Column いえズーム コラム

札幌でリフォーム・リノベーション 住宅補助金も詳しく解説

札幌圏ではリフォーム・リノベーション人気が高まっています



札幌圏の住宅業界では、近年リフォーム・リノベーションの需要が伸びています。マンションもそうですが、今回はー戸建て住宅についてお話したいと思います。

リフォーム・リノベーション人気はどこからくるのでしょう?地価や資材の高騰によって、新築一戸建ての販売価格が大幅に上がっていることも追い風になっていますが、両親の住まいを住み継ぐ、立地の良さから既存住宅を選ぶ、レトロな雰囲気を生かしたいという人も増えています。

国の政策としても、少子高齢化が進行して住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家の増加が急速に進む中、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することが重要であるとして、既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進めています。
国土交通省 公式ホームページ https://www.mlit.go.jp/policy/tyukozyutaku.html

また、日本の住宅は古くなるほど資産価値が下がります。これに対して欧米の住宅は古いほど価値が上がっていくのです。理由としては
1 日本の住宅が木造であるのに対して、イギリスなどは石やレンガ造りのため、耐久性に優れている
2 欧米は街並みを守る文化があり、古いものに価値がある
などがあげられます。

日本でもやっと、国や住宅会社が一緒になって、スクラップ&ビルドを繰り返す住宅文化を脱却し、永く住み継ぐ持続可能な家づくりを目指す時代がやってきたところです。世界的にもサスティナブルが叫ばれていますね。


目次

リフォームとリノベーションの違いやメリット・デメリット

それにしてもリフォームとリノベーション、同じように聞こえますが、意味する内容が少し違います。色んなお話をする前に、一般的に使われているリフォームとリノベーションの内容の違いを少し整理してみましょう。

リフォーム



リフォームは「改装」を意味する和製英語です。工事の内容としては、傷んだり古くなってしまったものを新調したり、入れ替えたりするもので、壁紙の貼り換えや、キッチンやトイレなど水回り設備の入替え、外壁の張り替えなどがそれにあたります。間取りなども大幅な変更はなく、「キレイになる」「新しくなる」というイメージで、機能や性能が大幅に上がるといった内容の工事ではありません。
キレイな状態にして暮らすことができ、費用面では負担を最小限に抑えることも可能ですが、長期的に見た時に、構造体や暑さ・寒さの問題など、耐久性や快適性の面で不安が残る場合もありそうです。

リノベーション



一方、リノベーションは「改修」のイメージです。梁や柱などの補強、断熱改修、間取りの変更など、傷んだ部分の補修や回復にとどまらず、新たな機能や住まいの価値を生み出す工事です。完成後は前の姿が分からなくなるほど、まったく違った住まいに生まれ変わる場合もあります。大掛かりな工事が伴うので費用も掛かりますが、性能アップで快適性が向上し、建物の価値も上がります。

ちなみに「一般社団法人 リノベーション協議会」では以下のように分類しています。
リフォーム/ 原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処。
リノベーション/ 機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修。
公式ホームページ https://www.renovation.or.jp/renovation/about/

2024年に国が実施しているリフォーム・リノベを対象にした住宅関連補助金



リフォーム・リノベーション工事に対して、国がさまざまな補助金制度を設けているのはご存じですか?対象となる工事内容なら、申請すれば補助金を得ることができるのです。特に去年は「先進的窓リノベ」の申請が殺到。メーカー各社も一時は在庫切れになるほどの人気でした。

リフォーム系の補助金では、一戸あたり最大補助額400万円の「次世代省エネ建材の実証支援事業」が5月上旬から公募を開始しています。「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の交付申請も5月中旬から始まっています。いずれも予算枠があるので、検討している方は申請のタイミングが遅れないようにしたいところです。

※6月7日時点での申請状況は、『子育てエコホーム支援事業』がリフォーム11%、『先進的窓リノベ2024 事業』が10%となっていいます。

ここからは新聞社ならではの調査力で収集した補助金情報をお伝えします!

