社長の経験、指向、得意分野などが大きくその住宅会社の特性に影響するのが地場工務店です。
営業マン出身の工務店社長
建築家出身の工務店社長
大工さん出身の工務店社長
現場監督出身の工務店社長
など、何を経験してきたかによって、建てる家の傾向も変わってきます。
皆さんは、家づくりで何を重視しますか?
デザイン重視なら建築家出身、
性能、造作、自然素材重視なら大工出身、
など、重視するポイントを踏まえ、相性の良い工務店を探すというのも良い考えだと思います。
今回は「大工」社長の工務店をご紹介し、その魅力に迫ります。
大工社長が技能者集団を養成。住宅性能と造作が人気の工務店に 丸三ホクシン建設
石狩・札幌の工務店「丸三ホクシン建設」は、約20名の社員大工が揃う、札幌圏有数の技能者集団です。大工不足、高齢化が進む現代で、ホクシン建設の現場は、若手・中堅大工が中心となって断熱気密施工、造作などで腕を発揮。同業者からも驚きの目で見られています。
ホクシン建設に家づくりを依頼する建て主の多くが「自慢の大工」のページを見て、人材の充実ぶり、施工力に注目します。省エネと耐震のページにあるように全棟気密測定を実施、そして1棟が完成するたびに、担当した棟梁と大工が、社員大工、設計者を前に、施工の工夫、成果などを発表することで、切磋琢磨する環境も生み出しています。また、力量を認められた大工は、棟梁、帳場、そして管理職へのキャリアアップも果たしています。
また、このページを見て、大工を志す若者、そしてそのご両親がホクシン建設の社員大工への応募を希望しています。営業、宣伝などには力を入れていない工務店ですが、「大工」という人材力に特化した工務店といえると思います。
2代目の首藤一弘社長は、20代のころ現場で大工見習を開始し、「道央建築高等職業訓練校」「日本建築大工技能士会 札幌支部」でも住宅建築を学び、大工のスキル・知識を習得。15年間大工として働き、その後同社社長に就任。2級建築士の資格も取り、職業訓練校の講師を勤めました。また、大工を社員雇用し、墨付け、刻み、断熱気密、造作などの技術を先輩大工が後輩に丁寧に教える仕組みを構築。大工の資格取得、収入確保なども積極的に取り組みました。パネルやユニット、既製品で組み立てる家づくりと違って、顧客の細かな要望にも応えられる家づくりになり、同時に大工の腕も発揮しやすく、面白い仕事になります。年々社員大工が増えててくるとその評判で住宅受注も増え、今では途切れることなく仕事がある人気工務店に成長しました。詳しくはこちら
建て主の声 札幌市Hさま
そもそも私の家へのイメージを理解してくれる住宅会社さんは少なかった。その点兼田さんはちゃんと理解して丁寧にカタチにしてくれた。建築中の現場も何度も見に行って、大工さんたちとの交流も楽しかった。期待通りの良い家ができて本当に良かった
建て主の要望に徹底して寄り添う大工出身社長 帯広・株式会社石井建設
家づくりを現場で行っているのは、大工や専門の技能者です。現場監督や設計者がいくら目を光らせても大工の手抜きはなかなか防げない。しかし大工出身の石井社長の場合、腕の良い、そして手抜きをしない大工を見極めることができ、現場に投入できます。
また建て主が、造作や間取り、インテリアなどで難しい要望をされた時でも、細かい収まりなどを検討し、その対応ができるような具体策を見つけて、大工に指示ができる。工事がかなり進んだ段階でも、建て主からの変更の相談を臨機応変に受け入れられます。石井建設の家づくりはこちら
建て主の声 帯広市F様
「細部までイメージどおりの仕上がりに本当に満足しています。工事中も「この部分の木の太さはこれでいいですか?」などとひとつひとつこちらのこだわりと擦り合わせてくれたので、思い通りではなかったという部分がないんです。先程「親身になってくれた」とお話しましたが、それは契約前も、工事中も、住み始めた後も変わりません。何かあったらすぐに話せるし、声をかけてくれる。そんな関係もとても嬉しいですね」
建て主の声 大樹町 E様
石井社長が設計、施工、コスト、メンテナンスのことなど、相談したいと思っていたことになんでもその場で答えてくれたり、間取りや、収納など、いろいろな要望に対しても熱心に、丁寧に応じてくれました。また、昨今ではプレカットによる施工が多い中、石井さんは良質な木材を自身の目で選び抜き、自前の加工場で材料を制作していると伺ったので、家づくりに対するこだわりも知ることが出来ました。社長であり設計者であり、大工でもある石井さんの経験と人柄の良さで決めました」
高断熱高気密の自由設計 地域密着な対応力で口コミが絶えない工務店 秋田県大仙市 村上工務店
秋田県大仙市の村上工務店で家を建てた人の中には、
設計事務所の建築士
市町村役場の建築部門の職員
