Story 取材記事

300ミリ断熱&太陽光発電の家/東川町・K邸

蒼の外壁が爽やか

自然素材を活用し、省エネ性能の高い家作りでも知られる東神楽町の株式会社藤井光雄工務店。その家づくりを探ろうと、2014年に東川町に移住し、新居を建てられたKさんファミリーにお話を伺いました。



東川町のニュータウンの一角に、蒼のモルタル壁が爽やかなK邸があります。2階はカラマツの板張りでナチュラルな風合い。カーポートも、壁と屋根の素材が住宅本体と統一されています。



近づいてみると手入れが行き届いた花壇にラベンダーなどのお花が咲き誇っています。



カーポートの裏手には薪ストーブ用の薪がたくさんストックされています。



冬に備えて、薪置き場に収まらないほどの薪も用意されていました。さっきまで虫とりあみでチョウチョを捕まえていた娘さんが今度は薪の山で遊んでいます。



裏側に廻ると、1階の屋根にはソーラーパネルが30枚も設置されています。薪ストーブと太陽光発電は、いずれも化石燃料を使わない地球環境に優しいエネルギー。家の外観を見ただけでオーナーの思いが伝わってきます。そして広いお庭ではオーナーのお母さんが草刈り中でした。



バルコニーや菜園もあり、ミニトマトなどが育っていました。福島県郡山市から移住し、息子夫婦と同居をスタートされたお母さんが、花壇と菜園の管理を担当しています。郡山に比べ、東川は夏場の湿気が少なく、蚊などの虫が少ないので畑作業もはかどり快適とのこと。

ちなみにお母さんは郡山女子大学の元教員。郡山に住んでいた子ども時代は俳優の西田敏行さんと同級生だったそうです。

開放感あふれるリビング



家の中心にあるのは大きな6寸の柱。広いリビングダイニングは、白を基調とした珪藻土の塗り壁に、柱や梁が交差するシンプルでナチュラルな空間です。吹き抜けにもなっていて開放感たっぷりです。



キッチンとカップボードは専属大工さんの手作り。十分な収納も兼ね備えています。



アイランド型のキッチンからは家族の様子も見渡せます。



手前の丸テーブルは旭川を拠点とする若手家具ブランドGAUZY CALM WORKS(ガージーカームワークス)製。テレビ台は東川町の株式会社大雪木工製です。

ちなみに、こうした地場産の家具のほか、太陽光発電や薪ストーブの採用、景観に配慮した住宅やカーポートの建設にあたって、東川町の助成・支援制度を活用しています。

暖房は薪ストーブだけで十分暖かい



ご主人は、福島県郡山に住んでいたお母さんと同居するために、できるだけ北海道の寒さへの不安を払拭したいと考えていました。窓まわりを見ると、壁の厚みがわかります。藤井光雄工務店がお勧めする外壁の断熱仕様は、グラスウール100ミリ+200ミリ=300ミリ。窓はLow-Eトリプルガラス・アルゴンガス入り。断熱ブラインドや熱交換換気装置も導入し、極めて高い気密断熱性能を目指しました。



薪ストーブも採用。予備暖房としてパネルヒーターも設置しましたが、断熱性能が高いため、薪ストーブだげで十分暖かく、予備暖房は滅多に使いません。

お母さんも「北海道なので外は寒いですが家の中は本当に暖かい。福島の家のほうがずっと寒いです。夏も、窓を開ければ涼しい風が入ってきてエアコンなしで涼しくなります。とても快適です」と話してくれました。

薪は、最初の1~2年はこの家を建てた際に発生した建築廃材を藤井工務店からもらって確保。3年目の今年は町内の知り合いから安く購入し十分な薪を確保しました。

地球環境に優しい住まいづくりに共感

年間の光熱費は、暖房費は主に薪の購入費だけ。
照明や家電を使用するための電気代は太陽光発電による自給と、売電収入でほぼ賄っています。細かい収支計算はしていないものの、光熱費ゼロに近い経済性を実現できているそうです。



実は、ご主人が子ども時代に暮らしていた郡山の実家は、東日本大震災の原発事故で除染対象地域に指定されています。

我が家を建てる時に、藤井光雄工務店を選んだのは、同社が住まいの経済性や住み心地に加えて、地球環境を大切にする意味も込めて、高断熱高気密や太陽光発電、薪ストーブ導入を提案していることに共感したというのも大きな理由でした。

プランの工夫が住み心地の良さに



木製階段を上ると・・・



2階の共有スペースには書棚や机、そして掃除機専用の収納がありました。重たい掃除機を毎回2階に運ばなくても掃除ができるように、藤井さんに相談して実現した工夫の一つです。



ご主人は言語聴覚士という専門職。障がいのあるお子さんとそのご家族を支える仕事をされています。専門書をはじめ多くの本をお持ちですが、このたくさんの本で家じゅうが溢れかえるようなことが無いように、本は書斎に一括収納できる工夫が必要でした。



こうした収納の工夫や、間取り、照明やコンセントの位置など、住まいのプランニングは藤井さんとご主人が中心になって約半年間、打ち合わせを重ねました。

「自然素材をいっぱい使う家づくりや、断熱性能、創エネの提案など、藤井さんからの提案は共感できるものばかりで、標準仕様の多くはそのまま取り入れています。キッチンの高さなどはミリ単位で調整してくれましたし、藤井工務店のオープンハウスを見学して、その中から取り入れた部分もたくさんあります」とご主人。

「リビングを広くしたいけど1階の和室も8帖は確保したい、出張が多いので玄関近くにキャリーバックを収納したい、お母さんのために菜園や花壇も作りたい、レールで可動する照明を設置したいなど、要望もたくさん伝えましたが、どれも親身になって丁寧に対応してくれました」と振り返ります。



ご主人は、作業療法士の奥様と札幌の職場で出会い結婚。奥様が転職で実家のある深川に戻られた時期は、深川と札幌を毎日JR通勤していたこともありました。

さすがに毎日の長距離通勤は厳しく、職場を東神楽町に変えるとともに、子育て環境の良い場所で暮らしたいと考えたのがマイホームづくりのきっかけでした。



最初は大手ハウスメーカーの展示場なども巡りましたが、子育て環境、自然環境、利便性、新築時の補助金などいろいろな面で優れていた東川町に移住しようと決めてからは、東川町に似合う家にしたいという思いが強まり、藤井工務店にたどり着いたそうです。



この家に暮らし始めて約3年。

奥様は「アレルギー体質の夫が、この家に暮らしてからほとんどくしゃみをしなくなりました。子どももこの家がお気に入り。近所のお友達と近くの公園で元気に遊んでいて、その様子を見守れる環境にあるのも嬉しいです」と話してくれました。


2018年02月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社 藤井光雄工務店の取材記事