※資料は北海道住宅新聞2024年6月15日号より引用(iezoomは北海道住宅新聞社が運営しています)

子育てエコホーム支援事業

対象 子育て・若夫婦世帯が新築・購入する省エネ性が高い住宅と、すべての世帯を対象とした省エネリフォーム

補助金額 原則最大20万円/戸で、長期優良住宅の認定を受けると同30万円/戸(子育て・若者夫婦世帯は最大30万円/戸で、長期優良住宅認定で同45万円/戸、既存住宅を購入してのリフォームで同60万円/戸)

交付申請期間 予算が上限に達するまで募集(遅くとも2024年11月30日㈯まで。6月7日時点で予算枠に対する補助申請額の割合は、新築21%、リフォーム11%)

要件 リフォームは昨年11月2日以降に着工し、①開口部の断熱改修②外壁・屋根・天井・床の断熱改修③高効率給湯機や節湯水栓などエコ住宅設備の設置―のいずれかに該当することが要件。さらにビルトイン食洗機設置などの子育て対応改修、安全な窓に改修する防災性向上改修、バリアフリー改修なども補助対象。

問合せ先 住宅省エネ2024キャンペーン補助事業合同お問い合わせ窓口(℡0570-055-224)
https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp​​

サステナブル建築物先導事業(省CO2先導型)

対象 省エネ・省CO2に関する先導的な技術を導入する住宅等のリーディングプロジェクト(一般部門以外は新築のみ対象)

補助金額 【一般部門・中小規模建築物部門(非住宅)】補助対象費用の2分の1で、1プロジェクトあたり3億円(戸建住宅については原則最大200万円/戸) 【LCCM戸建住宅部門】補助対象費用の2分の1で、1戸あたり140万円 【LCCM低層共同住宅部門】補助対象費用の2分の1で、1戸あたり75万円かつ1プロジェクトあたり1億円

交付申請期間 【一般部門・中小規模建築物部門(非住宅)・LCCM低層共同住宅部門(共同住宅)】7月3日㈬まで 【LCCM戸建住宅部門】1月20日㈪まで ※いずれも予算の状況により、早めに受付終了の場合あり

要件 【一般部門・中小規模建築物部門(非住宅)】新築はZEH水準、改修は改修後に省エネ基準に適合したうえで、省CO2実現に向けた先導的な取り組みを行っていること。さらに一般部門の新築はCASBEEのAランク以上を対象に評価し、6つある優先課題に対応する取り組みを重点的に評価。中小規模建築物部門はCASBEEのSランクまたは同等以上の性能と、BELSにおいて5つ☆または4つ☆を取得していることなどが必要 【LCCM戸建住宅部門・LCCM低層共同住宅部門】ZEH判断基準をクリアしたうえで、再生可能エネルギーを導入、LCCO2が0以下、CASBEEのB+ランクまたは同等以上(戸建住宅のみ)などの要件を満たすこと

問合せ先 【一般部門・中小規模建築物部門(非住宅)・LCCM低層共同住宅部門(共同住宅)】評価事務局(℡03-3222-7721)https://www.kenken.go.jp/shouco2/ 

【LCCM戸建住宅部門】(一社)環境共生住宅推進協議会省CO2先導審査室(℡03-6228-1410)
https://www.kkj.or.jp/sustainable/lccm/lccm-index_2024.html

次世代省エネ建材の実証支援事業

対象 工期短縮が可能な高性能断熱材や、防火・防風・防犯仕様の開口部製品、快適性向上にもつながる調湿・蓄熱材など次世代省エネ建材を使用する戸建て・集合住宅の断熱・省エネリフォーム

補助金額 【外張り断熱改修】最大400万円/戸(戸建てのみ、5〜8地域は同300万円) 【内張り断熱改修】戸建て最大200万円/戸・集合同125万円/戸 【窓断熱改修】最大150万円(戸建てのみ。断熱パネルや潜熱・調湿建材等を併用する場合は同200万円)

交付申請期間 【一次公募】8月30日㈮まで 【二次公募】9月9日㈪〜11月29日㈮ ※一次・二次とも予算が上限に達し次第締め切る

要件 【外張り断熱改修】外気に接するすべての壁を外張り断熱で改修し、1・2地域はUA値4.0以下など定められた外皮性能基準を満たすこと 【内張り断熱改修】同事業に登録されている断熱パネルと潜熱蓄熱建材のいずれかを用いた改修を行うこと 【窓断熱改修】同事業に登録されている防火・防風・防犯仕様の窓および玄関ドアを用いて改修すること

