Column いえズーム コラム

北海道開拓の村おすすめベスト10


こんにちは!IEZOOM編集部Mです。コロナ禍でなかなかお出かけできなかった2020年ですが、紅葉が始まったくらいの週末午後、ふと北海道開拓の村に行ってみよう!ということに。受験生息子の運動不足解消と気分転換、自分のカメラの練習と住宅のお勉強も兼ねて、散策に行ってきました。


市街地群で一番最初に目にする建物「旧来正旅館」


北海道開拓の村は、明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を54.2haという広大な敷地に移築復元・再現した野外博物館です。その名の通り、開拓期の開拓小屋からレトロな明治・大正・昭和期の建物までを一挙に見ることができる歴史村です。

この記事を書いている編集Mが小学校中学年だった1983年に開園し、家族で訪れた記憶がありますが、今回うん十年ぶりに行ってみて、当初よりずっと建物やエリアが増えていることに驚きました。


市街地群の中心には馬車鉄道がひかれています


中は大きく4つのエリアに分かれているとか。午後から思い付きで出発したので入館したのは午後2時半過ぎ。閉館が4時半と聞き、案内係の人に「全部回るにはどのくらいかかりますか?」とたずねたところ、全部で3時間半はかかるとのこと。2時間で何とか見たいので、入口からぐるっと市街地群→魚村群→農村群→山村群→市街地群の順で足早に巡ることにしました。

ここから勝手に編集Mが気に入ったおすすめスポットを紹介するスタイルにしていきます。

北海道開拓の村おすすめ・その1/旧小樽新聞社


レトロな石造りの3階建て・旧小樽新聞社


一気にタイムスリップしてしまいそうなほど、雰囲気抜群だったのが旧小樽新聞社。かの石川啄木先生が赴任していた?とおもったけれど、それは小樽日報社だったらしい。新聞が最先端の情報ツールだった当時は、ある程度の都市には新聞社が多く存在していたようです。

建物は木造で札幌軟石(溶結凝灰岩)を外壁に使っています。小樽の石造りの建物には、豊富に採石できて加工もしやすい札幌軟石が多く使われていました。


活版印刷で使った小さなハンコが並ぶ棚!


ずらり一文字ずつ小さなハンコが並んだ棚を発見しました。すごーい!Mも新聞記者の端くれですが、昔は小さな文字版を文章の通りに組んで活版をつくり、インクをつけて刷る「活版印刷」が行われていました。

記者が取材して、それを職人さんが組んで、印刷して、やっと新聞が出来上がる…こうした苦労があって手元に届く新聞は、とても貴重なものだったのでしょうね。1970年代後半まで一般的に使われていた印刷方法でした。

北海道開拓の村おすすめ・その2/旧山本理髪店



持ち主が変わったものの、大正末期から昭和の最後のほうまで、北海道神宮裏参道沿いの床屋さんとして親しまれてきた建物。急傾斜の切妻屋根の洋風建築。土地の狭い街中にあったせいか、とても細長く感じます。



昔の床屋さんの様子を再現した店内。床屋さんのお仕事は、今も昔もあまり変わっていないようですね。蝋人形がちょっと怖いですが、お客さんと店主の世間話が今にも聞こえてきそうです。

北海道開拓の村おすすめ・その3/旧広瀬写真館

岩見沢にあった旧広瀬写真館。一見普通に見えるのですが、編集Mが一番「ハイカラ~!」とテンションが上がった建物でした。



2階のスタジオはこんな感じ。
「すごーい!何この斜めのガラス窓!」
『撮影には自然光を用いたため、写場は2階に設け、北側の屋根をシングルスラントと呼ばれた斜めのガラス張りとしている』のだそう。


調光は小分けにかかっているカーテンを開閉して行ったようです。初めて見る空間設計。個人的にはとっても好きです。この部屋は北側にあったそうで、「真珠の首飾り」で有名なフェルメールが用いた光も北窓採光だったなぁ…と思い出したり。アートの自然光は北採光!とインプット。



側面から見た外観。小高い丘に登って撮りました。ちなみに途中でバッテリーが切れてしまい、スマホ撮影が混じっています。当時は岩見沢で写真を撮るならココ!みたいに、気分も踊るハイカラな写真館だったのでしょうね。スタジオ以外は和室で構成されている、典型的な和洋折衷の建物でした。

北海道開拓の村おすすめ・その4/馬車鉄道



入口広場にある「旧札幌停車場」から市街地群、漁村群を抜け、農村群の「ソーケシュオマベツ駅逓所」までを、馬車鉄道が走っています。運航は40分ごとに停車場を行ったり来たり。現在はコロナ対策として1便10人までの乗車となっていて、乗車料は大人(15 歳以上) 250 円、小人(3 歳~14 歳) 100 円、2歳以下無料です。

