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北海道好きの夫婦が念願の移住 山を眺めて暮らす理想の家/東川町・T邸


ウッドデッキを前に語らうのはTさん夫婦。東川町に2022年3月、念願だった終の棲家を建てました。ウッドデッキからはまっすぐに十勝岳が望めます。設計・施工をしたのは藤井光雄工務店です。



屋根には太陽光発電を9.36kw搭載、外壁はグラスウール105㎜+210㎜=315㎜のZEH(ゼロ・エネルギーハウス)です。ZEHとは家庭で使用するエネルギーと、太陽光発電などで創るエネルギーをバランスして、1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家です。

参照 経済産業省資源エネルギー庁 

カラマツの総板張りと自然素材をふんだんに用いながら、優れた性能のエコ住宅を作っている藤井工務店ならではの外観です。

北海道が好きすぎて、年収減でも移住



T さんはもともと大阪出身。旅が好きで、働き始めた頃から北海道を訪れるようになりました。「道は広いし、飯はうまい。本州では絶対味わえない景色にはまってしまって、年に何度も来るようになっていました」。



一方、東京出身の奥さまは家族旅行をきっかけに、やはり北海道が気に入って旅をしていましたが、実際に暮らしてみたいと単身中札内へ移住。共通の友人を介して美瑛でご主人と知り合い、結婚することになりました。



結婚後も、本州で暮らしながらたびたび北海道を訪れていました。はじめはTさんが定年したら移住しようと考えていましたが、40歳を過ぎたころ、札幌でみかけた求人広告に応募し、札幌で職を得ることになりました。年収が半分に減ってしまうという不安はありましたが、妻が『私も働くよ』と言ってくれて。流れに任せて2人は札幌へ移住します。



札幌で3年半勤めた後、Tさんの転職で今度は上富良野で数年。その後東川町に移住しアパートで住みはじめました。「そうしたら東川は水がおいしくて」とご主人。離れたくないとの思いが募り、この場所で土地を探すことにしたのでした。

友人の新居でZEH(ゼッチ)住宅を実体験



ちょうどその頃、友人の佐藤さんが美瑛町に家を建てました。


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家を見せてもらい、いろいろと話を聞いて興味がわいてきたときに、同じく藤井工務店で家を建てたОさんのオープンハウス(完成現場見学会)も見学する機会があって、佐藤さんの家とは違った家でも自然素材を生かした心地よさと薪ストーブの暖かさは同じでした。

そんな時、東川町に、ここならと思う土地を見つけたものの決めきれず、藤井さんに意見を求めたところ丁寧に対応してもらった経緯で、土地の購入を進めながら藤井さんに家の提案もお願いすることになりました。



「木がふんだんに使われていて、冬でも暖かく、藤井さんの熱意、価格の面なども大変魅力的でした。友人宅の基礎、大工工事なども全部リアルタイムで見学できました。工事中の現場内でも化学物質のにおいなどがしなくて、そういう面でも安心でした」とご主人は振り返ります。



友人宅同様、新居のリビングの一角には薪ストーブを設置することにしました。引渡しは3月下旬でしたが、薪ストーブを朝に一度焚いてしまえば、断熱の効果もあって家全体が十分暖かくなり、満足したそうです。「我が家に住んで一番感動したのは、住み始めた3月で屋外が5℃程度でも室内は暖房なしでも暖かいということでした」

山を眺めるために生まれた「2.5階」



家づくりで2人が要望したのは、

1 家の中から山を眺めて過ごしたい
2 洗面所を脱衣所とは独立させたい
3 ウッドデッキが欲しい
4 SKシンクで洗い物がしたい
5 収納は多くしてほしい
6 キッチン周りはすっきり収納したい
7 買いだめできる食品庫が欲しい

などでした。何より求めたのは
1 家の中から山を眺めて過ごしたい
ということでした。T邸からは、真南に十勝岳、南西に旭岳があります。

一階のリビングは南西向きですが、ウッドデッキは真南に向けることで十勝岳を真正面に眺めることができるように設計しました。

一方、旭岳は、1階からでは、途中に建物などがあるため視界が遮られ、眺めることができません。敷地からの視界を丁寧に検証したところ2階からでもまだ視界が十分ではないことがわかりました。




そこで藤井さんは、2階の一部を天井高の低い収納ロフトにして、その上に山を眺めるためのフリースペースを設けたのです。フリースペースの床の高さは一般的な住宅の2階床高さより高く、3.5mほどあります。

一般的な2階の高さでは見えない旭岳も、2.5階であれば四季折々の美しい姿を眺めることができるようになりました。



高さ140センチのロフトを作ったことで、広い収納スペースが確保できたのもメリットでした。



2階には、ロフトスペース以外に寝室も設けました。天井が最も高いところで4m以上と、こちらは開放感抜群です。「天井が高くて朝陽も入ってくるので寝起きが気分爽快です」とご主人。



ほかにも夫婦の希望はさまざまな場所に取り入れられています。たとえば洗面は独立させ、その分、脱衣所に小さなシンクを取り付けました。洗面の造作は藤井さんのオリジナルです。

藤井工務店では建具やキッチン、家具などをプランに合わせて製作することも可能です。T邸では、食器棚など以前から愛用されている家具は配置場所を事前に決めた上でスペースを確保したり、適材適所で収納を造作するなど、Tさんとの打合せを経て造作を行いました。新たに家具を購入する必要がなく、ひと手間かけて作られていることが2人にとっては魅力でした。



また、共働きのため欠かせないと希望したのが食品庫です。買い物から帰宅するとすぐ食材などを収納できるように玄関に食品庫を配置しました。



ウッドデッキからは十勝岳が、2.5階の窓からは旭岳など大雪山系の山々が見渡せる、念願のTさんの住まい。

Tさん「2.5階の窓からは夏には町の花火も楽しめます。高いところから山が見たいとわがままを言いましたが、眺望は最高です。ウッドデッキの向きや2.5階の斬新な提案など藤井さんのプランは自分たちでは考えもつかなかった構造で、希望以上のものでした。室内の扉や無垢の床材、現しの天井など、職人さんたちの仕事、手間がふんだんに盛り込まれた満足感の高い住まいです。東川の美味しい水、お米をはじめとする地元の食材、買い物など日常生活も東川内でほとんど完結しますし、買い物は旭川でもインターネットでも手に入るので不自由なく暮らせます。東川町に移住し、思い通りの家が建てられて本当によかったと思います」

藤井さん「私たちも北海道が好きで移住してきました。自然の素晴らしさや季節の移り変わりを楽しんだり、北海道らしい生活を楽しみたいというお客様のご希望がよくわかります。高断熱高気密といった性能の高さは当たり前ですが、自然素材に囲まれて心地良い家を建ててまいりました。加えて太陽光発電を搭載することでZEH(ゼロ・エネルギーハウス)住宅としています。光熱費ゼロで生活できるため、お客様に大きなメリットがあると考えています」

北海道に魅了され、旅を続けるうちにたどりついたこの地で、季節ごとに変わる風景に癒されながら、2人はこれからここで暮らしていきます。


2022年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社 藤井光雄工務店の取材記事