問合せ先 (一社)環境共創イニシアチブ次世代建材担当(℡03-5565-3110)
https://sii.or.jp/meti_material06/

既存住宅の断熱リフォーム支援事業

対象 高性能建材を導入する戸建て・集合住宅のリフォーム

補助金額 戸建住宅は最大120万円/戸、集合住宅は同20万円/戸(いずれも玄関ドアの改修を含んだ金額。戸建住宅は蓄電システム、おひさまエコキュート、熱交換型換気・空調設備、EV充電設備、集合住宅は共用部のLED照明と熱交換型換気・空調設備に別途補助)

交付申請期間 【令和6年3月公募】6月14日㈮まで交付申請受付中 【令和6年6月公募】6月下旬〜8月上旬 【令和6年9月公募】9月上旬〜12月上旬 【令和7年1月公募】1月下旬〜3月上旬

要件 高性能な窓・ガラスや断熱材、蓄電システム、熱交換換気設備などによって住宅全体を断熱改修する“トータル断熱”と、居間をメインに断熱改修する“居間だけ断熱”のいずれかを行うこと(断熱材についてはトータル断熱のみ補助対象)

問合せ先 (公財)北海道環境財団補助事業部(℡011-206-1573)・https://www.heco-hojo.jp/danref/

先進的窓リノベ2024事業

対象 高性能建材を導入する戸建て・集合住宅のリフォーム

補助金額 最大200万円/戸

交付申請期間 予算が上限に達するまで募集(遅くとも2024年11月30日㈯まで。6月7日時点で予算枠に対する補助申請額の割合は10%)

要件 ガラス交換や内窓設置、外窓交換、ドア交換によって、窓・ドアの熱貫流率を一定以下の性能にする改修工事

問合せ先 住宅省エネ2024キャンペーン補助事業合同お問い合わせ窓口(℡0570-055-224)
https://window-renovation2024.env.go.jp

住宅省エネキャンペーン公式サイトで詳細や申請状況を確認しよう

子育てエコホーム支援事業、先進的窓リノベ、給湯省エネについては、「住宅省エネ2024キャンペーン」公式サイトで詳細や申請状況などが確認できます。

工事内容が決まったら、施工会社と相談しながら、対象補助金を有効活用してくださいね!

札幌圏でリフォーム・リノベーションが得意な会社と施工事例

北海道は冬の寒さや降雪についての対策が必須な地域なのに加え、新築以上に施工力と経験値が問われるのがリフォーム・リノベーションです。ここからは、iezoomが札幌圏で取材したリフォーム・リノベーションが得意な会社の実例を紹介します。

悠々、セカンドライフを愉しむためのリフォーム 札幌市/松浦建設



素敵な庭にご主人手作りのピザ窯があり、奥さまはパン教室を主宰するなど、ゆったりと暮らしを愉しんでいるNさんご夫妻。お子さんが独立され、22年前に建てた自宅を松浦建設でリフォームしました。リビング・ダイニングは25畳の圧倒的な広さ。暖房・給湯は灯油からエコジョーズに変更しました。床暖房も採用。さらに、「リビングで過ごす時間を愉しむアイテムとして、薪ストーブも絶対欲しかった」とNさん。薪ストーブはピザを焼いたり、調理も可能です。

奥さま 22年間住んできて折り返しだと思い、気になるところは全部直しました。やりたかったようにできて、住み心地もいいですし、幸せな気分です。

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築47年の実家を予算内で快適・断熱リノベーション 札幌市/ブレイン札幌



まるで新築のようなS邸ですが、実は築47年経つ奥さまの実家をフルリノベーションしています。「とにかく寒かったですね」と振り返る奥さま。ご実家を住み継ぐことになり、現状調査をしたところ、屋根からの漏水で壁の内外にカビや傷みが発生した場所も見られ、本格的な改修が必要だと分かりました。

奥さま インターネットで探した数社に家の状況を見てもらったところ、どこの会社も「リノベーションは無理」「サイディングの張り替えしかできません」とお手上げ状態。そんな中、唯一「できます」と言ってくれたのがブレイン札幌でした。藤昭博社長は、疑問や不安なことに全て答えてくれて、断熱改修を加えたリノベーションを提案してくれました。

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外壁改修からシロアリ対策まで 家のお困りごとをトータルサポート 札幌市/建匠



「シロアリと聞いても、最初はどうすればいいのか分からなかった」とKさんは言います。そうした中、建匠のように普段から家の相談を何でも受けてくれる“ホームドクター”のような工務店がいたことで、被害の拡大を防ぐことができました。床下から室内にまで及ぶシロアリの被害に見舞われたKさん宅でしたが、幸い躯体には問題なく、倒壊などの心配もないそうです。Kさんは今も変わらず、住み慣れた我が家での生活を送っています。

