Story 取材記事

それぞれの趣味を楽しむ・つながる、シニア夫婦の家/札幌 SUDOホーム


交通量の多いバス通りと、一本奥に入った裏通りに挟まれて建つF邸。

最初は西側のバス通りに正面玄関を設けるつもりでしたが、人通りが多く車を出し入れしづらいため、東側の裏通りに駐車用のピロティと正面玄関を設けました。ところが、徒歩の場合だと裏通りから出ると、かなりの回り道。
結果、東西に2つの出入り口がある「通り土間」でつながるユニークな設計が使い勝手良く、重宝しています。


目次



ハイサイド窓から光が差し込む設計

この家のオーナーはFさまご夫婦。転勤のあるお仕事だったため、引っ越しが多かったのですが、定年を念頭に1年ほど前に家づくりを考え始めました。
用地は札幌の実家のそばに既に購入済みでしたが、当時、住んでいたのは苫小牧。苫小牧や札幌のモデルハウスなどを見てまわり、SUDOホームで建てることを決めました。
「土地を見て、その地を活かす家を提案するというSUDOのコンセプトが気に入りました。木を素材に多用していること、自社大工が施工することも安心だった」とFさま。
片流れの屋根で、ロフトのある家をオーダーしました。
「夫婦それぞれ趣味を楽しめるスペースがあること」「明るいこと」「間仕切りが少なくて開放感があること」が主な要望でした。



設計の岸喜友さんが提案したのは、傾斜のある屋根が段違いになった、ユニークな外観の家。
外壁もガルバリウムと道産カラマツ材がそれぞれ縦と横で張り分けられていて、一度見たら忘れない印象的なデザインです。



ロフト部分のハイサイド窓から光が差し込み、傾斜のある白い天井に反射して、階下まで光が届くようになっています。



ロフトの通路はすのこ状にして、光と空気を通しやすくしています。
外から見ると、大きく2つに分かれているのに、中はまるごと一体になっている不思議な設計。
床や梁に使っているパイン系の木材は、日に当たると少しずつ色が焼け、だんだんと飴色のような風合いになっていく経年変化も楽しめます。

天井が高く、扉がないから、開放的

1階はLDKと寝室に、バス、トイレ、洗面所などの水まわり。
ドアがほとんどなく、空間がすべてつながっているのが特徴です。



傾斜がついた「屋根なり天井」なので、空間が広く感じられます。
寝室も圧迫感がないよう、天井と仕切り壁の間にあえて隙間をあけています。



キッチンの収納も扉をつけず「見せる収納」を徹底。
どこに何があるのか、一目で分かるようになっています。



奥さまは北欧や韓国の明るい色合いの雑貨が好きだそう。
「極力モノをしまい込まず、すぐに整理できるようにしたかった」と話します。



オープンな土間と、プライベートなロフト空間

そして、この家の最大の特徴である「通り土間」。
東西2つの出入り口を、床暖房の入ったタイル貼りの土間が結びます。
「買物に出かけるときはバス通り側から出たり、車のときは裏通りから出たり、その時々で使い分けられて便利です」と奥さま。
庭への動線も2WAYです。



土間からロフトへ上がる階段は、骨組みだけで構成されたスケルトンタイプ。
踏み板は山小屋のように厚ぼったくならないよう、踏み板を繊細に細工しています。



階段を上ると、ロフト上部はご夫婦それぞれの趣味の空間。
西側には語学の勉強をしたり、本を読んだりする奥さまのスペース。



東側には、プラモデルをつくったり、絵を描いたりするご主人のスペース。



それぞれの空間をつなぐブリッジ部分は珪藻土入りの塗り壁で、まるでギャラリーのよう。
塗り壁の仕上げも、ここはストライプが残る櫛引仕上げ、ほかは扇仕上げやコテで平らにならしたものなど、場所によってパターンを変えるこだわりぶりです。



つい最近、庭を囲むフェンスを造り、ジューンベリーやエゴノキ、ナツツバキ、ギンフミヅキなどの木を植えたので「来年は庭づくりが楽しみ」とのこと。
家も庭も少しずつ手をかけて、自分たちらしく育てていく。そんな二人のライフスタイルにお似合いの個性的な住まいです。

記者の目



著作権の関係で写真を撮れないものたちがほとんどでしたが、住まいのあちこちにぎっしりと並べられていたのが、ご主人のコレクション。プラモデル、ソフビ人形、ミニチュアカー、Nゲージなど、幅広いジャンルの収集品です。ご主人が撮影した鉄道写真も額装されて、壁や棚にいくつも飾られていました。
「かっこいいとかオシャレではなく、自分たちが楽しい家がいい」と奥さま。客人が来ると、そのコレクションの量に驚き、興味深く眺めていくそうです。



そんな多趣味なご主人だから、家の細部まで徹底してこだわったのかと思いきや「全部思い通りにはしなかった」のだとか。
「住む側にもこういう家にしたいという要望があるように、作り手としての思いがあるはず。設計の岸さんの意見も尊重して、すりあわせていくのが大事だと思った」とご主人。
家族はもちろん、設計士の提案も含め、いろんな人の希望や思いを融合させて形にしていくプロセスこそが、家づくりの醍醐味かもしれません。


2020年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

SUDOホーム(須藤建設株式会社)の取材記事