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施工次第でタイルでも凍害。お勧めの外壁は? 札幌リフォーム座談会(2)

この記事は連載です。第1回 住宅断熱リフォームの裏事情(寒さ・結露問題)札幌業界人座談会1 をお読みでない方はこちらからどうぞ

リノベーションの際に断熱リフォームもいっしょに。暖かい家は血圧を下げる効果があることもわかってきました。ただ、宣伝文句だけのチラシやホームページだけで判断するのも怖いという声も聞きます。
今回は専門家に「断熱改修・外壁交換」の注意点を中心に話を聞きました。〈2回目〉

プロが見ればわかる、外壁リフォームの善し悪し


編集長/外壁リフォーム・はり替えの依頼にはどのように対応されていますか? 

札幌・北海道の場合、寒さによって家の外壁が傷むのが早いと聞きます。

防水ゴアテックスのように家をつつむ


タイベックの説明(旭・デュポンフラッシュスパン プロダクツ株式会社ホームページより)

タイベックの説明(旭・デュポンフラッシュスパン プロダクツ株式会社ホームページより)

柴田/アウトドアウエアに使われるゴアテックスが湿気を逃がして雨水の浸入を防ぐように、家もシート状の透湿防水素材(タイベックなど)とブチルゴム製の気密・防水テープで、住宅の外壁下地をグルッとくるみましょうと提案しています。私どもは既存の外壁がサイディングでもモルタルでもそれを絶対条件にしてお勧めしています。

壁を剥がす工事では、断熱材をとって吹き込みの断熱材(ロックウールなど)を入れるのがベストです。重みもあって防音性が高いし、きっちりと中まで入る。ユーザー様の費用負担がさほどかからないので取り入れています。

ただ、最近はそこまで予算がないというお客さんが多いですよね。その場合は、重ね貼りリフォームをお勧めしています。サイディングは窯業系、金属、樹脂がありますが、私どもは反りや凍害の発生が少ない樹脂をメインにしています。

凍害がない樹脂サイディング


河合/昔の新築住宅はセメント・窯業系のサイディングがほとんどでしたよね。塗り替えしてもいいんですが、ちょっと問題があるようなら重ね貼りしています。

自分も、お客さまが樹脂のデザインがきらいでなければ樹脂をすすめます。

柴田/昔の厚さ12mmの窯業サイディングは反り返ったりしているのを見かけますね。

今は厚さが14mm以上になったため、反りが抑えられるようになりました。凍害による塗膜やサイディング本体のはがれも減っています。

ただ、基本的に反る可能性がある素材だと理解しておかなければならないでしょう。


凍害によるサイディングの剥がれ(撮影;iezoom編集部)

凍害によるサイディングの剥がれ(撮影;iezoom編集部)

吉田/札幌市内の児童会館の外壁の改修工事を請け負ったときは、外壁に12mmのサイディングが貼ってあったんですが、よく見てみたら発ガン性のある鉱物繊維アスベストが入っている。

こうなると、剥がすのも専門の作業員が必要だし、処理も専門の業者へ持っていかなければならなくて、ものすごく大変でした。

アスベスト処理専門の作業員資格を持った人が水をかけながら、養生で全面くるんで、切らないで剥がす。みんな白い防護服を着てマスクをつけて作業するから、工事もなかなか進まない。売ったメーカーはもうなくなっているし、誰も責任をとれないのが現状です。

タイル外壁の悲惨な現状


編集長/乾式タイル工法の外壁タイルの目地が開く不具合を札幌の東区で取材したことがあります。1990年に完成した家で、取材したのはその16年後でしたが、タイル下地材の止め付け不良が原因でした。タイル外壁の重厚感やメンテナンスフリーを期待したオーナーさまの落胆がとても印象に残っています。

その後、注意してタイル外壁の住宅を見ていますが、取材したお宅以外にも何軒かに一軒の割合で目地が開いている家がありますね。

河合/私がよく通る道沿いの家は、壁の上から下までタイルの目地が開き、太鼓状に反っているんです。どの面を見ても全部です。

いつ落ちるか気になって、通るたびに見てしまうんですが、施工が悪いのか、モノが悪いのか。おそらく壁内の通気が全くとれていないんだと思います。

断熱サイディングを貼って暖かくなるなら、そんな楽なことはない!!

編集長/「金属サイディングを貼ったら暖かくなります」とアピールしているリフォーム店が札幌市内にもありますね。


入山/本州に本社がある某リフォーム店は、タイルの中に断熱材が入っているから暖かくなると堂々と宣伝しています。

当社でも金属サイディングを使った貼り替えや重ね貼りの実績がありますが、住宅本体とサイディングの間には屋外の空気を通すための通気層がありますから、サイディングに断熱性能があっても断熱効果は発揮できない仕組みなんですよね。

河合/通気層を取るための下地材は、一般的には厚さ18mmの木材(胴縁材)を使いますが、鉄板をC字型に加工した間仕切材を使って工事している会社があります。地元・北海道の会社はこんな工法はやりません。

そもそも通気層が施工不良の状態なので何年か経ったら下地材がほぼ確実にサビて汚れその他の不具合が出るでしょう。札幌でも、そんな信じられない施工が行われている実態があります。

古い集合煙突はどう処理するすべきか?


編集長/話題を変えまして、古い住宅のリフォームでよく出てくるのが、集合煙突をどうするのか、という問題です。

柴田/少なくても屋根から上はとってしまった方がいいですね。工事の範囲にもよりますけど、危ないもん。

山本/ついている位置にもよりますよね。倒れて隣の家にぶつかって損害賠償というケースもありますから。

入山/大雪が降った年に、雪に押されて集合煙突が屋根の上で30度ほど傾いた例があります。鉄筋で補強したブロックの煙突でも、かなり傷んでいる場合が多いですね。

柴田/壁の中に入っている煙突なら、屋根から飛び出ている部分をとるようにしています。なかには「石油もガスも電気もなくなったら薪を燃やさなきゃならないから残してほしい」というお客さんもいますけどね。

河合/集合煙突のついている時代の住宅は、そうでなくても寒いのに、煙突が残っていたら暖かい空気が上から抜けちゃう。できるならはずした方がいいですよね。

座談会の続きはこちら

続く 断熱・耐震性が低い住宅を暖かく安心な住まいに 札幌リフォーム座談会(3)

座談会1回目はこちら 住宅断熱リフォームの裏事情(寒さ・結露問題)札幌業界人座談会1




2015年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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