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馬を飼うため札幌近郊に移住!かわいい薪ストーブの家 当別町・Kさん/辻野建設工業

馬を飼うため本州から北海道に移住!そんな夢をかなえたKさんの家づくりと、当別での暮らしについて取材しました。

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「マイホームで馬を飼いたい!」その一念で北海道への移住を決意したKさんファミリー。Kさんはフリーランスの仕事をしているので、住む場所も融通が利きます。本州から札幌近郊に住みたいと、まずは札幌市内に一軒家を借り、車で走り回っては馬と一緒に住めそうなエリアを探す日々。

あるとき、運転中に目に飛び込んできたのが、辻野建設工業が時間をかけてじっくり進めてきたプロジェクト「当別田園住宅」の看板でした。「これだ!」とお二人はさっそく会社を訪問。山小屋風の家に薪ストーブ1台、そしてもちろん可愛いポニーと一緒に暮らすという、Kさんファミリーの夢がかなえられました。

馬と共存する、岩手の曲り家のような住まいに

P1236408_ccrr_s.jpg マツ材の外壁に三角屋根、薪ストーブの煙突が青空に映えるK様邸。取材当日は、周りは見渡す限りの雪原。札幌中心部から車で1時間圏内にあるとはとても思えない立地です。 1280px-Tono-furusato-mura23s3872.jpg岩手県の曲り家(ウィキペディアより)  

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北海道の前は岩手県に住んでいたKさん。岩手の伝統建築、母屋と馬屋がつながった"曲り家"のようにしたいと、今は馬房を建築中です。基礎や構造体の工事は辻野建設工業さん、内部の造作などはKさんが自力で造っているのだとか。

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敷地内には、前の持ち主が使っていた建物もそのまま残っています。前には、ご近所から伐採した木をもらって割った薪もたっぷりと蓄えています。

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Kさんご夫妻の希望で、パドックが見えるリビングには大開口の窓を設けました。「起きても、すぐにはカーテンを開けないようにしているんですよ」と奥さま。「馬に「『来るかな、来るかな、』と期待させちゃうから」。まずは家の掃除をしてから、ストーブで夜に凍りついた水桶の水を溶かして、飼い葉(牛馬に与える干し草や藁)といっしょにパドックへ運びます。

大きな窓から愛馬を眺め、ストーブの薪がはぜる音を楽しむ暮らし

P1100243_ccr_s.jpg カーテンを開けたら、すぐそこに馬がいる生活。「グリコって名前なんです。もうすぐ3歳、人懐っこくておとなしいですよ」。取材中も、愛嬌のある目でこちらをじっと見つめていました。「いつでも馬を眺められるように、寝ている時以外は、冬でもカーテンを開けています」

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K様邸のリビングで暖房に活躍しているのは、石村工業(株)(岩手県釜石市)のペレット・薪兼用ストーブ「クラフトマン」。電気を使わずにペレットと薪の両方が燃料として使える優れもの。

春や秋の少し冷える季節はお手軽なペレットストーブとして、本格的な寒さの冬には、薪ストーブとして使っています。「暖房はこのストーブ1台で十分です」とKさん。

外壁はW断熱方式で寒さ厳しい当別でも十分な断熱性を確保しています。さらにサーキュレーターを2階に設置して、暖かい空気が下にも回るようにしています。

「岩手で暮らしていたころは、台所に置いたコップが凍りついて取れないなんてこともありました。いまは暖かくて幸せですよ」と笑う奥さま。寝るときはストーブをそのままにしているので、薪がなくなってくると熾火(おきび)になり、朝には消えていますが、ストーブの煙突がある付近に設けた寝室は朝でも21度をキープ。最低気温が氷点下20度になろうかという厳寒時でも18度以上あるといいます。

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クラフトマンから発生した熱は、クラフトマンの「口」にあたる部分に置かれた小さなサーキュレーター「エコファン」で室内に幅広く回します。昔のロボットのような、愛きょうのある表情もKさんたちのお気に入りです。

「着火や燃焼に電気が必要ないので、停電時なども安心ですね」と話すKさん、ストーブの前に座って、薪を調整しながらくつろぐ時間を楽しんでいます。「カンカンって、火がはぜる音がするんですよ。それもいいんですよね」

「食べますか?」奥さまが薪の中からアルミ箔に包まれた焼きイモを出してくれました。これも薪ストーブならではの醍醐味!

