青森県平川市の【小野住建】は、大工出身の小野照文社長が、墨付け、木材の目利き、和室の造作など大工としての施工力、そして青森県内でいち早く、1997年に高断熱高気密住宅を推進する新住協に加盟し、大工の腕と断熱気密の力を鍛えてきた技術系の地場工務店です。
社長自身が大工で大工施工や気密断熱、住宅デザインなども学び実践してきたため、小野住建専属の大工も技術が向上。
腕の良い大工がベテラン、若手とバランスよく揃っているため、高断熱高気密の家づくりが進めやすく、宣伝や営業活動はほとんどしなかったにもかかわらず「小野住建の家は省エネで暖かい、デザインも良い」という建て主さんからの口コミが広まり、30年以上、住宅建設の仕事が途切れない地域密着の工務店として成長してきました。
現在は、息子で一級建築士の小野裕之(ひろゆき)氏が、お父さんや大工さんたちと連携しながら、後継者候補として【小野建築設計事務所】を併設して施工性能や設計・デザイン力をさらに高めるべく奮闘しています。
今回、iezoom(いえズーム)編集部は、青森県内で高断熱高気密の技術向上などに熱心に取り組んできた小野住建さんの魅力を探るため、北海道から青森に取材に伺いました。
まず、2006年にマイホームを実現された青森市浪岡のHさんの声をご紹介します。
建て主さんにインタビュー
家を建てたきっかけは?
Hさん 子どもたちが成長して、家が手狭になったことと、年齢的にもそろそろ建てないと、という思いもありました。以前住んでいた家はお風呂もトイレも廊下も寒いというか、ストーブの前しか暖かくない家でした。
住宅会社探しは
Hさん ハウスメーカーの展示場に見学に行きました。でも大きくてオシャレ、見栄えのする家が多くて、自分たちが建てる家とは違うというか現実感がない気がしました。
展示場を維持するコストや宣伝広告費も住宅建設費に含まれるんだろうと思いましたし、地元で、アフターメンテナンスなども良い、宣伝広告費が少ない地場工務店を探したいなと考えたんです。
小野住建を選んだ理由は?
Hさん 知人から小野住建さんの評判を聞いて、小野社長に、今まで建てた家を見学させてほしいと相談しました。夫婦で小野住建さんのОB建て主さんの家を見せていただいたきました。
10軒以上見学して、建て主さんたちが「家がしっかりしている」、「気密断熱がしっかりしていて冬も快適に暖かく過ごせる」と皆さん言っていたので、それがとても参考になりました。
最終候補として2社、見積もりをお願いして、小野住建さんは金額面でも他社と同じくらいかやや安いくらいでしたのでお任せしようと決めたんです。
小野住建の家づくりの魅力は自然素材?
Hさん 小野住建さんが建てた家は、無垢材など自然素材をいっぱい使っている印象がありました。私の家も木がいっぱいで居心地がいいですよ。
Hさん 腰壁に無垢材を使ってもらうというのは見積もりには入ってなかったんですけど、小野社長が頑張ってくれて…。赤字だったんじゃないかと心配しましたが、室内の雰囲気が良くて気に入っています。
カーポートも木製で風格がありますね
Hさん 除雪の負担を減らすために、物置も兼ねたカーポートをお願いしたんです。予算のこともあるので、金属製の普通のカーポートでも良いかなと思っていたら・・・
しっかりした基礎も施工して、大工さんたちが木製のカーポートを作ってくれたんです。カーポートに基礎工事が入ったり、木製で立派なものが予算内でできるとは思っていなくて驚きました。
近所の友人を家に招くとき、ガルバリウムの外壁で、木製のカーポートがあるからといえばたどりつくので良い目印にもなりました(笑)。
ちなみに建設当時はガルバリウム外壁の家は近所に1軒くらいしかありませんでしたが、魅力的に感じたので採用してもらいました。15年近く経っていますが見た目も良いし耐久性もあると感じます。
和室の造作仕事が綺麗で、10年以上経っているのに留めにズレがなくて驚きました
小野社長 2006年の頃は集成材は住宅用材としてはまだ普及していなかったので、この家では無垢材を使っています。無垢材は年数を経て乾燥収縮するので、施工に使うまえに丁寧な乾燥をすることが重要です。素材をよく選ぶことも大事だし、木の反り、上下、目と年輪を見て、木に逆らわない施工をしている点、もちろん大工の腕も大事だと思います。
室内のドアなども既製品ではなく造作ですね
小野社長 はい。既製品を組み合わせて家を作ることもできますが、建具などもオリジナルで造作できると、私たち大工、職人にとっても、建て主様にとっても、愛着、個性のある住まいになるかなと思います。
Hさん 小野社長と大工さんたちが手間をかけて良い家を創ってくれました。玄関からリビング、キッチン、トイレ、洗面などを回遊できる動線にしてもらうなどの要望も叶えてもらいました。料理・掃除・洗濯など、日々の家事での動線の工夫は、1回1回はわずか数歩かもしれませんが、案外暮らしやすさに大きな影響があると思います。
家づくりでどんな要望を?
Hさん 第1には断熱重視でした。そのほか私のほうで間取りの希望なども小野社長に提出しました。一生のうちに2度家を建てることはないだろうから、思いを全部叶えたいと思っていろんな要望をしたと思います。
多い時は、最大20人、LDKに集まって食事することもありますから大変便利です。使わないときは畳めますし。
Hさん 家相を踏まえ、玄関を道路側ではない南側にしていただいたりもしました。お客さんが玄関に来るまでに窓越しに、どなたなのかわかるのも良かったです。
和室の畳は和紙です。丈夫ですね。あ、これも見積もりを出してもらった後にお願いしたのに予算内でやってもらった部分です。
住み心地はどうですか?
Hさん 冬は、どの部屋にいても暖かいというのが一番うれしいですね。むしろ驚いたのは夏の涼しさです。青森でも夏は暑い日がありますが、外から帰ってきて家に入ると、家の中は冷房もないのに涼しいんです。暑くないっていうのがいつも嬉しいと感じます。やはり断熱気密の性能が高いというのは素晴らしいと感じます。
修理などメンテナンスが必要になることもほとんどなく、しっかりした家を建ててくれたんだなと感じます。
息子さんが小野住建の大工さんになった?
Hさん 息子が東京で建設の職人になると言ったので、親としては長男だし青森県内にいてほしいという思いもありまして。家を建ててもらう小野住建さんで大工にさせてもらうのはどうかと…。そういういきさつです」
息子さんの仕事ぶりはいかがですか?
小野社長 とても頑張ってくれています。住宅業界は大工の人材不足、高齢化が進んでいるので、若手大工の育成はどの住宅会社にとって大きな課題です。小野住建はいつも大工を募集しているわけではありませんが、志のある有望な若者は歓迎です。若手大工のホープ。今後にますます期待です。
さいごに
編集部栗原 IEZOOMでは、日ごろ、家を建ててから半年~2年くらいの建て主さんにお話を伺うことが多いんです。新築してから年数が建つと、その暮らしが当たり前になり、また新築時のやりとりなどを多少忘れてしまうことも多いので、2年以内の建て主さんにお話を伺うことが多いわけです。
しかしHさんご夫妻は15年経ったマイホームのことでも、実に詳しく、嬉しそうに話してくれました。ちなみに、Hさんのご親戚も小野住建で家づくりを依頼されているとのこと。品質、性能の良い家を建てる工務店は、地域の方々が放っておかないんだなと感じました。
2020年08月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。