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辻野建設工業と旅する木がコラボした・住むほどに愛着がわく住まい


2023年春に当別町・辻野建設工業が分譲を開始した「新・当別田園住宅」は、JR札沼線廃止区間の一部を取得した造成地で、金沢地区の森林や農地、道路を有機的につなげ、持続可能な地域社会を目指したプロジェクト。その第一棟目となるのがTさんの住まいです。

設計プランやオリジナル家具など、住宅の総合プロデュースを手掛けたのは、当別に工房を構える家具工房「旅する木」。辻野建設工業が施工を担当し、コラボレートが実現しました。

今回は、Tさんご夫婦と「旅する木」代表の須田さんにお話をうかがいます。

2部屋の洋室と水回りに通じるファミリークローゼットで構成された1階



外壁にウェスタンレッドシダーのウッドシングル(細かな木板を張り合わせる手法)を使った素材感あふれる外観。長いカバードポーチは雪除けや日除けの役割も果たしています。



ドアには数か所に「旅する木」が製作したドアノブが使われています。



玄関の右手には土間続きのシューズクローゼットが。ホールを通じて2つの個室とウォークスルークローゼットが配置されています。



一部屋はご主人のテレワーク・スペースとして活用中。テラス窓から庭のデッキに出ることができます。



玄関ホールの左手には2階LDKに通じる中折れの階段が見えます。大きな引き戸収納の左手奥には、ユーティリティーと浴室が続いています。



引き出しや扉収納の付いたオリジナルの洗面化粧台。ドアや建具なども造作しています。



ユーティリティーはウォークスルークローゼットを介してホールに通じる、便利な回遊動線になっています。

「旅する木」の家具で統一された眺めの良い2階LDK



「旅する木」の家具で統一された2階LDK。ダイニングテーブルと椅子のセットはこの家が建つ前から愛用しています。



ダイニングには長尺のカウンターを設えました。暖房の温風を逃す穴は「Tさん家族」という意味のモールス信号をデザイン。須田さんの遊び心あふれる演出が光ります。



連続した正方形の吊り戸と、高級家具のような引き出し収納付きカウンターのあるキッチン。広々と、使い勝手も抜群です。



シンクとコンロを分けたⅡ型のキッチン。アイランドキッチンは、コーナーをラウンド型に仕上げた手の込んだ造りです。


写真は「旅する木」ホームページより


キッチンとダイニングの吊り戸が途中で色違いになっているのは、使っている素材が違うから。キッチン部分はチェリーを、ダイニングのカウンターテーブルとその上の吊り戸はカエデの木を使っています。



須田さんはその際(きわ)となる部分の桟(さん・カウンターを支える横木)も、2種類の木を組み合わせて作りました。「見えない所にもこだわりが感じられて、嬉しくなります」と奥さま。



薪ストーブを備えたリビング。



テラスと、雪原が眺められる大きな窓辺につくられたL字型ベンチ。ゆったりとした時間が流れます。

「旅する木」との出会いや家づくりの経緯を教えてください



Tさん 夫婦で当別に越してきて、賃貸住まいをしていた頃に、一生ものの家具が欲しくて、「旅する木」のダイニングテーブルと椅子をオーダーしたのが須田さんとの出会いでした。

その後、「旅木会(たびもくかい)」という、「旅する木」で家具をオーダーした方たちが須田さんを囲む食事会に参加するようになり、家具だけでなく住宅設計をトータルでお願いできないかと須田さんに相談したんです。

ちょうどその頃、辻野建設工業さんの新・田園住宅を知り、町の喧騒から離れた環境の良さと、300坪という広い土地が求めやすい価格で手に入ることから、設計を須田さんに、分譲地の購入先と、施工を辻野建設工業さんにお願いすることにしました。



「旅する木」代表:須田さん 家具を製作する中で、建築も含めた「暮らしの提案をしたい」という想いが強くなり、二級建築士の資格を取得しています。今回は辻野建設工業さんの経験豊富な施工力をお借りして、思い描いた住まいを形にすることができました。


「旅する木」ホームページより


外壁のイメージを共有するためのツアーに出かけたり、真夏の現場でキハダのフロア貼りをTさんと一緒にしたり。曲線を描いたベンチや、4隅がRのキッチン造作は大変でしたが、とても喜んでいただき、苦労が報われました。デザインはほぼ任せてもらえたので、遊びのある提案を随所に散りばめています。


さまざまな色味があり表情豊かなキハダは、バランスよく貼り分けるのに苦労したそう


実際の住み心地はいかがですか?



Tさん 2階のLDKは、窓の向こうに広がる景色、内装の統一感など、家の中を見渡した時に納得感があり、満たされた気持ちになります。以前のアパートでは頭にある事柄に急かされる感覚がありましたが、この家に来てからは、見ているものに意識を向けて、落ち着いた心で過ごせるようになりました。



奥さま 主人が物置の整理など、空間を有効活用するためのイレギュラーな家事をしてくれる時間が増えたことが嬉しいです。「家が好きだから、家の事がしたくなる」。このサイクルがとても良いと思っています。2人の娘たちにもそうなってほしいと願っています。


階段壁を利用した本棚


家の完成まで、ほとんどの工程を共有してきたTさんと須田さん。Tさんが感じる納得感は、一緒に家をつくったという充足感も大きく影響していると感じました。「旅する木」の家づくり、そして辻野建設工業の新・田園住宅のこれからに、目が離せません。



「旅する木」公式サイトはこちら



新・当別田園住宅の詳細はこちら

写真:スタジオスーパーフライ 大道貴司
記事:iezoom編集部 松下綾


2023年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

辻野建設工業株式会社の取材記事