札幌市豊平区にある建匠は1957年（昭和32年）の創業以来、地元密着で経営を続けてきた工務店です。創業当時から多くの新築住宅を手がける中、建てた後もＯＢ施主からの依頼で修繕やメンテナンスに対応し、リフォームやリノベーションにおいても豊富な経験と実績を築いてきました。
建匠のリフォーム工事の特徴は、外壁・屋根の改修や間取りの変更といった大きな工事はもちろん、小さな修理や家に関するちょっと気になることまで、大小問わずに相談に乗り、きめ細かく対応している点にあります。また、依頼された改修箇所だけではなく、リフォーム工事を通して見つかった不具合の改修や、お客さまの相談を踏まえて暮らしを快適にする改善策を提案するなど、家のことをトータルでサポートしています。
最近、北海道でも増えているというシロアリによる住宅被害。建匠がお客さまから相談を受け、信頼できる専門業者との連携で迅速に対応し、被害を最小限に食い止めた事例があると聞き、施主のKさんと山口征貴部長に詳しくお話を伺いました。
黒い虫が実はシロアリだった
Kさんが最初に気づいた異変は脱衣所でした。「床に虫の羽みたいなものが落ちているなと思ったら、黒い虫がいたんです」とKさん。1週間ほどで虫は姿を消し、それ以降、気にすることはなかったそう。ところが、しばらく経ったある日、脱衣所から浴室に入るドア横の柱に、床から帯状に伸びる白い塊を発見しました。普段は収納棚の影になっているので、ずっと気付かずにいたのです。
ちょうどその頃、K邸には建匠の山口部長が外壁の塗装工事の打ち合わせに来ていました。以前、自宅の断熱改修を依頼したことをきっかけに、折に触れて家のメンテナンスや補修のことを相談していたというKさん。打ち合わせが終わって山口部長が帰りかけた時、「ちょっと気になるんだけど…」と脱衣所を見てもらうことに。
そこで、シロアリが発生していることが分かったのです。「シロアリ」という名前のイメージから、白い虫を想像していたので、黒い虫がシロアリとは思いもしませんでした。
山口部長はさっそく、シロアリ駆除業者と連携して被害状況の調査、駆除作業にとりかかり、今後の繁殖を抑える防除措置が施されました。直射日光を嫌うシロアリが、ここまで肉眼ではっきりと確認できるのはとても珍しいことだそう。
実は、地球温暖化の影響などから、北海道でもシロアリの活動範囲、生息数ともに年々増加の一途をたどっています。しかも、北海道のシロアリは寒さに強い品種で、さらには本州に生息している品種も徐々に北上しているそう。北海道に住む私たちにとっても、もはや他人事ではありません。
浴室から落ちた水分が原因の一つに
では、K邸の被害の状況と、防除作業の様子を見ていきましょう。
こちらは、K邸の床下です。基礎部分には、シロアリの通り道として作った蟻道（ぎどう）が黒い筋状に伸びていました。
この蟻道が、脱衣所とお風呂場の間の柱部分にまで到達。室内への入り口となっていました。
K邸は築50年近くが経ち、浴室も当時のまま。そのため、長年に渡り、浴室の水分が少しずつ基礎部に落ち、床下の木が腐り、湿った木材を好むシロアリが集まってきたと考えられます。
シロアリ対策は、外回りから始まりました。被害のあった箇所だけではなく、見えない箇所の駆除・防除を行うため、家全体に防除措置をしていきます。
まずは、外壁の中に薬剤を注入するため、ドリルで小さな穴を開けます。
続いて、その穴の中に薬剤を注入していきます。
シロアリは、家の外から侵入するケースもあります。K邸の庭にある物置の横にも基礎が朽ちた部分があり、シロアリがいた形跡が見られました。そのため、家への処置と同様、物置の周りにも薬剤を散布していきます。
こちらも同じく薬剤散布の様子です。
次に、床下の作業です。点検口から床下に入って作業をするため、室内が汚れないように養生します。
床下は、人がかろうじて通れるぐらいの高さ。狭い空間ですが、シロアリが侵入しそうな箇所を丁寧に処理していきます。
他にも玄関回りやベランダなど、家全体に防除処理が施されました。1日当たりの作業時間は、3～4人がかりで約4、5時間。丸2日間かけて行われました。なお、今回の防除処理には5年間の保証が付いています。
「シロアリと聞いても、最初はどうすればいいのか分からなかった」とKさんは言います。そうした中、建匠のように普段から家の相談を何でも受けてくれる“ホームドクター”のような工務店がいたことで、被害の拡大を防ぐことができました。
床下から室内にまで及ぶシロアリの被害に見舞われたKさん宅でしたが、幸い躯体には問題なく、倒壊などの心配もないそうです。Kさんは今も変わらず、住み慣れた我が家での生活を送っています。
シロアリの参考記事
北海道でも住宅のシロアリ被害急増！予防策は？
https://iezoom.jp/column/entry-1766.html
2023年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。