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お化粧リフォームで買った中古住宅を断熱改修で快適な住まいに 小樽市/あったかハウス河合建築事務所



Aさんは内外装リフォームをして販売されていた中古住宅を購入し、あったかハウス河合建築事務所(札幌市手稲区)で断熱改修をしました。

Aさん この家はロケーションが第一に気に入りましたが、築30年が経っている建物だけに寒さの問題が気になっていました。内覧したのは雪の季節で、特に1階の床の冷たさが身に沁みて、購入するなら断熱改修が必要だと痛感しました。河合さんは定期的に断熱リフォームの勉強会を開催していて、タイミングよく参加することができ、早速相談させてもらいました。

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築60年の家を住み継ぐ快適フルリノベーション 札幌市西区/松浦建設



築60年を超えた住まいが、現代の暮らしに合った間取りの変更や、高断熱・高気密の改修工事によって大きく性能UPしました。

お母さま 最初はキッチンの土台(根太)がシロアリの被害で腐れて、床が傾いてしまったため、修理をしなければと考えたのがきっかけでした。防蟻・防腐の専門業者・青山プリザーブさんに相談したところ、床も落ちてしまっており、土台(根太)からきちんと改修したほうが良いとアドバイスをもらい、松浦建設さんを紹介していただいたのがご縁です。

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和室をリフォームしたテレワーク用「自宅オフィス」 札幌市/建匠



IT関連企業に勤務する札幌市豊平区在住のKさんはこのほど、築47年になる自宅の一部をリフォームしました。きっかけは、コロナ禍でテレワーク中心の生活になったこと。しかし、エアコンのある2階とは違い、冬になると1階はかなりの寒さです。ストーブなしの室温は0℃ほどで、水道管凍結が冬の恒例行事でした。そこで、収納に使っていた1階の和室をテレワーク用「自宅オフィス」に改修するとともに、寒さ対策で快適な「おうち時間」を過ごせる環境を整えることを決意。自宅と同じ豊平区にあり、リフォーム実績の豊富な工務店・建匠に工事を依頼しました。

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増築&リフォームで叶えた心地いい平屋 札幌市/三五工務店



住宅の基礎工事専門の会社を経営しているMさん。14年前から三五工務店の基礎工事を担当しています。
「三五さんは断熱材をしっかりと入れて徹底した気密住宅づくりを実施している。基礎からこんなに素晴らしい設計・施工管理を行っている会社ならば信頼できる。自分が家を建てるときは是非お願いしたいと思っていました」。プロの目で同社の家づくりに惚れこんだのが、依頼した理由でした。

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築47年の住宅を薪ストーブのある快適な住まいにリノベーション 札幌市/辻野建設工業



ご主人 当時で築47年。老朽化による寒さの問題や、子育てを終え、ご夫婦二人が暮らしやすい間取りの変更も希望していました。

断熱改修は手が込んでいて、1階は外壁をすべて取り払い、30㎝ほど外側に張り出し、中からウレタンを吹き付けた内断熱仕様。2階は内壁を残し、外からスタイロホームを張り付けた外断熱仕様になっています。プランを進めるうち、「せっかくリフォームをするなら、暖炉にしたい」という希望が出てきたKさんご夫婦。「暖炉はなかなか難しいので、薪ストーブにしようということになりました」とご主人。

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高性能な窓への交換も簡単に 小樽市/江田建設



江田建設社屋は、築30年の1階RC造、2・3階在来木造の混構造3階建て。ポリフィルムで気密化され、木造部分の外壁は軸間充てんのグラスウール105㎜に加え、同25㎜の付加断熱を行っており、その上に透湿防水シートを張り、通気層を取って窯業系サイディング仕上げとなっていた。今回は2・3階の外壁部分約226㎡を対象に、既存の窯業系サイディングはそのまま、躯体の状態を確認したうえで付加断熱と窓の交換を行い、新しい外装材で仕上げている。
※北海道住宅新聞2021年9月15日号に掲載された記事です。

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リフォーム・リノベーションをする時、見た目をキレイにすることは容易ですが、見えない壁の中、床の下、天井裏などの部位まで、きちんと対処してくれる会社かどうかの見極めも重要です。ぜひ会社選びの参考にしてみてくださいね。それではまた!


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2024年06月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。