。階段室の細長の窓など、デザインにもこだわっています。「出来るだけ高い位置に窓を付け、そこから全体に光が行き渡るようなイメージで設計していきました」と白田さん。
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階下まで光が届くロフトのハイサイドライト /札幌市 SUDOホーム
片流れの屋根で、ロフトのある家をオーダーしました。「夫婦それぞれ趣味を楽しめるスペースがあること」「明るいこと」「間仕切りが少なくて開放感があること」が主な要望でした。
ロフト部分のハイサイド窓から光が差し込み、傾斜のある白い天井に反射して、階下まで光が届くようになっています。
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ハイサイドライトで収納と明るさを両立 札幌市/アシストホーム
Sさん邸の1階リビング・ダイニングはウォルナットの無垢(むく)フローリング。造作のテレビボードやその上にある飾り棚もウォルナットカラーでシックに。
収納を確保し、家具の配置に配慮しながら室内の明るさを確保するため、高い位置に横長のハイサイドライトを設置。まわりの家からの視線を気にする必要もありません。
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窓に映る緑を切り取る絵画のような高窓 札幌市/北渡建設
リビングはバリのリゾート風にコーディネート。ウォルナットの床材や、天井の間接照明が寛ぎの空間を演出しています。向かって正面のコーナーは将来アップライトピアノを置く予定なのだそう。
横長のハイサイドライトは老川さんが設計の段階でこだわったポイントの1つ。絵画のように窓に映る緑を楽しむことができ、採光の役割も果たしています。
記事はこちら 南国リゾートをイメージしたホテルライクな邸宅/北渡建設/札幌市南区
高窓(ハイサイドライト)の実例についてご紹介しました。いえズームでは下記の「いえズームコラム」一覧から、さまざまな切り口からまとめた実例集をご覧いただけます。是非参考にしてみてくださいね。
2021年07月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。