建築会社・建設団体の会社員
建材店の従業員
大工、専門工事の職人など、
住宅・建築業界で働き、いろんな住宅会社と仕事上の付き合いがある、いわゆるプロの人たちが多いという特長があります。取材を重ねる中で分かったのは、村上工務店の魅力は、村上満社長の「丁寧な仕事」がプロからも、顧客からも高く評価されているという点です。元大工出身の村上満社長は、創業社長の下で働きながら、建築士の資格で最も難しい一級建築士、そして宅建の資格も取得。平成12年に、住宅の高気密・高断熱化を図るため自宅建設での新技術の導入を図り、住宅性能向上にも積極的に取り組んできました。
また、社長の人柄なのか、大工工事では効率よりも丁寧な仕事を重視し決して手を抜かないこと、そして大工や職人、建材店などとの丁寧な対応・連携が同業者に一目置かれています。そして間取りやデザインなど、顧客の要望に対しては打合せやプラン提案でも十分に時間を掛けて取り組むといった、丁寧、実直な仕事ぶりに特長があります。これまで数百人の工務店社長を見てきた北海道住宅新聞社から見ても、村上工務店・村上満社長の「技術・知識・人柄・仕事への姿勢」が同業者や顧客から高く評価されるのは納得。特筆できる才能だと思います。詳しくはこちら
大工経験15年の大工社長が取り組む「顔の見える住宅施工」 旭川市・株式会社アーケン
旭川の住宅会社 株式会社アーケン、藤原立人社長の思い
私は15年間の大工経験がある元大工です。大手ハウスメーカーの現場では、大工はお客様にお会いすることが一度もないまま、家を建てるということが珍しくありませんでした。現代は、地名度の高いハウスメーカーは住宅を受注し、下請け工務店が施工し、実際の工事は、現場監督の指示に従って、外注の大工、職人が分業で家を建てるケースが大半なのです。
そのことによって、家作りは、作業の効率化が進みましたが、大工や職人にとっては、この家は、どのようなお客様が何を望んで建てようとされているのか、全く知らないまま、知らず知らずのうちに、雇用主である住宅会社の指示に従い、住宅会社のために家を建てることを重視する、そんな意識の中での住宅施工になってきました。
作業の効率化を求められる中で、大工が強く意識するのは、少しでも効率良く、早く現場を終わらせ、次の住宅建設現場に向かうことです。現代は、ハウスメーカーが住宅を受注し、下請けの工務店が施工し、現場では工事の種類に応じた分業制が敷かれるようになって、効率化は進んだかもしれませんが、いつしか、現場で家を建てている職人たちが、お客様の思いを知らずに家を建てる、そんな時代になってきました。
お客様が施工中の現場を見学にこられても、大工や職人は、お客様とは気付かなかったりします。積極的に、お客様に施工状況の説明をしたりする状況にならなかったり、逆にお客様から、「ここに棚を追加できますか?」といった何か具体的な要望を聞いてしまっても、下請けの大工だったりすると、その住宅会社を代表して、責任もって「できます」とも言えませんし、提案などもしにくい立場なので、難しい面もあるのです。その住宅会社とお客様との打合せ内容も知りませんし...。
そもそも、大工・職人の多くは、もの作りが好きだったり、自分が作ったもので誰かが喜んでくれたら嬉しい、そんな思いを心の中に持っている人が多いんです。与えられた作業分担を機械的にこなすだけでは、なかなかその思いは満たされません。そこで私は、2014年にアーケンという住宅会社を起業し、「顔の見せる施工」にチャレンジしました。
アーケンでは、家の着工前に、その家の設計と施工に関わる関係者とお施主様が交流できるお食事会を企画しています。大工・職人の側も、このお施主様のために家を作るのだと分かり、直接お施主様のマイホームに対する思いも聞かせていただくので、職人としてのプロ意識、責任感、そして期待に応えたいという思いがわき上がります。
するとプロとしての誇りを感じ、手抜きはできなくなります。家の竣功引き渡し後も快適に過ごしていただけるか、気になってきます。自分が建てた家への愛着、お施主様との絆が生まれます。工事現場の清掃やマナーなども、お客様が、入居後に快適に近隣関係を構築できるように、できるだけ丁寧に、という思いも生まれます。メンテナンスやリフォームなど、何十年に渡って、その家との関わりが生まれます。
良い家をお施主様のために心を込めて作る、という原点、初心を忘れないことが大事だと思っています。そしてお施主様にも家づくりを楽しんでいただけるように、その意味も込めて着工前の食事会を開催しています。
アーケンの代表取締役、藤原立人は、15年間の大工経験があります。現場ではどこに施工ミスが生じやすいか、手抜きが発生しやすいか身をもって知っています。また、2級建築士の資格を取得、大手ハウスメーカーで設計、営業、現場監督も経験しており、住宅性能や施工の精度を確保する意味で、職人の目線、設計者の目線、現場監督の目線でしっかり現場をコントロールできます。詳しくはこちら