すぐ近くに牛飼いの農家さんが。辻野建設工業が探してくれたベストの土地

P1100146_ccrr_s.jpg 飼い馬のグリコをこよなく愛するKさんファミリーですが、馬に親しむようになったのは、ご夫妻が本州住まいのころ、乗馬クラブに通っていたのがきっかけでした。

あるとき、脚を痛めたサラブレットをご夫妻が引き取ることになり、競走馬育成牧場に預けて足しげく通っていたのだとか。そのうちにマイホームで馬を飼うことが二人の念願となり、北海道への移住を決めたといいます。

当別田園住宅の広告看板を見て、飛び込んできたKさんご夫妻に、馬を飼える条件の良い土地をと奔走したのは、辻野建設工業の担当、中野さんでした。「これ以上はない好条件でした」とKさんが話す現在の土地は、牛や馬を飼っているIさんの敷地内。Iさんは「馬を飼うなら、なんでも教えてやるから!」と心強い言葉をかけてくれたそうで、いまも飼い葉を分けてもらったり、お子さんたちがおうちに遊びに行ったりもしているとか。

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「家づくりの打ち合わせ?100万回はやりましたよ!」そう言って、ニヤリとする奥さま。辻野建設工業に決めた理由については、「ホームページを見て、当別田園住宅のコンセプトや勉強会の様子、会社の考え方に魅力を感じました。実際に行って話してみても"私たちが求めている方向性を理解してもらえるな"と思ったんです」。

設計を担当した可香さんも、「たくさんのお話をするなかで、K様ご夫妻の望むニュアンスをくみ取りながら、プランに具体化していきました」と話します。

木の質感たっぷりの山小屋風、上階は廊下まで本棚がズラリ!

P1236519_ccr_s.jpg マイホームは山小屋風を希望したK様ご夫妻、リビングの床はナラ材、天井は針葉樹合板を現しにしています。オープン階段は、やんちゃなお年頃のお子さんたちが危なくないように、踏み板の間隔を計算して設置しました。

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キッチンカウンターのキュートなタイルは、奥さまが購入したものです。「まな板などの大きな調理器具を置く場所を決めて、このタイルがいつも見える位置にはめ込んでもらったんです。こういった細かいところまで、やってくれるのがうれしかったですね」

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1階は、書斎から廊下までズラリと並んだ本棚が圧巻です。「前に住んでいた家では、本だけでひと部屋がつぶれてしまっていた」というKさん。新居では、もともと持っていた棚と、新しく造作した棚を組み合わせました。

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2人の子ども部屋は、後から区切ったり、ロフトを付けたりできるように可変性を持たせました。ほかにも、大きな吊り押し入れがある収納を兼ねた客間があったりと、K様邸は空間を有効に使っています。

自然のなかだからこそ楽しみが広がる、心豊かな暮らし

P1236538_ccr_s.jpg 「これまで山の見えるところに住んできたので、最初はちょっとこの景色に慣れませんでした」と言う奥さま。「でも、夏は畑のみどり、冬は雪景色がいちめんに見渡せるんです。お日さまも昇るところから沈むまでを眺めていられる。北海道らしくて素敵だなあって思うんですよ」。家のカーテンを開けているのも「馬だけでなく、この景色を見ていたいんですよね」と話してくれました。

お子さんたちの遊び方も、ここに住んでから変わったそうです。「前は、家の前だと危ないので公園に連れていきましたが、いまは子どもたちが勝手に家の周りで雪すべりをしたり、落ちている物で何かを作ったりしています」。最近は、木の枝で魔法ごっこをしているそうで「本当に魔法が使えるんじゃないかって、思ってるみたいですよ」。

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「そのうち、子どもを馬に乗せられるようにしたいね」と話すKさんご夫妻。お仕事のないときは趣味でも?とお聞きすると、

「特に趣味はないですね。子どもと家のこと、それと馬のことで毎日がいっぱいですから」。例えば、倉庫前にある翌日分の薪を、どんなに寒くても毎日家に運んできて......など、K様邸では生活に必要な作業がたくさんあります。「でも、それが億劫だなんて思ったことはないですね。むしろ、楽しいんですよ」。念願の馬と薪ストーブの暮らしを手に入れたお二人は、ごく自然にそう答えてくれました。

記者の目

P1100224_ccr_s.jpg 札幌近郊のまちで、馬を飼う生活。驚きとともに、憧れも感じる取材でした。近くに馬農家がいるという絶好の土地を見つけることができたのは、「当別田園住宅 つじのムラ・プロジェクト」を20年続けてきた、辻野建設工業さんならでは可能だったのかもしれません。

また、屋根の向きは「積もった雪で、家から馬が見えなくならないこと」を優先して決めています。オーナーさんが何を希望し、優先したいのか。そのうえでとことん話し合い、造られた家こそが、住んでからの満足度につながるのだなと思いました。

グリコは、取材に同席していた辻野社長とも仲良しでした。
(ちなみに、辻野社長はヤギを飼っています)

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北海道に移住し家を建てた人の体験談まとめ12



 


2019年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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