馬車鉄道がレトロな街並みを走る様子は風情があって、立ち止まってカメラを向ける人の姿も多く見かけました。


左から時計回りに交番、菓子店、商家、雑貨店


馬車鉄道の通るメイン通りの裏手には作家有島武郎が暮らした旧有島邸などの個人宅もありました。順路に沿って進むと、市街地群に続いて農村群があります。

北海道開拓の村おすすめ・その5/旧秋山家漁家住宅



小樽の大きな網元だった旧青山家の住宅などがある中、Mが気になったのはこちらの旧秋山家漁家住宅。明治末期に秋田から移住した初代から、昭和53年(1978年)まで3代に渡って漁を営んできた一家の住まいです。建物は和風建築に洋風の棟飾り(屋根の頭頂部の飾り)が付いた「ヨツヤ」と呼ばれる寄棟造り。個人の漁家の歴史が静かに伝わってくる建物でした。


漁村群には水辺をイメージした大きな池があります


漁村群の次は農村群です。このエリアでは自然豊かな野幌ならではのおすすめポイントもご紹介します。

北海道開拓の村おすすめ・その6/旧岩間家農家住宅



明治初期に仙台藩から入植した士族移民が畑作農家となって暮らした住宅で、一般的な開拓小屋に比べると立派な造りになっています。とはいえ、屋根にはゴロンとした石を使ったりと、限られた資材で家づくりをした経緯が感じられます。


陽が傾いてきた農村。この後かわいらしい農村民と出会うことに


北海道開拓の村おすすめ・その7/エゾリスに会える!



農村群の道端に立つ大きな栗の木に、エゾリスを発見しました!
息子「ママ見て、リスいるよ」
M「わー!かわいいー!近づいたら逃げちゃうかな?」



最初カリカリと、聞きなれない物音で気づいたエゾリス。栗の実を食べる音でした。
近づいても全然逃げませんが、近くで見ると頑丈な歯がむき出しであんまり可愛くない(笑)
でもフォルムは可愛い♡自然豊かな開拓の歴史村ならでは。散策の楽しみの1つに出来そうです。

北海道開拓の村おすすめ・その8/開拓小屋



農村部の一番端に位置する開拓小屋。丸太を柱にして笹や茅(かや)で屋根や壁を葺き(ふき)、出入口や窓にはむしろを下げた簡素な住宅です。開墾小屋とも呼ばれていて、内部は笹や枯れ草を敷いて居場所と、炉を設けました。

同じ明治期の建物でも、市街地のハイカラな建物とは似ても似つかないほど粗末なものですが、道民なら祖先がこうして入植・開墾したという人も少なくないでしょう。極寒の原生林や荒れ地で小さな炉を囲んで越冬しました。ほんの3~4代前の北海道のリアルな暮らしです。

北海道開拓の村おすすめ・その9/旧小川家酪農畜舎



大正末期に建てられたもので、19世紀アメリカで流行ったバルーンフレーム(板壁そのものが建物を支える)構造が特徴の酪農畜舎。横のサイロは厚別の農家が使っていたものなのだそう。

酪農王国北海道となるまでには、こうした西洋から伝わった建築技術も大きく寄与していますよね。それにしてもこの日は合成バックのようなきれいな空が広がっていました。

山村群は、一瞬「入って失敗したかも?」と思うくらいの野趣あふれる散策路。はっきり言って山道でした。
M「閉館までに戻れるかな?」
息子「だいじょぶっしょ」



山道のような散策路には、途中、造材飯場や炭焼き小屋などがありました。やっとひらけてきたところにあったのが森林鉄道機関庫。機関車トーマスが出てきそうな佇まいです。

北海道開拓の村おすすめ・その10/旧札幌農学校寄宿舎



「Y太!里に戻れたみたいだよ!」と息子と喜ぶM。街のものらしい建物が見えてきました。



最後のおすすめはお里に戻れた喜びもあり、旧札幌農学校寄宿舎です。明治9年(1876)に今の時計台付近に開学した札幌農学校(現北大)が、現在の場所に移転した明治36年(1903)に建てられ、「恵迪寮」(けいてきりょう)と命名されました。現在も恵迪寮は北大構内にありますが、コンクリート造の近代的な建物になっています。


夕暮れが迫る中、入り口に戻りつつ散策を続けます


旧有島家住宅


入口近くに建つ旧浦河支庁庁舎


入口すぐ横に建つ旧開拓使札幌本庁舎。内部は総合案内・情報サービスコーナーになっています


北海道開拓の村エントランス前にて。息子撮影母ピース


開拓の村に建つ建造物は全部で52棟。2時間、駆け足でしたが簡潔に書かれた解説を読みながら、楽しく園内を見学することができました。

開拓小屋から始まった北海道の住宅は、今や断熱気密に優れた高性能住宅が主流になっています。現代の便利で快適な暮らしのありがたさを感じるとともに、昔の人たちの厳しくも工夫に満ちた生活に思いを巡らせた時間でした。

四季を通じて撮影スポットとしても人気のよう。今流行りの「鬼滅の刃」コスプレでの撮影には時代背景もマッチしています。休憩場所も沢山あるので、お子さん連れで自然を満喫しながら回るのもおすすめです☆

北海道開拓の村
札幌市厚別区厚別町小野幌50番1 
電話:011-898-2692
開村時間:10月1日~3月31日 午前9時~午後4時30分(入村は午後4時まで)
休村日:毎週月曜日 年末年始(12月29日~1月3日)
入場料:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下・65歳以上無料
(北海道博物館とのセットはそれぞれ、1200円、700円)
駐車場:無料

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