腕の良い大工4名と高断熱住宅、リフォームなど大工工事全般を得意とする工務店 瀧本ホーム
瀧本ホームは1999年に瀧本社長が4人の大工と一緒に立ち上げた(有)トレーダーが前身の札幌の工務店。創立以来、新築はもちろん、小さな修繕工事や断熱改修などを含む大工工事全般、リフォームやリノベーション、ユニバーサルデザイン住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー)住宅などを手がける、豊富な施工実績があります。
モットーは「できない」を言わないこと
大工出身の瀧本社長はこれまでに、現場管理を覚え、2級建築士の資格を取得、断熱気密の技術を学び、4人の大工と共にコンクリート建築にも進出し、どれも会社の確かな技術力として蓄積してきました。「できない」をつくらない姿勢は、小さな改修工事から、リフォームや新築工事まで、仕事の大小に関わらず反映されており、そうした評判がオーナーからオーナーへと広がり、施工依頼は口コミでの紹介が中心となっている「顔の見える」会社です。詳しくはこちら
大工さんが施主の要望で鍛えられ成長した「大工さんの会社」 下川町 キタクラフト
東京生まれの加藤滋さんが北海道に憧れ、南富良野町でログハウスビルダーとして働き始め、建築に興味が膨らみ、札幌の工務店と職業訓練校で家づくりを学び、ハウスメーカーの家を50棟以上施工。自然豊かな下川町に移住し、工務店に入社。そこでは分業制ではなく基礎、足場など大工以外の仕事の経験も積みました。
建て主の要望を自ら丁寧に伺い、大工の腕で実現させていきたいと思い2001年にキタ・クラフトを創業。依頼、建て主の要望でオーダーキッチン、薪ストーブ、地場産材の活用、断熱リフォーム、パッシブ換気の導入など、さまざまな挑戦を行ってきました。現在では、道北の気候風土、そして農業や漁業者の要望を踏まえた家づくりなどでも高い評価を受けています。詳しくはこちら
建て主の声 美深町Kさま
朝起きたときも20℃を超えていて常に暖かい。薪ストーブだけでも十分暖かく灯油ストーブは少ししか使わないですね。間取りや造作なども打合せを重ねて納得の家づくりなので愛着を感じます。
建て主の声 士別市Sさま
旭川の住宅展示場を見学しましたが、ハウスメーカーの家は、どれを見てもあまり興味が持てなかったというか、普通の家だなと思ってしまったんです。ありきたりの家には住みたくないなという気持ちが強くなりました。その後見学した、キタクラフトさんのオープンハウスを見た段階で、キタクラフトさんに依頼すれば良い家が実現するだろうと思っていたし、2回目の打ち合わせの際にはすでにプランも見せてくれて、あとは細かな好み、要望などを伝えていくと願い通りにいろいろ実現してくれました。暖かいし木の感触もとても気に入っています。キッチンも使いやすくてうれしいです。
大工の腕で、高断熱・造作・アフターメンテなどに丁寧に対応 青森県平川市 小野住建
青森出身の小野照文さんは、神社や和室などの大工仕事を得意とする師匠の元で大工見習をはじめ、20歳の頃に、初めての棟梁として父の家を建設。冬場は首都圏に出稼ぎに行き、ハウスメーカーの家づくりを担当。設計、施工の両面で力を付け地元で工務店を起業しました。
その後、新住協で高断熱高気密の技術を学び、無垢材や自然素材を使った家づくりや造作、そしてハウスメーカー時代に学んだ最新のデザインや住宅設備・仕様なども取り入れ、大工育成も強化。暖かく省エネ、アフターメンテナンスもしっかりしている地域密着の工務店として成長しています。現在は一級建築士の息子・小野裕之さんが後継者として設計・見積・工程管理を担当し、ますます人気が高まっている工務店です。詳しくはこちら
建て主の声 青森市Hさま
知人から小野住建さんの評判を聞いて、小野社長に、今まで建てた家を見学させてほしいと相談しました。夫婦で小野住建さんのОB建て主さんの家を見せていただいたきました。10軒以上見学して、建て主さんたちが「家がしっかりしている」、「気密断熱がしっかりしていて冬も快適に暖かく過ごせる」と皆さん言っていたので、それがとても参考になりました。冬は、どの部屋にいても暖かいというのが一番うれしいですね。むしろ驚いたのは夏の涼しさです。青森でも夏は暑い日がありますが、外から帰ってきて家に入ると、家の中は冷房もないのに涼しいんです。暑くないっていうのがいつも嬉しいと感じます。やはり断熱気密の性能が高いというのは素晴らしいと感じます。
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