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倉庫を住まいに!断熱と水回りの新設で快適ワンルームが誕生 札幌市Sさん/建匠


札幌市のSさんは、両親の家に隣接する倉庫を「住まい」にリノベーションしました。きっかけは、80代、90代と高齢になった両親が心配になったこと。そばで見守りながら暮らそうと、同居を決めました。

工事を担当したのは札幌市内やその近郊を中心に、住宅の補修やリフォームで豊富な実績のある工務店・建匠(札幌市豊平区)です。

倉庫は、柱や梁などの構造体に傷みや腐れがなく、そのまま使えましたが、人が快適に暮らすには断熱が不足しており、浴室やキッチンなどの設備も備わっていませんでした。

Sさんはどんな希望を出し、建匠の山口部長はどのようなプランで工事を行ったのでしょう。完成した住まいを訪ね、Sさんと山口部長にお話をうかがいます。

生活時間の違いに配慮し隣居での暮らしを希望



隣居にあたって、Sさんが希望したのは実家とは別に、「衣・食・住」一通りの生活が送れる空間を作ることでした。

Sさん 介護の仕事をしており、勤務時間が不規則なんです。夜勤で昼間に仮眠を取ることもあり、両親とは生活サイクルが異なります。お互いが快適に暮らすためには、独立した生活スペースが必要でした。



新たな居住空間を作るには、広さのある倉庫が最適だと考えたSさん。インターネットで見つけたリフォーム会社に倉庫を見てもらいましたが、予算の倍ほど費用がかかることだけを告げられ、ほとんど話も聞いてもらえずじまいでした。


事務所で打ち合わせをする山口部長


続いて「札幌 工務店」の検索ワードで見つけたのがiezoom(いえズーム)に載っていた建匠でした。山口部長の対応は、1社目とは全く違っていたとSさんは振り返ります。

Sさん まずは希望を聞いて、こちらの意図を汲み取って提案をしてくれました。どうしても予算内でできないことには代案を出す、質問に分かりやすく答えてくれるといったコミュニケーションも取れて、安心して工事をお願いできました。

優先順位をはっきりとさせて工事する・しないを明確に提示


引っ越しの作業途中で取材にうかがった


打ち合わせを進める中で、まず決めたのは工事する箇所の優先順位でした。

山口部長 一室で完結できる生活空間を予算内で作ることが大きなテーマでした。そのため、既存のままで活かす部分と改修する部分をハッキリと線引きしたプランを立てました。



Sさんのリノベーション工事概要(税込)
水回り(既存排水を活用・トイレ交換・シャワールーム・流し台)の新設 約140万円
断熱改修 約49万円
そのほか工事+諸費用 約131万円
合計 約320万円


こちらの図面は、左が以前の倉庫、右がリノベーション後の居室です。ワンルームにミニキッチンとトイレ、シャワールームがある、広めのホテル空間のよう。工事は、状態の良い壁や床、柱などの構造部分はそのまま残す一方、間仕切り壁の造作や水回りの新設などを行いました。

それでは、倉庫がどのように居住空間へと変わっていったのか、場所ごとに工事の過程を見ていきます。

間仕切り壁によってちょうどよい広さに



8月に工事を始める数カ月前から、Sさんが倉庫の物を少しずつ運び出し、スッキリとした状態で工事がスタートしました。右奥の冷蔵庫には、Sさんからの差し入れの飲み物がいつも入っていたそうです。




倉庫全体を使うと広すぎるため、真ん中あたりで区切って間仕切り壁を造作します。



一人暮らしにちょうど良い、10帖ほどの居室スペースになりました。アクセントクロスには、Sさんが好きなラベンダー色を採用。優しい雰囲気の空間に仕上がっています。



居室スペースから母屋に行き来がしやすい場所に、ドアも新設しました。

見えない部分だからこそ手を抜かない・既存の排水設備を活かして水回りを新設



こちらは工事前に倉庫のシャッターを開けた様子です。




シャッターの隣りには、流し台とトイレがありました。これらの排水設備を活かして、水回り設備を新たに造作します。
まず、流し台を撤去しトイレの向きを変えて交換。使い勝手の良いトイレになりました。



続いては、シャワールームの新設です。木で床が組まれている部分は脱衣室になります。脱衣室に床を貼り、その横にシャワーユニットを設置しました。

排水設備は既存のものを使いながら、給水設備は全て、新しいものに交換しました。

山口部長 実は、工事にかかる費用の中で大きなウエイトを占めるのが水回りです。目に見えない部分ですが、長く快適に住んでいただくためにはとても大切な工事です。

以前の給水管は、錆びると漏れが発生しやすい鉄管でしたが、保温材付きの架橋ポリエチレン管や銅管に交換しました。



快適リノベに不可欠な壁と内窓の断熱改修

「生活するうえで重要なポイント」として山口部長からの提案で行った工事が、断熱改修でした。



図の赤色で示したところが断熱改修工事を行った箇所です。



こちらは壁の付加断熱工事の様子です。既存の壁に木材で下地を組み、その間にグラスウール50㎜をすき間なく丁寧に充填していきます。



その上に石こうボードを貼り、さらにクロスを貼って仕上げます。



二重サッシの内窓は複層ガラスに交換しました。



取材したのはまだ雪が残る3月中旬。新設したFF式灯油ストーブをつけるとすぐ室内はポカポカに暖まり、断熱改修の効果を実感できました。

新生活に向けてDIYも楽しむ日々



2023年8月に3週間ほどの工期を経て、無事に工事が完了。SさんもDIYに初めて挑戦して床のクッションフロアやトイレの引き戸をリフォームするなど、少しずつお気に入りの空間が作られてきています。



「これからは両親をすぐそばで見守りながら、自分の時間も楽しみたいですね」とSさんは笑顔で話します。建匠との出会いで、希望どおりの居住空間を叶えたSさんの新生活がこれから始まるところです。

取材・記事 iezoom編集部


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